「女性器アーティスト」ろくでなし子さんの逮捕
ろくでなし子さんの逮捕を報じる「ガーディアン」紙の記事
Her situation is serious
彼女が置かれた状況は深刻
「ガーディアン」紙 7月16日
ドイツでは女性器の巨大彫刻の中にはまり込んだ米国人学生を救出するために消防隊が出動したことがニュースになったばかりだが、日本では女性器を扱う芸術が全く異なる反応を引き起こした。日本人アーティストのろくでなし子氏が、3Dプリンターを使って自身の女性器を造形するためのデータを配布し、逮捕されたのである。同氏は、「何の役にも立たない女の子」を意味する「ろくでなし子」というペンネームを使用。楽しく気の利いた作品の内容とは裏腹に、法で裁かれることになった同氏が置かれた状況は深刻である。
Her arrest has certainly made her one
逮捕によって有名人となった
BBC Online News 7月16日
ろくでなし子氏は、日本ではそれほど名の知れた人物ではない。しかし、今回の逮捕によって彼女は有名人となった。男性器の画像や彫像であれば問題ないのに、なぜ女性器を扱った作品だけがわいせつと見なされるのかと疑問を呈する声もある。例えば、日本では男性器を模った神輿を担ぐお祭りが毎年開催されているのだ。また同氏を「自称アーティスト」と呼んだ地元メディアが批判にさらされている。ツイッター上では、同氏をアーティストとして取り上げる西洋メディアの報道との比較も行われている。
ほかにもこんな日本報道が…
和牛をウェルダンで食べるのは犯罪
「イブニング・スタンダード」紙 7月18日
今年から欧州連合加盟国において和牛の輸入が解禁されたことを受けて、愛好家の間では和牛が「肉のキャビア」と呼ばれ高く評価されていると紹介。とりわけ鹿児島県の在来種は霜降りが非常に多いため、口の中で溶ける柔らかさと、桃とココナッツの風味があると伝えている。また和牛をウェルダンにしたり、ケチャップにつけて食べたりするのは「犯罪である」と主張した。
穴の開いたコンドームより恐ろしい解決策
「エコノミスト」誌 7月23日
「なぜ日本では少子化が進行しているの か」と題した記事を掲載。今年6月に愛知県新城市の長田共永市議が、出産率を上げることを目的として若い夫婦に穴の開いたコンドームを配布することを提案した一件に触れ、日本における少子化問題の解決案は、「穴の開いたコンドームよりも恐ろしい」という、大量の移民の受け入れになるだろうとの人口学者たちの意見を紹介している。
村上春樹氏の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に辛口の評価
「サンデー・タイムズ」紙 8月3日
村上春樹氏著の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の書評を掲載。「どこまでが翻訳のせいで、どこから作者の怠慢によるものなのかは分からない」と断った上で、「あからさまな直喩表現、定型表現の多用、冗長かつ繰り返しの多い描写」などが見られるとして、村上氏特有の力強く簡素な文体が本作では「陳腐」に見えると批判している。