Hanacell
ドクターの診察室


ウイルスとワクチンを知る

ウイルスと細菌は何が違うのでしょうか? また、新型コロナウイルスは何度も変異していると聞きました。話題のmRNAワクチンについても詳しく知りたいです。

Point

  • •ウイルスは感染力を持った粒子
  • •ウイルス粒子の中は遺伝子情報
  • •ほかの生物の細胞を利用して増殖
  • •遺伝子の変異が多く、速い
  • •抗ウイルス薬はウイルス複製を抑える
  • •COVID-19のワクチンに期待

ウイルスって?

● 名前の由来

ウイルス(ドイツ語でViren)は19世紀末に発見され、その呼び名はラテン語で「毒」を意味する「Venenum」 、 「Virus」が由来とされます。

● ウイルスの大きさ

ウイルスは、細菌と真菌(カビ)と比べても1番小さく(巨大ウイルスを除く)、例えば新型コロナウイルス(約0.1μm、1mmの1万分の1)は大腸菌(長径が約3.0μm)の約30分の1の大きさです。

ウイルスの大きさ

● 感染力を持った粒子

ウイルスは、殻(カプシド)の中に1本鎖(RNA)あるいは2本鎖(DNA)の遺伝子情報(核酸)を含んでいます。また、カプシドの外側が膜(エンベロープ)に包まれているタイプのウイルス種も。ウイルス粒子は動きも増えもしませんが、生物の細胞の中では見違えるように活発になります。

● 細胞外での生存期間

細胞の外に排出されたウイルスは、通常は短期間で増殖できなくなり、死んでしまいます。太陽の紫外線、熱、さらにエンベロープを持つウイルスのようにアルコール、洗剤で簡単に不活化するものもあれば、ノロウイルスやポリオウイルスのように外界で長期間にわたり感染力を保つものも。エアゾル化した新型コロナウイルスは空中で3時間以上、物体に付着した場合は3日間以上にわたり感染力が継続します(3月17日のNEJM誌)。

● 変異し続ける

複製による増殖が著しいため、遺伝子のコピーミスによる変異ウイルスも時々生じます。変異ウイルスのウイルス集団が大部分を占めると、新種の変異ウイルスとして拡がります(山内一也著『ウイルスの意味論』みすず書房、2018年より)。

人の体に存在するウイルス

● 健常人にも多くのウイルス

ウイルスは人の皮ふ(2015年のmBio誌)をはじめ、体の至るところに不顕性感染しています(東京大学医科学研究所、今年6月のBMC Bilogy誌)。また、私たちの体の免疫状態や健康状態に何かしら関与している可能性があると推測されています。

● ウイルスの遷せんえん延感染

水痘・帯状疱疹ウイルスや口唇ヘルペスを生じる単純ヘルペスウイルス1型は、症状が消えた後も神経節に潜在します。前者は体の免疫が弱った時に帯状疱疹(Herpes Zoster)として現れ、後者は風邪をひいた後などに再発を繰り返すことに。さらに、子宮頚がん(Zervixkarzinom)はヒトパピローマウイルスの長期感染が原因とされています。

● 動物のウイルスが人へ

新型コロナウイルスはコウモリ由来のウイルスとする見方が強いです。麻疹ウイルスも、もともとは牛のウイルス(牛疫ウイルス)が人に拡がったと推測されています(2010年のVirol J誌、2020年のScience誌)。なお、ヘルペスウイルスは哺乳類、鳥、魚から軟体動物に広く感染がみられます。

ウイルス感染症の治療

● 抗体によるウイルス排除

ウイルスに感染すると体内からウイルスを排除する抗体(Antikörper)がつくられます。麻疹は1回の感染で終生免疫が得られます。しかし新型コロナウイルスでは、抗体(IgG)のできない人や(6月5日のリューベック保健所の報告)、抗体が数カ月で消失してしまう例が報告されています(7月のNEJM誌)。

● 中和抗体による治療

ウイルス感染の回復者の血液からウイルスの感染を抑える抗体(中和抗体)を取り出し、人為的に大量生産して治療薬にするものです。感染初期に投与して発症や重症化を減らすことが期待されています。新型コロナウイルスに対しては、ウイルスの表面の突起を認識し感染を抑える中和抗体が開発されました(米国のイーライ・リリー社など)。

● 抗ウイルス薬

エボラウイルス治療薬のレムデシビルやインフルエンザ治療薬のアビガン®は、ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼという酵素を阻害します。口唇ヘルペスや帯状疱疹には、薬が細胞内のウイルスDNAに取り込まれて増殖を抑えるアシクロビルが用いられます。一方、タミフル®は、インフルエンザウイルスがほかの細胞に感染を拡げる時に必要な酵素を阻害。しかし、多くのウイルスに対して特異的に効く抗ウイルス薬はありません。

