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ドイツのエネルギー転換策を俯瞰する

ドイツのエネルギー転換策を俯瞰する

ドイツの再生可能エネルギー転換策の仕組みは、一体どのようになっているのか。ここ数年、10月になるとメディアが一斉に「再生可能エネルギーによる電気料金の値上げ」を非難する。その一方で、再生可能エネルギーの推進を称賛するニュースもある。それはなぜなのか。今回は、この分野に精通している人にしか理解できなくなりつつある、再生可能エネルギーへの疑問に答えたいと思う。

ドイツの再生可能エネルギー


再生可能エネルギー(以下、再生可能エネ)とは、太陽光や太陽熱、風力、水力、地熱、バイオマス(生物由来の資源)などの持続可能な自然資源を、私たち人間が消費できる形(電力、熱、動力燃料)に転換したエネルギーのことを指す。今回はそうした再生可能エネのうち、「電力」に限定して話を進めてみよう。

ドイツの再生可能エネの推進

ドイツでは、過去20年にわたって再生可能エネ電力の推進が国策として行われてきた。1991年には、電力事業者に再生可能エネ電力を決められた価格で買い取りすることを義務付けた法律「固定価格買取制度(Feed-In Tariff=以下、FIT)」が施行され、それが2000年に全面的に強化された。91年時点の再生可能エネ電力といえば大型の水力発電のみで、その供給量はドイツ全体の電力消費量のわずか3%程度だった。しかし、12年末には太陽光発電が5%、風力発電が8%、バイオマス発電が6%、水力発電が4%と、合計23%の再生可能エネが供給されている。

全消費電力中の再生可能エネルギー割合(最終消費電力比)
全消費電力中の再生可能エネルギー割合
出典:ドイツ政府エネルギーコンセプト2010

再生可能エネの固定価格買取制度(FIT)

約4分の1の電力を、持続可能な再生可能エネ電力で賄えるようになったドイツであるが、この政策の推進のために国民が負担を強いられているという事実がある。

FITという制度は、電力系統事業者に対し、ソーラーパネルや風車などから発電された再生可能エネ電力を全量、法律で定められた固定価格で買い取るよう義務付けたもので、その電力はすべて電力取引・スポット市場において即時、販売される。販売価格は市場の時価で、電力の需要と供給の関係によって常に変動する(株式市場の株価のようなものとお考えいただきたい)。通常、固定価格で買い取った電力価格よりも、需給関係によって決まる市場での販売価格の方が安値になることが多く、そこで差額が生じてくる。FIT では、この差額分を電力系統事業者に負担させるのではなく、需要家(国民や中小企業、産業など)に分散し、ならして負担させる仕組みにしている。具体的には、使用電力量に応じて電気料金の中にその負担額を盛り込んで請求しているのである。この負担分は賦課金(サーチャージ)と呼ばれる。

FITの賦課金とその内訳

ドイツでは毎年、10月15日までに電力系統事業者が当年分の負担収支を集計し、翌年度の収支を予測する。そして、その予想を基に賦課金の額が決定されるのである。したがって、この数字が発表される前後の時期になると、電気料金をめぐってマスコミの論議がやかましくなるというわけだ。

この賦課金は、再生可能エネ電力の拡張に伴って少しずつ微増し続け、2009年までは1キロワット時の電力消費に対して1.13セントであったが、10年には急増して2.05セント、12年には3.59セント、13年には5.28セントに高騰した。現在、賦課金の割合は電力料金の2割弱を占めている。例えば、毎月300キロワット時の電力を消費しているドイツの平均的な一般家庭の場合、電力料金は約85ユーロとなり、そのうちの15ユーロが賦課金ということになる。そして14年の賦課金は、6.24セント/キロワット時と発表されている。

なぜ、2010年を皮切りに、ここまで賦課金が急増したのだろうか。その背景には、複雑に絡み合う3つの要因がある。

1.電力取引市場の取引価格の急落

再生可能エネ電力の「量」自体が少なかった2008年頃までは、スポット市場における電力取引価格は従来型電源の供給量と社会の電力需要の関係で決まっていた。例えば、平日の日中、電力使用量のピーク時の取引価格は高くなり、深夜や週末は安くなるという形である。

しかし現在では、再生可能エネ電力は全体の電力消費量の4分の1にまで拡大し、夏場の正午など、太陽光発電の電力が量産される時間帯や、北部に大量に設置されている風力発電がフル稼働する時間帯には、市場に再生可能エネ電力が溢れ、スポット市場での取引価格が急落してしまう。FIT の賦課金は、固定価格による買取総額と市場販売額の差額から導き出されるため、買取総額はそれほど上昇していないにもかかわらず、ここ数年、その差額が増加し、賦課金だけが値上がりしているのだ。

ただし、電力取引市場で価格が下落すると、電力販売会社の電力の仕入れ価格は安くなるため、付加価値税、電力税、賦課金などの付随費用を除いた小口の電力価格は、09年から現在まで値上がりしていない。付随費用を除いた産業用の大口の電力価格においては、1割以上の低下傾向すら見られる。この期間中に、原子力発電所の半数が廃炉にされたため、もし再生可能エネ電力が推進されなかったとすれば、その代わりに、高騰している化石燃料をより多く消費しなければならず、インフラ以上の電力価格(付随費用を除く)の上昇を覚悟しなければならなかったはずである。

ただ、仕入れ価格が安価になったにもかかわらず、その恩恵が消費者に反映されていないという消費者センターの指摘もある。専門家の試算によれば、5.28セント/キロワット時の賦課金の負担は、電気料金の2~3セントの値下げに(あるいは電力販売会社の追加利益として)寄与しているという。

2.大手産業業界への減免措置

固定価格買取制度では、電力大量消費産業(例えば化学産業)の国際競争力を維持するために、賦課金の減免措置を認めている。また、事業所内で自家発電し、自家消費する製鉄所などの大規模産業の電力は、それが褐炭発電であっても、電力系統を通さない限り賦課金の対象にはならない。

2009年にキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)の連立による第2次メルケル政権が誕生して以降、減免措置適用の寛容化、肥大化が続いた。もともとこの減免措置の適用規模は500事業所であったが、それが12年には1000、13年には2000事業所を超え、14年も大幅に増加する見込みだ。その結果、大企業の負担は減り、中小企業や家庭の負担が増す。急激に上昇した賦課金の5.28セントのうち、1セント強は電力大量消費を行う大企業が追加免除されたことによるしわ寄せであると試算されている。

