イングランド南部を中心に大規模な洪水被害
ロンドン市内でも死者
洪水被害に見舞われたロンドン郊外クロイドンにて、
ボランティアが用意したボートで移動する住民たち
昨年12月から断続的に続いている暴風雨の影響で、イングランド南部を中心に英国各地で大規模な洪水被害が発生、影響が大きい地域の住民が避難を余儀なくされるなどの事態に陥っている。BBCなどが報じた。
ロンドン近郊においては、テムズ河の上流域に当たるバークシャーやサリーなどで大規模な浸水被害が発生。エリザベス女王が公務のない日に過ごす離宮として知られるウィンザー城や、キャメロン首相の出身校であるイートン校の最寄駅となるウィンザー・アンド・ イートン・リバーサイド駅など日本人観光客が頻繁に利用する主要駅が数日にわたり閉鎖されるなどの影響が出ている。またロンドン中心部ホルボーン駅前でも、14日夜、強風にあおられ崩壊したビルのがれきが駐車中のタクシーを直撃し、乗車していた女性が死亡した。
イングランド南西部デヴォンでは、防波堤が破壊され、線路が海の中に崩れ落ちるという事態が発生。復旧作業がさらなる暴風雨によって滞るなど、同地域に甚大な被害をもたらしている。また同サマセットでは、環境庁がオランダから取り寄せた排水パンプを稼働させて水量の調整を行っている。
「エコノミスト」誌は、近年では多くの人々が海岸や川沿いに家を建てるようになったことに加え、地球温暖化による気候の変化が予測される中で、洪水対策の重要性が増していると説明。2009年時点で環境庁が洪水防止を目的とした予算の増大を要望していたにも関わらず、実際には予算が28%削減されていたことを指摘している。
数字で見るイングランド各地の洪水
23日 1月中に雨が降った日数
昨年12月以来、浸水被害に遭った世帯数 5800世帯
13万世帯 2月12日の暴風雨によって停電に陥った世帯数
1月の降雨量としては 過去250年で最多