牛肉加工食品への馬肉混入が次々と発覚
複雑な流通経路や過剰な価格競争が原因か
英国の食品基準庁(FSA)は7日、英国内で流通する牛肉加工食品の中に、馬肉を牛肉として不当表示しているものが紛れていることが発覚したと発表した。BBCなどが報じた。
FSAがスウェーデンの冷凍食品会社フィンダス社のビーフ・ラザニア18商品のサンプル検査を行ったところ、そのうち11商品から馬肉が発見された。中には馬肉の混入率が100%を占める例も確認されたという。FSAは、問題となった冷凍食品が英国内の各大手スーパーマーケットに供給されていると通知した上で、これらの商品を購入した人々は購入先に返品するよう呼び掛けている。
1月中旬には、国内大手スーパーマーケットのテスコなどに流通しているビーフ・バーガー製品に馬肉が混入していることがアイルランドで実施された検査で発覚。これを受けて、FSAが牛肉加工品に対して検査を行うよう国内の食品業界に求めたところ、国内の各スーパーマーケットで販売されているビーフ・ラザニアやスパゲティ・ボロネーゼなどの牛肉加工食品からも馬肉が検出されるに至った。
今回問題となったフィンダス社の商品には、フランスの肉加工会社やルーマニアの仕入れ業者を始めとする欧州各地の食関連企業が関与しており、こうした流通経路の複雑さが事態の解明を困難にしている。また馬肉混入の疑いが持たれた牛肉加工食品の多くが一般に「バリュー製品」と呼ばれる廉価製品であることから、食品業界の過剰な価格競争を本事件が発生した原因の一つに挙げる向きもある。
「馬」を掛け言葉として使った「ばか騒ぎ(Horsing around)はもう止めよう」と
書かれたポスターを貼り出す、スコットランド南部にある個人経営の肉屋
牛肉加工食品に馬肉混入の疑いがあるとして
自主回収を実施した主なスーパーマーケットとその商品
アスダ
Asda
• 500g ビーフ・ボロネーゼ・ソース
アルディ
Aldi
• 「トゥデイズ・スペシャル」フローズン・ビーフ・ラザニア
• 「トゥディズ・スペシャル」フローズン・スパゲティ・ボロネーゼ
テスコ
Tesco
• 「エブリデイ・バリュー」スパゲティ・ボロネーゼ
• 「エブリデイ・バリュー」フローズン・ビーフ・バーガー(8個入り)ほか
コーペレイティブ・フード
Co-operative Food
• ビーフ・クオーター・パウンダー(4個入り)
• ビーフ・フローズン・バーガー・ウィズ・オニオン(8個入り)
リドル
Lidl
• 「ムーアデール」フローズン・ビーフ・クオーター・パウンダー
参考:「タイムズ」紙ほか