風光明媚な英国の地方の街々。美しいけれどどこも似たようなもの、と思う人は多いかもしれない。それぞれに異なる歴史や文化を慈しみ、育んできた土地それぞれの個性は、その地を踏みしめ、見つめ、空気を感じることで初めて実感できるもの。今回は、イングランド北西部チェシャー州の街チェスターに注目。2000年もの歴史を赤茶色の城壁に包んだこの街は、私たちにどんな魅力を見せてくれるのだろう。
ロンドンからのアクセス:
ロンドン・ユーストン駅からチェスター駅まで列車で約2時間
チェスターってどんな街?
英国内には「マンチェスター」「コルチェスター」など、「~チェスター」と付けられた地名が複数みられるが、チェスターの語源は「カストラ(castra)」。陣地や砦を意味するラテン語で、西暦70年ごろローマ人がこの地に「ディーヴァ」と呼ばれる要塞を構えたことからその名が付けられた。400年ごろローマ人が撤退したのちには、アングロ・サクソン人が移住。デーン人(ヴァイキング)の侵入を防ぐために城壁を拡張し、要塞都市を形成した。11世紀になると、イングランド全土を支配したノルマン人が居住。1120年ごろにはノルマン人によりさらに城壁が拡張され、街の四方を完全に城壁が囲むようになる。その後、チェスターは貿易の中継地点として栄えたが、17世紀にリヴァプールが交易都市として力を伸ばすようになると、徐々に衰退。17世紀後半には、ときの国王チャールズ1世の国王軍とオリバー・クロムウェル率いる議会軍が争い国王側が敗れた清教徒革命における国王軍の最後の拠点となり、多大なる損害を受けた。しかしその後、城壁を含む街の大半は再建され、産業革命時には、近郊のマンチェスターやリヴァプールから富裕層が流入。現在では美しい街並みと古の歴史が共存する街として、高い人気を誇っている。
寄り道しつつ城壁歩き
英国で最も完全な状態で残る城塞都市の一つとして知られるこの街の全貌を知るには、城壁を回ってみるのが一番だ。一周約3キロ。ところどころで寄り道しても、半日あれば十分楽しめる。今回は、ローマ時代の要塞の入口だったイースト・ゲートから時計回りに歩いてみよう。
中世の街並みを楽しむ街歩き
中心部を突き抜ける大通り沿いに連なる、黒い柱に白壁のコントラストが美しいハーフティンバー様式の建物、建物の間をぬうように張り巡らされた細道――眺めるだけでも心躍るチェスターの街並みを、まずはぶらりと散策。
中世の街並みを楽しむ街歩き
複数の様式が混然一体に
Chester Cathedral チェスター大聖堂

重厚な建物が放つ圧倒的な存在感
威風堂々たる佇まいで存在感を放つチェスター大聖堂。伝説によると2000年近くもの歴史を持つともいわれているが、今ある建物は、11世紀ごろにつくられたロマネスク様式の修道院が、幾度とない増改築を経て、複数の様式が混在するようになったもの。左右、正面の壁を覆い尽くすステンドグラスの美しさには思わずため息が。
12 Abbey Square, Chester CH1 2HU
Tel: 01244 324 756
月~土 9:00-17:00、日 13:00-16:00 無料
www.chestercathedral.com
2層構造のショッピング・ストリートに
The Rows ザ・ロウズ
中世の街並みに、スーパーや薬局など、ロンドンとさほど変わらない店舗が不思議と溶け合うショッピング街。チューダー朝のハーフティンバー様式の建物の多くはヴィクトリア時代に再建されたものだが、何といってもユニークなのが、その建物の構造だ。ストリートに面した1階部分の店舗は全体的に少々地面に沈んだようになっている。入口で数段の階段を下りる、いわば半地下のようなつくりなのだ。なんでもこれは13世紀ごろに造られた当時の姿そのままで、もともと1階部分は倉庫として使われていたのだそう。そして最も特徴的なのが2階部分。往来に沿って、複数の建物を貫くアーケードが伸び、店舗の入り口はその奥に位置している。つまりは2階部分にストリートと並行してもう一つの「ストリート」が存在する2層構造になっていて、雨にさらされることなく、ウインドー・ショッピングを楽しめるというわけ。ストリートから2階部分に直接上がることができる階段もあるので、1階と2階の行き来も楽々。

