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博士号はく奪受け、シャヴァン教育相が辞任
メルケル政権に、相次ぎ逆風

1980年に提出した博士論文に盗用があるとされ、5日にデュッセルドルフ大学から博士号をはく奪されたアンネッテ・シャヴァン教育相(キリスト教民主同盟=CDU)が9日、大臣職を辞任すると発表した。

シャヴァン氏はメルケル首相(CDU)とともに記者会見に臨み、博士論文における盗用の事実を改めて否定。同件について行政裁判所に提訴する意向を表明したが、「政府や職務に支障をきたすことがあってはならない」と、辞任に至った経緯を説明した。メルケル首相は「大変重苦しい気持ちで辞任を受け入れた。アンネッテ・シャヴァン氏は教育および学術部門における非常に有能な政治家だ」と同氏を擁護した。後任には、前ニーダーザクセン州教育相のヨハンナ・ヴァンカ氏(CDU)が就任する。

シャヴァン氏が1980年にデュッセルドルフ大学に提出した哲学の博士論文「人物と良心」における盗用疑惑は2012年5月、匿名の人物によってインターネット上で指摘されたことから浮上。これに対し、シャヴァン氏自身が大学に盗用疑惑の検証を要請していた。そして今年2月5日、同大学の学部協議会が同氏の論文に「盗用による意図的なごまかしがあった」として博士号のはく奪を決定した。

シャヴァン氏の博士号はく奪を受け、野党・社会民主党(SPD)や緑の党からは「教育相としての信頼を失った」として辞任を求める声が上がっていた。一方、世論調査機関フォルザの調査によると、博士号はく奪直後は市民の3分の2が「辞任すべき」と表明していたが、メルケル首相がシャヴァン氏への信頼をアピールしたためか、辞任直前の調査ではその割合が2分の1に減少していた。

シャヴァン教育相の辞任を受け、与党・キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首は「非常に残念で悲しいこと」として、「首相に、シャヴァン氏は政界にとどまるべきと申し上げた」と述べた。また、カウダーCDU・CSU院内総務も「私自身、1人の法律家として今回の大学のやり方は理解に苦しむ」とのコメントを発表している。

今年9月に連邦議会選挙を控えるメルケル政権は、1月のニーダ―ザクセン州選挙での敗北に続き、今回の教育相辞任と、逆風が続いている。

 
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