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Fri, 09 January 2026

第305回 祝百寿!ロンドンの樹齢100年のプラタナス

ロンドン塔の近くには旧中央税関、カスタム・ハウスがあります。税関としての機能はすでにロイヤル・ドックに移され、建物本体を歴史的遺産として残すかどうか議論が続いていました。しかし高級ホテルに改築されることが決定し、本年から工事が始まります。そこで気になったのが南面に並ぶ13本の樹齢100年を越えるロンドン・プレーン・ツリー。でもご安心下さい。シティの保護樹木に指定されているので改築後も保全されます。

旧カスタム・ハウス前のプラタナス 旧カスタム・ハウス前のプラタナス

ロンドン・プレーン・ツリーは北米産のスズカケノキと南西アジア産のスズカケノキの混合種で、プラタナスの一種です。大気を浄化する機能を持つことから大気汚染の激しかった19世紀のロンドンに大量に植樹され、今では街路樹の半分の約12万1000本もあるといわれますが、同時に高齢化も進んでいます。また、大英博物館近くのブランズウィック広場には南西アジア産のスズカケノキも共存しており、どちらの種も観賞できます。

南西アジア産のプラタナス(左)とロンドンのプラタナス(右) 南西アジア産のプラタナス(左)とロンドンのプラタナス(右)

もともとプラタナスの語源はギリシャ語の「広い」=platysに由来します。英語のプレーン(plain)には「広い平面」という意味もありますから、「広い葉を持つ木」ということです。ちなみに、古代ギリシャの哲学者プラトンは本名が不明ですが、頭脳明晰でおでこが広かったらしく、「広い」のplatysからプラトンというニックネームになったそうです。また、緑陰でプラトンがよく哲学論議をしたため、プラタナスは哲学の木とも呼ばれます。

哲学者プラトン(左)哲学者プラトン(左)

また、プラタナスは大気の浄化機能を持つため「都市の肺」とも呼ばれます。ロンドン中心部のグリーン・パークには私たちに深呼吸を促すような、不思議な形でプラタナスが植えられています。1814年7月にジョージ王朝100周年記念とナポレオン1世の退位を祝福し、古代ローマのコンコルディア神殿をまねた神殿が建てられました。でも、翌月の火災でこの神殿が解体され、やがて跡地には13本のプラタナスが円状に植樹されました。

グリーン・パークの神殿グリーン・パークの神殿の跡地に、プラタナスが円状に植樹された グリーン・パークの神殿の跡地に、プラタナスが円状に植樹された

さて、冒頭に戻って樹齢100年。プラタナスは幹径が年間約1センチ成長するので、幹径1メートルあれば樹齢100年と推測できます。大人が両手を広げればその人の身長とほぼ同じですから、身長170センチの大人2人で囲める幹の円周が約3.4メートルなら、それを円周率で割れば直径約1メートル、樹齢100年といえます。ちなみに日本のプラタナスは1892年、英国から贈られた種子を新宿御苑で栽培し、日本全国に街路樹として広められました。それらももう樹齢100年超です。申し遅れましたが、本年も寅七をどうぞよろしくお願いいたします。

樹齢100年の推定方法 樹齢100年の推定方法

寅七さんの動画チャンネル「ちょい深ロンドン」もお見逃しなく。

 
シティ公認ガイド 寅七

シティ公認ガイド 寅七
『シティを歩けば世界がみえる』を訴え、平日・銀行マン、週末・ガイドをしているうち、シティ・ドラゴンの模様がお腹に出来てしまった寅年7月生まれのトラ猫


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