● 対症療法

発熱は解熱鎮痛薬、咳に対し咳止め、脱水に対し輸液、血中酸素低下には酸素吸入や人工呼吸器といった対症療法が行われます。

これまでのワクチン(Impfstoff)

● 生ワクチン(Lebendimpfstoff)

毒性を弱めたり病原性を低下させたウイルスを用いるワクチンで、 弱毒化ワクチンともいわれます。麻疹、風疹、水痘、おたふく風邪などに対するワクチンです。

● 従来の不活化ワクチン(Totimpfstoff)

薬剤処理をして感染や発症する能力を失わせたウイルスを投与する方法。インフルエンザワクチン(注射製剤)など多くのワクチンが不活化ワクチンです。生ワクチンに比べて副反応が少ない半面、免疫の続く期間が短いとされます。

● ウイルス様粒子(VLP)ワクチン

ウイルスの遺伝子情報を含まない外殻(カプシド)のみを投与するワクチンです。B型肝炎ワクチンや子宮頸がんワクチンがあります。

新しいタイプのワクチン

● mRNAワクチン

ウイルス遺伝子情報の一部を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を投与、体内で抗原となるタンパクをつくらせ、免疫系が反応して抗体を産生させるというものです。新型コロナウイルスに対してつくられたモデルナ社、およびファイザー社とビオンテック社のワクチンはこのタイプに属します。

● ベクターワクチン

アデノウイルスの中にウイルス遺伝子の一部を組み込み、体内で抗原となるタンパクをつくり、抗体を産生します。新型コロナウイルスに関しては、ウイルスの突起(スパイク)に対する抗体をつくらせるワクチンの開発が進められています。

● DNAワクチン

ウイルスのDNAの一部を細菌がつくる環状のプラスミドDNAに入れて投与、体内で抗原となるウイルスの一部分を作らせて自然免疫を誘導します。新型コロナウイルスでは日本のアンジェス社が開発中です。

● 新しいワクチンの留意点

ワクチン効果の持続期間、副反応(Nebenwirkung)の有無、また傷みやすいRNAを用いるmRNAワクチンでは製剤の安定性も大切です。

新しいタイプのワクチン

新しいタイプのワクチン

最終更新 Dienstag, 08 Dezember 2020 10:57
 

腸内細菌の不思議な役割

食後でもないのにげっぷが頻繁に出ます。おなかの調子がすっきりしないと、全身の力も入らない気がします。腸内の菌が関係すると聞いたことがありますが、本当ですか?

Point

  • 腸内の善玉菌、悪玉菌のバランス
  • 腸内細菌は免疫力にも関与
  • おならの多くはのみ込んだ空気
  • 小腸で細菌繁殖してガスを産生するSIBO
  • 砂糖の摂取で増える腸内カンジダ
  • 抗菌薬の使い過ぎで善玉菌も消滅
  • プロバイオティクスとプレバイオティクス

腸の構造と機能

● 小腸(Dünndarm)

大人で長さが6~ 7メートルある、体の中で1番長い臓器です。消化された食物をさらに分解、栄養を吸収する働きと、私たちの免疫力の約7割を担う腸管免疫の働きがあります。

● 大腸(Dickdarm)

長さは大人で約1.5メートル。蠕ぜんどう動運動により内容物を運びながら、水分やミネラルを吸収します。食べた物が便として排泄されるまで通常1〜3日ほどかかります。

腸の役割
腸の役割

下痢と便秘

● 下痢(Durchfall)

水分を多く含みどろどろした液状の便です。原因は、食べ過ぎ飲み過ぎ、人工甘味料入りダイエット飲料、乳糖不耐、超硬度の硬水、細菌やウイルス感染、薬の副作用、腸・膵臓・肝臓などの病気、と多岐にわたります。下痢が続くと体のカリウム(K)が失われ、筋力が低下し階段を登るのが辛くなることも。

● 便秘(Verstopfung)

排便の回数が少なく、硬くて出にくい場合を指します。2~ 3日に1度の排便でも、不快な症状を伴っていなければ異常とはいえません。大腸の蠕動運動の低下、排便を我慢する習慣、運動不足、食物繊維の摂取不足、大腸がん(Darmkrebs)などによる腸管の狭まり(器質性便秘)、咳止め(コデイン製剤)の副作用などが主な原因として挙げられます。

げっぷとおなら

● げっぷもおならも正体は呑気(どんき)

私たちの口からげっぷ(おくび、Luftaufstoßen、Rülpsen、Bäuerchen)が出る原因のほとんどは、食事や話し中に無意識に飲み込む空気です。10ミリリットルの水を飲むと一緒に8~32ミリリットルもの空気を飲み込むとされます(1996年の米国消化器病学会誌 Gastroenterolgy誌より)。胃食道逆流症があるとげっぷが出やすくなります。十二指腸より先まで行った空気は、おならになります(Furz、Pup)。