3.再生可能エネ電力の拡大による買収総額の増加

実質、再生可能エネ電力の普及、拡大に伴い、固定価格による買取総額は増加している。2010~12年に太陽光発電の設備価格が急落したにもかかわらず、メルケル政権はその設置量が多いバイエルン州(とりわけCSUの支持基盤である農家)への配慮から、迅速な固定買取価格の修正を行わなかった。そのため、一部の太陽光発電への投資利回りが15%を軽く超えるような物件が多発し、バブルのような状況になった。そのツケは、急上昇した賦課金のうち、少なくとも1セント以上であると言われている。

今後の再生可能エネ電力

ドイツの再生可能エネ電力は、瞬く間に拡大してしまったがゆえに、産業、大企業側と国民、中小企業側の負担に不公平感を生んでいる。とりわけその傾向は第2次メルケル政権期に拡大した。それゆえ、2013年9月の連邦議会選挙後のCDU・CSUと社会民主党(SPD)との大連立交渉においても、FITに関して激しい議論が繰り広げられた。

ただし、連立協議で2020年までに全電力消費量の少なくとも35%を再生可能エネ電力で供給する目標は堅持された。今後、どのような政権になろうとも、ドイツでは2022年までの脱原発、2050年の脱化石は国策とされ、一極集中型の化石・原子力発電所から分散型の再生可能エネ施設への転換は続けられる。これを、再生可能エネルギー転換策(Energiewende)と呼ぶ。

もっとも、この政策が持つのは国民の賦課金負担増という暗い側面ばかりではない。地域においては、市民や農家、中小企業が再生可能エネ施設に投資して自ら利益を得たり、自治体が税収を増やしたり、雇用を創出できるようになった。また、風力発電機やバイオマスプラントなどの工業製品の輸出増に加え、再生可能エネ電力の普及が著しい中国や米国、インド、欧州各国で、ドイツの関連企業がデベロッパーや資本提携者としてグローバルに活躍している。

このようにエネルギー転換策は、単に賦課金が高い、安いというだけの論議ではない。その行方を、今後も注意深く見守っていくべきであろう。

再生可能エネルギー分野の雇用数の推移
再生可能エネルギー分野の雇用数の推移
出典:Agentur für Erneuerbare Energien

賢い消費者としてできること

最後に、このような社会的背景の中、賢い消費者としてどんなことができるのか、提案してみよう。

1.電力会社の選択

ドイツでは電力販売が完全に自由化されているため、家庭など小口の消費者であっても電力の販売会社や料金メニューを自由に選択できる。現在、電力大手から普通に購入している電気料金のレベルであれば、契約を変更して100%再生可能エネ電力を購入することもできるし、契約内容によっては、賦課金負担分を補うほどの割引率で電力を提供している販売会社もある。幅広い電力料金メニュー、供給者を比較検討できる便利なウェブサイトが数多く存在するので、「Strom/Vergleich」といった単語で検索し、一度比較してみることをお勧めする。

2.再生可能エネ設備への投資

ドイツでは、すでに各地で600を超えるエネルギー協同組合(Energiegenossenschaft)が設立されている。再生可能エネへの投資ファンド、市民による太陽光や風力発電への取り組みも非常に活発である。また、家庭用ソーラーパネルの価格も安価で、これを使って自家発電をすれば、電力会社から購入するよりも安く電気を賄うことができるので、この分野への投資を考慮するのも良いかもしれない。平均世帯が毎月支払う賦課金くらいの利子を得ることは、それほど難しくないはずである。

3.電力の省エネの徹底

月々の賦課金15ユーロを省エネ努力によって取り戻すという手もある。そのためには、毎月300キロワット時の電力消費量を2割程度削減する必要がある。そこで実施可能な策は、家庭の照明を低発熱のLED電球に交換したり、古くなった冷蔵庫や洗濯機、食洗機などを最新の省エネ性能に優れたものに買い換えること。家電製品を購入する際には、省エネ・ラベリング(Energieeffizienzklasse)にも注目してみよう。「A」というラベル表示は省エネ性能があまり高くないことを意味するので、できれば最高水準の「A+++」を選択したい。また、洗濯の回数を減らしたり、待機電力など不必要な電気の消費量を抑える取り組みも大事である。省エネこそが、最も効率的で持続可能なエネルギーの源となることに、留意しておくべきであろう。


村上 敦(むらかみ あつし)
1971年生まれ、フライブルク在住。ジャーナリスト、環境コンサルタント。執筆、講演などでドイツの環境政策、エネルギー政策、都市計画制度を日本に紹介している。一般社団法人・クラブヴォーバン代表、日本エネルギーパス協会アドバイザー、日本エネルギー機関顧問。著書に『フライブルクのまちづくり』(学芸出版社)、『キロワットアワー・イズ・マネー』(いしずえ出版社)ほか多数。共著に『欧州のエネルギー自立地域』(学芸出版社)。
www.murakamiatsushi.net
最終更新 Mittwoch, 10 Juli 2019 10:40
 

新春エッセイ・新しい気持ちで新年へ 〜ドイツと日本の願い事比べ〜

新しい気持ちで新年へ 〜ドイツと日本の願い事比べ〜

サンドラ・ヘフェリン イラスト: ©Maki Shimizu
プロフィール
ミュンヘン出身の日独ハーフ。日本在住歴16年。『ハーフとバイリンガル問題』『ハーフはナニジン?』『ハーフといじめ問題』など、ハーフを中心とした執筆・講演活動を行っている。著書に『浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ』(光文社)ほか、『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(メディアファクトリー)など。 http://half-sandra.com

ドイツではクリスマスを家族と過ごし、日本ではお正月を家族と過ごす。日本とドイツのクリスマス、お正月の過ごし方にはそんな違いがありますが、年始には1つ、共通点もあります。それは、日本人もドイツ人も「新年の抱負」を掲げるのが好きだということ。ドイツ語で新年の抱負は「Gute Vorsätze für das neue Jahr」と言います。この新年の抱負には、日本とドイツで違いがあるのでしょうか。早速、いろいろな資料を調べてみたところ、どうやらその内容に、両国の差はあまりなさそうでした。

