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Wed, 17 December 2025

LISTING イベント情報

ロンドンのアートを満喫したい!お得なメンバーシップ制度比較表

ロンドンのアートを満喫したい!お得なメンバーシップ制度比較表

世界屈指のアート施設が密集するロンドン。とりわけ今年は、入場券をめぐり長蛇の列ができるほどの大きな人気を集める展示会が数多く催されており、アートに彩られた一年になると予想される。またロンドン在住者であれば、何度も通いたいと思えるような、お気に入りのアート施設が一つや二つあるはず。お得なだけでなく、芸術に関して造詣の深い人に尊敬が集まる英国では一種のステータスにもなる、各アート施設の会員制度をご紹介する。
学生に優しい割安なメンバーシップ

ICA Membership

ロンドンの物価高には日々苦しめられている、懐事情の厳しい学生に対して10ポンドという割安な会員制度を提供しているのが、現代芸術協会ことICA。学生会員になれば、通常は一本当たり10ポンドの料金が発生する映画を12本も無料でプレビューできる権利を得ることになるので、会員になった途端に元を取ったようなもの。また在英邦人にとってうれしいのは、ここICAでは日本映画が頻繁に上映されていることだ。さらに、トラファルガー広場とバッキンガム宮殿を結ぶ大通りに面したこの施設には、劇場に特別展示場、そしてオーガニック素材を用いた食事を提供するバー・エリアと娯楽スペースがてんこ盛り。会員には10%の割引料金が適用されるバーは、週末は深夜1時までオープンしているので、ちょっとおしゃれな夜遊びにもどうぞ。

ICA料金: 学生£10(一般は£40)

Institute of Contemporary Arts(ICA)
The Mall, London SW1Y 5AH
Tel: 020 7930 3647
Charing Cross駅
www.ica.org.uk

格安の学生割引!
12本分の映画を一本当たり£1.2で観られる計算に!


そのほかの特典■ ショップやカフェ/バーが10%以上の割引
■ 映画や演劇の鑑賞チケットにも割引が適用

注目のイベント
Whose Film is it Anyway? Contemporary Japanese Auteurs

それでもボクはやってない「オリジナル脚本を使った現代の日本映画」をテーマに、2000年以降に製作された作品で、監督が原作/脚本を手掛けた9本を紹介する国際交流基金主催イベントのロンドン上映。周防正行監督の「それでもボクはやってない」などが上映される。
2月10日(金)〜2月16日(木)まで
月〜水12:00-23:00(木〜土12:00-翌1:00、日12:00-21:00)
£10
家族そろってメガヒット展の行列をすっ飛ばす

The Friends of the Royal Academy of Arts

現在開催中の英国人画家デービッド・ホックニー展や、毎年夏期に開催される「サマー・エキシビション」など、一年を通じてメガヒット展が開催されるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの入り口では、週末ともなると長蛇の列ができる。そこで事前に予約しなければ観覧できない日さえもあるという前述のホックニー展に入場するための裏技をここで紹介。それは、「フレンズ」と呼ばれる年間会員になってしまうこと。会員には優先的に入場券が割り当てられる仕組みになっているし、一般鑑賞者に先駆けて開催されるプレビューの機会も得られる。また会員権の保持者には、大人1人、子供4人まで無料での同伴が認められていることも家族連れにはうれしい。さらに英国美術界の総本山の会員権は、絶好のステータスにもなるはず。

Royal Academy of Arts 料金: £100(16〜25歳は£45)

Royal Academy of Arts
Burlington House, Piccadilly London W1J 0BD
Tel: 020 7300 8000
Green Park / Piccadilly Circus駅
www.royalacademy.org.uk

手厚い家族特典!
子供2人を持つ4人家族であれば、 特別展を年に2回通う料金とほぼ同額!

そのほかの特典■ 長蛇の列ができるメガヒット展へスピード入場可
■ 展覧会の正式オープン前のプレビュー・イベントでの鑑賞可

注目のイベント
David Hockney RA: A Bigger Picture

ホックニー今年、英メリット勲章を受勲した画家、デービッド・ホックニーのエキシビション。デビュー当時のポップな色調はそのままに、以前から愛していたというヨークシャー東部の風景を、巨大キャンバスに描いた連作を展示する。
4月9日(月)まで
10:00 -18:00(金は22:00まで)
£14(シニア£13、学生£9)
英国各地のテイトで利用できるのでアート旅行に最適

Tate Members

このカードの最大のメリットは、英国に4カ所存在するテイト美術館すべてで利用できるということ。つまり、年間500万人が訪れるという人気現代美術館テイト・モダン、ウィリアム・ターナーなど英国人画家のコレクションを充実させたテイト・ブリテン、芸術施設がいっぱいの街に建てられたテイト・リバプールとテイト・セント・アイブスの4カ所で利用可能だ。加えて、ロンドンの2つのテイトを結ぶ連絡船の乗船券割引という特典も用意されている。さらに利用価値が高いと評判なのが、テイト・モダンの上階に設営されたメンバー専用カフェ。同様にメンバー専用エリアを設けているアート施設は数多いが、テムズ河の対岸にセント・ポール大聖堂を望む眺めを見渡すことのできるこの空間の優雅な雰囲気は格別との声多し。

Tate Modern料金: £67(一人ゲストを伴う場合は£97)

Tate Modern
Bankside, London
SE1 9TG
Tel: 020 7887 8888
Southwark /St. Paul駅
www.tate.org.uk/modern

Tate Britain
Millbank, London
SW1P 4RG
Tel: 020 7887 8888
Pimlico駅
www.tate.org.uk/britain

全国のテイトで利用可!
2人で英国各地のテイト美術館を年4回以上訪れればお得!


そのほかの特典■ テイト・モダン、テイト・ブリテンの
メンバー専用カフェの利用可
■ ショップでの買い物が割引

特典会員を持つそのほかのメリット

1. 会員専用のカフェは待ち合わせに最適
アート施設に設けられた会員専用のバーやカフェは、デートに、またはちょっと趣向を変えた場所で仕事の打ち合わせを行いたいときなどに好印象を与えるアイテムになること間違いなし。

2. 興味のあるアート分野の知識を深める
会員向けに発行されている冊子や、関連イベントの案内の送付が会員特典に含まれていることが多い。ロンドンのアート施設は、どこも各分野における世界屈指の機関。特定の興味を世界レベルで極めることができる。

3. アート施設通いがより積極的に
普段からアートに興味を持っていても、週末になると疲れを感じてしまい、ついつい家でダラダラ過ごしてしまうというのが現実。会員になってしまえば、「元を取ろう」という気持ちが働いて、積極的にアート施設通いをすることに。

現代美術からクラシック音楽まで幅広くカバー

Southbank Centre Membership

芸術施設がずらりと並ぶテムズ河南岸の中心地であるサウスバンク・センター。この施設を訪れる最大の魅力は、絵画や写真、立体アート、クラシック音楽からジャズまで、様々な種類のアートを幅広く堪能できるという点。特別会員になれば、斬新な現代美術の展覧会を頻繁に催しているヘイワード・ギャラリーへの入場が無料。さらに、内田光子を始めとする日本人アーティストを含む各ジャンルの大物音楽家のコンサートが開催されるロイヤル・フェスティバル・ホールや、舞台作品が頻繁に上映されるクイーン・エリザベス・ホールの利用にも割引特典が。こちらはチケット予約手数料が無料になるのみというので正直それほど大きな魅力ではないが、近隣地区のショップでの割引特典などもあるから、この区域に頻繁に通うのであれば検討の価値あり。

Southbank Centre料金: £45

Southbank Centre
Hayward Gallery

Belvedere Road, London SE1 8XX
Tel: 0844 875 0073
Waterloo駅
www.southbankcentre.co.uk

サウスバンクを満喫!
サウスバンクの各アート施設に加えて近隣のショップなどでの割引特典あり

そのほかの特典■ ヘイワード・ギャラリーへの入場が無料
■ チケット予約手数料が無料

注目のイベント
David Shrigley: Brain Activity

David Shrigleyビジュアル・アーティスト、デービッド・シュリグリーの個展。日本の人気アーティスト奈良美智とのコラボレーションや、ロック・バンド、ブラーのためのアニメーション、ジャケットなども手掛けている彼の作品を展示。
5月13日(日)まで 
10:00-18:00 
£8
サウス・ケンジントン地区のオアシスに

V & A Menbership

世界各国の宝飾品を集めた大英博物館や、主に西欧における巨匠画家の作品が並ぶナショナル・ギャラリーといった高尚なイメージを持つアート施設と比較して、日常生活により根差した工業芸術を主に扱うことで人気を集めるV&A。まず、週末はチケットの購入のために長蛇の列ができることも珍しくない特別展への入場が無料になる会員制度はありがたい。またこの施設の会員権の最大の売りが、ほぼ毎週1回のペースで行われている会員限定イベントの充実ぶり。またそれ自身が芸術品のようであると形容される美しさで定評のあるカフェでの飲食物の割引特典も人気がある。このカフェなら、近隣に博物館やコンサート・ホールといった芸術施設が並び、ショッピングにも便利なサウス・ケンジントン地区での絶好のお茶スポットとなるはず。

Victoria & Albert Museum 料金: £64(一家族£94)

Victoria & Albert Museum
Cromwell Road, London SW7 2RL
Tel: 020 7942 2000
South Kensington駅
www.vam.ac.uk

会員イベントが充実!
毎週のようにサウス・ケンジントン地区に立ち寄ることがある人はお得!

そのほかの特典■ 特別展への入場料が無料
■ ショップでの買い物が10%割引

注目のイベント
Queen Elizabeth ll by Cecil Beaton

エリザベス女王のポートレート第二次大戦中から戦後にかけて活躍した英国のフォトグラファー、セシル・ビートンが撮影した、若き日のエリザベス女王のポートレートを集めたエキシビション。ダイヤモンド・ジュビリー(即位60周年記念イベント)の一環。
2月8日(水)〜4月22日(日)
10:00-17:45(金は22:00まで) 
£7
大英博物館の中でお泊りができる!

British Museum Membership

ロンドン随一の観光名所と言われる大英博物館。ほかのアート施設と同様に「特別展への入場無料」に加えて、「いつも観光客でいっぱいの常設展を会員のみに公開」という会員特典を用意している。「メンバーズ・オープン・イブニング」と呼ばれるイベントでは、夕方6時にいったん一般訪問客を締め出してから、夜遅くにかけて会員限定で公開。その間、普段は観光客によって視界が遮られている展示を、会員はほぼ一人占めで鑑賞できることになる。さらに年6回用意されている、「スリープオーバー」と名付けられた家族向けのイベントでは、博物館内に宿泊できるという特典も。ハリウッド映画「ナイト ミュージアム」を現実化したようなこの試みに、子供たちが興奮すること間違いなし。また今年は博物館内に新たに会員専用スペースが設営されるとのことなので、お楽しみを。

British Museum 料金: £52(8〜15歳は£20)

British Museum
Great Russell Street, London WC1B 3DG
Tel: 020 7323 8181
Holborn駅
www.britishmuseum.org

大英博物館内で宿泊!
小さなお子さんがいる家族連れに最適

そのほかの特典■ 特別展への入場が無料
■ 観光客がいない夕方からの会員特別イベントに参加可能

注目のイベント
Grayson Perry: The Tomb of the Unknown Craftsman

Grayson Perryポップでグロテスクな陶芸作品と女装趣味で知られる、英ターナー賞受賞アーティスト、グレイソン・ペリーのエキシビション。彼の新作に加え、ペリーによって選出された大英博物館所蔵の工芸品も併せて展示される。
2月26日(日)まで 
10:00-17:30(金は20:30)
£10
入場券がそのまま年間通し券に

London Transport Museum Ticket

ロンドン市内中心部にある多くのアート施設の特別会員制度は、大人一人につき年間で50〜100ポンドというのが料金の相場となっている中、この博物館の年間パスは10ポンド代。入場チケットが事実上の年間通し券となっているため、「年間会員になる」という特別な覚悟を持たずとも、気軽に何度も再訪できる場所となっている。周辺におしゃれなお店が並ぶコベント・ガーデンの一角にあるので、家族総出での買い物や食事する機会にも便利。また何より、原寸大のロンドン・バスなどの展示物を目にすれば子供は大喜びするはず。またショップには、鉄道模型はもちろん、ロンドン地下鉄駅の名物アナウンス「Mind the Gap(電車とプラットフォームの隙間にご注意ください」を記した関連グッズなども置いてあり、お土産やおもちゃの購入にも最適。

London Tranport Museum  料金: £13.50(学生・シニア£10)

London Tranport Museum
Covent Garden Piazza, London WC2E 7BB
Tel: 020 7379 6344
Covent Garden駅
www.ltmuseum.co.uk

格安の年間パス!
10ポンド代の入場券購入で1年間行き放題!


そのほかの特典■ 16歳未満は入場無料
■ グループ割引もあり

注目のイベント
Sense and the City Smart, Connected and on the Move

London Transport Museum電気自動車、GPSやインターネットのワイヤレス・ネットワークといった科学技術がロンドンという街を移動する際にどのような変化を与えているかを探る特別展。アーティストたちが描いた未来予想図などとともに展示する。
3月18日(日)まで
10:00-18:00(金のみ〜21:00)
ロンドンのアート施設を満遍なくカバー

The Art Fund National Art Pass

英国各地のアート施設に様々な支援を行うことを目的に設立された機関「アート・ファンド」が提供する年間パス。一年にわたって、コートールド・ギャラリー、ダリッチ・ピクチャー・ギャラリー、ケンジントン宮殿などといった比較的小さなアート施設への入場が無料となる。一例を挙げると、これらの施設すべてを対象としたアート・ファンドの年会費と、コートールド美術館のみの年間会員費が実は同額なので、それだけでこの年間パスのお得具合が分かるというもの。加えて、大英博物館、ナショナル・ギャラリー、V&A といった大型施設の特別展も半額となる。さらにエディンバラやカーディフなど、旅行先として人気を集める街にある主要なアート施設でも割引特典が用意されているので、アート・スポット巡りをする人はかなりのお得感を実感できるはず。

Art Fund

料金: £50(ペアは£70)

The Art Fund
www.artfund.org

200カ所で入場無料
コートールド美術館の年会費と同額で
同美術館含むアート施設への入場が無料!