● かみしめ呑気症候群

奥歯をかみしめると唾液が奥へ流れ込みやすく、一緒に呑み込む空気も増えます。パソコン作業に集中して無意識に歯をかみしめている人に起こりやすく、肩こり・頭痛を伴うことも(第49回日本心身医学会総会および第111回日本心身医学会地方会での発表)。当然おなかが張りやすく、おならも増えてきます。

● 腸管ガスと臭いおなら

さらに大腸で腸内細菌が食物を分解、発酵、腐敗させ、硫化水素やインドールなどの臭いガスを発生させます。腸内環境が悪く異常発酵を起こすと、おなかにガスが溜まります。便秘に良いはずの食物繊維がガスの原因になることも。

腸の微生物の世界

● 腸内の微生物の数

私たちの腸内には少なくとも300〜500種、数にして200万個(2003年のLancet誌の総説)〜100兆個(2010年のPhysiol Rev誌)もの微生物(腸内細菌、アーキア、真菌、ウイルスなど)が住んでいます。何と便に含まれる有機物の25~ 58%は細菌です(2015年のRev Environ Sci Tech誌)。

● 腸内の善玉菌と悪玉菌

腸の中には ①善玉菌(20%)、②悪玉菌(10%)、③体が弱まると悪影響を及ぼす日ひよりみきん和見菌(70%)が共生して腸内環境を整えています。善玉菌の代表は乳酸菌(Milchsäurebakterien)とビフィズス菌(Bifidobacterium)、悪玉菌の代表はウェルシュ菌(Clostridium perfringens)です。

● 人と腸内細菌の関係

人と腸内細菌叢

そう(Darmflora)は相互扶助的な関係にあり、腸内細菌は ①人に栄養(例えば、ビタミンK)を供給したり、②腸内の免疫力を維持するのに役立っています。

● 高齢化と腸内細菌

腸内細菌叢は加齢によって変化し、高齢になると善玉菌が減って、悪玉菌の割合が増えます。「老化は腸から」とも(2017年のJ Gerontol誌)。

● 食事内容と腸内細菌

不規則な食事や偏食が腸内細菌叢のバランスを乱すとされています。一方、腸内細菌叢は個人差が大きく、同一の食事でも同じ細菌叢を作らないとの観察も(2018年の医療情報誌Animus誌)。

腸内細菌と病気

● 小腸内細菌異常増殖症候群(SIBO)

本来は細菌数が少ない小腸で常在菌以外の細菌が過剰に増殖、ガス発生による腹部膨満感をはじめ、さまざまな症状を来すものです。最近は過敏性腸症候群(IBS)との関連も指摘されています。

● 乳糖不耐症と腸内細菌

日本人に多い乳糖不耐症は年齢とともに増加。実は乳糖の消化分解にも腸内細菌が関わっています(平成13年度牛乳栄養学術研究会 委託研究報告書)。乳糖を分解できる腸内細菌が増加すると、乳糖による下痢の誘発も減る可能性が指摘されています。

● 腸の病気と腸内細菌

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)と腸内細菌による腸管の免疫機能との関連(2020年のGut Pahog誌)、機能性腸疾患である過敏性腸症候群(IBS)との関わり(2019年のGastroenterol誌の総説)が研究されています。今後の成果が期待されている領域です(2019年のPathogens誌の総説)。

腸内微生物叢の改善は?

● プロバイオティクス(Probiotikum)

乳酸菌やビフィズス菌など腸内環境に好影響を与えることが予想される善玉菌を含む製剤(ビオフェルミン®、OmniBiotic®、Symbiolact®など)や食品をプロバイオティクスといいます。腸内細菌学の第一人者の光岡知足氏(東京大学名誉教授)は「腸管免疫の賦活には生菌か死菌かではなく菌の数が重要」としています。

● プレバイオティクス(Prebiotikum)

腸内の善玉菌を増やしたり、プロバイオティクスの働きを助ける可能性のある食品成分のことをいいます。

プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い*

プロバイオティクス プレバイオティクス
善玉菌を含む製剤・食品で、善玉菌を直接腸へ 善玉菌のエサにとなり、善玉菌を増やす可能性がある
乳製菌、ビフィズス菌 食物繊維、オリゴ糖
ヨーグルト、チーズ、整腸剤などに含まれる シイタケ、レタス、玉ねぎなどに含まれる
※ 食品はあくまで一例です

異常増殖を防ぐ

● カンジダの異常増殖を防ぐ

カンジダ(酵母型)は健康な人の腸内に存在する真菌(カビ)の一種です。腸内カンジダが過剰に増えると、腸管壁に菌糸を伸ばす菌糸型カンジダが増えてさまざまな健康障害の原因になります。カンジダは糖分を栄養源とするため、砂糖の摂り過ぎは控えましょう。

● 抗菌薬の乱用を避ける

抗菌薬は、腸内の悪玉菌だけでなく善玉菌も取り除いてしまいます。残った日和見菌が増えて悪さをしたり、前述のカンジダやウイルスが勢力を伸ばすことに。

● 大腸洗浄は?

