ブラウン前首相が政界引退へ
2015年の総選挙に立候補せず
スコットランド東部カーコーディで1日、総選挙への不出馬を表明する直前に
家族と記念撮影を行うブラウン前首相(写真左端)
労働党のブラウン前首相は1日、2015年5月に実施が予定されている総選挙に立候補しない考えを表明した。事実上の政界引退となる。BBCなどが報じた。
1983年に国会議員となったブラウン氏は、ブレア元首相とともに1997年から13年間続いた労働党の長期政権を支えた。
財務相としての在任中には、使用通貨ポンドに対する市場からの信頼を回復させるため、イングランド銀行に対して政府から独立して金融政策を決定する権限を与えたことで高い評価を受けた。また欧州連合の共通通貨であるユーロ導入を先送りするとの決定や最低賃金制度の導入など、現在まで続く英経済政策の土台づくりにおいて大きな役割を果たした。2007年からは、ブレア元首相の後を受けて労働党の党首及び首相に就任。その直後に発生した世界的な金融危機への対応に奔走した。
長期間にわたる英国の好景気を支えた手腕が評価される一方で、気性の激しさなどに関する悪評や、ブレア元首相との不仲などが再三にわたってメディアに報じられた。ブラウン前首相の在任中に労働党の支持率は急落。2010年5月の総選挙で下野し、党首を辞任した。
党首辞任後も労働党議員としての活動は継続。今年9月に実施されたスコットランド独立の是非を問う住民投票においては独立反対運動を展開し、その活動が再び注目を集めていた。
ブラウン前首相についての豆知識
生まれ
スコットランド南西部グラスゴーに牧師の子として生まれる
怪我
大学時代にラグビーの試合で受けたけがにより左目を失明
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