そのほかの特典■ 1英国各地の主要なアート施設の特別展で50%割引
■ アート・ファンドの年間パスで、下記のイベントも半額に

注目のイベント
Lucian Freud Portraits

Lucian Freud Portraits昨年夏に88歳で死去した、英国を代表する具象画家の一人、ルシアン・フロイドの大回顧展。絵の具を厚塗りする特徴的な画法で、身近な人々をモデルに描き続けたフロイドの未公開作品を含む約100点の作品を展示する。
2月9日(木)〜5月27日(日)
10:00-18:00(木・金は21:00まで)
£14

*上記料金はすべてクレジット・カードでの支払いによるもの。
銀行口座からの自動引き落としにすると、さらに割安になる場合が多くあります。

 

ロンドンのチョコレート屋さん

口に含んだ瞬間、とろりと広がるまろやかなカカオの風味。
その甘く濃厚な食感に魅せられてしまった人たちは、星の数ほどいるはずだ。
チョコレート ──甘いものといえばまず頭に浮かぶほど、
人々の生活に定着しているこのスイーツだが、
一口にチョコといっても産地や配合、職人の腕次第で風味は大きく左右される。
そこで今回ご紹介するのは、ロンドン市内で厳選したこだわりのチョコレート屋さん。
バレンタインももうすぐそこ、心もとろける極上の一粒を探しに出掛けよう。

1
宝石のような一粒からはじける驚きと感動
Melt

MELT

パッション・フルーツにマンゴー、ブルーベリー、抹茶、ピスタチオ。弾けんばかりの素材の味が封じ込められた、宝石のような一粒に出合いに行こう。渡辺ちかさんがヘッド・ショコラティエを務める「メルト」は、ノッティング・ヒルの閑静なストリートに位置する。チョコレートが恋しくなったときふらりと立ち寄りたくなるような、街角の小さなショコラティエといった佇まいだ。人気デパート、セルフリッジズへの出店や幾多の受賞を経験した今でも顧客との親密な繋がりを大切にしており、店舗は実際に職人の仕事を間近で見られる造りになっている。要望や感想を直接伝えることができるのもうれしい。「食べたときの感動を大切にしたい」と語る渡辺さんの言葉通り、舌の上でとろけるチョコレートから飛び出す食材そのもののうまみは、喜びや驚きさえもたらしてくれる。少しだけいびつな形をしたそれぞれの粒は、手作り感や愛嬌もたっぷりだ。

Melt
Blueberry Muffin Cup £15/100g Seasalt Caramel Bonbonほか £15/100g(セレクト可、グラム売り)
店名 Melt
住所 59 Ledbury Road W11 2AA
TEL 020 7727 5030
最寄り駅 Notting Hill Gate駅より徒歩7分
オープン 月〜土10:00-18:30 日11:00-16:00
Website www.meltchocolates.com

2
若きチョコレートのプリンスが贈る、クリエイティブなチョコレート
Paul A Young

Paul A Young

市内2カ所に店を構えるショコラティエ、ポール・A・ヤング氏の3号店が、昨年ソーホーにオープン。「チョコレートはとてもアーティスティックな素材。どんな風にも形を変えるから想像力を掻き立てられる」と情熱的に語る氏は、著作が「ベスト・チョコレート・ブック」に選ばれるなど数々の受賞経験を持つ実力派。伝統を守りながらも常に革新的であるロンドンを意識した、クリエイティブなスタイルが魅力だ。常連の客を飽きさせないため、コレクションは定番の味を残して2週間に1度、様変わり。例えば、寒い冬であれば「丸太小屋で暖炉にあたっている」イメージで作る、キャラメル味をブレンドした葉巻チョコでスモーキーな味わいを。バレンタインには、ブルー・チーズ、クルミなどを使った濃厚なチョコレートが登場する。女性から男性へ贈りたいという要望にも応え、15年物のウィスキーが香る大人の味も用意。豊富なバラエティーがうれしい。

Paul A Young
Paul.A.Young Chocolate
£15.50/9piece Box
£25.50/16piece Box
£38/25piece Box
店名 Paul A Young
住所 143 Wardour Street W1F 8WA
TEL 020 7437 0011
最寄り駅 Tottenham Court Road駅より徒歩7分
オープン 月〜土10:00-20:00 日12:00-19:00
Website www.paulayoung.co.uk

3
遊び心満載の夢のチョコレート空間へ
Artisan Du Chocolat

Artisan Du Chocolat

真っ白な床や壁に映える、チョコレートを模したテーブルに、カカオ畑の写真が彩る天井のドーム、整然とディスプレーされたチョコレートたち。扉を開けた瞬間、甘い香りとともにチョコレートの世界へ誘われてしまうようだ。バラ・マーケットやデパートにも出店するこちらは、豊富な品数や顧客に寄り添う丁寧な接客など、一流百貨店のような雰囲気。幅広いニーズへの対応がうれしく、甘さが気になる人にはシュガー・フリー、そしてキッズ用やビーガン用も取りそろえている。ラッピングは遊び心が満載だ。輝きあるパール・チョコレートは、さながらジュエリー・ボックスのような包みへ。コスメのような瓶詰めや、小さな引き出し風のボックスなど、わくわく感がギフトにも最適。時間があれば、ゆっくり腰を下ろし、ホット・チョコレートを頂こう。甘みも苦みも包括した濃密なチョコレートは、とろんと体へ流れ込み、内からほっとさせてくれる。

Artisan Du Chocolat 
Pearls £9.50/100g
£20/200g Box
£45/500g Box
店名 Artisan Du Chocolat
住所 81 Westbourne Grove W2 4UL
TEL 0845 270 6996
最寄り駅 Notting Hill Gate駅より徒歩10分
オープン 月〜土10:00-19:00 日12:00-17:00
Website www.artisanduchocolat.com

4
映画「ショコラ」のような、幸せのチョコレート屋さん
Melange Chocolate Shop

Melange Chocolate Shop

一歩足を踏み入れると、パリ出身のショコラティエ、イザベラさんが大きな笑顔で迎えてくれる。「チョコレートには人が自然に集まってくるの」と言う、旅と出会いが大好きな彼女は、人が集まる場所を作りたいと「メレンゲ」をオープンした。一番力を入れているのは、子供のころから親しんできたチョコレート・バーだ。ジンジャー&ライムや抹茶&ストロベリーなどのやさしい香りをほんの少しだけ付けた15種類のバーは、程よく薄く作られていて、口に入れたとたんに夢のように溶けてしまう。できる限りお手頃な値段で提供するため、パッケージも一つひとつ手作りだ。「ホットなカップルにはホットなフレーバーを」という彼女の一押しは、チリを効かせた大きなハート型のダーク・チョコレート。恋人たちの熱い気持ちを盛り上げてくれそう。ロマンティックな2人なら、ラズベリー、タイム、ラベンダーの香る3色トリュフで甘いひとときを楽しんで。

Melange Chocolate Shop
Big Heart Milk Chocolate, Lavender & Lemon £9 Big Heart Dark Chocolate, Orange & Chili £9
店名 Melange Chocolate Shop
住所 184 Bellenden Road SE15 4BW
TEL 07722 650 711
最寄り駅 Peckham Rye駅より徒歩7分
オープン 火〜金10:30-19:00 土・日10:00-18:00 月休
Website www.themelange.com

5
生粋の職人が生む、最良のチョコレート
Demarquette

Demarquette

生まれながらのチョコレート職人とでも言おうか。湧き出るユニークなアイデア、厳正に素材を選ぶ確かな目、繊細で優美な仕事。英国のベスト・ショコラティエにも選ばれたマークさんの情熱は、フランス人の祖母に手ほどきを受けたことを皮切りに、まっすぐチョコレート作りへ注がれてきた。それぞれ素材の主張が残りつつ、見事な調和と一体感を持つこちらのチョコレートは、「隅々まで最良品」と謳われる通り、添加物はもちろん、余分な砂糖は不使用。甘みは天然のはちみつで補っている。ココア・バターは3種から成る独自ブレンドだ。丁寧なペイントが美しい、陶器のようにつややかな「キャラメル」は、ダーク・チョコレートのシェルにキャラメルが包まれた人気のライン。中でもお勧めは、国内各地で摘まれたローズや季節の花々が練り込まれた「イングリッシュ・ガーデン」シリーズだ。香り高い花の風味が、爽やかな夏空を思わせてくれる。

Demarquette
Valentine Red Caramel Hearts £17.50
店名 Demarquette
住所 285 Fulham Road SW10 9PZ
TEL 020 7351 5467
最寄り駅 South Kensington駅より徒歩8分
オープン 火〜木11:00-18:00 金・土11:00-19:00 
日・月休
Website www.demarquette.com

6
希少な「ピエール・マルコリーニ」チョコレートなら
Verde & Co

Verde & Co

緑のひさしの下、様々な形のバスケットや野菜、フルーツが楽しげに並ぶ。まるで田舎の小さな八百屋さんのようで、思わずカメラを向けてしまう人も多いのではないだろうか。ここは、元シェフのハーヴィーさんが、シェフ時代から付き合いのある業者から信頼の味を仕入れる食材店。お昼にはサンドイッチとサラダが300食も出るという注目のスポットだ。ここでひときわ人気なのが、小さなショーケースに並んだ「ピエール・マルコリーニ」のプラリネ。ベルギー生まれのショコラティエ、マルコリーニ氏自身が何度も農園に足を運び、気候や土壌まで検討して厳選したカカオを用いた、独創的なチョコレートだ。ベネズエラ、ジャバ、マダガスカル産を最良のバランスでブレンドした「ピエール・マルコリーニ」や、ホワイト・チョコにラズベリーで香り付けした「ラズベリー・ハート」など、チョコレートにうるさい女性の心も一粒で溶かしてしまうこと間違いなし。

このお店は閉店しました。

Pierre Marcolini
Pierre Marcolini Chocolates £11.90/9 piece Box £15.50/12 piece Box £25.50/25 piece Box
店名 Verde & Co
住所 40 Brushfield Street E1 6AG
TEL 020 7247 1924
最寄り駅 Liverpool Street駅より徒歩7分
オープン 月〜木9:00-18:00 金9:00-19:00
土・日10:00-17:00
Website www.verde-and-company-ltd.co.uk

7
心まで甘みで満たすメロウな空間
Rococo Chocolates

Rococo Chocolates

1981年のオープン以来、スクールを運営する確かな実力とブティックさながらの店構えで、ポッシュなこのエリアで強い存在感を放ってきた「ロココ・チョコレーツ」。マダガスカルを始めとする数カ所の農園のカカオをブレンドしているため、奥行きのある香りと舌触りのチョコレートを楽しめるのが特徴だ。日持ちするためお土産にもぴったりと親しまれるのは、ハチが刻印されたチョコレート・バー。特に、強い塩気が後を引く「シー・ソルト」の人気は根強い。また、注目はテキスタイルを学んだ創始者によるシンボル・デザインだ。動植物などのモチーフが緻密な線で描き起こされたパッケージは数十種にも及び、その完成度の高さは一枚の絵として部屋に飾りたくなってしまうほど。こちらの店舗は、カフェ席に加えてモロッコ風の中庭も併設。チョコレートを心から愛するスタッフが作り出す甘くメロウな空間に、時間を忘れて酔いしれたい。

Rococo Chocolates
Cat Box £16/12piece(セレクト可)
店名 Rococo Chocolates
住所 5 Motcomb Street SW1X 8JU
TEL 020 7245 0993
最寄り駅 Knightsbridge駅より徒歩7分
オープン 月〜土10:00-18:30 日12:00-18:00
Website www.rococochocolates.com

8
エリザベス女王もうっとりの由緒正しい味をどうぞ
Prestat

Prestat

1902年創業の老舗ながら、ブルー、ピンク、ゴールドのキャンディー・カラーで彩られた店内はなんともポップで女性の心をくすぐる。ライオンとユニコーンを配したロイヤル・ウォラントが示す通り、エリザベス女王の御用達である上、あの故ダイアナ元妃も大好きだったという格式のあるチョコレート・ショップだ。ここではやはり、スミレやバラなどの香り高いフレーバーを持つプラリネや、「ナポレオン3世」なるトリュフ・シリーズなど、長く愛されてきた味を試してみたい。プレーン、コーヒー、ラム、シャンパンの4種は、創業以来変わらないレシピが自慢。バレンタインには、ショーケースに並ぶ宝石のようなチョコレートを、ピンクのハート型ボックスにたっぷりの愛情と一緒に詰め合わせよう。ロイヤル・ウエディング記念に発売された、ユニオン・ジャック柄ボックス入りのトリュフで、幸せ一杯のケイト & ウィルにあやかってみるのもいいかも。

Rococo Chocolates
Heart Assortment £5.99/40g £8.50/105g, £15.76/185g £27/385g
店名 Prestat
住所 14 Princes Arcade SW1Y 6DS
TEL 0800 021 3023
最寄り駅 Piccadilly Circus駅より徒歩5分
オープン 月〜金8:00-17:00 土8:00-14:00 日休
Website www.prestat.co.uk


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取材: ①③⑤⑦ Mariko Inoue / ②④⑥⑧ Sayaka Hirakawa

 

オリンピック特集 - ロンドン2012フェスティバル

ロンドン2012フェスティバル - オリンピックの文化的側面に注目!