頑固な便秘の改善(と美容)の目的で行われることのある大腸洗浄(Darmspühlung、Darmreinigung)はどうでしょう? 人によって一定の効果があるものの、善玉菌も洗い流すことや繰り返しによる弊害もあり、大腸内視鏡検査の前処置のような医学的必要性以外は慎重になるべきとの指摘があります(2020年6月20日のT-Onlineのニュースサイト、カナダのGI Society)。

最終更新 Dienstag, 10 November 2020 11:57
 

コロナ禍の秋冬の健康管理

新型コロナウイルスも収拾する気配がなく、これからの季節はどんなことに気を付けたら良いか気になっています。例えば、インフルエンザの予防接種は受けるべきでしょうか?

Point

  • 風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスの季節
  • インフルエンザ予防接種は早めに
  • 気温低下と空気乾燥から皮ふが乾燥
  • 日照時間減少は「冬期うつ」の原因に
  • 太陽に当たりビタミンDを増やす
  • 十分な睡眠で免疫力を高める
  • 散歩、外出、小旅行で気分転換

風邪・インフルエンザが増える季節

● 風邪の季節

季節の変わり目は体調を崩しやすくなるという人は多いでしょう。ウイルスが鼻やのどから感染すると、鼻水(laufende Nase)や急性扁桃腺炎によるのどの痛み(Halsschmerzen)を伴う風邪となります。

風邪の症状がみられる病気*

症状 風邪 インフルエンザ 新型コロナ
ウイルス
花粉症
鼻症状
目のかゆみ
のどの痛み
発熱
筋肉痛・関節痛
味覚・臭覚異常
腹部症状
* 起こりうる症状。必ずみられるものとは限りません。

● インフルエンザの季節

9月頃より徐々に増え始め、12月から2月にかけてがピークです。今のところ今年のインフルエンザ患者数は昨年より少ないことが報告されています(9月11日の厚生労働省発表)。これはコロナ禍におけるマスク着用と手洗いの徹底に加え、患者が受診に慎重になっているためと推測されているようです。

● 新型コロナウイルス

7月はドイツ国内の1日当たりの新規感染者数は数百人程度に抑えられていましたが、8月以降に再び増え始め、9月には2000人を超えた日も。これから通常のコロナウイルスの活動も高まる季節となるため、しばらくは予断を許さない状況が続きます。

● 秋の花粉症による鼻炎

10月に入ってもイネ科の草(Gräser)、ヨモギ(Beifuß)、イラクサ(Brennessei)、アカゲ(Gänsefuß)、オオバコ(Wegerich)などの花粉が飛び交います。また、早い年では12月よりヘーゼルナッツ(Hasel)、ハンノキ(Erle)の花粉症が始まることも。

新型コロナウイルスとの鑑別

ワクチンに関して

● 同じような症状

風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスでは似た症状も多く、時として鑑別が容易でないことがあります。今までは筋肉痛を伴う高熱はインフルエンザに特徴的で、小児ののどの痛みでは溶連菌感染も念頭に置きますが、新型コロナウイルスでも同じような症状がみられることがあるのです。

● PCR検査(PCR COVID-19)

急性の上気道炎症状がみられ、新型コロナウイルス感染の可能性を除外できない場合、PCR検査が勧められます。PCR検査は綿棒を使って鼻咽頭(あるいは口腔内)からスワブ(拭い液)を採って行い、結果が出るまで数時間~ 2日を要します。

● 二つの病原体の重複感染も?

新型コロナウイルスとA型インフルエンザ(4月のEFIM誌、6月のEmerg Infect Dis誌)やほかの呼吸器ウイルスや細菌(5月のJ Infect誌)との同時感染も、わずかながら報告されています。

皮ふの乾燥

● 乾燥肌が増える

かゆみ(Jucken)やシャワー浴でのヒリヒリ感を伴う乾燥肌(皮ふそう痒症)が増えてきます。皮ふの乾燥に加え、入浴時の石けんの使い過ぎで皮ふ表面の皮脂バリアーが壊れることが関係します。

● 手や足のあかぎれ

冬が近づくと、手の指先、足の指の付け根、かかとが裂けて痛い思いをしている人も。気温が下がり皮ふの皮脂や汗が減ってくることと、室内空気の湿度の低下が関係しています。

● 保湿クリームが効果的

シャワー・入浴後に保湿クリームを塗り込み、皮ふ表面を守ることでかゆみやあかぎれが改善することが少なくありません。保湿ローション(Lotion)よりはクリーム製剤(Creme)の方が効果的です(薬局で扱っているCetaphil® Feuchtigkeitscreme など)。自己判断でステロイド含有クリームを安易に使用することは避けましょう。

