FacebookツイッターRSS feed
英仏バイリンガル幼稚園・小学校
mar 22 août 2017

37.政党政治家にソッポの風潮?

デモ隊
4月6日、超党派の政治運動「En Marche !」を立ち上げた
エマニュエル・マクロン経済・産業・デジタル相

目下、フランス政界で最も注目されているのがオランド左派政権のエマニュエル・マクロン経済・産業・デジタル相だ。オランド大統領の支持率が低下し、各種世論調査で大統領選(2回投票、直接投票)にオランドが出馬した場合、1回投票で敗退するとの結果が出る中、マクロンが4月6日に自己の政治運動「進行!(En Marche!)」を発足させたからだ。政界はもとより大方のメディアは、マクロンが「大統領選候補」の意思を固めたとみている。

マクロンによると、この運動の主旨は「左派右派のあらゆる良き意思を結集」し、「左派でも右派でもない政治」を目指すという。すでに1万3000人がマクロンの呼びかけに答えて参集。今後、この運動の拡大浸透を図るという。要するに、社会党が中心の政党政治であるオランド政権を、現職の大臣が否定したわけだ。

マクロンは「大統領を弱体化させるものではない」と述べてオランドへの忠誠を誓っているが、当然ながら社会党内には「辞任すべし」との声が強い。しかしマクロンの支持率は今やヴァルス首相を抜き、閣僚の中では人気ナンバーワンだ。

マクロンはパリの進学校・アンリ四世高校に学び、バカロレア(大学入学資格試験) に優秀な成績で合格した後、パリ・ナンテール大学にて哲学者ヘーゲルに関する論文で学位を取得。さらにエリート校のパリ政治学院で学び、高級官僚養成所の国立行政学院に入った、フランスの典型的エリートだ。

社会党に入党したのは24歳のときで、党員としての年季も入っている。ミッテラン大統領時代の首相ミシェル・ロカールと2002 年に出会ったのがきっかけだといわれている。2006年に当時社会党の第一書記だったオランドの知己(ちき)を得、2007年の大統領選挙では社会党の公認候補セゴレーヌ・ロワイヤルの選挙を手伝った。大統領選後の国民議会(下院)選挙への立候補を画策したが、結局出馬しなかった。

2008年には180度方向転換してなんと、金持ちの代名詞のようなロッシルド(英語の発音だとロスチャイルド)銀行グループに入行。たちまち頭角を現し、2010年には同行の共同経営者に昇格。同年にスイスの食品大手ネスレ(ネッスル)と米国の製薬会社大手の関連会社の買収を成立させ、マクロン自身も億万長者になった。オランドは「もしマクロンがあの業界に留まっていたらフランスどころかヨーロッパ1になっていたはずだ」と彼の能力を絶賛していた。

オランドは2012年に大統領に就任するや、マクロンをエリゼ宮(大統領府)の事務局次長に任命した。この時は政界に激震が走った。なにしろマクロンはエリゼ宮入りした当時、200万ユーロの収入があったからだ。従来の社会党のイメージとは、あまりにもかけ離れていた。

さらに2014年8月の第2次ヴァルス内閣で大臣に就任した。前任者は、オランドの緊縮財政政策を右寄りとして批判し、事実上更迭された社会党左派のアルノー・モントブールだけに、その差異が際立った。

大臣就任約半年後の2015年2月15日には自分の名前を冠した「マクロン法」、正式には「経済の成長、活動、機会の平等に関する法案」、つまり商店の「日曜開店」を大幅に認める法案を可決させたが、労組などからは「右寄り」と大いに批判された。

閣僚の中では38歳と若い上、イケメンと目立つ存在なので、支持率もオランド政権の中ではヴァルス首相に次ぐ高さだ。そのマクロンが政治運動を発足したとあって、メディアも連日、報道合戦を展開中だ。「大統領はマクロンを手放さない」「マクロン、オランド政権の弱体化を否定」「オランド派の会合にマクロン招待されず」などなど。さらに週刊誌「パリ・マッチ」の表紙を夫人とのツーショットで飾ったが、同誌の記事は「マクロン夫妻が寝室を公開!」だった。

夫人はアミアンで出会ったフランス語の高校教師。つまり初恋の人だ。マクロンが30歳になった2007年に20歳年上の彼女と結婚した。夫人は2人の子供を連れての再婚。私生活の話題にも事欠かない。

アメリカの大統領選の予備選では、政治経験ゼロの不動産王ドナルド・トランプが共和党候補として予想を上回る健闘を続けている。マクロンも議員経験なしで、しかも「左派右派」という政党政治を超えた政治を目指すという。政党政治が国民からソッポを向かれている時代といえそうだ。(昌)

 

  • Check


バナー
バナー おすすめフランス語学校 バナー ヘアサロン・ガイド パリのお弁当やさん フランスのラーメン、中華麺、うどん、そば - イギリス・フランス・ベルギー・ドイツの麺もの大特集! サロン&クリニック・ガイド バナー