ノイケルンのカフェ「two and two」

地下鉄U7、8のヘルマンプラッツ駅を降りて徒歩5分程のパニーア通り(Pannierstr.)は、ここ数年来のノイケルン地区の隆盛に合わせて、カフェやショップが劇的に増えた通りです。大通りから入ってすぐのところにあるカフェ「two and two」は、ある友人から「ちょっと素敵なカフェがあるから」と誘われて行った待ち合わせ場所。ちょうど12時に開店したばかりで、お店の女性がにこやかな笑みを浮かべながらも、忙しそうに準備をしていました。

店内に入ってまずびっくりしたのは、日本の文房具が置かれたコーナーがあったこと。カラフルなペンや筆箱から懐かしいデザインのノートやファイルまで、小さなスペース一杯に並んでいます。もう1つ驚いたのが、オーナーの女性が日本語を話したことです。少したどたどしさはあるものの、一生懸命伝えようとする姿に惹かれ、その場で取材をさせていただくことになりました。

オーナーのトセさん。日本人とフランス人の両親を持つパリ出身の女性です。パリでスタイリストとして働いた後、彼女にとってもう1つのルーツである日本に渡り、しばらく東京でフランス語教師を務めていたそうです。「本当に楽しい日々でした」と語るトセさんですが、再び欧州に戻ることになり、次に住む場所として考えたのがベルリンでした。「パリから近く、友人もいましたし、何よりベルリンには楽しそうなイメージがあったんです」。

ガラスケースに座っている男性
カフェ「two and two」の共同オーナーの1人、トセさん

ベルリンで何か仕事をしたい。そんなとき、こちらで出会った日本人アーティストのエリさんとカフェ巡りをしているうちに、自分たちも開いてみたいという想いが芽生えてきます。「カフェなら比較的安く始められますし、エリと話しているうちにいろいろなアイデアが湧いてきました」。2011年12月に開業を決意し、ノイケルンに物件を購入。約1年の準備期間を経て12年12月12日12時にカフェはオープンしました。

「two and two」入り口
パニーア通りにあるカフェの外観

「two and two」という名前は、「異なる文化的背景を持つ2人によるカフェ。コンセプトも2つということで付けました」。メニューには、フランスの伝統的なレシピによるキッシュやガトーショコラ、アップルケーキなどが並び、もちろんすべて手作り。店内に並ぶトセさんお気に入りの文房具は、日本から自分で仕入れたものだそう。店内のインテリアもセンスが光るもので、入り口前の街路樹を囲むように並ぶ木製のベンチ(こちらも手作り)は一見の価値あり。ノイケルンを訪れた際は、ぜひお立ち寄りください。オーナーがきっと温かく迎えてくれるはずです。

www.twoandtwoberlin.com
Pannierstr. 6, 12047 Berlin
月~日 12:00~18:00