ニュースダイジェストの制作業務
Thu, 18 December 2025

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして20年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


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発酵食品ブームが英国にも?

発酵食品ブームが英国にも?

日本では、みそ、しょうゆ、納豆など、発酵食品は保存食、調味料などとして発展し、昔から私たちの食文化に深く根差してきました。そして、日本各地でその地方独自の多様な発酵食品がありますよね。

また最近では、腸内フローラを整えて健康やメンタルを改善しようとする「腸活」という言葉が盛んに聞かれるようになってもいます。もともと(英国に比べると)健康志向が高いと思われる日本では、発酵食品が身近にあった上、現代ではさらに人々が意識して、それを食生活に取り入れているのは素晴らしいな、と思います。

一方で、私が英国に移住してすぐのころは、しょうゆに関しては一般のスーパーで手軽に購入できたものの、みそやキムチなどは、日本食品店またはアジア食材店に行かないと手に入れるのは難しかったです。ところが、ここ数年では、みそやキムチですら、ロンドンから離れた私の住む地方のスーパーでも購入できるようになり、うれしいと同時に驚きでもあります。

特に私が「今、英国でも発酵食品がこんなにもブームになっているんだ!」と実感したのは、隣町バースにある私のお気に入りの書店トッピング&カンパニーで、ケンジ・モリモトさんの「FERMENT: Simple Ferments and Pickles and How to Eat Them」という書籍の出版記念イベントに出かけたときでした。実はその2週間前にも、同じ会場で行われた別の書籍のイベントに参加したのですが、「FERMENT」のときは参加者の数が倍以上。イベントでは、書籍制作のエピソードのお話をしながら、ケンジさんが本の中にあるレシピでキムチ作りを実演してくれたのですが、トーク後も参加者からの質問が次々と続き、人々の発酵食品への関心の高さを目の当たりにしました。


英国でのブームは「キムチとザワークラウト」「コンブチャ」「ケフィア」などがメインといわれ、2023年には発酵食品および飲料市場が約9億2500万ポンドになったそうです。

今年の5月には「ガーディアン」紙で、英国で購入できる「ベスト・キムチ」のレビューまで掲載されていて、この20年での英国の食の変化を感じます。とはいえ、スーパーで買うキムチより、自家製のほうがおいしい気がして、このところ私は自分でキムチを作っていますが、みなさんは英国でおいしいキムチを購入していますか?

正確にはキムチは日本の食品ではありませんが、みそやキムチなど、日本の食卓に欠かせない食品が英国でも手軽に買えるようになってきて、この点での両国のギャップは、少し狭まってきているように感じます。

 
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マクギネス真美マクギネス真美
在英ライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。ポッドキャスト「The Real You with Mamita」とVoicy「英国からの手紙」のパーソナリティー。英国人義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
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