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ザクセン州で難民排斥事件が続出

(デュッセルドルフ 3月1日)ザクセン州のクラウスニッツとバウツェンで難民を排斥する事件が続けて起こり、連邦政府は事態を重く見ている。2月18日に難民を乗せたバスがクラウスニッツに到着した際、暴徒化した反対派がこれを阻止する行動を起こし、難民がバスから降りられない事態が発生した。

これに続き2月21日夜、3月から難民宿泊施設になる予定だったホテル建物に何者かが放火。警察の発表によると、集まった見物人が喜びをあらわにし、難民排斥のコメントをするなど異様な雰囲気に包まれた。さらに消火活動に当たった消防士に対し、2人の男が執拗な妨害を試み、暴力行為を行うなどの事態があったことも報告されている。

これに対し、キリスト教民主同盟(CDU)のアルミン・ラシェット副代表は、「バウツェンおよびクラウスニッツでは、多くのドイツ人の間に『統合』が機能していない」と事態を憂慮した。

マース法相(社会民主党=SPD)は、SNSのツイッターで「放火に対してあからさまに拍手喝采する人たちの神経を疑う」とコメント。デメジエール内相(CDU)は、「モラルと法の境界線を踏み越えた」と述べた。

ザクセン州政府の責任を問う声も上がっており、緑の党の院内会派極右対策スポークスマンのモニカ・ラツァール氏は、「ザクセン州で難民排斥事件が多発しているのは偶然ではない」と指摘。「ザクセン州政府は1990年代から排外主義者への対応を怠り、Pegidaが台頭する温床を作った」と厳しく非難した。

連邦統計庁の調べによると、排外主義的犯罪件数は2015年に前年の2倍に増えており、中でもザクセン州とザクセン=アンハルト州で飛躍的に増えていることが明らかになっている。犯罪被害者の中には、最近ドイツに入国した難民だけでなく、すでに長く滞在している外国人も含まれており、ザクセン州では2014年の182件に対して2015年は509件、ザクセン=アンハルト州では94件(2014年)から335件(2015年)に犯罪件数が増加しており、排外主義的犯罪の8件に1件はザクセン州で発生している。
 
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