心の沈む季節

● 気分の落込み

どんよりとした空、外の風景は寂しく、人と会うのも億劫。だけど食欲は増し、甘いもの(Süßgkeiten)を好み、いつも眠たい……。このような冬に生ずる気分の落ち込みは「冬季うつ」(Winterdepression、Winterblue)と呼ばれます。

● 冬期うつの治療法

日照時間の減少と関係するため、一定強度以上の強い光を浴びる「光線療法」(Lichttherapie)が効果的です。起床時に朝の明るさを演出する目覚まし照明や、自宅治療用の照明器具が市販されています。

冬時間が始まる頃は

● 活性型ビタミンDの不足

日照時間が短くなって家の中に閉じこもりがちに。私たちの骨を維持しているのは、太陽の紫外線が皮ふに当たってできる活性型ビタミンDです。天気の良い日は外を歩いたり、バルコニーで10〜15分間だけでも太陽の光に当たるようにしましょう。

● 夜の運転が見えにくい?

視力は同じでも、ドイツの道路はネオンなど周囲を明るくする照明設備が少なく、冬に多い黒っぽい衣服の歩行者は見えにくいため、ヒヤッとすることも。初めての土地を夜間運転する時は、いつもより慎重に速度を落とすようにしましょう。

この冬の健康対策

● 対人距離、手洗い、マスク、換気

対人距離(Abstand)、手洗い(Hygiene)、マスク着用(Alltagsmasken)の「AHA–Formel」は新型コロナウイルスだけではなく、インフルエンザやほかの感染症予防にも役立ちます。寒い冬ですが、オフィスでの換気もお忘れなく。

● インフルエンザ予防接種

インフルエンザ予防接種は感染・発症を減らすとともに、重症化を抑える最も有効な手段です。今年は新型コロナウイルス感染症の流行が懸念されるなか、ワクチンの需要が高まる可能性があります(日本の厚生労働省)。高齢者、基礎疾患のある人、妊娠している人、受験生とその家族は早めに接種を受けられると良いでしょう。

● 十分な睡眠で免疫を高める

ウイルスや細菌に対する免疫(抵抗力)は良質な睡眠により維持されます(2019年のPhysiol Rev誌)。「睡眠不足が続くと風邪をひきやすくなる」、「病気の回復には十分な睡眠」といわれているのはそのためです。

● 適度な外出と小旅行

定期的な運動をして外気に当たることは、筋力の保持だけではなく、心肺や消化器の機能、メンタル面にも好影響を及ぼします。異なる環境を体験できる小旅行は、ストレス解消と気分転換に役立ちます。

● 周囲の感染者を特別視しない

新型コロナウイルスの感染者はドイツ国内だけでも28万人を越し(9月28日現在)、自宅で自己隔離を行った人もまれではありません。感染機会はどこでもあり、ほとんどの場合は感染者の不注意や責任によるものではないため、感染者や家族を非難視することは避けましょう。

● 家庭内でのメンタルヘルス

新型コロナウイルスの影響で家庭で過ごす時間が増え、その良さを再認識したり、逆に負担が増えたという人もいるかもしれません。家族に気分の落込みがみられる場合は、そのことを責めるのではなく、理解してあげることが大切です。

心身の健康を保つ工夫

  • 規則正しい生活・食事
  • 十分な睡眠
  • 適度なスポーツ・外出
  • インフルエンザ予防接種
  • 家庭内でのワークシェア
  • ホームオフィスで家を独占しない
  • 夫婦(家族)での外出、
  • 小旅行
  • 大宴会は控える
最終更新 Dienstag, 06 Oktober 2020 12:04
 

新型コロナウイルス - 分かってきたこと、今後のこと -

質問:今後も長期化する気配のある新型コロナウイルスですが、現在どこまで分かっていて、何が分かっていないのか不安です。また、予防ワクチンはいつから接種できるのでしょうか?

Point

  • 空気(エアロゾル)感染もあり得る
  • 抗体(IgG)は数カ月で減少することも
  • 退院後も不調が続くことがある
  • ウイルス遺伝子の変異が速い
  • PCR陰性化しても便からウイルス
  • ドイツでのワクチン接種は早くて2021年
  • 換気、手洗い、対人間隔、マスク着用が基本

空気感染(エアロゾル感染)も

● 空気感染とは?

