外国人の国外退去に経済支援 帰還支援センター設立

Mittwoch, 15 Februar 2017 00:00
(デュッセルドルフ 2月15日)国外退去を義務付けられながらドイツに留まり続けている外国人に対し、連邦政府は積極的な帰還促進プロジェクトを立ち上げることを発表した。国外退去処分に関してはこれまで各州政府に委ねられていたが、難民の大量流入により負荷が増大。この状況に対して連邦政府が支援を約束した。

今後3カ月の間に連邦内務省の主導のもと、連邦と州による共同の帰還支援センター(ZUR)を立ち上げ、国外退去者の情報を取りまとめて、組織的に帰還を促進していく意向だ。連邦移民難民局(BAMF)は来月から、ドイツで保護対象と認められていない国の出身者に対して、難民庇護申請を原則的に却下する方針を打ち出している。

2015年の難民庇護申請者の急増に伴い、申請を却下され、国外退去を義務付けられながらもドイツに留まる外国人の数が増え続けている。コンサルティング会社マッキンゼーは、このような状況にある外国人は今年末までに48万5000人に上ると分析している。これに対し、2016年に実際に国外へ退去した人の数はわずか8万人だった。

また難民庇護申請者が自分の身分を偽ったり、個人情報の提供に非協力的だったりする場合には、現在の滞在地からの移動を禁止するとし、ニュルンベルクのBAMFでは今後、難民庇護申請者の携帯電話をチェックして身分確認を行うことも認められる。一方で、国外退去処分対象者に対して積極的な出国を奨励するため、9000万ユーロを拠出、早期に国外退去に応じる人には、より多くの財政支援が与えられることになる。

国外退去対象者の現状は州によって大きく異なっており、2016年末現在、人口比で最も国外退去対象者が少ない州がバイエルン州の9991人(人口1000人に対し0.78人)で、これにヘッセン州の6512人(同1.05人)が続いている。

一方で、最も多い州はブレーメン州の3007人(同4.48人)、ノルトライン=ヴェストファーレン州の4万6433人(同2.6人)、バーデン=ヴュルテンベルク州の2万3212人(同2.13人)、ベルリンの8885人(同2.52人)の順となっている。