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Mo. 27. Mär. 2017
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ドイツ夫は牛丼屋の夢を見る
ドイツ夫は
牛丼屋の夢を見る

溝口シュテルツ真帆

発行元:講談社
ISBN978-4-06-219974-2

「ハムとチーズとパンの無限ループ」、本書の帯に書かれたこの言葉、ドイツに住んだことのある人なら、誰もが「分かる!」と思う「ドイツあるある」だ。

筆者は日本人。日本に駐在していたドイツ人男性と出会い国際結婚。夫がドイツへ戻ることになったため、ミュンヘンで暮らすことに。そして訪れたお姑さんの家で「無限ループ事件」は起こる。朝も昼も夜も、食事といえばハム、チーズ、パンの繰り返し。日本人にとっては衝撃の出来事だ。でも、これがドイツでは当たり前……。対するドイツ人の夫にとっても、日本人妻の食習慣は相いれないものであったりする。例えば、ご飯のお供として定番の海苔の佃煮。ドイツ人夫にとってはジャムにしか見えず、味と見た目のギャップが受け入れられない。

料理の味付けや食習慣の違いは、日本人同士であっても夫婦げんかの原因になることが多いが、これが国際結婚ともなれば、お互い不思議な食文化ギャップのオンパレードとなる。本書では、そんな日本人妻とドイツ人夫の食についてのエピソードが、ときに楽しく、ときには仁義なき戦いのように語られていく。二人のエピソードにまつわるイラストも満載で、さらに笑いを誘われる。そして、相いれないものだらけのお互いの食文化の中にも、いつしかお気に入りのものが現れてくる。夫が愛する牛丼であったり、妻が愛しく思うドイツパンであったり。もちろん譲れない部分もあるが、愛おしく思える部分もある。夫婦愛はそんなふうに育まれていくのかもしれない。

ドイツ語もままならなかった初めてのドイツ暮らし、筆者は食べ物のことを考えることで、ホームシックを乗り越えたという。郷に入れば郷に従えとは言うが、食べ物だけは譲れない領域であり、その国や人を知る入り口であるともいえる。そして、何よりも大切なエネルギーの源なのだ。と、難しいことはさておき、ドイツ人夫VS日本人妻の思わず笑えるフードファイトを本書でお楽しみあれ。食べ物のことを考えているうちに、心がフッと軽くなって元気が出る、今まさにホームシックなあなたにも効く1冊となることだろう。(渡邊みどり)


 
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