左)ハーフティンバー様式の建物だけでなく、様々な種類の建物の2階部分がアーケードになっている
右)2階のアーケード部分。これなら雨でもゆっくりショッピングできる

街の真ん中に位置していて待ち合わせにも
便利
街散策の目印に
The Cross ザ・クロス
チェスターの街の中心部を貫く大通りの交差点。ここから東西南北にザ・ロウズが伸びている。夏季の間は、火~金の正午に伝統的な衣装を身にまとった「お触れ役」が、この交差点に配された塔の横でお触れを読み上げる慣習が今も続いている。
www.chestertowncriers.com
寄り道しつつ城壁歩き

大通りの喧騒を見守る時計台
街を見下ろすアイコン的な時計台
East Gate Clock
イースト・ゲート時計台
イースト・ゲートにある、一際目を引く真紅と緑の時計台。時計盤の真上の「VR」の言葉が示すように、ヴィクトリア女王(ヴィクトリア・レジーナ)の即位60周年、ダイヤモンド・ジュビリーを記念してつくられたものだ。近隣の建物の日照を妨げないよう設計された鉄製の時計台はさほど大きくないが、その精巧なつくりとクラシカルな色彩で、街のシンボル的な存在となっている。
41-45 Eastgate Street, Chester CH1 2HS
ローマ時代に思いを馳せる
Amphitheatre 円形競技場

競技場の半分はまだ建物の下に眠っている
ローマ時代の円形競技場跡。闘鶏や格闘技など様々な催しや、軍の訓練が行われたところで、この時代の円形競技場としては英国最大の規模。とはいえ、現在発掘されているのは約半分で、残りは建物の下に埋もれているので、かつての栄華を想像するのは少し難しいかも。
Vicar's Lane, Chester CH1 2HS
Tel: 01244 402 260
ローマ人の創意工夫に感心
The Roman Gardens ザ・ローマン・ガーデンズ
イースト・ゲートから南に向かって城壁を歩いていると、左手に緑豊かな公園が見えてくる。細長い園内にはローマ時代の石柱や石造りの遺跡が。18世紀から20世紀初めごろまでは粘土製のタバコ用パイプ製造工場だった場所に、城壁内で発掘されたテルマエ(公衆浴場)や軍本部の建物の一部を集めてつくられた。テルマエの柱を利用して再現された、ローマ時代の床下暖房施設もあり、当時の人々の発想力には脱帽。

左)ローマ時代の遺跡が点在する園内 / 右)再現されたローマ時代の床下暖房施設も
ミニチュア鉄道で公園を一巡り
Grosvenor Park グロヴナー・パーク
ディー川に沿って東に向かって歩いていくと、緑眩しい公園にたどり着く。地元民に愛されるこの公園にはミニチュア鉄道もあるので、小さな子供たちも大喜び。
Grosvenor Park Road, Chester CH1 1QQ
Tel: 01244 402 202
月~日: 7:00-17:00
Grosvenor Park Miniature Railway
土・日・祝日(12、1月は 日、ボクシング・デー、元旦)
夏季: 10:30-17:00、冬季: 11:00-16:00
大人£1.50、子供(3~15歳)1ポンド
www.gpmr.co.uk

左)地元民の憩いの場 / 右)ミニチュア鉄道に小さな子供たちは大興奮

川沿いに並ぶベンチで一休
煌めく川辺で一休み
River Dee ディー川
南の城門、ブリッジ・ゲートまで来たら、ディー川のほとりまで行ってみよう。地元チェシャー・ファームのアイスクリームをなめつつ、遊覧船が行き来するディー川に沿ってしばし散歩。
ナロー・ボートを眺めつつ一杯
Canal Basin カナル・ベイスン
城壁の北西の角に位置するウォーター・タワーの目と鼻の先にあるカナルには、にぎやかなディー川沿いと違って、ゆったりとした空気が流れている。カナル沿いにある地元民に人気のパブでビールを飲むのも一興。