A to Z

今年の夏に開催されるロンドン・オリンピック/パラリンピックでは、速さや強さを競うだけではなく、カルチャー面でも華やかなイベントが目白押し。実はオリンピック/パラリンピックとは、スポーツ競技だけのイベントではない。前回の2008年北京大会の直後から、4年にわたり芸術活動を推進するプログラム、「カルチュラル・オリンピアード」が進められていたのだ。今回は同プログラムの中核を成す「ロンドン2012フェスティバル」に注目。英国が世界に向けて発信する、音楽・ダンス・演劇など様々なイベントの一部をご紹介する。(田中 晴子)

http://festival.london2012.com

カルチュラル・オリンピアードとは

古代ギリシャで行われていたスポーツ競技大会「オリュンピアの祭典」が、フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵の提唱により、近代オリンピックとして正式に復活したのは1896年。あまり知られていないことだが、1912年にはここに芸術競技も加わり、出場者たちはスポーツを主題にした芸術作品を制作し、採点によってその順位が決定したという。当時の種目は絵画、彫刻、文学、建築、音楽の5つで、1948年ロンドン大会までの計7回の大会で正式競技として実施されていた。

ただ、芸術作品を客観的な基準で採点することの難しさに加え、スポーツ競技の記録更新の側面が次第に重要視されるようになったことから、芸術競技は以降の正式種目から消えていく。やがて、本来のオリンピック精神に則った「世界の祭典」という、祝祭的な部分を受け持つことで、芸術競技は「カルチュラル・オリンピアード」として新しく生まれ変わったのである。

ロンドンが2012年の夏期オリンピック開催地に決まったときから始まったロンドン2012カルチュラル・オリンピアードの魅力を凝縮したのが、6月から始まる「ロンドン 2012フェスティバル」。4年の歳月をかけて入念に用意され、今や観客が足を運ぶのを待つばかリ。今回は、各地で開催される数多くのイベントの中から、編集部が独断で選んだ15のプログラムを紹介しよう。

オススメTop3

Opening Day

グスターボ・ドゥダメル6月21日、英国各地で華やかにロンドン2012フェスティバルの幕が開く。スコットランドのスターリング城前では、天才的な若手指揮者として、世界で最も注目されているグスターボ・ドゥダメルが、ベネズウェラ・シモン・ボリバル交響楽団を率いて、1日限りの野外コンサートを開催。湖水地方のウィンダミアでは、フランスの花火パフォーマンス集団「Les Commandos Percu(レ・コマンド・ペルキュ)」が湖畔で花火と音楽が織り成すイベントで華を添え、北アイルランドのロンドンデリーでは、3カ月後に控える「世界平和の日」に向けたカウントダウン・イベントが行われるなど、オープニングにふさわしい光景が各地で見られそうだ。

6月21日(木)

The Big Concert -
Gustavo Dudamel and the Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela

19:45
料金: £5〜25
Old School Field
Drip Road, Raploch, Stirling Scotland FK8 1RR
Tel: 01786 462 923
http://makeabignoise.org.uk

Les Commandos Percu - On The Nightshift

22:00
料金: 無料
The Glebe,
Bowness-on-Windermere Glebe Road, Bowness-on-Windermere LA23 1LU
Tel: 01539 720252
www.lakesalive.org

Peace One Day - Global Truce Countdown

詳細未定
The Parade Ground Ebrington Barracks, Derry BT47
Tel: 020 8334 9900
http://peaceoneday.org

Globe to Globe

Globe to Globe英国が誇る大作家、ウィリアム・シェイクスピア。今年は「ワールド・シェイクスピア・フェスティバル」と銘打ち、英国各地でシェイクスピア作品を上演する大イベントが繰り広げられる。「グローブ・トゥー・グローブ」は、その一環としてロンドンのグローブ座で行われる演劇イベントだ。シェイクスピアの全戯曲を、一作品ずつ異なる言語で演じようという試みで、全37作品を37のプロダクションが上演する。英語はもちろん、アラビア語やマオリ語、手話なども登場。日本からも三浦基(もとい)率いる京都出身の演劇集団「地点」が、シェイクスピア後期の悲劇「コリオレイナス」に挑戦する(5月21日 & 22日)。

4月21日(土)〜6月9日(土)
Shakespeare's Globe
21 New Globe Walk, Bankside London SE1 9DT
Tel: 020 7401 9919
http://globetoglobe.shakespearesglobe.com

Big Dance 2012 - Trafalgar Square

ビッグ・ダンス 2012英国中から集まった何千人ものダンサーやパフォーマーたちが、トラファルガー・スクエアに集合 、一斉にダンスを披露するというスペクタクルな光景が展開する。公共の場に多数の人々が集合してパフォーマンスを行うのは「フラッシュ・モブ」と呼ばれ、某携帯電話会社のコマーシャルなどでもその迫力の程が知られている。今回、このパフォーマンスの振り付けを担当するのが、英国のコンテンポラリー・ダンス界に多大な影響力を与えるロイヤル・バレエ団の常任振付家、ウェイン・マクレガーだ。なお、この「ビッグ・ダンス 2012」はトラファルガー・スクエアだけに留まらず、英各地で同趣向のイベントを開催するので、詳細はサイトをチェックして。

7月14日(土)
Trafalgar Square Westminster, London WC2N 5DN
www.bigdance2012.com

ジャンル別オススメ

Dance / Theatre

Cymbeline

蜷川幸雄

76歳にして精力的な活躍を続ける日本の演出家、蜷川幸雄によるシェイクスピアの「シンベリン」。蜷川が「彩の国さいたま芸術劇場」で、シェイクスピア全37作を上演する企画の一環でもある。 阿部寛、大竹しのぶ、窪塚洋介といった人気俳優たちをロンドンで観るチャンスだ。本作は、ブリテン王シンベリンの娘イモージェンが、波瀾万丈の末に大団円を迎えるというロマンス劇の真骨頂で、男装の美女や仮死状態になる秘薬など、ドラマティックな要素が盛り込まれた作品。

5月29日(火)〜6月2日(土) 19:15
料金: £16〜50
Barbican Theatre
Silk Street, London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

Metamorphosis: Titian 2012

Titian 2012

伊ルネサンス期の巨匠ティツィアーノが古代ローマの詩人、オウィディウスの「変身物語」をモチーフに描いた3枚の絵画を基に、ウェイン・マクレガー、ウィリアム・タケット、クリストファー・ウィールドンという人気振付家たちが制作したバレエ作品。舞台デザインはクリス・オフィリやマーク・ウォリンガーなど、英アート賞のターナー賞受賞アーティストが担当という、贅沢なイベントだ。ロイヤル・オペラ・ハウスとナショナル・ギャラリーのコラボレーションにより実現した。

7月14日(土)〜20日(金)
詳細未定
チケット: 4月10日(火)から発売
Royal Opera House
Covent Garden London WC2E 9DD
Tel: 020 7304 4000
www.roh.org.uk

Tanztheater Wuppertal Pina Bausch: World Cities 2012

ピナ・バウシュ

コンテンポラリー・ダンス界に多大な影響力を持ちながらも、2009年に死去した独ダンサー/振付家のピナ・バウシュが率いたピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団が、世界の10都市をモチーフにした10の作品を1カ月にわたり上演。トルコ、カリフォルニア、ローマ、香港などと並び、6月15日と16日に行われる「Ten Chi」は現代の日本文化をイメージした作品だ。バービカンとサドラーズ・ウェルズが会場となる。

6月6日(水)〜7月9日(月)
時間・料金の詳細はサイトを参照

Barbican Theatre
Silk Street London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

Sadler's Wells Theatre
Rosebery Avenue London EC1R 4TN
Tel: 0844 412 4300
www.sadlerswells.com

Art

Yoko Ono

Yoko Ono

1960年代から一貫して、世界の平和や女性の地位向上などを主題に、ジャンルを問わない前衛アーティストとして活動してきたオノ・ヨーコの大規模なエキシビション。これまで英国では観ることのできなかった過去の貴重な作品に加え、訪れた人々が自分の笑顔をインターネット上にアップロードすることで成立する、視聴者参加型の作品「スマイル」などが展示される。強烈なイメージばかりが先行してきたオノの、アーティストとしての一面に触れてみては。

6月19日(火)〜9月9日(日)10:00-18:00
料金: 無料
Serpentine Gallery
Serpentine Road London W2 3XA
Tel: 020 7402 6075
www.serpentinegallery.org

Damien Hirst

Damien Hirst

かつてトレイシー・エミンやゲイリー・ヒュームなどと並び、1990年代に一世を風靡した英出身の若手アーティストたち、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ」の看板として、奇抜な作品を次々に発表して世間を騒がせてきたダミアン・ハースト。その代表作とも言えるサメのホルマリン漬けを始め、ダイヤモンドをあしらったドクロなど、彼の25年にわたる新旧の作品が一堂に集まった貴重な回顧展。英国の現代アートをおさらいするのにピッタリのエキシビションだ。

4月4日(水)〜9月9日(日)
10:00-18:00(金土は22:00まで)

料金: £14
Tate Modern
Bankside London SE1 9TG
Tel: 020 7887 8888
www.tate.org.uk/modern

Official London 2012
Olympic and Paralympic
Poster Display

オリンピック公式ポスター

12人の現代アーティストによって制作された、ロンドン・オリンピックとパラリンピックの公式ポスターを展示。参加アーティストはベテラン抽象画家のハワード・ホジキンから、トレイシー・エミン、マーティン・クリード、レイチェル・ホワイトリードなど、英アート賞のターナー賞受賞者たちであり、オリンピックに対する考え方がそれぞれに現れている。これまでの公式ポスターの常識を破りつつも、カルチュラル・オリンピアードの精神を体現したと言える好企画。

6月21日(木)〜9月21日(金) 10:00-18:00(金は22:00まで)
料金: 無料
Tate Britain
Millbank London SW1P 4RG
Tel: 020 7887 8888
www.tate.org.uk/britain

Music

Damon Albarn's Dr Dee

デーモン・アルバーン

「ブリット・ポップ」という言葉を定着させた英バンド、ブラーのフロントマンとして人気を博す一方、架空のアニメ・バンドであるゴリラズとしての活動なども行うデーモン・アルバーンのオペラ・プロジェクト。ベテランの舞台演出家ルーファス・ノリスとイングリッシュ・ナショナル・オペラとともに、エリザベス1世の時代を生きた数学者にして占星術師、ジョン・ディーの人生を、ポップ音楽を用いて描く実にユニークな意欲作。

6月25日(月)〜7月7日(土)19:30(14:30の日もあり)
料金: £29〜125
London Coliseum
33 St Martin's Lane London WC2N 4ES
Tel: 0871 911 0200
http://eno.org

BT River of Music

BT River of Music

ロンドンのテムズ河岸に近い6カ所で開催される野外音楽フェスティバル。世界の各大陸から招かれたミュージシャンたちが繰り広げる演奏に耳を傾ければ、初夏の一日の楽しい思い出になりそう。欧州ステージはトラファルガー広場とサマセット・ハウス、アフリカはジュビリー・ガーデンズ、アジアはバタシー・パーク、アメリカはロンドン塔、そしてオセアニアがグリニッジ旧王立海軍学校と、出身大陸ごとに開催場所が分かれている。

6月21日(木)・22日(金)
時間の詳細はサイトを参照
料金: 無料
Trafalgar Square, Somerset House, Tower of London, Jubilee Gardens,
Battersea Park, Greenwich Old Royal Naval College
www.serious.org.uk/BT-River-of-Music

City of Birmingham Symphony Orchestra and
James MacMillan

コベントリー大聖堂

スコットランド出身の敬虔なカトリック教徒であり、当代随一の宗教作曲家として知られるジェームズ・マクミランが、英中部コベントリーにそびえるコベントリー大聖堂の依頼により、同大聖堂の再建50周年を祝うミサ曲を作曲。第二次大戦下の1940年、独空軍による空爆で破壊された大聖堂の復興を称える同曲が、バーミンガム市交響楽団や地元の学校に通う少年で構成された聖歌隊らにより、世界初演される。

6月23日(土)19:30
詳細未定
Coventry Cathedral
Priory Street Coventry CV1 5AB
Tel: 024 7652 1200
www.coventrycathedral.org.uk

Pre-Festival

Big and Small (Gross und Klein)

Big and Small

現代ドイツを代表する劇作家、ボート・シュトラウスの戯曲を、「エリザベス」「バベル」などで知られるオーストラリア出身の実力派女優、ケイト・ブランシェット主演で舞台化する注目作。夫と別れ、家族とも疎遠になった孤独な女性ロッテが、人とのコミュニケーションを渇望しながらも、自分の居場所を見つけることができずにいる姿を、英作家ルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」にも似たシュールな世界観で描く。

4月13日(金)〜29日(日)
時間の詳細はサイトを参照
料金: £16〜65
Barbican Theatre
Silk Street London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

David Hockney RA : A Bigger Picture

David Hockney

今年、英メリット勲章を受勲した画家、デービッド・ホックニーのエキシビション。デビュー当時のポップな色調はそのままに、以前から愛していたというヨークシャー東部の風景を、巨大キャンバスに描いた連作。まるで毒を含んでいるかの様な鮮やかな色彩は、老いてなお気骨と茶目っ気を持つホックニーならではのもの。会場ではホックニーがiPadを使って制作したドローイングや、作品ができあがっていく過程を映したフィルムなども同時上映される。

1月21日(土)〜4月9日(月) 10:00-18:00(金は22:00まで)
料金: £9〜14
Royal Academy of Arts
Burlington House London W1J 0BD
Tel: 0844 209 0051
www.royalacademy.org.uk

Einstein on the Beach

David Hockney

米国ミニマル・ミュージックの元祖、フィリップ・グラスと演出家のロバート・ウィルソンが1976年に制作したオペラ「浜辺のアインシュタイン」のUKプレミア。禁欲的で複雑、反復的な4時間半にわたる作品で、上演当時は舞台芸術の観念を変えた大傑作として迎え入れられた。既存の演劇は観客に考える時間を与えない、と批判したグラスが、観客に様々な課題を突き付けた実験作と言えるだろう。振り付けは米前衛振付家のルシンダ・チャイルズが担当する。

5月4日(金)〜13日(日)
時間の詳細はサイトを参照
料金: £35〜125
Barbican Theatre
Silk Street London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

 

英国王室御用達の味が買えるお店

英国王室御用達の味が買えるお店 女王と同じ食卓を我が家でも再現

英国最大の資産を蓄え、恐らく誰よりも自国の歴史や文化にも深く精通している英王室メンバーたち。 彼らは望めば大概なものは手に入る立場にあると思われるが、しかし、そのお眼鏡にかなう品質を維持する商品は 実際のところそれほど多く存在しないだろう。逆に言えば、彼ら王室メンバーがお墨付きを与えた商品なら、 最上級の品質保証が付けられたことを意味する。王室御用達の食品を購入すれば、英王室の食卓を再現することも可能。英国生活でのちょっとした贅沢を味わうために、記念日のプレゼントに、日本へのお土産に。王室御用達を意味する「ロイヤル・ウォラント」が授けられた食品店を紹介する。(写真: 小原 祐一)

