ジルヴィア・ナイト

17 April 2015 Nr.1000
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ジルヴィア・ナイトSilvia Neid
1964年5月2日バーデン=ヴュルテンベルク州ヴァルデュルン生まれ。
女子サッカー・ドイツ代表チーム監督。
©Matthias Schrader/AP/Press Association Images

2005年7月から、女子サッカーのドイツ代表チームを率いている。今年6月に開催される女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会での活躍が期待される中、「来年で監督業11年。ユースからの選手時代を加えると34年も代表チームにいるので、そろそろ別のチャレンジを」と、契約が切れる16年の夏を最後に辞任し、ドイツサッカー連盟(DFB)のスカウト部長に転身すると発表した。

現役時代は最強のエースストライカーだった。TSVジーゲンに1985年から所属し、ブンデスリーガで6度、DFBポカールで5度優勝。ドイツ代表チームでは、選手として03年のW杯と95年、97年、01年の欧州選手権、監督としては07年のW杯と05年、09年、13年の欧州選手権で優勝している。

しかし、地元開催となった11年女子W杯の対ナイジェリア戦で、過去に輝かしい成績を残してきた当時33歳のビルギット・プリンツ選手を出場からわずか7分で交代させ、視線さえ合わせなかった冷徹な采配に世論が沸騰。若い選手たちの士気の低下と相まって準々決勝で日本に敗れ、その後、なでしこジャパンは初優勝、一方のドイツはロンドンオリンピックの出場権も逃してしまった。この時、「コミュニケーション能力がない」と言われた批判は今もついて回っている。

来年、代表チームを引き継ぐのは、11年W杯の組織委員長を務めたシュテフィ・ジョーンズ。しかし、もし今夏のW杯で好成績が出ず、16年夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会の欧州出場枠を逃したら、今年秋には交代が起こり得るとか。勝負時だ。(Y.T.)