静けさが漂うカナルでナロー・ボートを眺める
小山の上に佇むノルマン人の城
Chester Castle チェスター城

一部は裁判所や美術館として
使われているそう
ブリッジ・ゲートを越えてしばらく歩くと右手前方に見えてくるのがチェスター城。11世紀に、ウィリアム征服王率いるノルマン人がチェスターを占領したあと、「モット・アンド・ベイリー」という、小山(モット)の上に塔を建てて周囲を柵(ベイリー)で囲む方式の城を建造した。その後改築が行われ、当時のままの姿を保っているのは一部だけだが、モットのなだらかな斜面の上に建てられた城のユニークな形状は今もはっきりと見ることができる。
Chester CH1 2DN
Tel: 0870 333 1181
www.english-heritage.org.uk/daysout/properties/chester-castle-agricola-tower-and-castle-walls
*内部に入れるのはガイド・ツアー(Secret Chester Tours)のみ
英国最古の競馬場
Chester Racecourse チェスター競馬場

競馬だけでなく、ポロ観戦もできる
城壁が北に折れると左手に広大な芝地が広がっている。実はここ、現存するものの中では英国最古の競馬場と言われている。初のレースが行われたのは1539年2月9日とのこと。競馬好きはもちろん、英国ならではの伝統的な雰囲気を味わいたい人も。
Chester CH1 2LY
Tel: 01244 304 610
www.chester-races.co.uk

敗戦を塔の上から見た王の心境やいかに
敗北を眼下に見た王の思い
King Charles Tower
キング・チャールズ・タワー
ノース・ゲートを行き過ぎ、北東の角まで進むと目の前にあるキング・チャールズ・タワーは、その名の通り、チャールズ1世にちなんで名付けられた。17世紀に勃発した清教徒革命で国王側の最後の拠点となっていたチェスター。この塔は、当時チェスター近くで行われた戦いで自らの軍勢が敗れた様子をチャールズ1世が目撃した場所だとされている。
ザ・ロウズ内にあるカフェ、ディー川やカナルに沿って点在するパブ、そして競馬場内のちょっとお洒落なレストラン ―― 街歩きの合間に、チェスターの食を雰囲気ごと堪能しよう。
The Brewery Tap

典型的なパブ・メニューだが味は◎
スピッティング・フェザーズ醸造所のビールを始め、地元産を中心とした様々なリアル・エールを取りそろえたパブでぐいっと一杯。フィッシュ・アンド・チップスなど典型的なパブ・メニューも美味。
52-54 Lower Bridge Street, Chester CH1 1RU
Tel: 01244 340 999
月~土: 12:00-23:00 / 日: 12:00-22:30
*食事は21:30(日は21:00)まで
www.the-tap.co.uk
OVO home & OVO café

ちょっぴりレトロなインテリア・
ショップの奥にカフェが
50~60年代のレトロなデザインにコンテンポラリーの要素を取り入れたホーム・グッズのショップ内に設置された居心地の良いカフェ。ホームメイドのケーキにコーヒーで散策の疲れを癒そう。
4 Rufus Court, off Northgate Street, Chester CH1 2JW
Tel: 01244 329 643
月~土: 10:00-18:00、日: 11:00-16:00
www.ovohome.com
Alexander's Live

広い中庭でくつろぐ人々
ノース・ゲートからほど近く。城壁から広々とした中庭を望むことのできるアレクサンダーズ・ライブでは、タパスを肴に、ジャズやブルースなどの生演奏、コメディーのパフォーマンスなどが楽しめる。
2 Rufus Court, Chester CH1 2JW
Tel: 01244 340 005
月~土: 20:00-翌2:00 / 日: 19:30-0:30
http://alexanderslive.com
1539
チェスター競馬場内にあるモダン・ブリティッシュ・レストラン。1539年に同競馬場で初めてレースが開催されたことからこの名が付けられた。地元産の食材にこだわったメニューが自慢。
The Racecourse, Chester CH1 2LY
Tel: 01244 304 611
月~日: 11:30-0:00
www.restaurant1539.co.uk
番外編

