ベルギッシュ・グラッドバッハ （Bergisch Gladbach）
ケルンの北東10キロに位置するベルギッシュ・グラッドバッハは、自然豊かな工業地帯ベルギッシュ地方に属する街。特に製紙・印刷・出版関係の企業が根を下ろす街として有名。その反面、1つの街に2つの三ツ星（ミシュラン）レストランを抱える国内唯一の街で、高級ホテルやウェルネス施設も豊富、見どころもたっぷり。ドイツが誇るトップモデルのハイディ・クルムや体操選手のファビアン・ハンビューヘンら、世界で活躍する人物を多数輩出していることが街の自慢とか。
www.bergischgladbach.de
Sバーンに揺られ、終点のベルギッシュ・グラッドバッハ駅に到着すると、まず目に入るのが“思ったより”近代的な街並み。とはいえ、あのハイディ・クルムが育った街というには、モード色よりも田舎色の方が濃厚。石畳の小ぎれいなショッピング通り、ハウプトシュトラーセ（Hauptstr.）を抜けると、第1目的地である広場にたどり着きます。土曜日だったのでマルクトが開かれ、地元の人々でごった返していました。
お店が立ち並ぶ“EINKAUFSZENTRUM” Hauptstr.
この広場を囲む市庁舎や教会など数ある歴史的建築物の中でも、一際目を引くのが真っ赤な建物“Bürgerhaus Bergischer Löwe”です。この赤い建物の上部にはベルギッシュ・グラッドバッハの紋章にも描かれているライオン（Der Bergische Löwe）の像がたたずみ、広場を見守っています。街の社交場として誕生し、売れっ子建築家ゴットフリート・ベームによって1980年に改築されたビュルガーハウスには、大きな劇場のホールがあり、年間を通じてオペラからコメディまで、さまざまな作品が上演されています。
マルクトに面した市庁舎の日時計
ライオンの像の真下に門を構えるレストラン“Restaurant Bergischer Löwe”も趣があって良さそうでしたが、今回は市庁舎の隣の“Brauhaus Am Bock”で昼食タイム。ドイツ料理で満腹になるもよし、タワービール（3ℓ/5ℓ）で手酌ビールを楽しむのもよし。
腹ごしらえが済んだら、緑のトンネル（Grüne Ladenstr.）をくぐって再び駅前に戻り、第2の目的地に向かいます。
緑のトンネルがパッサージュを飾る Grüne Ladenstr.
バスで約15分、到着したのはベンスベルクという地域。ベルギッシュ・グラッドバッハは市庁舎が2つある珍しい街です。というのも、もともと違う街だったベンスベルクが1975年、ベルギッシュ・グラッドバッハに吸収合併されたから。ベンスベルクの市庁舎は、古い建物を残しつつ、新しくデザインされた建築物で、この新旧が絶妙にマッチした秀逸な建物もゴットフリート・ベームが手掛けました。
そこからさらに坂を上ると、ゲーテにもその美しさを褒め称えられたベンスベルク城（Schloss Bensberg）が姿を現します。現在、内部はホテルになっていて、ここにあるレストラン“Vendôme”では三ツ星シェフの味が堪能できます。ちなみに、もう1つの三ツ星は古城ホテル・レアバッハ（Schlosshotel Lerbach）にあります。
おっと、せっかくここまで来たんですから、帰り際に“お風呂”はいかがですか。ベンスベルクからケルン方面に向かうS1で4駅目の“Frankenforst”で下車して徒歩5分の場所にあるMEDITERANAは、温めのプールと各種サウナなどがあるウェルネス施設。歩き疲れた体をここで癒してから家路に着きました。
①【Sバーン（S11）】
Köln Hbf 10:17発 → Bergisch Gladbach 10:37着
所要時間20分。1人片道3.40ユーロ
②【バス（423、227番）】
Bergisch Gladbach 14:04発 →Bensberg 14:18着
所要時間14分。1人片道2ユーロ
※今回のルートなら、ケルンの中央駅で1日券（8.70ユーロ）を購入することをお薦めします。