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Fr. 24. Nov. 2017

ドイツ歯科事情

ドイツの歯科治療の話になると、「すぐに歯を抜こうとするから行きたくない」「ドイツ人の大きな手で歯を治療されるのは嫌だ」「全身麻酔をすることもあるから怖い」と、事実かどうかは別として、ネガティブなイメージが先行しがちです。しかし、日独どちらも世界に誇る先進国。医療の基本は同じはずなのに、なぜこんなにも認識に差があるのでしょう。当コラムでは、実際の日本とドイツの歯科治療の違いや、国民性や社会的背景も踏まえてお伝えいたします。

歯科医師 宮川順充
1971年札幌生まれ。95年歯科医師資格、2003~07年オーストリア・ドナウ大学院大学の講師およびルドルフィナーハウス病院内歯科医院(ウィーン)勤務。08年歯科医療技術インスティテュート IDEA(カリフォルニア)顎機能矯正学部門講師。09~13年ランドハウス歯科医院勤務。14年より同院の経営パートナー。 www.landhausstrasse.com

世界の歯科医療市場について

「一度欠けたり抜けた歯は元に戻らない」。皆さんもご存じのとおり、これは歯科における病気の特徴の一つです。歯科医療は「失った歯や歯周組織を人工物に置き換える(作る)」ことが治療内容の大部分を占めるため、一般的な医科診療所(内科や家庭医など)に比べると、歯科診療所には非常に多くの機器や材料が必要になるのです。

歯科診療所の機器と聞いて、おそらく多くの方が最初に思い浮かべるのは、「診療用チェアー」「歯を削る機械」「詰め物の材料」といったところでしょう。

しかし実際には、小規模な歯科診療所でも約300種類の機材や材料が必要になり、技工所も抱える診療所ではその数が500種類を超えることも。私が勤める診療所はスタッフが約35 名の中規模診療所ですが、消耗品だけでも150種類以上の材料が必要で、その管理だけを仕事とする従業員がいるほどです。これだけ多くの機材や材料が必要な歯科医療ですが、それらの進化はまさに日進月歩。

20年前まで、歯科医療機器業界をリードしていたのは先進国が中心で、その技術を使用して治療を行うことができたのも経済的に恵まれた国だけでした。しかし現在では多くの歯科器材や治療技術の情報が世界中に拡散し、医療レベルの差はあれど、多くの国や地域で現代的な歯科治療が行われるようになってきました。

現在、世界の歯科医療市場は3兆円から5兆円とも言われていますが、昨今では中国やインドなどの大国、そして発展途上国でも歯科医療が急速に発達しているため全体的な規模は年々増大しています。

そんな世界中の歯科業界が一斉に集まる大規模な展示会「国際デンタルショー」が、実は2年に一度「ケルンメッセ」で開催されています。今年3月に開催された国際デンタルショーの参加企業は59カ国から2305社、5日間の開催期間中に157カ国から15万人以上が来場し、そしてなんと展示会面積は東京ドームグラウンドの12倍! というとてつもない広さ。今年の国際デンタルショーには私も二日間ほど参加してきましたが、その巨大な規模には驚かされました(あまりの広さに3回ほど迷子に)。

歯科医療会社のブース
シーメンスの関連企業でドイツ最大の歯科医療会社のブース

展示内容は歯科医療器具・設備、歯科技工機具、歯科材料、インプラント、歯科衛生機具・材料、消毒殺菌剤など多岐にわたり、歯科医療に関連する最新の情報を全て見ることができるため、歯科医療従事者だけでなく、企業がライバル社の動向を探る場にもなっています。

今回特に驚いたのは、10年くらい前まで欧米企業の独壇場だったレントゲンやチェアーなどの大型機器市場が、現在では低価格をセールスポイントに韓国や中国の企業が積極的に世界中に売り込みに来ていることです。また、クオリティーもその価格に対して十分納得できるもので、多くの訪問者が興味を持って見学していました。

歯科医師にとってもより質の高い治療を行うために、歯科医療機器業界の動向には常に敏感になる必要がありますが、あまりの情報量に圧倒された二日間でした。

女性
爽やかな笑顔で来訪客説明に接する女性

 
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