第4回 ケーニヒスヴィンター

Mittwoch, 22 Juli 2009 10:00

ケーニヒスヴィンター(Königswinter)

ケーニヒスヴィンター

ライン川沿いの伝説街道(Rheinischer Sagenweg)の真ん中に位置する小さな街ケーニヒスヴィンター。ここには、ワーグナーの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する英雄ジークフリートがドラゴンを退治し、その返り血を浴びて不死身になったという伝説の舞台「ドラゴンの岩(Drachenfels)」があります。7つの山脈地帯(Siebengebirge)と呼ばれる起伏に富んだ地形は、登山好きにもってこいの山岳コース。ワイン醸造も盛んで、たった1日の滞在でグルメに自然に伝説にと、存分に観光を満喫することができます。
www.koenigswinter.de


小さな観光名所ケーニヒスヴィンターは、初めて訪れる人にやさしい街づくりになっています。駅から降りてすぐに案内標識を見つけ、その後も道の要所に立っている案内に導かれて迷わず街のインフォメーションまでたどり着くことができました。

まずは、ジークフリートがドラゴンを退治したという現場を目指します。山の頂上にたたずむ「ドラゴンの岩」までは徒歩でも行けますが、インフォメーションに隣接した駅から頂上まで続くドイツ最古の登山鉄道「ツァーンラート・バーン(歯車式鉄道、1883年築)」も運行されています。そのレトロな風貌に誘われ、今回は頂上まで鉄道で行くことにしました。駅のふもとにはロバも鞍をつけて待機していますが、こちらはお子様限定。山の中腹にあるドラゴン城(Schloss Drachenburg)まで背中に乗せて連れていってくれるそうです。

ツァーンラート・バーン
ツァーンラート・バーン
(往復9ユーロ、片道7.50ユーロ)

急な斜面をガッタンガッタン、のんびり緑のトンネルをくぐりながら進んでいくと、10分ほどで頂上に到着します。山頂からの景色を展望台から見渡すと、眼前に広がるライン川の悠然とした流れと山々が織り成す景色がそこに。霧がかかり幻想的な雰囲気を一層引き立て、伝説が語り継がれる地に降り立ったことを実感します。そこからさらに細い小道を歩いて、ドラゴンの岩へ。山頂での冒険を満喫したら、中腹まで下りてドラゴン城にも立ち寄ります。19世紀初頭に建てられたこのお城は、まるでディズニーランドのシンデレラ城のようです。

伝説のドラゴンの岩
伝説のドラゴンの岩

城内と、隣接するミュージアムの見学で目の保養をした後は、空腹を満たすべく旧市街へ向かいます。メイン・ストリート(Hauptstraße)はカフェやレストラン、お店が立ち並ぶ賑やかな通り。その道を南に向かって歩いていくと、ビール醸造所・レストラン「アルテス・ブラウハウス」と、その名も『ドラゴンの血のワイン』を造っている「醸造所ピーパー」が2軒並んでいます。アルテス・ブラウハウスで食事をいただき、醸造所ピーパーでお土産に赤ワインを購入しました。やはり、遠出する散歩の醍醐味はその土地の味との出会いですよね。

Altes Brauhaus / Jesuiter Hof Weinhaus Pieper Map4(写真上)地ビールなら、
Altes Brauhaus
Hauptstr. 454
www.altesbrauhaus.net

Map4(写真下)ドラゴンの血のワインは、
Jesuiter Hof Weinhaus Pieper
Hauptstr. 458
www.weingut-pieper.de

食後はライン川沿いのプロムナードへ。目を引いたのは、色鮮やかなドラゴンのグッズが並ぶ陶器のお店「ディーツ」。ケーニヒスヴィンター生まれの女性アーティスト、ディーツさんはこの土地の伝説や地理から着想を得て作品を作っているそう。郷土愛が込められた温かみ溢れる作品に、思わず笑みがこぼれます。

Töpferei Diez 陶器のお店
Töpferei Diez
Rheinallee 17
www.toepferei-dietz.de

帰りはちょっとだけライン下りも楽しんでみようと、 船に乗り込みました(ボンまで約30分)。船の上からケー ニヒスヴィンターを振り返り、山頂のドラゴンの岩を眺 めながら、ビールを1杯。ジークフリートの活躍に乾杯し て、散歩の旅を終えました。(高橋 萌)


目的地までの行き方
【電車】 Köln Hbf 10:01発 → Königswinter 10:42着
所要時間41分。1人片道6.50ユーロ
【船】 Bonn 10:30発→ Königswinter 11:30着
所要時間1時間。1人片道7.60ユーロ
最終更新 Freitag, 24 Mai 2019 15:36