黒い森が誇るドライジンのポップアップショップ

何年か前の誕生日にいただいたドライジン、その名は「モンキー47」。スタイリッシュなボトルに紫色のラベル、猿の絵のデザインはもちろん印象的でしたが、何よりその味がとてもフルーティーで、爽やかです。いままで飲んだドライジンとまったく違う美味しさがありました。ドイツではすべての町に少なくとも一つはオリジナルのジンがあるといわれていますが、このモンキー47は間違いなくこの地域を代表するジンになりつつあります。2008年にスタートした小さな蒸留所、2010年の製造本数は5000本ほどでしたが、2013年にはなんとその30倍の15万本に増え、その勢いが止まりません。近年、日本でも人気が高い商品のようです。

2種類のジンは試飲も可能
2種類のジンは試飲も可能

そして、今年の1月にシュタットミッテのおしゃれ発信地「フルクサス」の入り口近くにモンキー47のポップアップショップができました。「Zum wilden Affen (野生の猿に)」とちょっと変わった店名です。ショップでさまざまな種類のジンのカクテルが飲めるほか、3種類のワークショップも開催しているようです。これもなかなかの人気で、6月までの日程はほとんど埋まっているよう。ちなみにこちらは事前申し込みが必要で、25ユーロの参加費を払えばいろいろなカクテルの試飲が楽しめ、おつまみもいただけます。

食いしん坊のヤギたち
写真左:店頭の様子 / 写真右:蒸留釜

私は今回ワークショップには参加せず、まずは店内を見てみることにしました。ジントニックを注文して、いろいろと観察。お店の内装はとてもシンプルで、外 の壁は黒、中は白で統一。バーカウンター越しに見え るのは、大きな蒸留釜です。ピカピカな銅製で、高さは2メートル以上もあり、かっこ良いです。そして、ラベンダーやセージ、 ローズヒップ、ジャスミン、カモミールなどの植物がデコレーショ ンとしてショーウィンドーに飾って あります。実はモンキー47の「47」 という数字は、このジンのアルコー ル度数がちょうど47度ということも ありますが、47種類の原材料が入っているという意味も込めているそうで す。店内に置いてある小さな冊子にはモ ンキー47の歴史や製造過程などが紹介 されています。すべて手作業による丁寧な作りで、こんなに複雑で魅力的な味わいになったのだと納得しま した。そして、何より感心したのは、デザインに対するこだわりです。ボトルやラベルはもちろん、看板からパッケージ、飲み物を入れるカップや印刷物、お店のHPまですべてオリジナルです。

「モンキー47」HP:www.monkey47.com
ポップアップショップ「Zum wilden Affen」: https://zumwildenaffen.com
※ショップは火曜~土曜の12時~19時まで営業

郭 映南
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com