Fri, 03 May 2024

安倍首相の実像と近隣諸国との緊張関係

Mr Abe brings hope
安倍首相は希望を与えている

BBC Online News 4月23日

安倍首相は、一般の人々のことを気にかけながら非友好的な近隣諸国には立ち向かうという、日本の指導者ではあまり例がない人物として自身を提示してきた。経済の停滞や弱腰の首相ばかりが続いたことに不満を抱く多くの日本人に、首相は希望を与えているのである。影響力を持つ何人かの保守派に比べると慎重な姿勢を保つ一面がある一方で、彼の発言は過去への郷愁を喚起するように練られている。西洋の自由主義や個人主義に侵されていない純粋な日本という架空のイメージである「美しい国」への言及などがその一例だ。

Mr Abe is a pragmatic internationalist
安倍首相は実務的な国際主義者

「エコノミスト」紙 4月26日

理論的には、日本と韓国の間には多くの共通点がある。両国とも豊かな民主主義国家であり、困難な状況に置かれた地域における米国の同盟国である。しかしながら、安倍首相の靖国神社参拝や彼の政治的信念、そして極端に国家主義的な韓国の報道機関などが、親交関係の確立を妨げる要因になっている。だが首相は、個人的な信条を追求することが必ずしも日本の国益に沿うわけではないことを理解する実用的な国際主義者だ。首相が私的な感情よりも公的な立場を優先し続ける限りは、緊張緩和は進むかもしれない。

ほかにもこんな日本報道が…

不倫サイト運営者が見た日本

「デーリー・テレグラフ」紙 4月12日

カナダ発の不倫サイト「アシュレイ・マディソン」のCEOが、急激に会員数を拡大させている日本市場について「この地域はセックスと結婚を分けることにおいては完璧」と述べた発言を紹介する。

キャス・キッドソンを買収?

「サンデー・タイムズ」紙 4月13日

カジュアル衣料品店のユニクロを傘下に持つファーストリテイリング社が、英人気ブランド「キャス・キッドソン」の買収に向けての交渉を進めていると伝える。

復興にジミー・チュウが貢献

「ガーディアン」誌 4月18日

故ダイアナ元妃も愛用した靴ブランドのデザイナーであるジミー・チュウ氏が、震災からの復興に向けて福島の素材や技術を使った靴を製作したと報じる。

矛盾をはらむ「すしサミット」

「フィナンシャル・タイムズ」誌 4月24日

高級すし店で食事をしたため「すしサミット」と名付けられた日米首脳会談について解説。安倍首相が米国に対し、安全保障の再確認と日本の独立を強めるための許可を得ることを同時に進めたという意味で会談内容は矛盾をはらんでいると述べる。

日本食は「ウルトラ・ヘルシー」

「タイムズ」紙 4月25日

緑茶や生魚を始めとする日本食メニューを「ウルトラ・ヘルシー」であると紹介。また箸の使用が食事のスピードを遅らせる効果があるために日本人は大食いしにくいということも示唆した。一方、日本人男性の平均寿命は日本人女性ほど長くない傾向にあるが、「伝説的なまでの酒好きぶりと長時間勤務」を鑑みれば、男性も日本食の恩恵に授かっている可能性があると述べている。

 

山口組がウェブサイトを開設

麻薬追放国土浄化同盟
山口組の関連団体が開設したと報じられている、麻薬追放国土浄化同盟のウェブサイト

Showing how neighbourly its members are
親しみやすい存在であることを示すための試み

「ガーディアン」紙 4月2日

日本最大規模の暴力団である山口組がウェブサイトを立ち上げた。「麻薬追放国土浄化同盟」という格好の悪い響きの名を持つこのサイトは、組員たちが初詣に出掛ける様子を捉えた手振れした動画などを掲載。また任侠の素晴らしさを謳った歌詞付きの音楽をサウンドトラックとして使っている。「任侠」とは、理想的な男らしさのことであり、不正義と戦い、弱き者を助けることを意味する。専門家によると、古びた印象を与えるこのサイトは、組員たちが親しみやすい存在であることを示すためにつくられた。

Like a cancer charity set up by a tobacco company
タバコ企業が立ち上げたがん撲滅チャリティーのよう

「フィナンシャル・タイムズ」紙 4月4日

「麻薬追放国土浄化同盟」のウェブサイトへの訪問者は、麻薬の乱用は良くないといった、健全だがありふれた一連の文言を目にするはずだ。一つ問題がある。このサイトは、日本最大の犯罪組織がイメージを変革するための取り組みなのである。この同盟組織は、タバコ企業ががん撲滅チャリティーを設立するかのごとく、彼らの支持者が大いに関わっている問題を根絶すると称している。だが、簡素な背景の上に写真や文章をやみくもに配置しただけのサイトが、日本のネット市民の心をつかむには至っていない。

ほかにもこんな日本報道が…

不正を容認するつもりはないが……

「ガーディアン」紙 4月1日

STAP細胞に関する騒動について。キングス・カレッジ・ロンドンの幹細胞・再生医療センターのダイレクターを務めるフィオナ・ワット教授による「不正を容認するつもりは毛頭ないが、年輩の科学者たちは若い同僚をケアする義務がある。小保方氏がスケープゴートにならないことを願う」という発言を紹介。

日中間の戦争を回避する方法とは

「フィナンシャル・タイムズ」紙 4月3日

「東シナ海での戦争の回避の仕方」と題した記事を掲載。4月23日にオバマ米大統領の来日を控えていることにも触れた上で、「日中の緊張が高まることで、両国とも損をしている。中国の強気な姿勢は近隣諸国を米国の包囲網へと追いやり、安倍政権の国粋主義によって日本は友人を失う」と述べる。

税抜き表示を許可する法律を成立させた理由

「エコノミスト」誌 4月5日

税抜き表示を許可する法律を成立させたことで、消費税増で値上げとなった料金を隠す仕組みを日本の政府が支援していると指摘する。

捕鯨活動と政治的関与

「エコノミスト」誌 4月5日

国際司法裁判所が日本の調査捕鯨に対して中止命令を下したことを受けて、日本の捕鯨活動に改めて注目。「環境活動家からの攻撃に備えたセキュリティー強化などでコストが増加した」という専門家の見方を紹介し、捕鯨産業は資金難にあえいでいるために政治的関与が多くあると述べる。

がらくたとの戦いに臨むお姫様

「タイムズ」紙 4月7日

「片付けコンサルタント」の近藤麻理恵氏を取材した記事を掲載。「整理整頓における教祖的な存在」「がらくたとの戦いに臨むお姫様」と紹介する。また「枯山水や気品あるお寿司の並べ方を見て、外国人は日本人がミニマリストであると思いがちだが、その認識は間違っている。実は日本は蒐集家の国である」とも。

 
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