スーパーにも様々な種類のチーズがずらり
チェシャー州といえばチーズ。地名が付けら れたチーズとしては英国でも最古のものの一つともいわれるチェシャー・チーズは、ちょっとしたおみやげに最適。塩味が強めで、固くホロリとくずれる独特の食感。エール・ビールとの相性は抜群だ。
チェスターの街中を思う存分楽しんだら、次は郊外まで足を延ばしてみよう。中心部にあるタウン・ホールからバスに乗れば、気軽にこれらの場所へ赴くことができる。
動物たちの広大な楽園
Chester Zoo チェスター動物園
東京ドーム9.5個分の土地に、約400種類、1万1000頭もの動物たちが飼育されているチェスター動物園。檻の中で窮屈な生活を送る動物たち、という通常の動物園のイメージを完全に覆し、広大な空間に伸び伸びと暮らす動物たちの生活を垣間見ることができる。とにかく広いので、動物園の中心部分をぐるりと走るモノレールや水上バスを利用しつつ、効率的に回ろう。チーターやサイが闊歩(かっぽ)するエリアの上に伸びる遊歩道を歩けば、まるでサファリ・パークの只中にいるような気分を味わえる。

左)動物たちがくつろぐ広大な空間をモノレールが行く / 右)ゾウたちも伸び伸びゆったり

左)丸太でできた遊歩道 / 右)バクとカピバラは仲良く共同生活
Upton-by-Chester, Chester CH2 1LH
Tel: 01244 380 280
Chester Town Hallからバスで約15分
月~日: 10:00-17:00
大人£18、子供(3~15歳)£14
www.chesterzoo.org
英国有数の大きさを誇るアウトレット
Cheshire Oaks Designer Outlet
チェシャー・オークス
チェスターまで来て「アウトレット」!? と言うなかれ。140以上のブランドが整然と軒を並べる、アウトレットとしては英国有数の敷地面積を誇るこのチェシャー・オークスを訪れれば、きっとショッピング熱がぐぐっと高まってしまうはず。マルベリーやバーバリー、テッド・ベーカーなど人気英ブランドの商品を最大60%引きで購入することができる。

左)ゆったりのんびりショッピングを楽しめる / 右)高級住宅地のような清潔さ
Kinsey Road, Ellesmere Port, Cheshire CH65 9JJ
Tel: 0151 348 5600
Chester Town Hallからバスで約30分、またはChester駅からタクシーで約15分
月~金: 10:00-20:00、土: 9:00-19:00、日: 10:00-17:00、
バンク・ホリデー: 9:00-18:00
www.mcarthurglen.com/uk/cheshire-oaks-designer-outlet
城壁に囲まれた旧市街と、川を睥睨(へいげい)するかのように佇む城の廃墟。チェスターから列車で約1時間でたどり着くもう一つの城壁の街、ウェールズ北部に位置するコンウィには、チェスターとはまた一味違う趣がある。
戦いの記憶を残す古城の廃墟
Conwy Castle コンウィ城
列車の車窓から見える古びた石造りのアーチ。まるで中世の世界へ列車ごと入り込んだかのような錯覚を覚えた瞬間、コンウィの駅に到着する。駅から徒歩約5分、線路と平行に伸びる橋の終着点にそびえるのがコンウィ城だ。13世紀、ウェールズのときの王国グウィネズを征服するため彼の地に遠征したイングランド王、エドワード1世の命により建造されたこの城は、「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」として世界遺産に指定された建造物の一つ。8つの円塔と城壁が残る廃墟は、「城」という言葉から想像する優美さとはかけ離れた、要塞としての存在意義を今に色濃く伝えている。円塔の頂上から、「兵(つわもの)どもが夢のあと」といった趣を醸し出す城内と、色とりどりのヨットが浮かぶコンウィ川を眺めれば、この街がたどってきた栄枯盛衰に思いを馳せずにはいられない。