エリザベス女王お墨付き有閑マダムたちが好む家庭料理
Partridges

Partridgesウィリアム王子と結婚する前のキャサリン妃が頻繁に出没したと言われる、高級ショッピング街のスローン・スクエアに位置する高級食材店。近隣地区には無償で配達を行っているので、界隈のマダムたちの台所として大活躍している。店内に併設されたデリでは、ステーキ&キドニー・パイやシェパーズ・パイといった英国の代表的な惣菜を用意。「英国の料理はまずい」との固定観念に縛られた日本人観光客に紹介するには、打ってつけの場所かも。さらに毎週土曜日には、同店前でフード・マーケットが開かれる。グロスター・ロード地区にも支店あり。

Partridges2-5 Duke of York Square, Sloane Square,
London SW3 4LY
Tel: 020 7730 0651
最寄駅: Sloane Square
営業時間: 8:00-22:00
www.partridges.co.uk

チャールズ皇太子お墨付き食の国イタリアから運ばれてきた健康的な食材
Carluccio’s

Carluccio’s青い看板と清潔感溢れる内装が特徴的なイタリア食材チェーン店。店名は、シェフのアントニオ・カルッチオ氏の名前から取られたもの。自然食品ブランドの運営を自ら手掛けるなど、食材に対しては強いこだわりを持つことで知られるチャールズ皇太子のお墨付きだけあって、オリーブ・オイル、パスタ、ハーブ、そして食パンなど、イタリア本場から運ばれてきた健康的な食材がたくさん。併設されたレストランで食事することもできる。上記のコベント・ガーデン店のほかに、高級店が集うボンド・ストリート駅近くなど英国各地に支店あり。

Carluccio’sGarrick Street, Covent Garden, London WC2E 9BH
Tel: 020 7836 0990
最寄駅: Covent Garden
営業時間: 月〜金 8:00-23:30 土 9:00- 23:30 日 9:00-22:30
www.carluccios.com

エリザベス女王お墨付きチョコレート職人が仕込んだ手作りの味
Prestat

Prestat英国に帰化したフランス人チョコレート職人の息子が開業した、100年以上の歴史を持つ高級チョコレート店。最高級のココアを使用した商品は今でもすべて手作りで、その完璧主義を貫き通すために、チョコレート販売に関わる全作業を同店スタッフが手掛ける。顧客リストには、お墨付きを与えたエリザベス女王だけではなく、彼女の母である故クイーン・マザーや、故ダイアナ元妃も名を連ねていたとか。上記の店舗に加えて、ハロッズやロンドン三越などのデパート、またはウェイトローズなどのスーパーでも同社製品を販売している。

Prestat14 Princes Arcade, Piccadilly, London SW1 6DS
Tel: 0800 021 3023
最寄駅: Piccadilly Circus / Green Park
営業時間: 月〜金 9:30-18:00 土 10:00-17:00 日 11:00-16:30
www.prestat.co.uk

エリザベス女王と チャールズ皇太子のお墨付き英国紳士はこの店でチーズを買う
Paxton & Whitfield

Paxton & Whitfieldロンドン市内でチーズ販売の屋台を構えていた商人が、店名となったハリー・パクストン氏とチャールズ・ホイットフィールド氏の2人と共同して1797年に創業。1850年にヴィクトリア女王よりロイヤル・ウォラントを授かって以来、エドワード7世、ジョージ5世からエリザベス女王、チャールズ皇太子などに至るまで、歴代の王家メンバーに愛されている。ウィンストン・チャーチル元首相は、「紳士たる者は同店でチーズを買う」という言葉を残したとの逸話も。イングランド中部ストラトフォード・アポン・エイボンや同西部バースにも支店あり。

Paxton & Whitfield93 Jermyn Street, London SW1Y 6JE
Tel: 020 7930 0259
最寄駅: Piccadilly Circus / Green Park
営業時間: 月〜土 9:30-18:00 日 11:00-17:00
www.paxtonandwhitfield.co.uk

エリザベス女王と チャールズ皇太子のお墨付き英国産のシーフードを堪能するなら
James Knight of Mayfair

James Knight of Mayfair魚屋としては唯一、2個以上のロイヤル・ウォラントを保持するジェームズ・ナイト・オブ・メイフェア。店名となったジェームズ・アーサー・ナイト氏が100年以上前にこの魚屋を創業し、その後、ホテルへの卸売り業者として事業を著しく成長させたという。店内に並べられた商品の8割は、英国内またはアイルランドから取り寄せたもの。どの魚も新鮮なので、刺身にするのに適しているという点も日本人には大変うれしい。やはり王室御用達として有名なロンドンのデパート、セルフリッジ内に店舗を構えている。

James Knight of MayfairSelfridges Food Hall, 400 Oxford Street, London W1A 1AB
Tel: 020 7318 3725
最寄駅: Bond Street
営業時間: 月~土 9:30-21:30 / 日 12:00-18:00
www.james-knight.com

エリザベス女王と チャールズ皇太子のお墨付きクリミア戦争時から国民的人気を誇る食材店
Fortnum and Mason

Fortnum and Masonロウソクの販売店として始まり、今や良質の紅茶を販売するデパートの老舗として広く知られるフォートナム&メイソン。18世紀前半を生きたアン女王の宮殿でロウソクの取り換えを行っていたウィリアム・フォートナム氏と、彼が住んでいた家の家主のヒュー・メイソン氏が1707年に創業した。クリミア戦争時には、ヴィクトリア女王が野戦病院へ同社の食料品を送らせたとの逸話まで残っている。日本人観光客のお土産として人気の紅茶に加えて、英国人が夏の晴れた日に持参するハンパー(ピクニック・セット)の販売店として愛されている。

Fortnum and Mason181 Piccadilly, London W1A 1ER
Tel: 0845 300 1707
最寄駅: Piccadilly Circus / Green Park
営業時間: 月〜土 10:00-20:00 日 12:00-18:00
www.fortnumandmason.co.uk

エリザベス女王お墨付き300年以上にわたり同じ敷地で営まれるワイン商の最古参
Berry Bros & Rudd Ltd

Berry Bros & Rudd Ltd300年以上にわたり、同じ敷地内にずっと同じ店舗を構えているという、まさに英国人好みの最古参のワインとスピリッツ商。食料雑貨店として始まった1698年の創業当時は、商品の計量のために店内に設置されていた大型の量りで、顧客の体重測定を行うなどのサービスを提供し、話題を集めていたという。19世紀前半から20世紀前半に英国を統治したエドワード7世の時代に王室御用達に指定された。加えて、ナポレオン3世や名優ローレンス・オリヴィエなどそうそうたる面々が同店を贔 屓にしたと伝えられている。日本にも支店あり。

Berry Bros & Rudd Ltd3 St. James’s Street, London SW1 1EG
Tel: 0800 280 2440
最寄駅: Green Park
営業時間: 月〜金 9:00-18:00 土 10:00-16:00
www.bbr.com

チャールズ皇太子お墨付き日本食ブランドも手掛ける健康食品販売店
Community Foods Ltd

Community Foods Ltd自然派食品販売の草分けとして知られる、オーガニック食品販売店。英国で少しずつ自然派食品に対する意識が芽生え出した1970年代に、トルコ、インドや中国といった国々から食品を買い付け、英国に輸入するというビジネス・モデルを築き上げたという。ドライ・フルーツ、ナッツ、豆類などの種類が豊富。また昨今、英国を含む欧州各地で健康食として広く認知されている日本食の普及にも取り組んでいて、「Sanchi」というブランドの名の下でインスタント味噌汁、ラーメン、醤油などを販売。注文はオンラインで受け付けている。

Micross, Brent Terrace, London NW2 1LT
(*同オフィスでは商品の販売は行っていない)
Tel: 020 8208 2966
www.communityfoods.co.uk


意外な王室御用達品たち

「王室御用達」と聞くと高級品ばかりを思い浮かべてしまうが、意外にも、その中には私たちのような庶民が日常生活で知らず知らずのうちに購入している食品も数多くある。ここで紹介する王室御用達商品のいくつかは、皆様の冷蔵庫にもきっと紛れているはず。

コカコーラ

Coca-Cola
意外にも米国の現代文化を象徴するコカコーラ社の商品も英王室御用達。

Carr'sCarr's
チーズとの相性が抜群のクラッカー。

Silver Spoon

Silver Spoon
どこの英国人家庭でも見かける砂糖。

Strongbow

Strongbow
国民的な人気を集める
サイダー。

StrongbowMcVitie’s
英国のオフィスでのおやつ休憩でこのクッキーを食したことのある人も多いのでは?

コカコーラ

Kelloggs
王家も忙しい朝はケロッグのコーンフレークで朝食を済ますのか?

コカコーラCadbury
イングランド中部バーミンガムが誇りとするチョコレート会社の商品。

コカコーラ

Pedigree
ドッグフード。犬好きで知られる女王が愛用していると想像される。

コカコーラ

Heinz
ケチャップの人気ブランド「ハインツ」。ビーンズの販売元としても知られる。

Strongbow

Robinsons
ロンドン西部ウィンブルドン生まれの濃縮ジュース。


英王室がお墨付きを与える認定書

ヘンリー2世
12世紀のイングランド王、ヘンリー2世

過去7年間のうちに少なくとも5年以上にわたって英王室メンバーに商品を提供し続け、その品質を認められた企業や店舗の経営者に対して与えられる認定書のこと。最古のものは1155年にヘンリー2世により発せられたというから、850年以上の歴史を有する制度だ。

ロイヤル・ウォラントを下賜できるのは3人のみ

エリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子
写真左から、エリザベス女王、
フィリップ殿下、チャールズ皇太子

現在のところ、エリザベス女王とその夫のフィリップ殿下、さらに彼ら夫婦の息子であるチャールズ皇太子の3人のみがロイヤル・ウォラントを与える権利を持っている。この3名すべてからロイヤル・ウォラントを授かるという、王室に愛し尽されている店も存在する。

英王室御用達店には 「ロイヤル・アーム」が!

ロイヤル・ウォラントを授かった店は、店前などに、提供者の名前が記された「ロイヤル・アーム」と呼ばれる紋章を掲げることができる。提供者はそれぞれ異なる紋章を持っているので、どの王室メンバーによって贔屓にされているのか一目瞭然。


エリザベス女王(写真左)、フィリップ殿下(同中央)、チャールズ皇太子(同右)のロイヤル・アーム

具体的に何の商品が御用達なのかは秘密

ジョン・ルイス
エリザベス女王が家具デパートのジョン
・ルイスで購入しているものとは?

ロイヤル・ウォラントは、王室が頻繁に購入する商品の提供者に与えられるものであることから、私たちは王室メンバーが具体的にどの商品を愛用しているかまでを知ることはできない。例えばエリザベス女王によりロイヤル・ウォラントを授かっている家具デパート「ジョン・ルイス」から女王が購入している商品は果たしてヤカンなのかベッドなのか、明らかにされることはない。そうした情報を公表した店舗は、ロイヤル・ウォラントを剥奪されてしまう決まりになっているのだ。

ロイヤル・ウォラントの有効期限は5年間

ジョン・ルイス
2000年にロイヤル・ウォラントを失った
高級デパートのハロッズ

ロイヤル・ウォラントの認定店は、通常5年ごとに英王室内の長官によって審査される。また認定を受けた事業主が死亡したり、他の業者によって買収されたりした場合も再審査の対象となる。王室御用達のデパートとして長く知られてきた高級デパート「ハロッズ」は、62年間保持していたロイヤル・ウォラントを2000年に失った。1997年にダイアナ元妃とともに事故死した同妃の恋人が、ハロッズの所有者モハメド・アルファイド氏の息子であったことなどが関係していると当時は取沙汰された。

ロイヤル・ウォラントの保持者は約850の商人

ロイヤル・ウォラントが与えられる対象となるのは、いわゆる商人のみ。弁護士や医者などは該当しない。現在、保持者は約850人。そのほとんどが、「ザ・ロイヤル・ウォラント・ホルダーズ・アソシエーション」と呼ばれる団体に所属している。
The Royal Warrant Holders Association www.royalwarrant.org

 

ロンドン五輪代表候補 女子サッカー フェイ・ホワイト選手インタビュー

ロンドン五輪代表候補にインタビュー

フェイ・ホワイト選手女子サッカー 英国統一チーム代表候補 フェイ・ホワイト

ロンドン五輪が開催される2012年が明けた。そこで新春第1号では、同五輪での活躍が期待される、欧州各国の注目選手へのインタビューを実施。英国からは、2011年に開催されたサッカーのワールド・カップ(W杯)で日本女子代表を下したイングランド代表の主将を務め、ロンドン五輪では女子サッカー史上初となる英国統一チームの主将候補と目されるフェイ・ホワイト選手に話を聞いた。

Faye White
1978年2月2日生まれ。ロンドン郊外サリー州出身。ポジションはセントラル・ディフェンダー。10歳のときに兄弟が所属するサッカー・クラブで本格的にサッカーを始める。96年に女子サッカーのセミプロ・クラブであるアーセナル・レディースに加入し、後に主将に。旧女子プレミア・リーグでは7連覇を達成し、昨季は新設されたイングランドの女子スーパー・リーグの優勝ほか3冠を獲得した。97年にイングランド代表デビュー。2002年より同代表の主将を務める。11年に開催されたドイツW杯では、PK戦の末に準々決勝で敗退した。06年に大英帝国勲章MBEを受勲。ロンドン五輪で編成される英国統一チームの主将に任命されることが有力視されている。
www.faye-white.co.uk

サッカーにおいては、五輪よりもW杯の方がより注目を集める傾向にあるように思いますが、五輪代表に選ばれたいという気持ちは持っていますか。

もちろんですよ!女子サッカーにとっては、オリンピックはW杯と同じくらい大きな意義を持つ大会です。世界の強豪チームが一同に集い、優勝を争う機会はそう多くはありませんからね。しかも、イングランドは2007年のW杯本選で準々決勝に進出して08年の北京五輪への出場権を得たにもかかわらず、イングランド単体での五輪出場が認められず、英国統一チームとしての出場機会もなかったため、我々はせっかくのチャンスをふいにすることになり、悔しい思いをしました。だからこそ、英国統一チームとしての参加が認められた今大会の代表メンバーにはぜひ加わりたいと思っています。しかも、その貴重な機会を生まれ育った地で得ることができるなんて、まるで夢のようです。試合会場には私たちがこれまで目にしたことのないほど多くの観客が集うことを期待しています。