では実際に、新年の抱負にはどのようなものがあるか、見てみましょう。ドイツでは、「健康的な食事をする」「もっと健康に気を配る」「ストレスをなくす」「もっと運動する」「理想の体重になる」「テレビを観る時間を減らす」「禁煙」「禁酒」などが多いようです。このほかに、「家族や友達のためにもっと時間を作ること」というのもありました。ドイツでは有給休暇が年間約30日あり、日本の会社よりも残業時間がかなり少ないので、これを“目標”とするドイツ人は、もしかしたらワーカホリックなのかも? また一部には、「もっと水を飲むこと」「自転車で通勤すること」なんていう抱負もあります。これは、やはり健康、そして環境保護を考えてのことでしょうか。

さて、すでにご覧いただいたように、全体的にドイツ人の新年の抱負には身体に関係したものが多く見受けられます。それぞれ使っている言葉にこそ違いはあれ、健康な食事をする、運動する、理想の体重になる、禁酒する、というのはどれも、つまるところ“痩せる”ということですよね(笑)。ドイツには肥満体型の方が多いので、太っていることを気にして「今年こそは!」とダイエットに気合いが入るのかもしれません。

一方、日本人には比較的痩せている方が多いので、ダイエット絡みの新年の抱負はあまりないかというと、そんなことはありません。ダイエットも運動も、日本人がよく掲げる抱負です。ドイツ人からすると、太っている日本人は多くないのに……と、ちょっと不思議な感じもします。その他、ドイツ人と同様、「仕事とプライベートのバランスを取る」や「家族との時間を増やす」「もっと趣味のための時間を作る」なども見受けられます。こうして見ると、もしかしたら学校が忙しかったり、残業の多い仕事、または有給休暇があまり取れない会社で働いていたりするのかなと、余計な心配をしてしまいます。

イラスト: ©Maki Shimizu
イラスト: ©Maki Shimizu

ところで、私はお正月の初詣で売られている絵馬が好きです。絵馬は、新年の願い事と共に自分の名前を書いて奉納しますよね。これは、ドイツ人的な感覚からすると、実に潔い! と思います。なぜなら、自分の今年の目標や願い事、つまり自分の心の内に実名を添えたものが他人の目に触れるのですから。しかし考えてみれば、そのように堂々と願い事をした方が身も引き締まり、実現に向けて頑張れるのかもしれません。

絵馬に書かれている願い事の内容は、自分や家族の健康を願うものや「子宝に恵まれますように」「皆で仲良く暮らせますように」といったもの、さらには受験生の合格祈願が多いようです。合格祈願は、受験制度が存在しないドイツでは聞かれない願い事です。このほかによく目にするのが、「結婚できますように」という内容。これはドイツ人からすると、大変面白い願い事です。というのも、男性とお付き合いをする中で「この人と結婚したい!」と考える女性はいますが、漠然と「結婚したい」と考えるドイツ人女性は、あまりいないからです。したがって、新年の抱負や願い事に「結婚する」または「結婚したい」と掲げることは、ドイツではほとんどありません。こういった結婚願望というのは、ひょっとすると日本特有のものなのかもしれません。

ドイツの新年の抱負を調べる中で、「Nicht mehr bei Rot über die Straße gehen, wenn Mütter mit kleinen Kindern in der Nähe sind.(赤信号の時、近くに小さな子どもを連れた母親がいる場合は信号無視をしない)」という珍しいものを見付けました。歩行者としての過去の過ちを省みる内容で、来年は“善い人”になるという誓いが込められています。この抱負には、ちょっとした「懺悔(ざんげ)」の気持ちが表れていて、キリスト教の信仰心がうかがえます。私自身、小学生の頃、ドイツの学校で、宗教の授業の一環として教会で懺悔をした際、神父さんに「信号が赤だったのに、無視して渡ってしまいました」と話した記憶があります。

日本では、願い事を書く機会は絵馬だけでなく、七夕の短冊もあります。短冊には、ときに面白い願い事が書かれています。「天ぷらを上手く揚げられますように」「お父さんの髪が増えますように」「レディー・ガガに会えますように」「テストで平均点を取れますように」という願い事を見たときには、思わず笑みがこぼれました。絵馬にも「九九ができるようになりたい」「逆上がりができますように」といった、子どものかわいい願い事がある一方で、神社という場がそうさせるのか、七夕の短冊よりも真面目な願い事が書かれていることが多い印象を受けます。中には「離婚した夫(実名入り)が養育費を毎月支払ってくれますように」という切実な内容も。養育費がきちんと支払われることを願うばかりです。

話は変わりますが、今回日独の新年の抱負を調べる中で、ドイツの面白い地域別調査を見付けました。新年の抱負を実行できている住民の割合を比較した州別ランキング* です。それによると、新年の抱負を実行に移している人が多い州のベスト3は、1位ブランデンブルク州(全人口の60%)、2位シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州(同59%)、3位ラインラント=プファルツ州、テューリンゲン州、メクレンブルク=フォアポンメルンの3州(同57%)です。そして、国内で最も新年の抱負を達成できない州はというと……なんと私の出身地、バイエルン州(同45%)! 異論はございません。というのも、南ドイツの、特に年配の男性には口達者な人が多く、「Nächstes Jahr wird alles anders! Da wird nix mehr getrunken.(来年はがらっと変わる! もうお酒は一切飲まない)」などと言いながら、ビールで乾杯するんですもの。なんだか“やるやる詐欺”が非常に多い気がいたします(笑)。

というわけで、2014年が皆様にとって素敵な1年になりますように。
Ein gutes Neues Jahr!