長期間空気中に漂っている非常に小さな飛沫核(エアロゾル、Aerosol)を吸い込んで感染することをいい、「エアロゾル感染」と同義です。麻しんウイルス、水痘ウイルス、結核菌の感染経路として知られています。

● いきさつ

今年2月頃から示唆され、中国のレストランでエアコンの気流に沿う形での集団感染(4月のmedRxiv誌)が発生し、疑いが濃くなりました。7月にオーストラリアと米国の学者が世界中の237名の研究者と共に「空気感染」の可能性を主張(米国感染症学会誌)、続いてWHOも「空気感染」を否定できない旨を発表しました。

考えられる感染経路

接触感染 ウイルスが付着した手を口に
飛沫感染 くしゃみ、咳の飛沫から
空気(エアロゾル)感染 ウイルスを含むエアロゾルが空気中を漂う
糞口感染* ウイルス排出した便から口へ
*可能性だけでまだ不明

季節を選ばず

● 夏も衰えないウイルス

通常のコロナウイルスの場合、夏の間は冬の10分の1程度まで減ります(2015~ 2019年の病原微生物検出情報)。紫外線増加によるウイルスの不活化(山内一也著「ウイルスの意味論」)による収拾も期待されましたが(4月のScientific Report誌)、新型コロナウイルスはこの夏も世界中で強い感染力を維持しています。

● ウイルス遺伝子の変異

新型コロナウイルスは遺伝子の変異が起こりやすい1本鎖のRNAウイルスです(4月のPNAS誌)。例えば、ウイルス表面の突起(スパイク)の遺伝子配列は、5月末に採取した時は78%がすでに変異型で占められていました(7月のCell誌)。

抗体(IgG)が消える・できない

● できた抗体がなくなる?

ドイツの第1号感染者の抗体(IgG)は3カ月後には陰性化してしまいました(7月28日のAFP通信)。中国(6月のmedRxiv誌)、英国(7月のmedRxiv誌)、米国(7月のNEJM誌)でも抗体価が数カ月を経て低下することが観察され、抗体が長く保たれない可能性が指摘されています。

● 感染したのに抗体(IgG)ができない?

リューベック保健所から感染後の抗体陽性率が71%と低いことが(6月5日の報告)報告されましたが、スペイン(6月のLancet誌)や中国(6月のmedRxive誌 )の入院後患者でも陽性率は90%前後でした。無症状・軽症者ではさらに抗体ができにくいとの推測もされています(バッキンガム大学のSikora教授、6月7日のDaily Mail紙)。

再感染 or ウイルスが残っていた?

● PCR、陰性化してから再び陽性

PCR検査で陰性判明後に再陽性が出たことで、韓国が注目されました(韓国疾病予防管理局)。その後日本、イタリア(5月のInfection誌)、フランス(6月のJ Infection誌)、中国(7月のBMC Infect Dis誌)でも同様にPCR検査の再陽性の報告がされています。

● 便へのウイルス排出

口からのPCR検査が陰性でも血液や肛門スワブの陽性が続いたり(2月のEMI誌)、便へのウイルス排出が1カ月以上続くという報告(3月のLancet Gastroenterology & Hepatology誌)があり、ウイルス感染は長く続いている可能性も考えられています。便中のウイルスの感染力は不明ですが、排泄物にも注意が必要といわれています(6月のJAMA誌、8月のEmerg Infect Dis誌)。

急性期の症状

● 命に関わる肺病変

肺は非常に柔らかいデリケートな組織です。肺は強い免疫反応を起こしてウイルスを退治しようとしますが、同時に肺自体も多大なダメージを受けます。浸出液と血球成分の残骸が、血液と空気のガス交換の場である肺はいほう胞を埋め尽くし、短時間の間に呼吸が悪化します。

● 血栓ができる

血管壁が傷つき血栓(Blutgerinnsel)ができます。その血栓により脳卒中、心筋梗塞、足の末梢血流障害、時には聴覚障害(7月のInt J Audiol誌)につながることも。血栓が肺に飛ぶと重篤な肺塞栓(Lungenembolie)を引き起こします。

● 臭覚・味覚の障害

鼻炎症状がないにもかかわらず、臭覚・味覚(Geruchs-/Geschmackssinn)に変化が生じます。出現頻度は15%(ロベルト・コッホ研究所、RKI)から70%(4月のEur Archiv Oto-Rhino-Laryngol誌)、80%以上(4月のEur Archiv Oto-Rhino-Laryngol誌)と幅があります。1〜2週間での回復が多いようです。

● ACE2受容体を介する全身の病変

ヒトの血圧の制御に関わっているアンジオテンシン変換酵素2受容体(ACE2-Rezeptor)が、新型コロナウイルスの入り口としてウイルスに利用されます(2月のNature誌)。小腸のACE2受容体(2004年のJ Physiol誌)は下痢、腹痛と関係します。

退院しても後遺症(Post-Covid-Syndrom)

● 倦怠感、息苦しさが続く

退院後も不調に悩まされることが問題となっています。イタリアの入院患者では倦怠感(53%、小数点以下を四捨五入)、呼吸困難(43%)、胸痛(22%)が報告されました(8月のJAMA誌)。人工呼吸器を着けて死と直面した患者は、メンタル面への影響も指摘されています。

● 呼吸機能の低下

肺胞の損傷、肺の治癒過程でできた瘢はんこん痕で機能が正常に戻らないことも。退院時の肺CTでは、94%の患者に変化が残ったとの報告もあります(3月のRadiology誌)。

