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海外旅行時の歯のトラブルについて

海外旅行時の歯のトラブルについて

ドイツの学校では学年末の試験もすべて終了し、子どもから大人まで待ちに待った夏休みシーズンの到来です。診療所に来院する患者さんも、「今年はギリシャの海の前のホテルで過ごす」「タイとベトナムに旅行に行く」「庭を自分で大改造する予定」など、夏休みの予定を楽しそうに話しています。

さて、ドイツに住む日本人も夏休みや長期休暇に海外で過ごす(または一時帰国する)人が多いと思いますが、やはり海外滞在中の心配の種は予想外のケガや病気。海外旅行に行く際に保険に加入していても、病気にかかってしまえばせっかくの楽しい旅行も台無しになってしまいます。そして旅行中に起こりがちな病気のなかで、意外と多いのが口内のトラブル。軽い風邪や小さなケガであれば常備薬を服用したり、少し休めばそれなりに回復することもあります。しかし、口腔内はとても敏感な器官であるため、少しの痛みや違和感でもかなり気になってしまいます。特に強い疼痛(とうつう)に襲われたら、もうパニックになり旅行どころではありません。そこまで強い痛みが起こるときには、大抵の場合は以前から違和感があったり、問題を放置していたことが原因であることがほとんどです。もちろん旅行前に治療しておくことがベストですが、もし旅行中に痛みが起こってしまった場合には、どのように対処したら良いのでしょうか。

これからご紹介する方法はあくまでも臨時的処置(その場しのぎ)の方法ですが、場合によっては症状が軽減することもあります。

口内炎……小さな口内炎であれば我慢できますが、ある程度の大きさになると激痛でせっかくのおいしい食事も楽しむことができなくなります。そんなときには、「イソジン®」が効果的。イソジン®の主成分はポビドンヨードという殺菌・消毒作用のある薬品で、このイソジン®の原液を薄めずに綿棒に浸けて口内炎部分を軽く擦ります。最初の10秒くらいは涙が出るほど染みるかもしれませんが、その痛みも次第に引いて翌日には顔をしかめなくても食事ができるくらいに回復することがほとんどです。その後も定期的(1日4~5回)に薄めたイソジン®で口腔内の消毒をすると効果が長持ちします。

虫歯……見た目から明らかに穴が開いていると分かる虫歯の場合は、「正露丸」が使えます。正露丸にはクレオソートいう非常に強い殺菌・鎮痛効果のある成分が含まれ、これが虫歯菌に作用して痛みを和らげます。使用方法はまず歯ブラシで歯の表面を掃除して、ある程度汚れを落とした後、正露丸を指で虫歯の穴に刷り込むだけです(現在一般的に市販されてる正露丸は糖衣錠なので、臭いは強いですが中身だけを使用します)。

親知らず……親知らずが痛む原因は、大抵の場合細菌感染による歯茎の炎症です。口の中を水で薄めたイソジン®でうがいをした後、口内炎と同様にイソジン®の原液を綿棒や歯ブラシの毛先に浸けて患部に塗布。塗る際には、擦らずに薬液を浸み込ませるようにします。

そのほかの痛み……具体的に痛む場所は分からなくとも歯に激痛を感じるときには、歯の神経の細菌感染が疑われます。このようなケースは、ドイツの薬局で一般的に購入できる「イブプロフェン(Ibuprofen)」を服用します。

今回紹介した応急処置は、旅行中や周りに医療機関がないときなど、「万が一」の際に試してみてくだい。

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最終更新 Freitag, 19 Juli 2019 11:39  
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