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ロンドンのゲストハウス
Do. 22. Aug. 2019

F1の世界に迫る

モータースポーツの華といえばF1。最新技術の粋をあつめたマシンをレーサーが疾駆し、頂点を目指して競う。世界の王者ミヒャエル・シューマッハーが引退し、後継候補がしのぎをけずる今シーズンも終盤戦。欧州で生まれ、人々を魅了してやまないF1の世界に迫る。(編集部)

歴史

F1「F1」は正式名称を「Formula One World Championship」と言い、「フォーミュラ・ワン」の名で親しまれる世界最大規模、最高峰の自動車レースだ。主催は国際自動車連盟(FIA)。「フォーミュラ」とは「決まり」を意味し、規定に沿って造られた四輪一人乗りのフォーミュラカーでレースが行われる。現在フォーミュラカーのレースは、「F1」を頂点に、「GP2」「F3」「Fニッポン」などのカテゴリーがある。

最初に開催されたのは1950年、英国のシルバーストー ン・サーキットだった。その後10年ほどは欧州を中心に行われたが、商業化の波に乗り、70年代以降は米国やアジアなどへ開催地域が拡大している。2007年シーズンは11チームが参加。人気ドライバーや人気チームを有し、F1熱の高いドイツなどでは、これまで1シーズンに数カ所で開催されていたが、今シーズンからは原則的に1国1開催となっている。

F1の歴史を飾る名ドライバーには、マクラーレン、ウイリアムズ時代にタイトルを3回獲得するものの1994年のサンマリノ・グランプリのレース中に衝撃の事故死を遂げたアイルトン・セナ(ブラジル)や、グランプリ51勝を誇るアラン・プロスト(フランス)のほか、タイトル7回、グランプリ91賞、ポールポジション68と記録を次々に塗り替え、昨年引退したミヒャエル・シューマッハー(ドイツ)などがいる。日本勢では、ロータス・ホンダなどで日本人初のフルタイム・レーサーとして名を馳せた中嶋悟や、現在参戦する「スーパーアグリ」を率いる鈴木亜久里などがいる。

今シーズンの参戦チームと人気ドライバー

全11チーム ドライバー22人(11×2人)

人気チームとドライバー
トヨタ ラルフ・シューマッハー(独)
ヤルノ・トゥルーリ(伊)
フェラーリ フィリップ・マッサ(ブラジル)
キミ・ライコネン(フィンランド)
マクラーレン フェルナンド・アロンソ(西)
ルイス・ハミルトン(英)
ルノー ジャンカルロ・フィジケラ(伊)
BMW ニック・ハイドフェルト(独)
ホンダ ジェイソン・バトン(英)
ルーベンス・バリチェロ(ブラジル)
スーパーアグリ 佐藤琢磨(日)
レッドブル デビット・クルサード(英)
ウィリアムズ ニコ・ロスベルク(独)
トロ・ロッソ ゼバスティアン・フェッテル(独)
スパイカー 山本左近(日)

レーサーF1はレース後には約2キロ体重が減少するくらいハードなスポーツ。高速車を操るレーサーにはそれ相当の体力が求められる。ジェットコースターに約1時間半も乗り続けるのと同じような状態が続くだけに、特に首周りを中心とした筋力トレーニングは欠かせない。水分補給も不可欠で、走行中もスポーツドリンクで常に水分補給を行っている。

レーサーを支える人々

ドライバーを影で支え、スタートからゴールまでレーサーと共に戦うスタッフたち。レース中の彼らの主な舞台は、「ピットパーチ」と「ピット」だ。前線基地であるピットパーチでは、チーフエンジニアが走行中のあらゆるデータをモニターで確認、チーフエンジニアはドライバーに無線で指示を送る。

一方、マシンを整備する場所であるピットは、メカニックたちの舞台。レース中のタイヤ交換、燃料給油など、まさに時間との勝負が繰り広げられる。わずか数秒の遅れが勝敗を左右する。

ルール&見どころ

今シーズンは全11チームから各2台、計22台で争っている。タイトルは、獲得ポイントの総計によりドライバー個人とコンストラクター(車体製造者)にそれぞれ与えられる。ポイント数は優勝が10ポイント、2位が8ポイント、3位が6ポイント、以下8位の1ポイントまで続く。走行距離は、コースごとに決められた周回数(50~70周、約300キロ)を走る。

各グランプリは通常、金曜日から日曜日までの3日間にわたって行われる。金曜はフリー走行。土曜午後の予選で決勝レースのスタート順位を決め、日曜に決勝レースを行う。

決勝レースの一番の見どころは、何といってもスタートだ。まずは隊列を整えるため、全車が順番を保ったまま1周する。ドライバーはこの間に、車の状態をチェックしたり、車体を左右に振ってタイヤを温める。全車がスターティンググリッドに戻ってくると、スタートの合図である5列の赤いランプが1列ずつ点灯し始める。全てのランプが点灯し、その後これらがすべて消えたらいよいよスタート!けたたましいエンジン音とともに一気にパワー全開した各車が、1台でも多く抜こうと接触ギリギリで競い合う最初の1コーナーまでは目が離せない。

レース中にも見どころは多い。ピットでは給油やタイヤ交換などが行われるが、これにかかる時間やタイミング、給油量などはレースの勝敗を大きく左右する。ドライバーと整備士らの息の合ったチームワークが大 きなカギとなる。

このほか、車が追い越しを試みて衝突したり、故障してコースを塞いでしまった場合などには、セーフティーカーが登場する。その間、追い越しは禁止、全車はセーフティーカーに追随して減速走行し、コースが元通りになるまで待たなくてはいけない。

F1豆知識

● F1といえばシューマッハー兄弟

ミヒャエルとラルフのシューマッハー兄弟が育った町 は、ケルン近郊にあるケルペン(Kerpen)。ミヒャエルの偉業を称え、彼の名を冠した「ミヒャエル・シューマッハー通り」があることでも知られる。またその通りの5番地には、2人の父親ロルフが経営するゴーカート場「ミヒャエル・シューマッハー・カート&イベントセンター」がある。ここであなたもF1レーサー 気分を試してみては?

