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矯正歯科クリニック 日本語通訳で安心!Dr Vali-Pursche
Mi. 20. Sep. 2017

ドイツ歯科事情

ドイツの歯科治療の話になると、「すぐに歯を抜こうとするから行きたくない」「ドイツ人の大きな手で歯を治療されるのは嫌だ」「全身麻酔をすることもあるから怖い」と、事実かどうかは別として、ネガティブなイメージが先行しがちです。しかし、日独どちらも世界に誇る先進国。医療の基本は同じはずなのに、なぜこんなにも認識に差があるのでしょう。当コラムでは、実際の日本とドイツの歯科治療の違いや、国民性や社会的背景も踏まえてお伝えいたします。

歯科医師 宮川順充
1971年札幌生まれ。95年歯科医師資格、2003~07年オーストリア・ドナウ大学院大学の講師およびルドルフィナーハウス病院内歯科医院(ウィーン)勤務。08年歯科医療技術インスティテュート IDEA(カリフォルニア)顎機能矯正学部門講師。09~13年ランドハウス歯科医院勤務。14年より同院の経営パートナー。 www.landhausstrasse.com

乳歯が抜けたらどうする!?

日本では子供の乳歯が抜けると「下の歯は屋根の上に、上の歯は縁の下に投げる」習慣が古くからありますが、これは次の永久歯がしっかり生えるようにとの願いが込められた伝統です。興味深いことに、この乳歯を投げる習慣は日本独特なものではなく、中国や韓国、タイ、カンボジアなどのアジア諸国でも広く見られます。ところが現代の日本では、都心部で特に集合住宅が一般的になり、また戸建も西洋風のデザインが増え、歯を投げようにも肝心の「屋根」と「縁側」がないということも。

一方、ドイツでは抜けた乳歯(Mil chzahn) を枕の下に入れておくと、小さな歯の妖精(Zahnfee)がこっそり歯をもらいに来て、コイン(50セント~1ユーロ)や小さなプレゼントに交換してくれるという言い伝えがあります。この風習はドイツだけでなく、米国や欧州の多くの国にありますが、スペイン語圏諸国(スペイン、アルゼンチン、メキシコ等)では妖精ではなくネズミがお金に換えてくれるそうです。

乳歯用の小箱
ドイツで売られている乳歯用の小箱(Milchzahn Dose)

乳歯が抜けた後の習慣は世界中にあり、内容に差はあれ、永久歯が健やかに生えてくることを願ったもの。乳歯の生え変わりが、身体の成長とともに順当に始まると良いのですが、本来抜けるべきではない時期に抜けてしまう(早期脱落)こともあります。(一般的に乳歯が抜ける時期は、前歯は6~7歳、臼歯部では9~11歳)。

その早期脱落の原因でダントツ一位なのは「虫歯」。乳歯は構造的に弱いため虫歯になりやすく、一度虫歯が発生すると永久歯の何倍もの速さで進行します。さらに乳歯の虫歯は自覚症状(違和感や痛み)が少ないことが特徴で、気付いたときにはすでに神経まで細菌感染が進んでいるケースが多く見られます。

また増殖した細菌が歯根の先から飛び出して、炎症が骨まで波及し、膿となって歯茎から出てくることも。「乳歯の歯茎が腫れて赤くなってきた」という場合には、ほぼ間違いなくこの細菌感染が骨まで進行している状態です。そこまで症状が進んだ場合には、次に生えてくる永久歯にも細菌感染の恐れがあるため、抜歯せざるを得なくなる可能性が高くなります。前歯の場合には、永久歯が6~7歳と早めに生え始めることもあり、抜歯後に処置することはほとんどありません。しかし奥歯の乳歯を抜歯後、数年間次の永久歯が生える見込みがない場合には、隣の歯が寄ってしまい、本来永久歯が生える隙間を閉ざしてしまうことがあります。その際には「保隙(ほげき)装置」という、永久歯の生える場所を確保する簡単な器具が必要になります。

乳歯が早期脱落してしまう虫歯以外の要因として「事故」が挙げられ、年齢的には動きが活発になる3歳以降に見られます。多くの場合、転倒して床や机の角に歯をぶつけたり、友達と遊んでいるときに、ほかの子供の頭にぶつかったりして起こるため、そのほとんどが前歯の脱落です。

万が一、事故で歯が抜けた場合には、その歯を生理食塩水(コンタクトレンズの保存液等) や牛乳に入れて、30分以内に歯科医院で処置できれば、歯としての機能が再生する可能性もあります。しかし歯の汚れを取ろうとして水道水で洗ったり、普通の水の中に入れたりしてしまうと、歯の根を全体的に覆う細胞が死んでしまうため、再生が不可能になるので注意が必要です。

歯

 
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