選手であれば誰でも、
五輪でプレーする喜びを噛み締めるはずです

これまでライバル同士だった北アイルランド、スコットランド、ウェールズといった他国の代表選手たちと一緒に英国統一チームとして戦うことに違和感を覚えませんか。

いざ五輪の舞台に立って、他国の代表と一緒にプレーするのが気まずいだなんて思う選手はいませんよ。サッカー選手であれば誰でも、ロンドン五輪のような大きな大会でプレーする喜びをひたすら噛み締めるはずです。ただ、召集される選手が変われば、戦術が大きく変更されるということはあるでしょうね。

女子サッカーの英国統一チームを率いるホープ・ポーウェル監督はどのような方ですか。

ポーウェル監督は長年にわたるイングランド代表監督在任中に、強固な指導体制を築き上げました。それこそ何年もかけてイングランドの女子サッカーを変革し、成長させていったのだと思います。現在、我々が世界の第一線でプレーできているのは、彼女の貢献によるところが大きいでしょう。それだけに、彼女は各選手そしてチーム全体にかなり多くのことを要求します。世界で戦えるだけの水準を維持するためには必要なことです。

2011年のW杯で初優勝を遂げた日本女子代表が唯一苦杯をなめたのが、ホワイト選手が主将を務めたイングランド代表でした。

正しい戦術を取ることができたというのが、イングランドの勝因だと思います。日本はパスを多用することで最大の強みを発揮するチームです。もし彼らのパスを追い掛け回していたら、私たちの守備陣は日本代表に脆くも切り裂かれてしまっていたでしょう。だから私たちはできるだけ守備をコンパクトにまとめました。攻撃を上手く封じ込めることさえできれば、日本代表を打ち負かすだけの実力を備えていると思っていましたから。

日本代表に対しては、ほかにどのような印象を持っていますか。

日本代表の最大の脅威は、ボールを保持する能力と、パスを使ってそのボールを素早く動かすことができるという点でしょう。全選手がボールの扱いに長けていて、足元で自在にコントロールする印象があります。だから、個々の選手は的確な判断をするための時間をきちんと確保できる。チーム全体としても非常に良く機能しています。全選手が止めどなく動くことで、一人ひとりのプレーの選択肢を広げている。ただ体のぶつけ合いとなったら、イングランドに強みがあると思っていました。言い換えれば、体のぶつけ合い勝負となれば日本は苦戦するだろうと。

澤選手は掛け値なしに素晴らしい選手です。2007年のW杯でも対戦した大野選手も偉大な選手ですし、セット・プレーのスペシャリストとして知られる宮間選手は、フリー・キックやコーナー・キックの機会に脅威となります。やはりチーム全体としての強さを感じますね。

W杯終了後、日本代表の選手と話す機会はありましたか。

残念ながら私自身はそのような機会を持てなかったのですが、所属クラブのアーセナル・レディースが昨年末に実施した日本ツアー中、日本の国立競技場でなでしこリーグ覇者のINAC神戸と対戦した際に、私のチームメイトの何人かが会話を交わしたそうです。INAC神戸の選手たちは、私たちのチームのストライカーでスコットランド代表でもあるジェニファー・ビーティーを見て、その身長の高さに唖然としていたそうですよ!

イングランド代表として外国を転戦する際は、日程が厳しく、また常に大きな試合が控えていますから、サッカー以外のことに関心を払うことがあまりできません。ただ先に述べたアーセナル・レディースの日本ツアーでは、日本の伝統的な食事を楽しみ、畳の上に敷かれた布団の上で寝て、京都のお寺を回るといった時間を持つことができました。そして、他人に敬意を払う文化、歓待の精神、細部へのこだわり、清潔さ。ツアーを準備してくれたベアーフット・コミュニケーションズという会社のスタッフたちの助けもあって、日本のあらゆる文化を堪能することができました。

男兄弟よりも私の方が上手いと気付いたら、
やる気が出てきました

昨年のW杯準々決勝でPK戦の末にフランス代表に敗れた直後、「スポーツを通じて経験し得る中で最悪の感情」を経験したと発言されていました。その後、どのように立ち直りましたか。

ワールド・カップでのホワイト選手
2011年にドイツで開催されたサッカーのワールド・カップの準々決勝で、PK戦の末にフランスに敗れ、肩を落とすホワイト選手(写真右)

あのような出来事を乗り越えるためには、多くの時間を必要としますし、きっと今後もあのとき感じた苦しみを抱えながら生きていくのだと思います。ただ競技人生においてはいくつもの「最高」と「最悪」を経験しますし、どちらも受け入れなければなりません。両方とも、競技の一部なのです。

また敗北こそが気力の源泉となり、より高い地点へと上り詰めようと自身を駆り立てるきっかけになることを私は知っています。私個人としても、チーム全体としても、敗戦から多くのことを吸収しましたし、あの経験を経てより強い存在になることができれば、と思います。

イングランド代表では長らく主将を務めてきました。主将の役割について教えてください。

他の選手の良き手本になるということだけです。できる限りプロらしく振る舞い、そして目標に向かって率先して熱心に取り組むよう努力しています。私はあまり発破をかけるタイプではありませんが、他選手が望むのであれば話し合いの場を持つようにしていますし、必要と判断すれば肩に腕を回したりしてチームメイトを励ますこともあります。また自分では決してしないことを他人に求めたりしません。あとは全員と公平に接すること。私が心掛けていることは、そんなところでしょうか。またサッカーを離れたところでは、メディア対応や、チームのいわば親善大使として活動することなどが含まれます。

サッカーは男性が行うスポーツであるという見方が今でも根強く残っています。女子サッカーに興じていた幼少時にそうした偏見の対象になったことはありましたか。

「サッカーは男がするスポーツ」という偏見に直面する度に、サッカーをプレーしたいという決意はより強まりました。だから私のサッカー人生は、むしろ偏見に後押しされたと言ってもいいのかもしれません。

幼いころは陸上競技やネットボールなど一通りのスポーツを嗜みましたが、サッカーが最も身近な存在でした。いつも自宅の裏庭で練習していたような気がします。サッカーに関しては男兄弟よりも私の方が上手いと気付いたときには、さらなるやる気が出てきました。ロンドン五輪出場を通じて、サッカーに限らず、女子スポーツ全体の認知度を高めていくことができたら、と思っています。

競技解説
女子サッカーイングランドでは古くから各地で女子サッカーの試合が行われていたが、「女性の健康を損なう」ことなどを理由に、同サッカー協会が1921年に女子チームに対してのグラウンドの貸し出しを禁止。71年にこの禁止令が破棄され、96年のアトランタ五輪より五輪正式種目となった。W杯などではイングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズとして各国が出場を果たす一方で、これまで英国代表チームとしての五輪参加は実現していない。ロンドン五輪において、女子サッカーはその歴史上初めての英国統一チームを形成することになる。


 

林景一駐英国特命全権大使 インタビュー

林景一駐英国特命全権大使 インタビュー - 2011年を振り返り、2012年を展望する

林景一駐英国特命全権大使東日本大震災という、未曽有の災禍が発生した2011年。英国という遠く離れた異国の地から、母国が復興を遂げていく過程を見守るという特異な立場に置かれた在英邦人たちは、それぞれ新しい年をどのように過ごしていくのか。林景一駐英国特命全権大使に、昨年を振り返るとともに、2012年の展望を語っていただいた。

林景一(はやし・けいいち)駐英国特命全権大使
1951年2月28日生まれ、山口県出身、京都大学法学部卒。74年に外務省入省。アイルランド大使、駐英公使などを経て、2011年2月より現職。

2011年を振り返って、印象に残ったことは何ですか。

英女王陛下に、天皇陛下からの信任状をお出しすることによって大使としての活動を公式に開始してから3週間足らずで東日本大震災が発生し、その後は震災関連の対応が活動の多くを占めました。特に印象に残っているのは、震災発生後に見られた、東北の人々の冷静な対応や我慢強さといったものが、英国人に感銘を与えたと各メディアなどで報じられたことです。自らを我慢強い国民であると自負する英国人にとって、そうした振る舞いは美徳の一つでしょう。震災を通じて、日本人がその美徳を示したことを、多くの英国人は前向きに評価していると思います。  

世界における日本の存在感が希薄になっているとも一部では伝えられていますが、震災を機に世界が再び日本に目を向け出しました。震災後に空港、道路、線路などが急速に復旧していく様子を見て、世界が日本の力を改めて認識したという側面があったのではないでしょうか。今後、日本がどういった形でさらなる復興を遂げていくかが注目されていると思います。

11月にサッカーの聖地であるウェンブリー競技場で開催された東日本大震災のチャリティー・マッチには、大使館が準備段階から深く関わったと聞いています。

震災後、英国からの様々な被災者支援の形を検討そして実施して参りました。その中で、英国がサッカー発祥の地であることと、また私自身が高校、大学とサッカーをしていたこともありまして、サッカーという切り口で何か支援はできないだろうかということが頭の中にあったのです。3月末ごろには、イングランドの往年の名選手として知られるボビー・チャールトン氏に会って、何かチャリティー・マッチのようなことはできないかといったようなことを相談していました。さらにチャリティー・マッチの当日にもお越しいただいたジェレミー・ハント英文化・オリンピック・メディア・スポーツ相にもお会いする機会があり、イングランドのサッカー協会(FA)にぜひお口添えいただきたいとの話もしておりました。

その後、ウェンブリー競技場内にあるFA事務局を訪ねた際に、デービッド・バーンスタイン会長から非常に前向きな回答をいただくことができたのです。イングランドとオランダの国際試合のボックス席を提供するので、それをオークションにかけて収益金を被災地へと回してはどうかとか、6月に大使館公邸で行われた英日婦人会主催のチャリティー・バザー用にイングランド代表選手のサイン入りシャツを提供いただくといった提案と合わせて、ウェンブリー競技場のピッチを無料で使用させていただけるという話がありました。

このウェンブリー競技場使用の詳細についてさらなる相談を進める中で、被災地の高校生を呼んでウェンブリーで試合をしてもらうのがいいのではないかと考えたので、夏ごろに別件で渡英された日本サッカー協会の小倉純二会長に意見を求めたところ、高校生の選抜には日本サッカー協会が全面的に協力するとのお言葉をいただきました。そのほかにも、日本商工会議所を含む様々な団体からの協力をいただき、被災地の高校生16人に来てもらえることになったのです。チャリティー・マッチの当日、被災地の高校生の一人が、「家もなくなり、何回も引っ越しを余儀なくされて、サッカーをあきらめようとも思ったけど続けてきて良かった」と言っていたのが印象的でした。

6月には、ウェストミンスター寺院で東日本大震災のメモリアル・サービスも行われました。

昨年2月にニュージーランドで発生した大地震の追悼行事が、地震発生から1カ月後にウェストミンスター寺院で行われ、この地震で命を亡くした邦人がいらっしゃいましたので、私も式典に参加しました。その際にウェストミンスター寺院の関係者とお話をしたところ、東日本大震災のメモリアル・サービスも行いたいので協力を得たいとのお話をいただきました。同寺院は英国国教会に属していますけれども、東日本大震災の追悼行事については、厳かながら歌や音楽の演奏を交え、特定の宗派に限定せず、広く追悼の気持ちを集めるという場を用意してくれました。また当日、ウェストミンスター寺院に日本の国旗を半旗で掲げるという配慮をいただいたことにも感謝しています。

当日は、2000人近い人が来られました。それだけ多くの方々が、悔やみ、悼み、気持ちを伝えたいとのメッセージを送る機会としては、素晴らしいものだったのではないでしょうか。同時に、被災地から遠く離れた英国という場所にいて、何らかの支援をしたくとも、できることに限りがあるという環境に暮らす在英邦人にとっては、心に一つの区切りを付ける機会ともなったのではないかと思います。

海外暮らしが気軽にできる現代において、大使館はどのような役割を果たすべきと考えていますか。

私が外務省に入省した1974年ごろには、海外に出掛けるにはまだ相当の制限がありました。その少し前まではパスポートを取得するにも、貿易に関係する人でなければ難しい、といった時代です。今は、海外に在住するということがごく当たり前になっています。英国では、大使館に登録されている在留邦人だけで約6万人。パスポートの発給、戸籍の届け出の受付がロンドンだけで年間1350件。パスポートの紛失・盗難が平均毎月20件以上、身分証明・運転免許証証明の発給件数が年間6500件。犯罪に巻き込まれたり、病気・怪我といった状況への対応となる邦人援護が650件近くと、在英邦人の支援を担当する領事班の仕事が忙しくなってきています。

さらに、英国には日系企業が1300社存在し、10万人以上の雇用を生み出しています。そうした企業関係者に対する支援も大使館の仕事です。国際交流が活発な現代においても、国際社会というのは依然として国の単位で構成されている部分が多く、国が出ていかなければいけない場合が多々あるのです。例えば英国政府がビザの発給を厳しく制限するようになってきていますが、これでは在英日系企業のビジネスに差し支えるということで、日本政府から英国政府に申し入れるといった形での働き掛けを行っています。また日立製作所が英国で現在進めている高速鉄道の開発といった大きな案件だと、政府関係機関が融資することがあります。つまり、一昔前であれば大使館が手掛けていなかった仕事が急増しているのです。そうした案件には今後も積極的に取り組む必要があると考えています。

2012年を英国で迎える在英邦人の方々へ、新年のメッセージをいただけますか。

2011年は、大震災から立ち直っていく最初の年でした。2012年は復興を軌道に乗せて、新しい日本を目指していく年になるのだと思います。英国で暮らす日本人である私たちにとって大切なのは、まず、被災者のことを忘れないということです。今年の3月11日には震災1周年を迎えるので、大使館主催で追悼行事を行いたいと思っています。今年開催される関連イベントについては、大使館が運営する「Japan-UK Events Calendar」内に情報を随時アップデートすることで告知し、また閲覧できるようにする予定です。様々な活動を通して、2012年が明るい方向に向かう年にすることができたら良いと思います。  

英国においては女王陛下の即位60周年というおめでたい行事が予定されており、また夏にはロンドン・オリンピック、パリンピックが開催されます。日本人選手が活躍してくれれば、被災者にとっても、在英邦人にとっても大きな励ましになるでしょうね。

 

英国の達人になるための4択クイズ - キリスト教

あなたは英国のクイズ王になれるか 英国の達人になるための4択クイズ

キリスト教

今回のテーマ:キリスト教

クリスマスまで、あと1週間半。日本では恋人とロマンティックなひとときを過ごすための日と解釈されがちなクリスマスだが、キリスト教を国教とする英国では、その意味合いはさらに深い。

そこでこの機会に、現代を生きる英国人にとってキリスト教がどんな意味合いを持つかを楽しく学んでみようと、基礎的な知識に加えて、時事や歴史、アートといったジャンルから、クリスマスにまつわる問題を出題。さて、あなたは何問正解できる?

