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Wed, 29 June 2022
今回のテーマ

2022/23税年度の個人税制について

4月6日より2022/23新税年度が始まりました。大きな変更事項はNational Insurance contributions(NIS) が1.25パーセント上がったことです。今回は個人に関する税制改正のポイントについて説明します。

個人所得税も上がりますか。

幸いなことに、税率や対象となる所得金額(EarningBands)は据え置きとなります。下記表をご参照ください。例えば、年3万ポンドの給与所得者の所得税額は(£30,000~£12,570) x 20% = £3486となります。

控除額と所得税率(勤労所得)

2022/23 2021/22
個人控除額
(Personal Allowance)
£12,570 £12,570
ただし、右記を超える所得£2に対し£1控除額が減少 £100,000 £100,000
所得税率(控除額を差し引いた後の所得に対し)
基礎税率:20%のかかる所得 〜£37,700 〜£37,700
高税率:40%のかかる所得 £37,701〜150,000 £37,701〜150,000
高税率:45%のかかる所得 £150,001〜 £150,001〜

NICの上昇について教えてください。

NICは国民年金、失業保険、NHSなどの社会保障給付に対する国民保険料で16歳から国民年金受給年齢(現在66歳)まで勤労所得のある方に支払い義務があります。会社勤めの方は所得税同様毎月の給与から天引きされていて、会社も社員の給与に応じ支払います。自営業者の方は税務申告後、所得税と共に納税することになっています。今年は全ての方に対しNICが一律1.25パーセント上がりました。下記表をご参照ください。

NIC – Class 1(会社勤めの方とその雇用者向け)

所得金額(年) 被雇用者 雇用者
Up to Lower Earnings Limit (LEL) Up to £6,396 0% 0%
LEL to Primary Threshold (PT) Until July 5th: £6,396 to £9,880
After July 5th: £6,396 to £12,570
0% NA
PT to Upper Earnings Limit £12,571* to £50,271 13.25% NA
Secondary Threshold £9,100 to £50,270 NA 15.05%
From Upper Earnings Limit Over £50,271 3.25% 15.05%
*£9,880 till July 5

自営業者についても教えてください。

自営業者の方はClass 2とClass 4を支払います。Class2は一律、週3.15 ポンド/年168.80ポンドで、所得金額が6725ポンド超の場合は支払い義務があります。それ以下の場合は支払い義務はありませんが、任意で支払うこともでき、それにより国民年金などの受給権を得ることができます。Class 4は所得により率が異なります。9881ポンド~5万270ポンドの間は10.25パーセント、5万270ポンド超は3.25パーセントで、前年度より1.25パーセント上がっています。

国民年金はいくらもらえますか。

本税年度の満額は年9627.80ポンド(月802ポンド)で、NICを35年以上払った方に支給されます。受給資格を得るには最低10年間、それ以上は支払った年数に応じて年金額が算出されます。前述のClass 2NICは年168.80ポンドの支払いに対し、国民年金1年分(£9,627.80/35 years = £275.08)を得ることができるのでお得かもしれません。

貯蓄・投資に対する税制はどうでしょうか。

銀行預金などの金利収入の非課税枠であるSavings Allowance (SA)と株式などからの配当所得の非課税枠であるDividend Allowance (DA)は据え置きとなりました。またISA(非課税貯蓄・運用口座)、Junior ISA、Lifetime ISAの枠も前年度と同じくそれぞれ2万ポンド、9000ポンド、4000ポンドです。そして残念ながら、配当に対する税率は1.25パーセント上がることになりました。下記表を参照ください。

金利・配当収入のAllowance(控除金額)と税率

Savings allowance 金利に対する税率 Dividend Allowance 配当に対する税率
基礎税率納税者 〜£1,000 20% 〜£2,000 8.75%
高税率納税者 〜£500 40% 〜£2,000 33.75%
追加税率納税者 £0 45% 〜£2,000 39.75%

例を用いてもう少し詳しく教えてください。

例えば所得が4万ポンドで金利収入500ポンド、配当収入500ポンドであれば、Allowance以内なので金利と配当に税金はかかりません。しかし所得が6万ポンドで金利収入1000ポンド、配当収入が3000ポンドとすると、Allowance を超える金利(1000~500ポンド)には40パーセントが、配当(3000~2000ポンド)には33.75パーセントが課税されます。

配当Allowanceを超える投資があるのですが、節税方法はほかにありませんか。

Bed&ISAという取引が検討できると思われます。ISA枠2万ポンドまで投資を売却、資金をISAへ移し、再度投資します。投資型ISA金融機関の多くがこの取引を提供しています。投資を売却の際は、売却益が非課税枠(今年は1万2300ポンド)内であることを確認するよう留意してください。

当コラムは2022年4月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。投資助言を含まない税務助言はFCA に規制されていません。

※次回のマネー教室は8月18日号に掲載致します。

 
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和枝ドゥルーリー APFS

© 和枝ドゥルーリー APFS

日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、IFAとして独立。日英両方の資格を有する。独立系FA会社に所属。

E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk
Financial Initiative Ltd is an appointed representative of Lathe & Co Wealth Advisers Ltd, which is authorised and regulated by The Financial Conduct Authority.


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