*出典:公的保険会社DAK「健康バロメーター 2011」

参考資料&URL
● エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 http://jp.nielsen.com
ニュース・リリース「新年の豊富に対する日本人の関心は薄い」(27.12.2006)
http://de.statista.com „Gute Vorsätze für 2013“ (30.12.2012)
www.workingoffice.de „Gute Vorsätze für 2011“ (12.2010)

最終更新 Mittwoch, 10 Juli 2019 11:56
 

ドイツのお土産カタログ

ドイツのお土産カタログ

気が付けば、あっと言う間に今年も師走。
年末年始の一時帰国の準備に追われて慌しく過ごしている人も多いのでは?
そこで一番頭を抱えるのが「お土産問題」。
ドイツみやげドイツらしく、
かつありきたりにならないものを探すのは実に大変!
今回は定番から個性派まで、
悩める皆さんの一助になるであろうドイツ土産を
6つのカテゴリに分けて、カタログ形式でご紹介しよう。
日本でも買えるモノかもしれない。
でも、贈る相手を想いながら選び、ドイツから持ち帰るからこそ、そこに特別な価値が生まれるはずです。
(編集部:林 康子)

飲み物

ビール醸造セット

本場ドイツのビールの醸造を自宅で体験できるセット。パックに入っているホップや酵母、麦芽汁など、原料と水を缶に入れ、1週間程置くだけで熟成してしまう優れものだ。ピルスナーからヴァイツェン、クリスマスバージョンまで種類も豊富。
www.braufaesschen.com

ビール醸造セット

OnnO Behrendsの紅茶

紅茶の産地として有名なオストフリースラント地方にある、1886年創業の老舗ティーブランド、オノ・ベーレンツ。 インド・アッサム地方の最高級茶葉のみを使用し、100年来続く同社の伝統製法で仕上げた紅茶は、香り高く濃厚な味わい。
www.onnobehrends.de

OnnO Behrendsの紅茶


ミニボトルのシュナップス

「くいっとひと飲み」を意味する強めの蒸留酒シュナップスは、お酒通な大人の嗜好品。フレーバーはもちろん、瓶のイラストも凝っていて、飲んだ後にも取っておきたくなるようなものがたくさん。キオスクやスーパーなど、身近なお店で購入できる。
www.mini-schnaps.de

ミニボトルのシュナップス

Schuhbeckのグリューワイン用香辛料

クリスマスマーケットに欠かせないグリューワイン。重いボトルを運ぶのは無理でも、この素なら赤ワインに混ぜて温めるだけで本格的な味を出せる。有名シェフ、アルフォンス・シューベックのショップには、ほかにも様々な香辛料が揃う。
www.schubeck.de

グリューワイン用香辛料


食品

ハート型レープクーヘン

ビール醸造セットドイツのお祭りの屋台で必ず見掛けるハート型のレープクーヘン。「Ich liebe dich」など、甘~い言葉とかわいらしい飾り付きのお菓子は、大切な人へ想いを伝えるのに最適。その型に自分の言葉を書いて、オリジナルのハートを届けよう。
www.lebkuchen-markt.de
www.lebkuchenliebe.com

シュペッツレ

もっちりとしていて、噛み応え満点の卵麺シュペッツレは、シュヴァーベン地方の名物。通常、スーパーでは、パスタ・コーナーに並んでいる。チーズやレンズ豆のソース、ソーセージなどと合わせて、コテコテのドイツ料理を披露してみては。
www.spaetzle.de

シュペッツレ


Luisenhallerの塩

150年以上の伝統を誇るゲッティンゲンの製塩所ルイーゼンハラーでは、欧州で唯一、釜を使った製塩を続けている。ここの無添加塩は料理の味を引き立てるだけでなく、健康分野でも活躍。クナイプのバスソルトにも使われているそうだ。
www.siedesalz.de

シュペッツレ

ビールチョコレート

ビールチョコレートホップの産地であるバイエルン州ハラータウの酒造・製菓会社ルッツェンブルガーが、世界最古の城内醸造所パウル・パウジンガーのボックビールを使用して開発したビールチョコレート。お土産の定番チョコに、捻りを効かせたい人はぜひ。
http://liqueur-manufaktur-lutzenburger.de


キッチン用品

卵の殻割り器
Eierschalensollbruchstellenverursacher

卵の殻割り器デザイン性と機能性に富んだキッチン用品が溢れるドイツから、また便利な商品が誕生!こちらは、卵の鋭端に蓋部分を被せ、上から重しをストンと落とすと殻がパカッときれいに剥けるアイテム。形もスマートで場所を取らないのが嬉しい。
www.take2-design.de

卵の殻割り器

Redeckerのブラシ

ブラシ一筋75年。ニーダーザクセン州バート・ローテンフェルデに拠点を置くレーデッカー社は、その繊細かつ丈夫な作りで厚い信頼を得ているブラシ製造業者。野菜や鍋を洗うためのものから、掃除、ヘアケア、子ども用までバラエティー豊か。
http://redecker.de

Redeckerのブラシ


シラー&ゲーテの塩・コショウ入れ

ドイツを代表する文豪といえば、シラーとゲーテ。この2人が、ご家庭のキッチンに!?文学出版社サンスーシより販売されている2人の顔型の塩・コショウ入れは、文学好きな人にぴったりの1品。Amazonwww.weimar-shop.deなどで購入可。

シラー&ゲーテの塩・コショウ入れ

Saleenのランチョンマット

日々の食卓を彩るのに欠かせない名脇役のランチョンマット。ザレーンの製品は、自然素材のような優しい色味や手触りを持ちつつ、独自の合成素材で作られているから丸洗いも食洗機もOK!洗濯物入れや収納用に便利なバスケットも人気。
www.saleen.de

Saleenのランチョンマット


ボディケア

Kneipp®の入浴剤セット

言わずと知れた自然療法、植物、ハーブの草分け的存在、クナイプ。日本でもかねてよりその効能が注目され、人気の域を超えて定着している。でも、こちらのバスエッセンスのギフトセットなら、ドイツならではの限定感が出て喜ばれそう。
https://shop.kneipp.de

Kneipp®の入浴剤セット

Josef Mackのアロマオイル

Josef Mackのアロマオイル19世紀半ばに薬剤師マティアス・マックがチロル地方の高山植物ハイマツの治癒効果を発見し、息子のヨゼフが製油に成功して以来、今日まで受け継がれている同社のオイル。天然植物エキスの美肌、健康促進、癒し効果を最大限に実感できる。
http://macknatur.de


Niegelohの爪切り

刃物の町ゾーリンゲンを代表するニーゲロー社の売れ筋商品。機能美を追求したフォルムが特徴のステンレス製爪切りは錆びにくく、切れ味抜群で、一生ものの風格を備えている。ツイザーやハサミが入ったグルーミングセットも充実の品揃え。
www.niegeloh.com

Niegelohの爪切り

i+mのオーガニック・コスメ

i+mのオーガニック・コスメベルリン発のi+mは成長著しいオーガニック・コスメ業界の中でも、「ビオ」「ヴィーガン」を貫く稀有な存在。ボディソープ、ローション、ハンドクリームが揃う「ベルリン・シリーズ」は、当地の風景写真をあしらったパッケージが個性的。
www.iumn.de