分かってきたウイルスの特徴

ウイルス 変異(点変異)が早く、多い
季節に関係なく感染が続く
体力がある人でも感染
病気 肺の病変では呼吸困難が急速に進行
血栓を作ることがある
臭覚・味覚障害、消化器症状も生じる
退院後も後遺症が続くことがある
抗体 感染しても抗体ができにくい人がいる
抗体が数カ月で減少、消失の可能性
弱点 予防処置を除いてまだ不明

ワクチンに関して

● ワクチンの開発状況

世界で179製剤のワクチン(Impfstoff)が開発中で、うち第1相を含む臨床試験に入っているのは42製剤です(8月21日現在、The New York Times紙)。ドイツでは16製剤が開発されています(ドイツ研究開発型製薬工業協会、VFA発表)。

● ワクチンの効果と安全性

完成したワクチンがその時の変異株に有効か、ワクチンによる抗体(IgG)は何年(何カ月)有効か、安全性は大丈夫かなど、実用化までのハードルは低くありません。

● ワクチンはいつから?

本来は数年を要する新規ワクチン開発。仮に審査過程を短縮したとして、ドイツでは早ければ2021年には一部を対象とした接種が始まると期待されています(Paul-Ehrilich Institute、8月19日)。ロシアはGamaleya研究所製のワクチンを第3相臨床試験をスキップする形で認可しています(TrialSite Newsより)。

秋から留意すべきこと

● 寒くても部屋の換気を

建物内に閉じ籠もりがちになるドイツの冬、オフィスでも自宅でも部屋の換気(Raumlüftung)が感染のリスクを減らします(前述の米国感染症学会誌)。

● 手洗い、対人間隔、マスク着用を忘れずに

①手洗い(Handwäsche)、②対人間隔(1.5メートル以上、Allgemeines Abstandsgebot)、③公共交通機関や買い物でのマスク着用(Mundschutzmasken)を忘れないようにしましょう。

最終更新 Donnerstag, 01 Oktober 2020 12:38
 

さまざまな原因で起こるめまい

朝、歯を磨き始めると急にクラクラすることがあります。日本の病院で「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」ではないかと言われましたが、初めて聞いた病名で、どういう疾患なのかよく分かりません。

Point

  • めまいは平衡感覚の障害
  • 回転性と浮動性がある
  • PPPDは平衡感覚の過剰適応
  • 立位での体動や視覚刺激が誘因に
  • 前庭リハビリ、薬物、認知行動療法が有効

めまい(Schwindel)とは

● めまい「目眩、眩暈」の言葉

「外界が動揺、あるいは回転しているような感覚を生じる場合の総称」(日本国語大辞典、小学館)で、語源は「目舞(めまひ)」とされます(大言海、冨山房)。会話の中では、受けた印象が強烈、目のくらむような、の意味でも用いられます。

● 回転性めまい、浮動性めまい、立ちくらみ

自分や周囲が動いているような、一方に引っ張られるような感覚を「回転性めまい(英語でvertigo)」、頭がクラクラする、ふわふわと浮いたような感じは「浮動性めまい(英語でdizziness)」。どちらも日本語では「めまい」、ドイツ語では「Schwindel」と表現されます。立った瞬間にクラッとしたり、立っていて目の前が暗くなるのが「立ちくらみ(schwarz vor den Augen)」です。

めまいの種類

種類 回転性めまい 浮動性めまい 立ちくらみ
タイプ 自分や周囲が動いている 浮いた感じ、クラクラする 立上がった時にフラッとする
障害の部位・症状 耳(内耳)、脳 心因性、脳 貧血、低血圧、脱水

● めまいの頻度

日本人のめまいの有訴者率(人口1000人当たり)は女性30、男性13で、男女とも年齢と共に増加します(平成28年度国民生活基礎調査)。一方ドイツでは、めまいが原因で一度でも受診したことのある人の割合が全体の20〜30%にも上ります(2008年のドイツの週刊医学専門誌 Dtsch Arzteblの記事)。

● 平衡感覚の乱れ(Gleichgewichtsstörungen)

私たちは動いている時や重力に対して傾いた状態にある時、①目、②耳(前庭器官)、③体からの情報(体性深部感覚)を瞬時に捉え、その信号を小脳で統合して体の空間位置を把握しています。これらの信号のバランスが崩れた時にめまいを生じます。

めまいのさまざまな原因

● 貧血(Anämie)

貧血で立ちくらみ、だるさ、疲れやすさがみられることがあります。特に若い女性では徐々に生じた鉄欠乏性貧血に留意が必要です。

● 低血圧(Hypotonie)

低血圧(収縮期血圧100mmHg以下)は、早朝の立ちくらみの原因になるほか、入浴後や暑い日は血管拡張と汗によって血圧がさらに下がり、めまいを生じます。ドイツでも夏は脱水予防のため飲水への配慮が必要です。

