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米当局、独首相の携帯電話を盗聴か
オバマ米大統領、「関知していなかった」

メルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)の携帯電話が、米情報局の盗聴対象となっていたことが発覚し、衝撃が広がっている。10月25日付のヴェルト紙が伝えた。

メルケル首相の盗聴疑惑については、米国家安全保障局(NSA)の元職員だったエドワード・スノーデン氏の押収された資料の中に、首相が2009年10月~13年7月まで使用していた携帯電話の番号が載っていたことから発覚したものとみられる。メルケル首相は10月23日、同件についてオバマ米大統領と電話会談を行い、「このような監視行動は終わりにしていただきたい」と抗議を申し入れた。この際、オバマ米大統領は遺憾の意を表明、しかし盗聴の件については「自分は関知していなかった」と述べたという。

これに対しビルト紙日曜版は、情報機関関係者筋の話として、オバマ米大統領は2010年にNSA長官から盗聴に関する詳細を聞いていた、メルケル首相の携帯が盗聴の対象になっていたことも知っていたはずだと報じた。一方、米ウォール・ストリート・ジャーナル誌は同国政府筋の話として、オバマ米大統領がNSAからメルケル首相の監視について知らされたのは今年の夏で、それ以来、監視活動は中止されていたと報じている。

盗聴疑惑発覚後、欧州連合(EU)首脳会議に出席したメルケル首相は会議に先立ち、「友人間での盗聴というのはあり得ない話」「強い結び付きを持つパートナーとは信頼関係が必須だが、その信頼関係を根底から作り直さなければならない」などのコメントを発表した。EU首脳会議では、ドイツとフランスが中心となって、同盟国の間の盗聴の防止策について米国と交渉を進めることが話し合われ、近々EUから米国に特使が派遣されることになった。

ドイツ連邦議会は11月18日に特別会合を開き、盗聴疑惑に関する調査委員会を立ち上げる方針。社会民主党(SPD)のオッペルマン院内総務は、イラク戦争に反対を唱えたシュレーダー元首相(同)の携帯電話も盗聴されていた可能性があると指摘した。今回のスキャンダルを受け、左派党からは「我々は事実を明らかにしてくれたスノーデン氏に感謝しなければならない。彼のドイツへの亡命申請を認めるべきだ」との意見も出ている。

 
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