一般 クリックするとクイズが開きます

時事 クリックするとクイズが開きます

歴史 クリックするとクイズが開きます

アート クリックするとクイズが開きます


 

一般

1. D 70%
2001年実施の国勢調査では、全人口の71.6%に当たる4207万人9000人が自身を「キリスト教徒である」と回答。ただ教会に定期的に通っている人は全人口の1割程度に過ぎないとする別の調査結果もある。

2. C 主教(高位の聖職者)に就いた同性愛者はいない
英国国教会には同性愛者であると公表した聖職者が多数存在する一方、主教などの高位聖職者の地位に実際に就いた者はまだいない。さらに、1994年より女性の司祭が認められたが、主教に女性を叙任させるべきか否かをめぐっては関係者の間で見解が分かれている。またカトリックとは異なり、英国国教会は聖職者に対して結婚と離婚の両方を許可している。

3. A ランべス会議
最近では2008年に開催。同年の会議では、女性や同性愛者の主教叙任の是非を問う議論に反発を示すなどした約250人の主教がボイコットを起こす混乱が起きた。

4. A 聖パウロ
聖パウロの英語読みの名が冠されたセント・ポール大聖堂の西門には、このエピソードが描かれている。

5. B 「ギルガメッシュ叙事詩」の粘土板
現在のイラクに位置するアッシリア遺跡で発見され、1872年に大英博物館の修復員が解読に成功した。

6. B 立教大学
米国聖公会の宣教師が1874年に開校した私塾を母体とする。ちなみに、国際基督教大学はカルヴァン派、青山学院大学はメソジスト監督教会派、上智大学はカトリックの系列に属する。

7. D
リバプールのメトロポリタン大聖堂。1967年に現在の形となった。Aはロンドン北部フィンズベリー・パーク地区にあるモスク。Bはロンドン中心部マーブル・アーチ駅近くのシナゴーグ、Cは同レスター・スクエアの教会跡。

8. A オスロ
第二次大戦においてノルウェーの防衛に英国軍が果たした功績への感謝を示すために、1947年よりこの習慣が続けられている。

時事

1. C トニー・ブレア
英国内におけるカトリック教徒への風当たりの強さを考慮して、首相辞任まで改宗のタイミングを延ばしたと憶測されている。

2. D「座り込みキャンプの中にキリストが誕生するかもしれない」
この発言を行った直後に、デモ参加者の強制退去を促す関係者たちとの意見の相違があったことなどを理由に同職務を辞している。

3. A「英司法にイスラム法を一部導入すべき」
英国内には約160万人のイスラム教徒が存在し、既にイスラム聖法「シャリーア」を適用した裁判所が民事紛争の調停場所になっているとの現状を受けて発言した。

スティーブン・ホーキング4. B スティーブン・ホーキング
2010年に発表した著書「グランド・デザイン」の中で。「宇宙を創造してくれるよう、神に祈る必要はない」とも。

5. B 松尾芭蕉
「奥の細道」を日本語で引用した。

6. B 約100万ポンド
4日間の訪問で、約100万ポンド(約1億4000万円)の警備費用がかかったとされる。英国内で公的支出削減が進められる中、正当化されるべき支出ではないとの批判を浴びた。

歴史

1. B トマス・ベケット
中世のイングランド王ヘンリー2世と対立していた聖職者トマス・ベケットは、王の部下の手によって1170年にカンタベリー大聖堂内で暗殺されたと伝えられている。

2. D ヴィクトリア女王の洗礼式
ヴィクトリア女王は即位50周年記念式を同大聖堂内で行っている。

エリザベス1世3. A エリザベス1世
宗教革命以降、教会の影響力が減少したことがきっかけとなり、化粧が流行するようになった。蜜蝋の上に白粉を塗った化粧を施したエリザベス1世の肌の白さは、同女王の肖像画などから窺い知ることができる。

4. C 11月5日
ガイ・フォークスの爆破計画が未遂に終わったことを記念して、英国各地では現在も毎年11月の第1週に花火大会が開催されている。

5. C 聖母マリアの絵
英国国教会がそれほど特別な位置付けを与えない傾向があるのに対し、カトリック教徒たちは聖母マリアを深く敬愛することで知られている。

6. B アン・ブーリン
世継ぎを生むことができなかった最初の妻キャサリン・オブ・アラゴンとの結婚を無効にしようとしたことで、ローマ教皇と対立。ローマ教会から独立して英国国教会を設立し、王妃の侍女であったアン・ブーリンと再婚した。やがてブーリンとも離婚し、その侍女であるジェーン・シーモアやブーリンの従妹に当たるキャサリン・ハワードなどとの結婚・離婚を繰り返した。

7. B ウォッカ
ちなみに、「ブラッディー・メアリー」からウォッカを抜いたノン・アルコールのカクテルは「ヴァージン・メアリー」と呼ばれる。

8. C マーガレット・サッチャー首相(当時)
1984年に自身が党首を務める保守党が党大会を開催している最中に、宿泊していたホテルが爆弾テロの標的に。サッチャー首相は難を逃れたものの、関係者5人が死亡した。

9. A ノーサンプトンシャー州
現在では、自動車のF1レースの会場として有名なシルバーストーンなどが位置する、イングランド中部の地域。

アート

1. C ヨハネの黙示録
「大災害」などの意味でも使われる。

2. D 「リトル・ダンサー」の主人公ビリーの兄役
ケンブリッジ大学卒の知性派俳優トム・ホランダーは、「プライドと偏見」のコリンズ氏役でロンドン映画批評家協会賞助演男優賞を受賞するなどしている。

3. D ジミ・ヘンドリックス
ロンドン中心部のボンド・ストリート駅近くにあるジミ・ヘンドリックスがかつて暮らしていたフラットは現在、ヘンデル博物館のオフィスとして使用されている。

4. C 音痴な歌手
29人の巡礼者たちに加え、ジェフリー・チョーサー自らが説話の語り手として物語の中に登場する。

5. A ナショナル・ギャラリー
ピエロ・デラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」は、ルネサンス期に大きく発展した遠近法の技術が効果的に使われた例とされる。

6. A エディンバラ近郊
中世の時代に、聖地エルサレムの防衛などに貢献したテンプル騎士団が遺した施設とされている。

7. D ケント州タドリー
オール・セインツ教会の窓に使用されている。若い娘を失くした地元のユダヤ系名士が、同じくユダヤ人のシャガールに娘の記念碑を作るよう依頼したという。



 

フランス第二の都市、リヨンの知られざる顔

「美食の町」「絹の町」「金融の町」フランス第二の都市、リヨンの知られざる顔

英国の近隣国としてなじみ深いフランス。
その文化や食の神髄に触れるため、
首都パリを訪れたことのある人は多いはず。
しかし、フランスの魅力はパリだけに収まりきらない。
気軽に足を運べる今だからこそ、様々な都市や地方を訪れて、
思う存分フランスという国を味わってみたい。
今回、ご紹介するのは、フランス第二の都市、リヨン。
豊かな食文化を誇るフランスにあって「美食の町」と冠されるリヨンは、
そのほか、「絹の町」「金融の町」などの 名を持つ町でもある。
美食を楽しみ、多彩な姿を垣間見る、リヨン小旅行への誘い。
(協力: フランスニュースダイジェスト編集部)

リヨンへの行き方 飛行機 ロンドンから約1時間40分
  列車 ロンドンからパリまでユーロスター。
その後、高速鉄道TGVに乗り換え(合計5〜6時間)
リヨン市公式サイト www.lyon.fr
リヨン観光局 Office du Tourisme & des Congrés du Grand Lyon
Place Bellecour 69214 Lyon
地下鉄: Bellecour A・D線
TEL: +33 (0)4 72 77 69 69
www.jp.lyon-france.com

リヨンとは……

ソーヌ川とローヌ川という2つの川と、2つの丘に抱かれるように佇むフランス第二の都市、リヨン。「美食の町」「絹の町」などと称され、オレンジ色の屋根の連なりも優美なこの都市は、その一方で古くから商業都市として栄え、フランス金融の中心地の一つとしての顔も持っている。2000年もの歴史を有し、様々な一面を見せるリヨンの特徴は、町の中心地を西から東へ段階的に移動させることで、古の面影を塗りつぶすことなく、時代の変遷をそのまま内包していること。西から東へと歩を進めれば、絵巻物を眺めるかのように、ローマ時代の遺跡からビジネス街の高層ビルに至るまで、折々の時代の景色が次々と出迎えてくれるはずだ。

ユネスコ世界文化遺産の町
風景そのものが、歴史を雄弁に物語るリヨンの町。ソーヌ川の西に位置する旧市街から中心部にあるベルクール広場、北のクロワ・ルースにかけてのエリア全体が、ユネスコの世界文化遺産に登録されている。

西から東へと発展し続けるリヨン、ぶらり歴史探訪

古代ローマ時代に思いを馳せる

フルヴィエールの丘
Colline de Fourvière

丘の上まではケーブル・カーで登ることが可能。頂上に立つ白亜のノートルダム(フルヴィエール)大聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)からは、世界文化遺産の町、リヨンの全貌を見渡すことができる。

ローマ劇場
Théâtres Romains de Fourvière

ノートルダム大聖堂からほど近く、フランス最大級の規模を誇る古代ローマ劇場遺跡では、今でも夏季になるとコンサートや芝居が行われる。眼下に広がる、中世の面影を今に残す旧市街とのギャップが魅力的。

ルネサンスの息吹を今に感じる

旧市街
Vieux Lyon

14世紀、イタリアはフィレンツェで産声を上げたルネサンス運動。その後、15〜16世紀には欧州大陸の交通の要所であったリヨンの地にイタリアの商人や文化人らが住み着くようになる。彼らが生活したルネサンス式の邸宅が立ち並ぶこのエリアでは、入り組んだ石畳の路地を練り歩くだけで気持ちも弾む。

サン・ジャン大司教教会
Primatiale Saint-Jean de Lyon

フルヴィエールの丘の麓にある教会。1600年、フランス王アンリ4世がマリード・メディシスと結婚式を挙げたとされる。14世紀に作られたという、重厚かつ繊細なつくりの天文時計は必見。

絹の美しさと職人の日々を垣間見る

クロワ・ルース
Croix-Rousse

リヨン随一の繁華街、プレスキルの北に位置するクロワ・ルースの丘は、絹織職人「カニュ」が集い、日々機織りに勤しんだ場所。織物のデザインをほかの職人たちに見られることなく運搬できるよう編み出したという、建物内部を通る抜け道「トラブール(Traboul)」は、第二次大戦中、レジスタンス(反ナチス)活動の場としても使われた。見学することも可能だ。

リヨン織物装飾芸術博物館
Musées des Tissus et des Arts Décoratifs de Lyon

プレスキルの一角に隣接する2つの博物館。織物博物館では、16世紀中ごろに始まったリヨンの絹織物の歴史を紐解きつつ、東洋・西洋の織物の数々を鑑賞できる。

姿を変え続けるリヨンの現在を知る

パール・デュー・タワー
La Tour Part-Dieu

フランス・ルネサンス最盛期、銀行や証券取引所が設置されたリヨンは、以降、ビジネス・金融都市としての顔を持つようになる。現在も土地開発が進む東側のエリアで一際目を引くのは、フランスで9番目の高さを誇る高層ビル「パール・デュー・タワー」。リヨン市民にはその形態から「鉛筆」の愛称で呼ばれている。

リヨン・コンフリュアンス
Lyon Confluence

リヨンの最も新しい一面を見るならばコンフリュアンス地区へ。元は工業地区だったこの一帯では「リヨン・コンフリュアンス」という欧州最大級の再開発計画が進められており、住宅やレジャー・文化施設などの建築が現在進行形で行われている。

     


「美食の町」 の名の由来に迫る

ボージョレ、ローヌ、ブルゴーニュといったワインの産地に囲まれ、フランス随一と言われるブレス産の鶏肉やシャロレー牛の生産地に近いリヨン。おいしい農作物が至るところで採れる、地理的に食材に恵まれた町だ。パリにミシュランの星を獲得しているレストランが密集するにもかかわらず、「美食の町」と呼ばれ続けるリヨン。その魅力に迫る。
(Text & Photo: 池地恵理/Paris Etc.)

