テーガルン湖には、魅力がいっぱい

5 Oktober 2018 Nr.1083 Nr.1081 文・写真 Y. Utsumi

美しい自然が身近にあるのがバイエルンの魅力ですが、一つ欠けているものがあります。それは海です。日本人であるためか、 海を見たい、浜辺を散歩したい、魚料理を食べたい! と強く思うことが時々あります。ドイツ北部の北海やバルト海では、この夏記録的な海水浴客が訪れたというニュースをうらやましく眺めていましたが、内陸部にあるミュンヘンから訪れるには距離が遠過ぎます。そこで、まだまだ夏の名残が強く感じられる9月初頭、涼しさと水辺を求めてテーガルン湖(Teger nsee)に行ってきました。今回はミュンヘンから日帰りで楽しめる湖の魅力をお伝えします。

周囲の山からは湖が見渡せる
周囲の山からは湖が見渡せる

テーガルン湖はミュンヘンの南50Kmに位置し電車でも中央駅から約1時間です。 現在はバイエルン州が所有・管理しています。湖畔の町ではディアンドル(バイエルンの民族衣装)のお店がたくさんあるのが目を引きます。手頃な価格からパーティーで着るようなどっしりとした布地のドレスまで、色もデザインも豊富です。女性用の革パンツもあるので、個性的な装いを探し出すこともできそうです。バイエルンの名物、ビアガーデンはもちろんのこと、おしゃれなカフェで湖を眺めながら一休みできる場所もあちこちに見られます。天気が良ければ、遊覧船に乗り込みましょう。大きめの町を結ぶ航路がいくつかあるので、好みに合った路線を選べそうです。湖面にはヨットやボートが浮かび、避暑地的な贅沢な雰囲気を醸し出していて、湖水浴のための設備もあちこちに設けられています。入場無料でちょっとした食事ができるキオスクが併設された湖岸、プールやレストラン、シャワーも完備した施設(有料)を利用することもできます。

犬用の湖水浴場もあります。嬉しそう!
犬用の湖水浴場もあります。嬉しそう!

インドア派のための楽しみも豊富です。ノルウェー出身の風刺画家でミュンヘンでも活躍し、テーガルン湖近郊で没したオラフ・グルブランソンの作品などを所蔵した美術館(Olaf Gulbransson Museum)は、モダンな建物や庭にある野外舞台のデザインも印象的です。歴史が好きな方には、テーガルン湖地方の歴史や民俗を紹介する博物館が興味深いでしょう。そして、日常とはちょっと違った雰囲気を感じたい方は、カジノ(Spielbank)を楽しむこともできます! このカジノは1960年代からの歴史を誇り、おいしい食事やお酒を楽しみながら、ブラックジャックやポーカー、ルーレットなどで運を試してみることができます。

湖の周囲は、グムンド(Gmund am Tegernsee)、テーガルンゼ-(Tegernsee)、ロッタッハ・エガーン(Rottach-Egern)、バード・ヴィースゼ-(Bad-Wiessee)といった大きめの街が取り囲んでいます。これらの街では7月と8月にサマーフェスティバルが開催され、民族衣装でのダンスやパレード、スポーツのアトラクションなどが披露されるようです。特筆すべきは、打ち上げ花火。湖上を彩る大型の花火、今年は見逃してしまったので、来年はぜひ見てみたいです。

Yoshie Utsumi
日独の自動車部品会社での営業・マーケティング部門勤務を経て、現在はフリーランスで 通訳・市場調査を行う。サイエンスマーケティング修士。夫と猫3匹と暮らし、ヨガを楽しむ。 2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。