デコレーション & おもちゃ

黒い森の鳩時計

黒い森の鳩時計シュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の名産。熟練職人の手から生まれる木彫りの装飾は、何世紀もの時代を経て脈々と受け継がれてきた技巧の奥深さを感じさせる。15cm程の大きさのミニチュアなら、値段も比較的手頃で持ち運びも楽々。
www.trenkle-uhren.de
www.cuckoo-souvenir.com

Kallistoのぬいぐるみ

ぬいぐるみは、子どもにとって掛け替えのない友だちに等しい存在。長く大事にしてほしいから、カリスト社では、かわいらしいデザインだけでなく、子どもの健康を考えて素材も有機栽培の綿、羊毛のみを使用することにこだわっている。
www.kallisto-stofftiere.de

Kallistoのぬいぐるみ


ラウシャのガラス工芸品

ガラス工芸が盛んなテューリンゲン州の町ラウシャ。ここで生産される絵付きのガラス玉や飾りは、世界中のクリスマスシーンを彩っているという。繊細なタッチで描かれた絵柄の飾りをツリーに付ければ、室内は一気に幻想的なムードに。
www.glaszentrum-lauscha.de
www.krebslauscha.de

ラウシャのガラス工芸品

Kuhnertの木工品

子どもたちに人気のキャラクターが生まれるなど、何かとネズミと縁の深い国ドイツ。エルツ山地の木工芸品はその温かさでファンの心を掴んでいるが、モダンなデザインの作品を手掛ける工房クーネルトのマウスは、虜になりそうな愛らしさが魅力。
www.kuhnert-gmbh.de

Kuhnertの木工品


ステーショナリー

Semikolonのアコーディオン・ファイル

Semikolonのアコーディオン・ファイルミュンヘン生まれのペーパー専門店セミコロン。ノートやアルバム、ファイル、ボックスなど、あらゆる種類の紙商品は、心弾む19種類のポップな色をベースにしている。12のポケットが付いたアコーディオン・ファイルは、書類の整理整頓にもってこい!
http://semikolon-onlineshop.de

LAMYの万年筆

LAMYの万年筆万年筆ですらすらと文字を書く姿には憧れるけれど、慣れていないとなかなか使い辛い。そこでお勧めなのが、ラミーの万年筆だ。持ちやすく、初心者でも難なく使いこなせるところがポイント。子どもの学習用には「abc」シリーズをどうぞ。
www.lamy.com


e+mの木製ボールペン

e+mの木製ボールペン文房具、事務用品からおもちゃまで、e+mの商品はすべて木製。使う人が安らぎを得られるよう考えられているのだ。中でも上質な木材と金属を組み合わせたボールペンは、すっと手に馴染む感覚が心地良く、書く時のストレスも軽減される。
www.em-holzprodukte.de

Sigelのノート

Sigelのノートフェルト雑貨はドイツの得意分野の1つ。国際的なデザイン賞をいくつも獲得している文房具メーカー、ジーゲルは、そのフェルトをノートに採用。シックなグレーをはじめ、色は4種類。書き込まれる内容を想像しながら選んでみたい。
www.sigel.de


最終更新 Freitag, 06 Dezember 2013 11:46
 

由緒ある名所のクリスマスマーケット

由緒ある名所のクリスマスマーケット

クリスマスマーケット地図凍えるように寒いドイツの冬。
白い息を吐き、冷たい頬に手を当てれば、
思わず肩がすくみ、家路に向かう足取りも速くなる。
でも、クリスマスマーケットで過ごすひとときは違う。
ここではグリューワインを飲みながら、
1分でも長くその場にいたいと思ってしまう。
この場所には、そんな魔法が掛かっているのだ。

いつの時代も、その楽しい時間と思い出が、
暗くて長い冬を乗り越えさせてくれたに違いない。
名所のクリスマスマーケットを、
その町の歴史をたどりながら見ていこう。
(編集部:山口 理恵)

偉人が暮らした街のマーケット

偉大な功績を残した人々が暮らしていた町は、その様々な出来事をただ静かに見守ってきた。
その記憶が刻まれた町のクリスマスマーケットは、歴史を感じながら歩けば、
きっと奥深いものに見えるだろう。

ルターの宗教改革を可能にした地
1. Wartburg - Eisenach ヴァルトブルク ‐ アイゼナハ

ヴァルトブルク ‐ アイゼナハ
11月30日(土)~12月15日(日)
週末のみの開催 10:00~19:00  
入場料:3ユーロ
Auf der Wartburg
http://wartburg-eisenach.de

宗教改革の祖マルティン・ルターは1521年から約1年間、ユンカー・ヨルクという偽名でアイゼナハ近郊のヴァルトブルク城に隠遁(いんとん)し、ギリシア語版新約聖書をドイツ語に翻訳した。翻訳に掛かった時間は実に11週間足らずだったという。それに先立つ1498年から3年間、彼はアイゼナハのラテン語学校で学び、地元貴族の邸宅に居候し、ゲオルク教会で布教活動を行うなど、もともとこの地と縁が深かった。この世界遺産に登録されているヴァルトブルク城で開かれるクリスマスマーケットは、まるで中世の世界そのもの。手作りのろうそくや石けん、すず職人の作品なども販売。ここでは、ルターとその歴史が、身近に感じられるだろう。

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バッハ「カンタータ」の生誕地
2. Leipzig ライプツィヒ

ライプツィヒ
11月26日(火)17:00~21:00、
11月27日(水)~12月22日(日)10:00~21:00、
12月23日(月)10:00~20:00
Marktplatz
www.leipzigerweihnachtsmarkt.de

1723年、ライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(教会音楽家)に就任したヨハン・セバスティアン・バッハ。この前年に教会のカントルが亡くなったことで、教会は著名な作曲家テレマンの招へいを試みるが、ハンブルクでの職の方が高給だからという理由で辞退される。次の候補者は、作曲家兼チェンバロ奏者として名を馳せていたグラウプナー。しかし彼にも断られ、最後にバッハに落ち着いたというのが就任の経緯。そしてバッハは教会の要望に応え、新しい教会カンタータを次々と生み出す偉業を成し遂げた。バッハゆかりの聖トーマス教会では、アドヴェント(待降節)期間中、様々なコンサートが開催される(www.thomaskirche.org)。

