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個性的な作品が勢ぞろい。姉妹都市によるアート展

ハノーファーの姉妹都市の芸術家たちによる合同アート展「PENvolution ペンボルーション」が、2月22日(日)まで、市庁舎近くのギャラリー・クーブス(KUBUS)で開催中です。ハノーファーをはじめ、ポズナン(ポーランド)、広島(日本)、ルーアン(フランス)、ブリストル(英国)、ブランタイヤ(マラウイ共和国)の6都市から15人が参加し、映像やインスタレーション、絵画など、それぞれの個性が光る作品を出展しています。本展は各国の姉妹都市を巡回し、広島は8月に開催の予定です。

日本人の参加は3人で、そのうちの1人、広島市立大学芸術学部の鰕澤(えびさわ)達夫教授は、ドイツと日本の要素を織り交ぜた作品を創作。壁に吊るした巻物に盆景が描いてあり、その手前には、寿司職人が握ったばかりの寿司を一時的に置いておく高級な皿を配置。そこにチーズやソーセージ、マッシュポテトといったドイツの食材を置き、お盆の上の風景、すなわち盆景を立体的に表現しています。ドイツでは、夕食はkaltes Essen(冷たい食事)が主流ですが、「日本の高級な皿にドイツの冷たく、ありきたりな食材を並べることが1つのメタファー(隠喩)になっている」と解説がありました。

同大学の学生、小林杏衣さんは、1本のポッキーを両側から2人で同時に食べる映像を出展しています。映像の中でポッキーを食べる人々は、小林さんが日本で老若男女かかわらず、見知らぬ人に声をかけて協力を募ったそうです。展覧会のオープニングでは、参加者たちとポッキーを食べるパフォーマンスを披露しました。

ポッキーをかじるシゲ・フジシロさんと小林杏衣さん
ポッキーをかじるシゲ・フジシロさん(左)と小林杏衣さん

また、広島から交換留学生として来独したのをきっかけに、ハノーファーに住むようになったシゲ・フジシロさんは、広島ビーズで製作したカバンをモチーフにした作品を出展しています。

このほか、ハノーファーのケースティン・シュルツさんによる200万本以上の鉛筆で作った空間「ペンシル・モビールルーム」は圧巻でした。ギャラリーの外では、洗濯用ビニール紐で巻いたマネキンが目を引きました。アーティストとともに一般有志の協力を得て作り上げたという作品もあり、観客とアーティストの相互関与もテーマの1つとなっています。

鉛筆を使った作品
鉛筆を使った作品

KUBUS
Theodor-Lessing-Platz 2, 30159 Hannover
火~金11:00~18:00、土日11:00~16:00 入場無料
※毎週金土は12:12から説明ガイドもあり。
www.hannover.de/Kultur-Freizeit/Museen-Ausstellungen

田口理穂(たぐち・りほ)
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。社会学修士。ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。著書に『市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命』(大月書店)、共著に「お手本の国」のウソ(新潮新書) など。

 
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