左)古の戦場であることを強く感じさせる城の廃墟
右)円塔の上からコンウィ川ののどかな風景を見下ろす
Rose Hill Street, Conwy, Wales LL32 8AY
Tel: 01492 592 358
Conwy駅から徒歩約5分
9月1日~10月31日 9:30-17:00
*季節によって異なるのでそのほかの詳細はウェブ参照
大人£5.75(家族割引あり)
http://cadw.wales.gov.uk/daysout/conwycastle
大自然に抱かれたガーデン
Bodnant Garden
ボドナント・ガーデン
ウェールズ北部に広がるスノードニア国立公園のそばに位置するボドナント・ガーデン。ナショナル・トラストにより管理されているこのガーデンは、手入れの行き届いた木々や花々の優美さと、雄大な自然美が融合した独特の風情を湛えている。邸宅と自然のハーモニーが美しいアッパー・ガーデンと、斜面を生かした5段の雛壇で構成されたテラス>・ガーデン。テラス・ガーデンを下に行けば、「デル」と呼ばれる人工の谷が、密やかに来る者を待っている。まばゆいばかりの黄色の花が垂れ下がるキングサリのトンネル(5月末から6月初旬)が有名だが、それ以外にもツツジやツバキなど、様々な花々が咲き誇る。
Tal-y-Cafn, Colwyn Bay, Wales LL28 5RE
Tel: 01492 650 460
Conwy CastleまたはChesterから: Llandudno Junction駅からバス
[2013年スケジュール]
夏季: 10月27日まで 10:00-17:00
冬季: 10月28日~11月10日 11:00-15:00
*11月11日以降、基本的にカフェのみ
夏季: 大人£8.45(子供£4.22)
冬季: 大人£4.54(子供£2.27)
www.nationaltrust.org.uk/bodnant-garden
赤い壁がチャーミング
The Smallest House in Great Britain
英国一小さな家
こぢんまりとした建物と建物の間に、きゅっとむりやり押し込められたかのように納まるさらに小さい真っ赤な家。ここコンウィには、英国で一番小さいといわれる家がある。ギネスブックにも載っているというこの家、間口約1.8メートル、高さ約3メートルという極小サイズ。2階建てで、1階のキッチン & ダイニングには小さなテーブルとイスが2脚にコンロ、2階にはベッドが一つ、窮屈そうに置かれている。閉所恐怖症ならばとても住めないような圧迫感を覚えるが、この家に最後に住んでいた人物は、何と190メートルを超える大男の漁師だったというから驚きだ。
Conwy, Wales LL32 8BB
Tel: 07925 049 786
Conwy駅から徒歩約7分
夏季: 10:00-日没、冬季: 10:00-16:00
大人£1、子供£0.5
http://thesmallesthouseingreatbritain.co.uk



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西ヨーロッパにおける最も高いビルとして、2012年のオープン時には大きく話題を集め、新しくロンドンの観光名所の一つに仲間入りした高層ビル「ザ・シャード」。イタリアの著名建築家レンゾ・ピアノが設計した高さ310メートルの建物における事実上の最上階となる72階から、ロンドンの眺めを一望することができる。通常ならば入場に際して24.95ポンドという決して安くない料金を払わなければならないが、オープン・ハウスでは特別に無料。ただしこの特典を得られるのは、先に紹介した首相官邸と同じく抽選の当選者のみ。興味のある人は9月13日の締切日までに、公式ウェブサイトから申し込みを。