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文豪ゲーテが恋をした場所
3. Weimar ヴァイマール

ヴァイマール
11月26日(火)~1月5日(日)11:00~20:00 
金土11:00~21:00 
12月24・25日、1月1日は休み
Markt, Theaterplatz, Schillerstraße
www.weimar-tourist.de/weihnachtsmarkt

作家や詩人として知られるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、シラーと共にドイツ古典文学を代表する存在だ。『若きウェルテルの悩み』を出版した彼は、翌年から約10年間、ワイマール公国のアウグスト公に請われ、この国の閣僚的役割を務めていた。恋多きゲーテが創作活動を休止してまでもこの地に留まったのは、そこにいた恋人の存在が大きかったせいだろうか。ゲーテが、ここで執筆に精を出していた1815年から続くヴァイマールのクリスマスマーケットのハイライトは、市庁舎前の巨大アドヴェント・カレンダー。毎日18:00からは、クリスマス音楽を奏でるライブが開催される。ゲーテも生前、このマーケットを訪れていただろうか。

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夢の乗り物の原点がここにある
4. Aachen アーヘン

アーヘン
11月22日(金)~12月23日(月)11:00~21:00
日&11月24日18:00~21:00
Münsterplatz
www.aachenweihnachtsmarkt.de

宮崎駿監督の最新作『風立ちぬ』で、主人公・堀越二郎がドイツの飛行機製造工場を訪れた際、自由な見学を許可した人物として描かれているのが、フーゴ・ユンカース。発動機・航空機メーカー、ユンカースの創始者だ。彼は1883年にアーヘン工科大学で機械工学を修めた後、同大学で教鞭を執りつつ、ディーゼルエンジンなどを開発。そして飛行機の製造へと本格的に乗り出して行ったという。アーヘンのクリスマスマーケットは、オランダとベルギーとの国境近くにあるためか、異国情緒が漂う。1820年に生まれたアーヘン特産のクリスマス菓子「プリンテン」は世界中の人々に愛され続けており、このマーケットでは新鮮なものがゲットできる。

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ヘッセの才能が開花した地
5. Tübingen テュービンゲン

テュービンゲン
12月13日(金)~12月15日(日)
金土10:00~21:00 日11:00~19:00
Marktplatz
http://tuebingen-info.de

1895~99年、後にドイツを代表する作家となるヘルマン・ヘッセは、テュービンゲンの本屋で見習いとして働いていた。彼がここへやって来た理由は、両親の監視から逃れるため。宣教師であった父が、彼の小説や詩作活動を好まなかったのである。彼は店頭で仕事をする以外は、部屋にこもって古典やゲーテなどの精読に没頭し、ここで初めて自由を得て、徐々に作品を発表し始めたのである。この本屋は、今なお現存する(Heckenhauerische Buchhandlung、Holzmarkt)。3日間だけ開催されるテュービンゲンのクリスマスマーケットでは、ほとんどのスタンドが個人による出店。食べ物や販売されている商品は手作りのものばかり。

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歴史ある哲学の町
6. Freiburg フライブルク

フライブルク
11月25日(月)~12月23日(月)10:00~20:30
日11:30~19:30
Rathaus, Unterlindenplatz, Kartoffelmarkt
www.weihnachtsmarkt.freiburg.de

1916~28年、哲学者エトムント・フッサールは、フライブルク大学哲学科で教鞭を執り、現役を退いた。その後、ナチス政権の台頭により、ユダヤ人であった彼の肩書きや特権は剥奪され、彼はこの地で思い半ばに生涯を閉じた。またフライブルクといえば、哲学者ハイデッガーと彼の教え子かつ恋人であった政治思想家ハンナ・アーレントとの許されざる恋の一舞台。このロマンチックなフライブルクのクリスマスマーケットは、公共放送MDRのアンケートで、ドイツで最も美しいマーケットに選ばれたことがあるほど。アドヴェント期間中、大聖堂では少年少女によるコンサートも開催。マーケットのハイライトは12月7日、松明の明かりで町を練り歩く鉱山パレード。

外せない有名どころのマーケット

気にはなっているけれど、まだ訪れたことがない……
という有名どころのマーケットも、意外と多いのでは?
ここでご紹介するマーケットはすべて、あなたを満ち足りた気分にさせてくれること間違いなし!

7. Lübeck リューベック

リューベック

世界遺産となっている美しい旧市街を舞台に、リューベックのクリスマスマーケットは開かれる。ここを訪れたなら、マルクト近くのブッデンブローク邸(Buddenbrookhaus)にもぜひ立ち寄ってみたい。ここは作家トーマス・マンが所有した家。現在は博物館として公開されており、マーケットの期間中は、18:00から朗読会や見学ツアーなどのイベントを開催。

11月25日(月)~12月30日(月)11:00~21:00
金土11:00~22:00
11月29日11:00~23:00、
12月24日11:00~14:00、25日は休み
Rathausmarkt, Breite Straße
www.luebecker-weihnachtsmarkt.de

8. Hamburg ハンブルク

ハンブルク

巡回サーカス、ロンカリ(Roncalli)の監督がプロデュースする今年のハンブルクのクリスマスマーケットは、ほかとはひと味違う。ハイライトは、おもちゃを販売するエリア。世界中から集められたおもちゃを前にしたら、大人だって胸の高鳴りを抑えられないだろう。毎日16:00、18:00、20:00には、そりに乗ったサンタクロースが市庁舎前広場の空を飛ぶ!期間中の毎週土曜日は、恒例のパレードも開催。

11月26日(火)~12月23日(月)11:00~21:00
金土11:00~22:00
Rathausmarkt
www.hamburg.de/weihnachtsmarkt

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9. Berlin ベルリン

ベルリン

16世紀初頭に始まったとされるベルリンのクリスマスマーケット。大戦後、分割統治下でマーケットが再開されたのは1950年。場所は、カイザー・ヴィルヘルム記念教会前、シュパンダウ、ヴェディング地区だったという。今年は、市内中心部だけでも14カ所で開催される。ちなみに、昨年度の人気ナンバー1に輝いたのはジャンダルメンマルクトのマーケット。屋台料理には有名レストランやホテルからの出店も。

Gedächtniskirche、Vor dem Roten Rathaus、Alexanderplatzなど
期間、会場等は下記ウェブサイトを参照
www.berlin.de/orte/weihnachtsmaerkte