シンプルで質の高い「母の味」

リヨンの市場リヨンは食材に恵まれてはいるものの、庶民の料理は内臓類や淡水魚がベースとなっている。ブションと呼ばれるリヨンの大衆食堂で出てくる代表的な郷土料理は、牛の胃にパン粉を付け焼いた「タブリエ・ド・サプール」、豚の血と脂身の腸詰め「ブーダン・ノワール」、豚などの臓物を詰めたソーセージ「アンドゥイエット」、カワカマスをすりつぶし、卵やパン粉を混ぜて蒸した「クネル」、鳥レバーのムース「ガトー・ド・フォワ・ド・ヴォライユ」、フロマージュ・ブランに調味料を加えた「セルヴェル・ド・カニュ」など。決して高級な料理ではない。

19世紀末になると、社会構造の変化に伴い、ブルジョワ階級の料理人として雇われていた女性たちは、独立して働くようになった。このことに加え、産業の発展や第一次大戦の勃発により、男性たちが重労働に従事せざるを得なくなったため、この時代にレストラン業を守ったのが「メール・リヨネーズ(リヨンの母)」と呼ばれる女性たちであった。彼女たちは、家庭料理とブルジョワ料理を融合させ、シンプルで質の高い料理を作り出した。その中の一人に、メール・ブラジェがいる。1926年、タイヤ製造会社のミシュランは、車産業の発達とともに増える長距離旅行者のために、レストランの格付けを開始した。メール・ブラジェは33年、女性として初めてミシュラン3つ星を獲得。そして彼女の弟子の一人が、現在、フランス料理界の巨匠として世界に名を馳せるポール・ボキューズなのである。

時代の寵児(ちょうじ)、ポール・ボキューズ

地味だったフランス料理を開拓し、「ヌーヴェル・キュイジーヌ」と呼ばれる新しい革命を料理界にもたらしたポール・ボキューズ。彼無しで、リヨンが世界中に「美食の町」として知られるようになることは不可能であっただろう。20歳にして「ラ・メール・ブラジエ」などで見習いを始め、50年代以降、巨匠フェルナン・ポワンの下で本格的に修行を積み、57年、生家のレストラン「ポール・ボキューズ」を継ぐ。58年にミシュランの1つ星を 獲得し、61年にはフランス最優秀職 人(Meilleur Ouvrier de France:通称M.O.F.)を取得。その後、65年に獲得した3つ星を、現在に至るまで40年以上維持している。70年代にはフランス料理研究家、辻静雄から招待を受け来日。日本のフランス料理を進化させたほか、懐石料理・京料理の料理法や盛り付けに大きく影響を与えた。辻とボキューズの深い友情は日仏両方の料理業界に影響を及ぼし、辻調グループは80年にリヨン郊外にフランス校を設立している。

ボキューズは87年に国際フランス料理コンクール「ボキューズ・ドール」を、90年にフランス料理専門学校「アンスティテュ・ポール・ボキューズ」を設立。特に2年に1度リヨンで開催されているコンクールは、他に例を見ない基準を誇り、現在でも料理人が最もあこがれるコンクールの一つとされている。

リヨンの今

現在リヨンの料理業界で最も注目を浴びている中心人物はニコラ・ル・ベックとマチュー・ヴィアネ(M.O.F.)だ。ルベックは昨年「Lyon Confluence」と呼ばれる新開発地区に、大規模な高級ブラッスリー「リュ・ル・ベック(RUE le bec)」をオープン。ヴィアネは由緒ある「ラ・メール・ブラジエ(La Mère Brazier)」を買い取り、伝統を守りながらオリジナリティーを加えた料理を生み出している。

またリヨンでは、ここ数年日本人の料理人が、驚くほどの活躍ぶりを見せている。今年は新居剛(「オー・キャトルーズ・ フェヴリエ(Au 14 Février)」)と鷹野孝雄(「タカオ・タカノ(Takao Takano)」)が1つ星を獲得した。リヨンの日本人料理人の中で先駆者と呼ばれる石田克己(「アン・メ・フェ・ス・キル・トゥ・プレ(En mets fais ce qu'il te plait )」)に続き、辻調の卒業生である西垣明(「ルルソン・キ・ボア(L'oursin qui boit)」)や畠山智博(「トモ(Tomo)」)、そしてリヨンの郷土料理を和風化させている内村和仁(「ル・カヌ・エ・レゴン(Le Canut et Les Gones)」)、と新たな才能が次々とここリヨンで開花している。

取材協力:久保昌弘氏
辻調グループ・フランス校運営部長。フランス在住15年。故辻静雄氏、現・辻芳樹校長のもとで、フランス料理・菓子の教育に携わる。日本・フランスの食文化・食産業の相互理解と発展のため、フランス各地のビジネスフォーラムなどで、講師、アドバイザーとしても活動。

リヨン中央市場-ポール・ボキューズ
Les Halles de Lyon-Paul Bocuse

有名店が勢ぞろいするこの市場の中でも、お勧めなのが「メール・リシャール」のサン・マルスラン・チーズ、「コレット・シビリア」のトリュフ入りソーセージ、「モリース・トロイエ (M.O.F.)」のお肉。 「エルベ・モンス(M.O.F.)」のチーズ店では、フランス中のアーチザン(職人)が作り上げた最高のチーズを扱っている。パリにも支店を持つ「ジョクター」ではプラリネのタルトが有名。また秋冬にかけて季節の生ガキも欠かせない。「メール」などのバーでマコン・ワインと頂くと最高だ。ここではブルゴーニュのエスカルゴもおいしい。

102, cours Lafayette Part-Dieu 69003 Lyon


チョコレートの名店

リヨンには、日本へも進出しているショコラの名店がずらり。伝統あるベルナション家を継ぐ3代目のフィリップは、ポール・ボキューズの孫でもあり、リヨン料理界の王子様的存在である。ここの店は時代に影響されず、同じショコラを同じレシピで守り続けている。金粉を散らしたパレ・ド・オールが有名。

リヨンの南東に位置するモンブリソンにアトリエ(工房)を構え、リヨンに支店を持つフィリップ・ベルはM.O.F.のショコラ部門を獲得している名職人。キャラメル柚子など、繊細な作品を生み出している。  

マカロンをショコラで包んだマカリヨンで有名なセバスチャン・ブイエはショコラ、パティシエと2つの分野で名が知られ、パティシエ業界のトップが集まるルレー・デセールの一員でもある。

Bernachon: 42 cours Franklin Roosevelt 69006 Lyon
Philippe Bel: 27, rue Tupin 69002 Lyon
Sebastien Bouillet: 15 place Croix Rousse 69004 Lyon

美食の町リヨンで活躍する日本人

新居 剛

「Au 14 Février」
新居 剛

リヨンから400キロメートル離れたバレンタイン村から始まったレストラン 「Au 14 Février」。店名の通り、バレンタインを意識したレストランでは、パンもハートの形をしており、バラの花びらを砂糖漬けしたタルトなど、繊細で独創的な料理で有名だ。旧市街の小路にひっそり隠れた店で、14席しかないため、1カ月前から予約でほぼ満席という繁盛ぶり。2009年に独立した新居は、美食の町リヨンで同名の店をオープン。わずか2年でミシュランの1つ星を獲得した。そんな新居シェフの見るリヨンとは?

Au 14 Février リヨンに「トック・ブランシュ・リヨネーズ(Toques Blanches Lyonnaises)」というシェフの協会があります。私は入会していませんが、ポール・ボキューズを始めとする偉大なシェフが協会を盛り上げてきて、現在はクリストファー・マルガンが3代目の会長です。フランス国内でも最大級のシェフの協会でしょう。私はリヨンでレストランを始めて2年半経ちますが、協会の方々も食事に来てくれ、色々な人を紹介して下さいます。

10月24日に、リヨンの地方紙「プログレ」という新聞社と、トック・ブランシュ・リヨネーズが主催で「Les Trophèes de la Gastronomie et des vins 2011」という晩餐会が開催されました。今年で第4回目となりますが、今年のシェフやソムリエなどが選ばれました。当日は、ポール・ボキューズ、ミッシェル・トロワグロなどそうそうたる偉大なシェフを始め、財界の方々など総勢400名が参加し、ちょっとしたアカデミーのような表彰がありました。そこで私も 「Cuisine de monde」 という賞を頂きました。

これからの季節はクリスマスなので、色を工夫したり、カップルのお客様がお祝いできるようなものを創作していきたい、そんな風に意気込んでいます。

Au 14 Février
6,rue Mourguet 69005 Lyon
TEL: +33 (0)4 78 92 91 39

石田 克己

「En mets, fais ce qu'il te plaît」
石田 克己

リヨンに来たのが1993年という石田シェフは、リヨンにおける日本人シェフのパイオニアと呼ばれる。野菜も肉も良質のものを仕入れ、魚は天然もののみを使用。ワインもすべて自然派で、美食の町リヨンの中でも、人々の舌をうならせる食を提供し続ける。この町、そして料理を愛し、腕を振るう石田シェフ。彼の目に映るリヨンの町の変容とは?

En mets, fais ce qu'il te plaît 昔からリヨンは美食の町と言われていますが、高級レストランの数は減少しています。ポール・ボキューズが、なぜ複数のビストロを出したか。レオン・ド・リヨンが、なぜ2つ星をやめてブラッスリーに走ったのか。昔のブルジョワの人たちと今の人とでは、楽しみ方が違ってきているのです。ガストロノミーを楽しむ人がいなくなってきているわけですよ。昔に比べて娯楽に使う金は増えたと思いますが、使う先は車、住居、家具など。それにみんなで食事に行く機会も減っていると思います。昔は週末に家族で食事を取るという習慣がありましたが、今はそれも少なくなってきている。肉屋も大きな固まりの肉を買う人が減ったと言っています。  

リヨンで飲食店といえば、ブション・リヨネ(伝統的なリヨンの大衆食堂)を想像する方が多いですが、今ではほとんど本物のブションが存在しません。昔は店にカラーがありましたが、今では買ってきた物を温めている店がたくさん存在します。特に旧市街は観光客が多いので、特色のないリヨン料理ばかりになっています。  

この背景には、労働時間が35時間制になったことなど、社会的な変化があるでしょう。労働時間が決められたせいで、時間の掛かる料理はなかなかできない。僕のところみたいな小さいレストランは自分で全部やるので、時間が長かろうが短かろうが、僕次第なわけです。でも大きいレストランになると、そうはいかない。だからなるべく短時間で、という風潮があります。フランス全体に言えることだと思います。  

こんな変化がありながらも、なぜ僕がリヨンを好きかというと、まだまだ良い食材が近くにあるからです。ボージョレがあり、コート・ロティがあり、ブルゴーニュがあり、ブレスの鶏がある。汚染のせいで昔より少なくなりましたが、ドンブのカエルやエスカルゴ、ザリガニもあります。あとはどれだけ料理人が良い物を選ぶか、ですね。

En mets, fais ce qu'il te plaît
43,rue Chevreuil 69007 Lyon
TEL: +33 (0)4 78 72 46 58

 

英国各地のクリスマス・マーケット

クリスマス・マーケット地図寒く、暗く、どんよりとした日々が続く英国の冬。
しかし、英国人たちは、
ときに気が滅入りそうになるこの季節を
うまくやり過ごすための知恵を持っている。
凍てつく外気の中だからこそ、
温かい食べ物や飲み物が何倍もおいしく感じられる。
暗くどんよりとした空の下だからこそ、
屋台に立つ人の笑顔が眩しい。
そして、クリスマス・プレゼントを買おうとする際に
思い浮かべる友人たちの存在がうれしい。
英国の冬を嘆くのではなく、慈しむのであれば、
クリスマス・マーケットへ出掛けよう。

エディンバラ 本場のクリスマスの味わい
Traditional German Christmas Market

エディンバラクリスマス・マーケットの本場であるドイツ西部フランクフルトに拠点を置く業者たちが開く市。英国では滅多にお目にかかれないボリュームたっぷりのソーセージに、ドイツ産ビールやグリュー・ワインを合わせるというのが風流な楽しみ。

12月24日(土)まで
10:00-20:00(木〜土は-22:00)
Mound Precinct, Edinburgh
ロンドンから電車で約4時間半

ダラム冬空の下での提灯行列は必見
The City of Durham Christmas Festival

ダラム古くは市場として賑わっていたという大聖堂前広場には、トナカイやソリ道具、大道芸人からフェイス・ペインティングまでがそろっていて、家族で楽しむには最適の場所。冬空の下で行われる提灯行列も必見。

12月2日(金)〜4日(日)
時間の詳細は下記ウェブサイトを参照
Palace Green, Durham
ロンドンから電車で約3時間
www.durhamchristmasfestival.com

ヨーク石畳の街が醸し出す中世の賑わい
York’s Festive Fayre

ヨーククリスマス・マーケットを街の名物とするイングランド中部の街、ヨーク。最大規模の聖ニコラス祭に続いて開かれるマーケットがこれ。石畳の敷かれた狭い小道が入り組んだこの街には、クリスマス・マーケットの雰囲気がよく似合う。

12月3日(土)〜12月18日(日)
9:30-19:30
Parliament Street, York
ロンドンから電車で約2時間
www.visityork.org/inspire/christmas

マンチェスター街全体がクリスマス・マーケット
Manchester's Christmas Markets

マンチェスタードイツ、フランスさらにはそのほかの世界各地の名産品を集めたマーケットが、市内8カ所で開催されるという、まさにクリスマス・マーケットづくしの催し。工業都市マンチェスターに温かみを添える、木組みの小屋が街に彩りを与えている。

12月21日(水)まで
時間の詳細は下記ウェブサイトを参照
市内各所
ロンドンから電車で約2時間半
http://christmas.visitmanchester.com

リンカーンおとぎ話のような逸話を持つ
Lincoln Christmas Market

リンカーンドイツにある姉妹都市ノイシュタットを視察した地元議員の発案によって始められた、たった11店舗のみのマーケットが、現在では240店舗にまで拡大。そんな逸話そのものがおとぎ話のような魅力を持つクリスマス・マーケットだ。

12月1日(木)〜4日(日)
時間の詳細は以下のウェブサイト参照
Castle Hill, Lincoln
ロンドンから電車で約2時間
http://lincoln-christmasmarket.co.uk

バーミンガム200近くの店舗がひしめく
Frankfurt Christmas Market & Craft Fair

バーミンガム長さ約1キロの距離に193店舗がひしめくという大規模なクリスマス・マーケット。さらにその奥には、地元の職人たちが精魂込めて作り上げたという手工芸品を集めた市場が隣接している。木〜日はバンドによる生演奏も行われる。

12月23日(金)まで
10:00-21:00
Victoria Square & New Street, Birmingham
ロンドンから電車で約2時間
http://christmasinbirmingham.com/christmas-in-birmingham

カーディフ子供たちが喜ぶアトラクションあり
Cardiff Christmas Market

カーディフ1世紀半ばから建設されたというカーディフ城前ほか、市内中心部の数カ所で開かれるマーケット。また市庁舎前にアイススケート場や子供たちが大好きな乗り物が用意された遊園地施設「ウインターランド」は、1月2日まで開催。

12月23日(金)まで
10:00-18:00 日は-17:00
The Town Centre, Cardiff
ロンドンから電車で約2時間
www.cardiffchristmasmarket.com

バース身体の内と外から温まる
Bath Christmas Market

バース英語の「お風呂」の語源となったと言われるローマ浴場跡を持つバース。時間が許せば1泊して、マーケット巡りに加えて、同地のもう一つの観光名所であるスパ施設でもゆったりすれば、文字通り身体の芯から温まることができるはず。