毎晩、周辺にまで立ち飲み客が溢れ出る人気店。同店が立つロンドン中心部ホルボーン地区にはかつて「ウィペット犬」と呼ばれる狩猟犬が出場するドッグ・レースの競技場があり、周囲に立ち並ぶインディペンデント系の各店が街の賑わいを支えていたことから、当時の活況を蘇らせたいとの思いを込めて「ホルボーン・ウィペット」という店名が付けられた。小学校の校庭にある水飲み場のように並んだ小さな蛇口から注がれるビールは多種多様で、しかも来店する度にその種類が変わる。最近のお勧めは、バナナのようなほどよい甘味と、清涼感を含み込んだ「ロートハウス・ヴァイスビア」。フルーツ風味のこのビールと、ハーブ入りの挽きの細かいビーフを挟んだ「ブルームズベリー・バーガー」の組み合わせは、パブでの食事とはにわかには信じられないほどに爽やかな口当たりをもたらす。割高な傾向のあるクラフト・ビール店で、食事付きで15ポンド以内に収まるお得な料金設定もうれしい。
週日は露店が軒を連ねるレザー・レーンの北側に位置するパブ。何の変哲もないその外観は、英国中で見かけるそのほかの一般的なパブとさして変わりないが、店内に入ってカウンターの隅から隅まで並べられたビール・サーバーの数を見れば違いは一目瞭然。それぞれのポンプに貼られた目新しいラベルの数々には思わず見入ってしまうはずだ。スナック以外に食事は提供していないが、その代わりメニュー表にはビールの銘柄がずらり。英国人が大好きな樽内熟成の「リアル・エール」から、喉越しの良い味となる傾向の強いケグ式、さらには瓶詰めされたビールまで何でもそろっている。思わず興味をそそられるのが「エレクトリック・ナース」。直訳すると「電撃的な看護婦」となるその不思議な名前が暗示するかのように、キレとほのかな甘みが共存する個性派ビールだ。ロンドン南部ブリクストンや同北部イズリントンにも支店があり、またオンラインでも各種ビールを購入可。

2007年にスコットランド北東部アバディーン出身の20代の若者たちによって設立された醸造所「ブリュー・ドッグ」が運営するパブ。露店として始まり、今や日本を含む世界中に展開するその急成長ぶりは、ビール好きの間では伝説のようにして語られている。ロンドン東部ショーディッチほか各地に店舗を構えているが、スタッフの顔と名前を店内の壁に落書き風に書き出して紹介するファンキーなスタイルは、ロックの聖地と言われるカムデン地区の雰囲気にぴったり。スタッフが「バノフィー・パイ(バナナやキャラメルが入った英国のお菓子)の味に最も近いビール」と独特の表現で勧めてくれたのが「アブストラクトAB:14」。また注文する際に少し照れてしまう名前の「ハロー・マイ・ネイム・イズ・イングリッド」は、飲んだ瞬間にホロムイイチゴの味が口の中全体に広がる。グレープフルーツ、ライム、バジルなどを混ぜ合わせて透明感を際立たせたビールのカクテルもある。

金融街シティからアクセス抜群で、その名の通り赤い牛の絵が店内に飾られたこの店は、仕事帰りの銀行員らしき人々や近隣のオフィスに勤めているのであろう若い女性たちで賑わう。お勧めはドイツ産の「シュレンケルラ・ラオホビア」。ダークな色合いのこのビールを一口飲むと、滑らかな舌触りに加え、ベーコンのような風味にびっくり。ブナの木を燃やした薫煙で乾燥させた麦芽である「スモークド・モルト」を使用しているだけあって、まるで煙を飲んでいるかのような独特の味わいがクセになる。チーズの盛り合わせと一緒に飲めば、より一層深いコクが口の中に広がり、思わずもう一杯頼みたくなること間違いなし。歯ごたえのあるお肉と酸味の利いたソースの相性が絶妙のカモのステーキや、辛味のあるソースととろけるチーズがかかったイカの小皿など料理のメニューも充実。週によって仕入れる種類がガラリと変わるビールについての情報はウェブサイトに随時アップされている。