Michael Schumacher Kart & Event-Center
Michael-Schumacher-Str. 5 50170 Kerpen-Sindorf
Tel: 0 22 73 / 60190
www.michaelschumacher-kartcenter.de

● ドイツ人レーサーが大活躍

ラルフ・シューマッハーはすっかりおなじみだが、他にも4人のドイツ人ドライバーがいることをご存知だろうか。BMWのニック・ハイドフェルト、トロ・ロッソのゼバスティアン・フェッテル、スパイカーのアドリアン・ズティール、元F1チャンピオン、ケケ・ロスベルクの息子であるウィリアムズのニコ・ロスベルグと、期待の若手選手がいっぱい。女性にとってはイケメン揃いなのもうれしい。

● レース中に振られる旗とその色
yellow 黄色:コース上に何らかの危険があることを 示し、その間は追い越し禁止。
yellow 緑色:コース上が安全になったことを示す。
yellow 青色:後方からより速い車が迫ってきている ことを示し、その際は道を譲らなければいけない。
yellow 黒色:ルール違反でペナルティーが課される場合。この旗を振られた車は、ピットに入らなければいけない。
yellow チェッカー:レースの終了。

今季の残りレースはベルギー、日本、中国、ブラジル

ハミルトンとアロンソのマクラーレン勢がトップ争いを繰り広げる今期のレースももう終盤。残りは、3年ぶりに復活したベルギーGP(スパ-9月16日)、富士スピードウェイでの日本GP(9月30日)、中国GP(上海-10月7日)、そしてフィナーレを飾るブラジルGP(サンパウロ-10月21日)で幕を閉じる。果たして2007年の王者は?

個人成績(9月10日現在)
1. L. ハミルトン 92点
2. F. アロンソ 89点
3. K. ライコネン 74点
4. F. マッサ 69点
5. N. ハイドフェルト 52点
6. R. クビサ 33点
7. H. コバライネン 21点
チーム成績(9月10日現在)
1. マクラーレン 166点
2. フェラーリ 143点
3. BMW 86点
4. ルノー 38点
5. ウィリアムズ 25点
6. レッドブル 16点
7. トヨタ 12点
F 1 のトヨタ工場を訪問

とかくF1といえばレーサーに目が奪われがちだが、F1の真髄はクルマにあり。ケルン郊外にあるトヨタモータースポーツGmbHの最前線で指揮をとる新居章年テクニカルコーディネー ション・ディレクターに話をうかがった。

トヨタモータースポーツGmbHでF1の開発、生産にあたっているのは約650人。一般車とF1カーでは当然ながら速さが違い、開発領域が異なってくるが、素材で共通するものもあったり、またレースで結果がすぐに出ることから技術者の育成という点でF1の分野を超えた大きな役割を担っているという。

F1カーの7~8割にあたる部分は自社内で生産しており、開発から完成までの期間は1年弱。すでにシーズンスタート前から来シーズンのF1カーの開発は始まっているという。シーズン前のテスト走行で、加速力、止まる力、カーブ力などを分析し、来シーズンに向けて改良を重ねる。

F1の勝負を左右するのは、車のエンジン、空力、タイヤ、そしてドライバー。この4つの要素がベストな状態で組み合わされ、勝利につながる。また技術力を競うだけでなく、トヨタではトヨタ生産システムを生かして、タイヤが止まる場所でサインを出すなど、ピット内での作業を効率的かつ失敗なくするようにしているのが特徴だ。

● エンジン
エンジン車の心臓部エンジン。エンジンの性能だけでなく、車体とマッチすることが大事。仕様は8気筒、95キロで最高回転 速度は毎分1万9000回転。同じエンジンで2つのレースを戦わねばならないという規定がある。1シーズンに要るエンジンのオーダー数は100~200台にものぼる。

● ボデー
ボデー車体はさぞや頑丈な金属でできているのでは、と思いきや叩いてみると軽いカンカンという響きが...。炭素繊維を樹脂と焼き固めたもので、軽いだけでなく、衝突試験、変形試験を繰り返し4~5トンの衝撃は耐えるというだけあって安全性は折り紙付きだ。(ちなみに安全性といえば、タイヤも外れないように、ひもでボデーに付けられている)

● 風洞
風洞いかに抵抗力を減らし、コースに合わせて効率的にスピードのバランスをとれるかが勝敗を大きく分ける。風洞では大きなファンを回して高速の風を起こすと同時に、高速で回転するベルト上にマシンをおいて、タイヤを回し、抵抗力やタイヤの下方向にかかる力(ダウンフォース) などを分析する。

● ワークショップ
ワークショップレースを終えたF1カーが戻ってくると、バラバラに分解され、磨耗した部品の交換などのメンテナンスが施される。ペイント工場で“お化粧直し”もされ、次のレースに備えて万全の体制が整えられる。

 
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