世界販売首位はVW 排ガス不正、どこ吹く風

Mittwoch, 01 Februar 2017 16:00
(フランクフルト 1月31日 時事)2016年の世界自動車販売は、5年連続王座を目指したトヨタ自動車をかわし、独フォルクスワーゲン(VW)が初めて首位に立った。排ガス不正で失墜したはずのVWに軍配が上がったのは、不正の販売面への影響が比較的小さかったことに加え、世界最大市場の中国に強みがあるためだ。

トヨタの16年の世界販売台数は前年比0.2%増の1017万5000台。VWは1031万2400台。排ガス不正の発覚で15年後半は失速したが、16年は3.8%増と盛り返した。このうち約4割を占める中国が12.2%も増加したことが両社の明暗を分けた。VWは傘下に高級車アウディやポルシェなども抱えるが、同じ不正があったにもかかわらず販売は好調で、多ブランド戦略も奏功した。

一方、日本では不正問題が直撃。輸入車ブランド別販売で長らく首位の座にあったVWだが、15年に2位に転落し、16年は3位に後退した。欧州でも、16年は傘下ブランドを含めば前年比増を確保したが、中核のVWは0.9%減と、不正の影響を引きずっている。