ロンドン屈指の食物市場であるバラ・マーケット。このマーケットの北側出口付近に設置されたビールの露店を訪れたことがある人は少なくないはずだ。ビール好きなら、実に700種類もの瓶ビールが一堂に並べられた棚を物色するだけで時間が飛ぶように過ぎていく。さて、この露店の運営元はパブの経営も行っている。そのパブの名が「ザ・レイク」であり、立地は何とバラ・マーケットの駐車場内にあるトイレの裏。店内も小部屋のようなスペースしかない、まさに知る人ぞ知る隠れ家的な名店となっている。ほぼ日替わりのような頻度で変わる約10のビール・サーバーが注ぎ出す生ビールも魅力的だが、やはり目玉は130種類にも及ぶ瓶ビール。カウンターのすぐ脇から出入りできる地下の貯蔵室に保管されている種類も多くあるという。露店ではお土産や自宅への持ち帰り用に購入、パブでは買い物の休憩と試し飲みを兼ねての一杯と、ビール党にたくさんの楽しみを与えてくれる店だ。





























ウィリアム王子とキャサリン妃の第1子が誕生した翌日、同妃が入院していた病院から住居であるケンジントン宮殿へと向かう際に、父であるウィリアム王子がベビー・シートを車に取り付け、自ら運転する姿に、王室がまた一つ、新しい扉を開いたと感じた人も多かったのではないだろうか。できる限り自分たちの手で子育てをしたいという意向を持っているとされる2人は、子供に専属の乳母をつけず、子育てを含む身の回りの世話を担当するパートタイムの家政婦を雇った。夫妻は新生児とともに数週間をキャサリン妃の実家で過ごす予定となっており、今後は同妃の両親であるマイケルさんとキャロルさんが子育てに深く関与することになるともいわれている。いずれにしても、英国空軍パイロットとして多忙な日々を送るウィリアム王子と、王室メンバーの一員として海外訪問を含む公務をこなしていくことになるキャサリン妃の子育てには、当人以外の人々の存在が不可欠となることは想像に難くない。ある世論調査では、大多数の国民が、ロイヤル・ベビーは一般的な育児・教育を受けるべきとする一方で、実際のところ実現させるのは難しいだろうと考えていることが明らかになっている。
アトピー対策になる
全身をモコモコに
暖かく優しく
口と目と耳を楽しませる
何でもお子様用の椅子に
床にこぼさず
食べ物アレルギーが
家庭内逆バンジー・
伸縮自在の
安心してプールに行ける
リバティ柄のよだれかけ
母親のキャロルさんと選んだ
英国の著名セレブたち
ケンジントン宮殿の
英王室コレクションの
クマのプーさんの
































1853年、ペリー提督率いる黒船の来航によって、200年以上にわたって鎖国を続けてきた日本は開国を強いられました。それから10年間、幕府の混乱に乗じて列強各国から不平等条約を押しつけられ、さらなる開港を求める外圧にさらされていた日本では、外国を排斥しようとする攘夷思想が燃え上がります。1862年に薩摩藩の行列を横切った英国人を斬りつけた生麦事件、1863年には長州藩士による英国公使館焼き討ち事件が起こるなど、西欧列強対日本という全面戦争の恐れが高まっていったのです。









カラフルな風船で覆われたかのような天井の装飾に楕円型のホール――おとぎ話にでも出てきそうな舞台で繰り広げられる音楽会は、お子さんたちにとっても、きっと忘れられないひとときとなるはず。
世界最大級の規模だからこそできる、特定の作曲家を大々的にフィーチャーするプログラムの数々も逃せない。目玉は何と言っても生誕200周年を迎えるワーグナー関連プロムだ。序夜と3日間からなる4部作で、合計上演時間は15時間近くに及ぶ「ニーベルングの指輪」全作(
このほかにも
毎年壮絶なチケット獲得戦が繰り広げられるラスト・ナイトだが、その苦労を補って余りある特別な一夜を楽しめる。
毎年大人気なので、通常とは購入方法が異なる。主な手段としては、事前に5つ以上のそのほかのプログラム・チケットを購入し、抽選に参加する「The Five-Concert Ballot」がある(締切は5月23日(木))。しかしこれに失敗してもまだ購入手段は残っている。