12月11日(日)まで
時間の詳細は下記ウェブサイトを参照
The Town Centre, Bath
ロンドンから電車で約1時間半
www.bathchristmasmarket.co.uk

オックスフォード聖歌隊が街にやってくる
Oxford Christmas Market

オックスフォード街の中心に立つオックスフォード城の前で開催される。英国を代表する聖歌隊を持つオックスフォード大学を内包するこの街は、クリスマスとなると独特の静謐さを醸し出すようになる。クリスマス・マーケットでは、地元の聖歌隊が合唱を披露。

12月2日(金)〜18日(日)
10:00-20:00(日〜水は‐18:00)
Oxford Castle, Oxford
ロンドンから電車で約1時間
www.oxfordchristmasmarket.co.uk

ロンドンロンドン随一の冬の催し
Hyde Park Winter Wonderland

ハイドパークご存知ハイド・パークが、巨大な冬のエンターテイメント施設に様変わりする。園内に観覧車やアイススケート・リンクが出現。休憩所で、生演奏に合わせてワイン片手に踊る来場者たちの姿を目にすれば、幸せな気持ちになること請け合い。

2012年1月3日(火)まで
10:00-22:00
Hyde Park, London
www.hydeparkwinterwonderland.com

ウィンチェスター大聖堂の明かりに照らされながら
Winchester Christmas Market

ウィンチェスター歴史的建造物に囲まれた街、ウィンチェスター。この街のランドマークとなっているウィンチェスター大聖堂の前で、今年も毎年恒例のクリスマス・マーケットが開かれる。ライトアップされた大聖堂前の広場の雰囲気は格別。

12月21日(水)まで
10:00-18:00(木〜土は19:30)
Winchester Cathedral, 1 The Close, Winchester
ロンドンから電車で約1時間
http://winchester-cathedral.org.uk/christmas

ボーンマスドイツ山間部のクリスマスを再現
Bournemouth Christmas Market

ボーンマスアルペン小屋に、雪景色をイメージした飾り付け。ドイツ山間部のクリスマスを再現した風景の中に、炭火で焼いたソーセージ、巨大なステーキからナッツまで本格的な食の屋台が並ぶ。また、教会の楽隊も演奏で冬の夜を盛り上げる。

2012年1月3日(火)まで
10:00-18:00
The Town Centre,Bournemouth
ロンドンから電車で約2時間
www.bournemouthchristmasmarkets.com

 

ゲーム(ジビエ)料理レストラン

今が旬の狩猟肉を味わう「ゲーム料理」

ジビエ英国の伝統文化の一つ、狩猟。その対象はカモやキジ、ヤマシギといった鳥類から、ウサギ、シカなど獣類まで幅広い。そうして捕れた肉を使った料理を、英国では「ゲーム料理」と呼ぶのをご存じだろうか。希少価値が高くそれなりに値も張るが、独特の風味に魅せられたファンたちが、毎年、市場に出回る季節を心待ちにしている。冬に備えて脂肪を蓄える野生の鳥獣は、秋が食べごろ。今しか頂けない貴重な一品を、いざ、食しに。

1St. John
肉好きグルメなら、何度も通いたくなる評判の店

St. John

豚のマークでおなじみ、ロンドンの食通なら知らない者はないミシュラン・スター・レストラン。「鼻先からしっぽまで」をテーマに、動物のあらゆる部位を余す所なく使い、素材の良さを生かしたシンプルな英国料理に仕立 て上げる腕前はさすがの一言。かつてベーコンの薫製工場であった時代の名残を感じる、作り込みすぎない素朴な雰囲気と、開放感のあるスペースも好ましい。「自由に羽ばたいて生きてきた野生の鳥は、いわば究極のフリー・レンジ(放し飼い)。ストレスの少ない動物特有の肉質がある」と、ヘッド・シェフ。特に今年は独特の香りを持つグルーズ(ライチョウ)が当たり年という。シンプルに丸ごとローストして、パン粉で作られたブレッド・ソースで頂くのが英国流の食べ方。野生動物特有の豊かなフレーバーと、優しくまろやかなソースとの調和が美しい。レバーも残さず付け合わせの自家製パテに。香り高く、滑らかな口当たりを楽しんで。

住所 26 St. John Street EC1M 4AY
TEL 020 3301 8069
オープン 月〜金 12:00-15:00 / 18:00-23:00 土 18:00-23:00 日 13:00-15:30
アクセス Farringdon / Barbican駅より徒歩4分
WEB www.stjohnrestaurant.com

取材: Sayaka Hirakawa

1Hereford Road
ぶらりと立ち寄りたい、ご近所のレストラン

Hereford Road

ノッティング・ヒルの閑静な住宅街に位置するこちらは、控えめで入りやすい、ご近所のレストランといった趣。一方で、コントラストの効いたインテリアが、パリッとした緊張感のある空間を演出している。ゲーム肉の知識に自信がなくともご安心、ワインにも造詣の深いスタッフたちが、優しい料理の香りとともに出迎えてくれる。ヨークシャーやスコットランドなど英国各地から仕入れられる素材は、鳥類から獣類まで幅広く、日によって品ぞろえもかなり異なる。オーダーの前にその日のお勧めを尋ねれば、銃弾の跡さえ見て取れる新鮮な各種ゲーム肉を紹介してくれる。丸みのあるフォルムそのままにローストされた、キジの一種「アカアシイワシャコ」は、ほんの少しグレイビー・ソースがかかっただけのシンプルな味付け。新鮮かつクセの少ない素材だからこそできる、粋な調理法だ。付け合せのきのこも野生のものだそうで、この季節の味覚を贅沢に楽しむことができる。

住所 3 Hereford Road, Westbourne Grove W2 4AB
TEL 020 7727 1144
オープン 月〜土 12:00-15:00 / 18:00-22:30 日 12:00-15:00 / 18:00-22:00
アクセス Bayswater駅より徒歩5分
WEB www.herefordroad.org

取材: Mariko Inoue

3Great Queen Street
進化する英国創作料理の味がここに

Great Queen Street

ストリート名がそのまま店名として親しまれているガストロパブ・スタイルのレストラン。オーナーは世界を旅するフード・ライターというだけあって、おいしさはお墨付きだ。純英国料理に、ひとひねり効かせたモダン・ブリティッシュが自慢。メインはもちろんシェアできるスナック・メニューも人気で、夜更けにはグループの陽気な笑い声が響く。旬のグルーズ(ライチョウ)は、パイ生地のドームに包まれて登場。自家製のフォアグラを胸肉でサンドイッチ、それをサボイ・キャベツで巻き、さらにパイ生地で包んで焼き上げたシェフのオリジナル・レシピだ。ナイフを入れると見目麗しい見事なレイヤーが顔を覗かせる。淡白な味がお好みなら、赤ワイン、スパイス、ハーブで柔らかくなるまでゆっくり蒸し煮にした野ウサギのレッグがお勧め。隠し味のチョコレートがまろやかな食感を加えてくれる、寒い季節にぴったりのほくほくな一皿だ。

*このお店は閉店しました

住所 32 Great Queen Street WC2B 5AA
TEL 020 7242 5560
オープン 月〜土12:00-14:30 / 18:00-22:30 日13:00-16:00
アクセス Covent Garden / Holborn駅より徒歩4分

取材: Sayaka Hirakawa

4Cinnamon Club
気品あるおもてなしで頂く、モダン・インディアン

Cinnamon Club

ウェストミンスター周辺の静かなビジネス街。派手な看板はなく、通り過ぎてしまいそうなほど落ち着いた佇まいの「シナモン・クラブ」は、知る人ぞ知るモダン・インド料理の名店だ。元は図書館だったという店内は、重厚な雰囲気を残しつつも、外観とは対象的に華やかな社交場のような活気であふれている。スタッフたちのサービスは、感心してしまうほど軽快だ。シナモンが香る食前酒で口を整えた後のお待ちかねは、香辛料の刺激たっぷりのゲーム料理。マンゴー・ピューレ、ヨーグルト、チリの3種ソースが添えられたスターターは、スパイスに包まれた肉の味に緩急を付け、飽きさせない。メインのグルーズ(ライチョウ)は、さらに辛みの効いた一品。柔らかくも食べ応えのある胸肉だけでなく、ほかの部位もチョップしてソースに使われており、貴重な肉を存分に満喫することができる。華やかで気品のあるもてなしに、日常を忘れて酔いしれたい。

住所 30-32 Great Smith Street SW1P 3BU
TEL 020 7222 2555
オープン 月〜金7:30-9:30 / 12:00-14:45 / 18:00-22:30
土12:00-14:45 / 18:00-22:30
アクセス St James’s Park / Westminster駅より徒歩5分
WEB www.cinnamonclub.com

取材: Mariko Inoue

5Fino
上品な一口料理に舌鼓

Fino

レストランがひしめくシャーロット・ストリート界隈で、オープン以来人気の高いタパス・レストラン。気取らないカジュアル・タパスとは一味違い、スタイリッシュなインテリアやこだわりの食材を用いた旬の小皿料理で、グループでの会食にも特別なデートにも活用できそうなとっておき感にあふれている。2日前までに予約すれば頂ける子豚の丸焼きや、イベリコ豚、チョリソーなど、スペインの魅力を存分に味わえる。メニューは、仕入れの状況や素材により毎朝作り替える。冬に向かって脂肪を蓄え、9月から年末にかけて食べごろだというゲーム肉の中からのお勧めは、ハーブと蜂蜜でマリネした野生のウズラ。八角、クローブ、パプリカ、ローリエなどのスパイシーな風味が口一杯に広がる。皮はパリパリ、中は柔らかく肉汁たっぷりのクセの少ない味わいは、コクのあるスペイン産赤ワインと相性抜群。ワイン・リストが充実しているのもうれしい限りだ。

*このお店は閉店しました

住所 33 Charlotte Street W1T 1RR
TEL 020 7813 8010
オープン 月〜金12:00-14:30 / 18:00-22:30 土18:00-22:30 日休
アクセス Goodge Street駅より徒歩3分
WEB www.finorestaurant.com

取材: Sayaka Hirakawa

6Le Café Anglais
プレートの隅々まで秀逸な味

Le Café Anglais

ブリティッシュやフレンチを織り交ぜた、質の高いモダン・ヨーロピアンに定評のあるこちらは、シェフ・店舗ともに興味深い経歴の持ち主だ。名門ケンブリッジ大学を卒業し、執筆活動も行うヘッド・シェフのロウリーさんは、ケンジントン地区で成功を収めた後、こちらをオープンした。瀟洒で品のある広いフロアは、つい数年前まで某ファスト・フード店だったというから驚きだ。ゲーム肉独特の、野生らしいくさみの残るグルーズ(ライチョウ)のローストは、特製の絶品グレイビー・ソース、ジャム、そしてブレッド・ソースとともにサーブされる。ソースでありながら、各々が主役とも言える繊細な味わいは、丁寧な仕事の証。グルーズ肉、チップス、ソースをすべて一緒に口に運べば、絶妙なバランスの食感と味わいに、頬がほころぶ。ボリュームもたっぷり、肉の自然のくさみさえも計算しつくされた秀逸品を、ぜひお試しあれ。

*このお店は閉店しました

住所 8 Porchester Gardens W2 4DB
TEL 020 7221 1415
オープン 月〜木12:00-15:30 / 18:30-22:30 金・土12:00-15:30 / 18:30-23:00 
日12:00-15:30 / 18:30-22:00
アクセス Bayswater駅より徒歩3分
WEB www.lecafeanglais.co.uk

取材: Mariko Inoue

7Wiltons
英国伝統のシンプルな味を追求

Wiltons

「紳士のストリート」と呼ばれるジャーミン・ストリートに位置する「ウィルトンズ」。1742年より続く、伝統的英国料理を振る舞うこの店では、スマート・カジュアルな装いが良く似合う。オイスター屋台から始まった歴史があるだけに、シーフードのおいしさにも定評がある。ときには葉巻やコニャックのテイスティングといった、大人の男を虜にする粋な催しが開かれることも。季節のグルーズ(ライチョウ)は、あくまでシンプルにローストして、肉のうまみを凝縮。素材を生かした、奇をてらわぬ味わいにこそシェフの洗練された腕前が光る。カリカリのベーコンを添えるのも、昔ながらの料理法の名残だ。ソースは、骨で出汁を取ったグレイビーと、バターとパン粉を使ったブレッド・ソースの2種類が用意される。お好みでパン粉を振りかけて、また違った口当たりを楽しむのも一興だ。これから冬にかけては、希少価値の高いヤマシギがメニューに加わる。

住所 55 Jermyn Street SW1Y 6LX
TEL 020 7629 9955
オープン 月〜金12:00-14:30 / 17:30-22:30 土・日休
アクセス Piccadilly/Green Park 駅
WEB www.wiltons.co.uk

取材: Sayaka Hirakawa

8Paternoster Chop House
素材へのこだわりが光る

Paternoster Chop House

目の前に堂々とそびえるセント・ポール大聖堂を仰ぎ見ながら、旬の味わいを。自らファームや市場に赴き食材を選定するというほど、素材へのこだわりは群を抜いて強いブルースさんが、こちらのヘッド・シェフ。自国の味、英国料理を追求する彼は、特に肉素材へのこだわりが強く、「チョップ・ハウス」と名付けられた店名の通り、精肉店に頼ることなく、肉はすべてレストラン内で切り分けるのだという。メニューは、肉の産地によってがらりと姿を変える。少しクセのあるヨークシャー産なら、甘めのフルーツ・ジャムとともに。英国南西部産のものであれば、肉そのものの甘みを生かすべく、シンプルな味付けをほどこす。そんな彼がゲーム肉用に選んだ調理法は、パイ包みだ。ジュニパー・ベリーがほんのり香るフィリングは、鳥肉と豚肉を併せたことでジューシーさとうまみが一層増している。さくさくのパイを仲間とシェアしながら、一杯傾けたい。

住所 Warwick Court EC4M 7DX
TEL 020 7029 9400
オープン 月〜金12:00-15:30 / 17:30-22:30 日12:00-16:00
アクセス St. Paul’s駅より徒歩5分
WEB www.paternosterchophouse.co.uk

取材: Mariko Inoue


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