10. Dortmund ドルトムント

ドルトムント

今回で115回目を迎えるドルトムントのクリスマスマーケット。今年もグリュ―ワインのマグ・デザインは一新され、コレクターには見逃せない。高さ45メートル超のツリーを囲む約300の屋台では、膨大な数のおもちゃに圧倒される。25日の18:00には、このクリスマスツリーに4万8000個のライトが点灯される。その場に居合わせれば、感嘆の声を上げずにはいられないだろう。

11月21日(木)~12月23日(月)10:00~21:00
金土10:00~22:00 
日12:00~21:00
Hansaplatz, Alter Market

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11. Essen エッセン

エッセン

広大なケネディー広場のマーケットは、「インターナショナル」と名乗るにふさわしく様々な国々の商品が並ぶ。特筆すべきは屋台料理。定番料理のみならず、ポーランドやフランス、オランダ、アラブ諸国の名物料理が食べられ、目も舌も楽しませてくれるマーケット。フラックス広場のマーケットは一転、中世の香りが漂う。

11月21日(木)~12月23日(月)11:00~21:00
金土11:00~22:00 11月24日18:00~22:00
Kennedyplatz, Willy-Brandt-Platz, Rathenaustraße, Flachsmarkt
weihnachtsmarkt.essen.de

12. Düsseldorf デュッセルドルフ

デュッセルドルフ

街中が華やかに飾られ、まるで冬のおとぎの国に紛れ込んだかのような感動を覚えるデュッセルドルフのクリスマスマーケット。市内7カ所で開催されるマーケットは、それぞれ異なる演出で訪れる者を楽しませてくれる。特に人気が高いのは、光の並木道がロマンチックなケーニヒスアレー。グスタフ=グリュンドゲンス広場には450㎡の無料スケートリンクが開設される。

11月21日(木)~12月23日(月)11:00~20:00
金土~21:00 11月24日は休み
Marktplatz, Schadowplatz、Heinrich-Heine-Platzほか
www.duesseldorf-weihnachtsmarkt.de

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13. Köln ケルン

ケルン

1248年に着工されたケルン大聖堂。時代を経てすすけた、圧倒的な存在感の大聖堂の脇に、真っ赤な屋根の屋台がずらりと並ぶ景色は、赤と黒のコントラストが優美。広場には高さ25メートルのもみの木が設置され、特設ステージ上の光のテントには7000個ものLED電球が灯される。このほか、街中を歩き回れば、厳かな雰囲気のマーケットにも出会える。

11月25日(月)~12月23日(月)10:00~21:00
木金11:00~22:00 土10:00~22:00
Kölner Dom、Alter Markt, Rudolfplatzほか www.koelnerweihnachtsmarkt.de

14. Kassel カッセル

カッセル

グリム兄弟ゆかりの当地のマーケットが「メルヘンクリスマスマーケット」と称されるようになったのは、1975年以降のこと。今年のテーマはグリム童話の「兄と妹」。ガイドとマーケットを回るツアー「Kassel im Lichterglanz」も毎週金曜18:00から開催(7ユーロ)。

11月25日(月)~12月30日(月)11:00~20:00
(飲食屋台は22:00まで)
12月24、25日は休み
Königsplatz, Friedrichsplatz, Karlsplatz, Opernplatz
www.weihnachtsmarkt-kassel.de
Rathausmarkt, Breite Straße
www.luebecker-weihnachtsmarkt.de

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15. Dresden ドレスデン

ドレスデン

シュトレンで有名なアルトマルクトのマーケット。1600年代初頭、ここには肉の市場が立っていたが、そのうち肉以外の商品も売ろうということなり、その1つに挙がったのがシュトレン。このシュトレンがことのほか美味だったため、人々はここを、当地でシュトレンを指す言葉にちなんで「シュトリーツェルマルクト」と呼ぶようになったそうだ。

11月27日16:00~21:00
11月28日(木)~12月24日(火)10:00~21:00
12月13日10:00~23:00
Altmarkt
www.striezel-markt.de

16. Frankfurt フランクフルト

フランクフルト

フランクフルトのクリスマスマーケットは1393年、聖書の神秘劇が行われたことに由来する。1498年にはクリスマスマーケットで、当地の伯爵の結婚式が盛大に執り行われたという。ちなみに、広場にツリーを据え、装飾を施すようになったのは19世紀初頭のこと。高層ビルが建ち並ぶモダンな金融街フランクフルトに、こんなクリスマスの歴史があったとは。

11月27日(水)~12月22日(日)10:00~21:00
日11:00~21:00
Römerberg, Paulsplatz, Mainkai
www.frankfurt-tourismus.de

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17. Nürnberg ニュルンベルク

ニュルンベルク

世界一有名なニュルンベルクのクリスマスマーケットは、16世紀半ばにはすでにその前身があったとされるが、史料に登場するのは1628年のものが最古。「1628年、Kindles-Marck」と記された19センチほどの木箱が、市内のゲルマン国立博物館に所蔵されている。その木箱には、何か素敵なプレゼントが入っていたのだろうか……。

11月29日(金)~12月24日(火)10:00~21:00
12月24日10:00~14:00
Hauptmarkt
www.christkindlesmarkt.de

18. München ミュンヘン

ミュンヘン

クリスマスマーケットの期間中、ノイハウザー通り(Neuhauser Straße)には、ドイツ最大と言われるクリッペ市場が出現。クリッペとは、キリスト降誕の情景を木彫りや粘土で模したジオラマのこと。南チロル、オーバーアマガウ地方やエルツ山地で作られた大小様々なクリッペがずらりと並ぶ。

11月25日(月)~12月24日(火)10:30~21:00
日10:30~20:00
12月24日10:00~14:00
Marienplatz www.muenchen.de/themen/weihnachtsmaerkte

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最終更新 Mittwoch, 20 November 2013 09:15
 

ケルン公演直前!葉加瀬太郎インタビュー

TARO HAKASE World Tour 2013 JAPONISM ケルン公演直前!葉加瀬太郎インタビュー

ヴァイオリニスト葉加瀬太郎が
ドイツで初公演を行ったのは2011年。
このとき彼が聴衆に見せたのは、
クラシック音楽を愛して止まない演奏者としての顔だった。
あれから2年、ニューアルバム「JAPONISM」を引っ提げ、
葉加瀬太郎が再びドイツの地に降り立つ。
初のワールドツアーとなる今度の公演では、
彼のクリエイター、そしてエンターテイナーとしての
手腕が存分に発揮されると聞き、
そこに懸ける意気込みをうかがった。

