Jean-Claude Juncker
1954年12月9日ルクセンブルク大公国のルダンジュ生まれ。
1995年から同国首相。2004年からユーログループ議長。
©Geert Vanden Wijngaert/AP/Press Association Images
1954年12月9日ルクセンブルク大公国のルダンジュ生まれ。
1995年から同国首相。2004年からユーログループ議長。
©Geert Vanden Wijngaert/AP/Press Association Images
ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)の議長に選ばれたのは2004年。金融国ルクセンブルクで首相と財務相を兼ねる独仏バイリンガルの政治家は、小国の事情を理解し、大国と差しで話ができる適任者だった。「ミスターユーロ」と呼ばれて4期再任。ついに昨年末、ユーロ危機の苦悩をにじませて降板を表明したが、3月に開かれた会合は後任候補を出せずに閉会。ひとまず来年1月まで、対立するユーロ圏北部と南欧諸国との調整役を続けることになった。
ストラスブール大学で法学を修めたが弁護士業には就かず、キリスト教社会党の活動へと進んだ根っからの政治プロである。30歳で国会議員に当選。すぐさま内閣入りして労働相、財務相を務め、1995年からは首相と財務相を兼任したまま現在に至る。次々に新顔が登場するEUにあって、長期政権を続けるベテランなのである。
人気の秘密は、大真面目に外交的な発言をしようとして、つい本音を漏らしてしまうところとか。政治家の仕事について、「何かを決めたらそれを世間に示して反応を待ち、ほとんどの人が、何が決まったのか分からずに叫びも蜂起も起こさなければ、さらに先へ進める」と説明したり、「ギリシャは構造的に変わらなければだめだ。精神面と真面目さでも」と答えたり。前述のユーログループ会合では、深刻な表情のスペイン・ギンドス経済相に近付いて首を絞め、場の雰囲気を和ませた。さて、このおとぼけキャラの代わりは見付かるだろうか。
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