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“あわあわ”のフレンチ初体験 2010年03月10日

ドイツ編集部

わたくし、生まれてこの方、俗に言う“フランス料理”というものを食べたことがございませんでした。「でした」というからには、それももう過去の話。今や、他人に「今宵はどこそこのホテルでフレンチなの」と言われても、「あら、ボナペティ」くらいの切り替えしはできますとも。なんせ、フレンチ・デビューしたのですから。おほほ。

と、のぼせ上がるのはこの辺にして。20代のゴールが見え始めていた頃、私はとてつもない焦燥感に駆られ、この10年にやり残したことを1つ1つ整理していました。といってもきりのない話。そこで突き詰めて考え出した結論が「大人のディナー」でした。私にとって、30代は成熟した大人のイメージ。そう、大人の階段上るのです。 20代最後の夜というちょうど良き日に、日本酒マイスターの上野ミュラーさんがセレクトするお酒を楽しみながら、極上のフランス料理をいただけるというディナー・イベントがあると聞き、迷わずこれに決めました。

場所は、デュッセルドルフ市内のとある高級レストラン。以前から傍を通り掛かるたびに、「わ~、ステキ。でも縁はないだろうな」と思っていただけに、素直に嬉しかったです。



高級感あふれる店内


さて、席に着いたら早速ウェイターさんに、「料理に合わせるのはワインと日本酒のどちらにしますか? それとも両方ですか?」と聞かれたような気がして、何も考えず「両方」と言ってしまった私。でも、よく考えたら、ちょっと多いかもと思い、5分後に聞き返してみると、「それぞれの料理に違うお酒をお持ちしますか? それとも1種類のお酒にしますか?」とのこと。……ワインと聞こえただけで、「え? ワインと日本酒、両方いっていいの?」と反応してしまった自分にがっかり。もう、完全に舞い上がっていたようです。

料理は、“アミューゼ”という突き出しのようなものから。「カリフラワーの茎とカリフラワーの花の部分とカリフラワーのなんとかと……」と説明を聞いても、目の前の大きなお皿の真ん中にちょこんとのっているのは、シュワシュワとした“泡”! う~ん。これを果たしてフォークとナイフで、どう攻めたものか? 平静を装いながらも眉間にはくっきりとしたシワ、内心は混乱の極みでした。



あわあわの食べ物


しかしその後は、わりと目に優しいというか、私でも見たことがある食材を使った料理が運ばれてきて、徐々にフランス料理に馴染み、酔いも回って得意げに波乱万丈な20代の生き様を語り尽くしたのでした。

今回、初めてのフレンチでありながら、貴重な体験ができました。魚を中心とした料理は、どれもどこか日本食を思わせる味付けが施されていて、日本人としてはとても親しみやすく、さらには日本酒がよい具合に各料理を盛り立て、まるで全く新しいジャンルの料理を味わっているかのような新鮮さを覚えました。また、上野ミュラーさんが語ってくださった日本酒や酒造りにまつわるエピソードが、料理の絶妙なスパイスとして効いていました。

30代は、グルメな大人でいけたらな、と妄想を抱いた至福の夕べでした。(低)


かぼちゃとタラバ蟹



オイスター



ブルターニュ産石ヒラメ



たくさん飲みました~



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