● 耳からのめまい

回転性めまいは、耳の前ぜんてい庭(Vestibulum)機能の障害と関係します。例えば、メニエール病(Menière-Krankheit)、良性発作性頭位めまい、BPPV(後述)などが挙げられます。

● 目からのめまい

眼鏡補正が強すぎたり、左右の補正視力が極端に違う場合、また長時間のコンピューター作業から生じる疲れ目(さらに首こり、肩こり)もめまいの原因になります。

● 首からのめまい

筋緊張性頭痛や頚けいつい椎の障害からくる頚性めまいは、首を回したり、伸ばした時に生じます(日本平衡神経学会 1987年)。加齢と共に増加し、若い人ではデスクワーク、壮年以降では庭仕事など前かがみの労作、高齢者では上向きに寝そべってテレビを視聴するなどで生じることが多くなっています(2016年の日農医誌の論文)。

● 治療薬が原因のことも

降圧剤や前立腺治療薬のα1ブロッカーによる血圧の下がり過ぎ、もしくは睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、パーキンソン病の治療薬の副作用としてめまいがみられることがあります。

● 心の病としてのめまい?

診断の付かない時に「心因性では?」と疑われることがあります。過大なストレス、軽いうつ状況からめまいがみられることもあり、頻繁なめまいが逆に強いストレスとして作用している場合も。その診断は慎重に行われるべきものです。

今まで原因不明だっためまい

● PPPDは機能性のめまい

「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」とは、2017年に新しく確立された慢性の機能性めまいです(2017年のJ Vestibular Res誌)。発症のきっかけはさまざまな原因による急性めまい、これらが治った後に続発してみられます。今まで原因不明とされてきた多くのめまいがこれに含まれます。

めまいの原因の内訳
めまいの原因の内訳

● PPPDの原因

最初の急性めまいに対して体が適応し、平衡感覚のバランスがシフトしたままの状態となり、急性めまいが治った後も視覚や体動に対して過剰に反応し続けるためと考えられています。

● PPPDの症状

①3カ月以上にわたる自覚的なめまい、②何らかの急性めまいが先行して発症、③立位、体の動き、視覚(動いているものや複雑な模様)刺激の状況で増悪しやすい、などの特徴があります。

● PPPDの頻度

良性発作性頭位めまい(後述)に次いで、多くみられるめまいです。ドイツではめまい患者の15〜20%がPPPDと考えられています(2019年のDeximedの記事)。日本でも同様で、新潟大学のめまい外来では慢性の持続性めまい患者の23%がPPPDと診断されました(2018年の日経メディカル誌)。

● PPPDの診断

貧血、低血圧、神経学的異常など、ほかの病気では説明できず、先述の①〜③と一致する場合には強く疑われます。特に検査方法はありません。

● PPPDの治療法

患者による病態の背景の理解が大切です。目・頭・体の一定の動きを繰り返す「前庭リハビリ」と呼ばれる理学療法(Physiotherapie)を基本に、必要に応じてSSRI薬などを用いる薬物療法(2018年のNeurol Opthalmol Otol誌の論文)や認知行動療法が併用されます。PPPDは心の病とは独立しためまいですが、不安や苦痛が大きく、臨床心理士(klinische Psychologin/klinischer Psychologe)との連携も時として大切です。

そのほかのめまい

● 最も多い「良性発作性頭位めまい(BPPV)」

BPPV(paroxysmaler Lagerungsschwindel)は、寝返りなど頭の位置の変化でみられ、1〜2分の短時間で治まる回転性めまいです。三半規管の耳石の一部が剥がれ、浮遊して起こります。めまいを繰り返すことにより、症状が良くなります。最も頻度の高いめまいで、めまい患者全体の40〜50%を占めます。

● 脳血管障害によるめまい

平衡感覚の神経経路である小脳や脳幹の微小脳梗塞(2011年の臨床神経学誌)や栄養血管の椎骨脳底動脈循環不全でもめまいが起こります。アルコールを飲みすぎてフラフラと平衡感覚がにぶくなるのは、小脳機能の低下によるものです。

● 起立性低血圧によるめまい

立ち上がって収縮期血圧が20mmHg以上低下する場合を「起立性低血圧」と呼び、自律神経系の機能障害を伴う糖尿病患者などでよくみられます。自律神経の機能調節がまだ不十分な10〜16歳の子どもでは、「起立性調節障害(OD)」がみられることも。

● 脳脊髄液減少症とめまい

むちうち損傷などの交通事故、スポーツ外傷、尻もちなどに起因し、脳脊髄液が漏出して起こります。起立時の頭痛、めまい、頚部痛、耳鳴りなどの多彩な症状がみられます。

● 高所恐怖症のめまい

ヒッチコック監督の映画「めまい」のように、高所恐怖症により自分が置かれていた空間認識障害で生じるめまいです。目を閉じると改善しますが、もし落ちたらと想像する恐怖心が症状を強めます。

最終更新 Dienstag, 11 August 2020 10:43
 

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