ケルン公演直前!葉加瀬太郎インタビュー

葉加瀬太郎(はかせたろう)
1968年1月23日、大阪府生まれ。ヴァイオリニスト、作曲家、音楽プロデューサー。90年、東京藝術大学在学中にバンド『KRYZLER&KOMPANY』を結成し、ヴァイオリニストとしてメジャーデビュー。96年の同バンド解散後、ソロ活動を開始し、2002年に自身のレーベル「HATS」を立ち上げる。07年より英国を拠点に活動中。代表作に「情熱大陸」「Etupirka」「ひまわり」など。11年発表の初ベストアルバム「THE BSET OF TARO HAKASE」で日本ゴールドディスク大賞受賞。

「観て聴いて楽しい ヴァイオリンの可能性を探っている」

まず、2011年のドイツ初公演のご感想をお聞かせいただけますか。

ロンドンでは、ずっとアコースティックな演奏形態のコンサートをしていて、そのメンバーを連れての演奏だったので、ホームグラウンドを離れたとは言え、いつもと同じ感覚で演奏することができました。ただ、僕にとってドイツ音楽というのは、小さな頃から心を掴んで離さず、大切にしてきたものなので、その故郷であるドイツで演奏するというのは、光栄であると同時に身が引き締まる想い、緊張もありました。

アルバムでは、雅楽師の東儀秀樹氏や三味線奏者の上妻宏光氏、尺八奏者の藤原道山氏とのコラボが実現しています。

3人とご一緒させていただいたのは、それぞれの楽器の達人、名手だからというわけではなく、彼らでなければならなかったからです。彼らは普通の演奏者ではなく、ご自身の音楽を作っていらっしゃるアーティストなので、その彼らと何かをやるというエッセンスが欲しかったのです。これほどビッグネームの方々が1つのプロジェクトのために集まってくれる機会はなかなかないので、実現してとても嬉しく思っています。

葉加瀬さんが世界に発信したい「日本」とは。

僕はロンドンと日本を往復する生活をしていますが、ロンドンから飛行機で成田空港に着いて、そこから夕方、東京に入っていく途中、レインボーブリッジを渡るときに果てしなく広がる大都会を見て、世界で一番大きな都会だと思うし、その中で大勢の日本人が真面目に生きているんだ考えると、すごく綺麗だなと思います。この街が出来上がっていること自体が、奇跡のような気がするのです。そんな気持ちを伝えたいですね。

8月には、その日本を象徴する富士山の山頂での演奏にチャレンジされましたね。

8月21日、富士山頂で「万讃歌」を披露
8月21日、富士山頂で「万讃歌」を披露

アルバムのリリース日に何かアクションを起こそうと、スタッフと考えていたのですが、奇しくも今夏、富士山が世界文化遺産に登録されたので、「これはもう、登るしかないでしょう」ということになりました。僕に逆らう権利はありませんので、身を挺して登りました(笑)。東京のラジオ局J-WAVEの企画で、僕が山を登る様子、さらに山頂での演奏を生放送することになったのですが、これまで山に登ったことは一度もなかったので、考えてみれば無茶な話ですよね。登る1週間前にウェアやシューズを揃え、3日前に東京の高尾山を登ってみましたが、何のリハーサルにもなりませんでした。登っている最中は「辛い」なんて簡単に言えないほど辛かったです。演奏も、山頂の気温は2度という極寒の中でしたから、もう気合と根性で弾き切ったという感じです。経験なしに無茶なことをするもんじゃないです。ただその分、スタッフと共に1つのことをやり遂げたという達成感はありました。

世界遺産と言えば、今度の公演先のケルンも、世界遺産の大聖堂を誇る街です。この街に対するイメージ、ここでやりたいことはありますか。

大聖堂はぜひ見たいです。それから、クラシック音楽ファンとして思うのは、オーボエ奏者の宮本文昭先生*がずっといらっしゃった街ということでしょうか。子ども心に、一流のオーケストラで首席として演奏している日本人奏者がいるということを誇りに感じていた記憶があります。そんなことを思い出したり、あるいはシューマンもここに立っただろう、メンデルスゾーンもブラームスも歩いたかもしれない……と思いながら、街を歩いてみたいと思います。

*オーボエ奏者。1982~99年、ケルン放送交響楽団で首席奏者を務めた。

初のワールドツアーは、葉加瀬バンドを連れての大々的な「エンターテインメント・ショー」になるそうですね。

バンドとして、僕のほかにドラム、パーカッション、キーボード、ベース、ギター、コンピューターを操作するマニピュレーター、ピアノ、チェロの8人が参加します。このメンバーに照明や音響、舞台、楽器のスタッフが加わり、総勢30人ほどの大所帯で各地を回ります。

今回のツアーは、これまで欧州で行ってきたような純粋なクラシック音楽の演奏とは一線を画すものになります。ケルン公演で可能かどうか検討中ですが、日本で1990年代に流行したディスコ「ジュリアナ東京」スタイルのダンスをしたり、インストゥルメンタル・バンドなのに、全員楽器を置いてひたすら踊る時間があったりと、観客も一緒に参加できる形を考えています。さらには照明を駆使し、目で見て楽しめる効果も追求していて、音楽を楽しく見せるためには何ができるのかということを考え、工夫しています。

富士山登頂も無事やり遂げ、一皮向けた音楽家、葉加瀬太郎の新たな一面が見られそうで、公演が楽しみです!

僕の音楽は、単純にロックンロールと言えるようなものでもなければ、ジャズでもありません。リズムがあって、ポピュラーな音楽のスタイルを基にエンターテインメントにし、観て聴いて、皆で一緒に踊って楽しめるヴァイオリンの可能性をいろいろと探しているつもりです。今の時代の、"エンターテインする"ヴァイオリン音楽だと捉えて聴いていただければと思います。

コンサート情報
2013年11月28日(木)20:00
E-Werk Köln  Schanzenstraße 37, 51063 Köln
チケット:www.x-why-z.eu/bands/182
最終更新 Donnerstag, 11 Juli 2019 17:25
 

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