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スケッチブック - Skizzenbuch

岡島飛鳥

Asuka Okajima岡島飛鳥

イラストレーター、アーティスト。東京藝術大学彫刻科を卒業後、2019年に渡独。現在はライプツィヒ在住。街の観察が趣味。
Instagram:@asukaokajima

#9 ドイツにて雑草を食べる

ドイツにて雑草を食べる

1歳の息子を毎日クラインガルテン(市民農園)で遊ばせている。野に放たれた彼は、草木をちぎったり、石ころを転がしたりして楽しんでいる様子だ。僕はいわばその環境を整える管理人で、畑に混ざったガラスくずを取り除いたり、探検できる小道を作ったりする。

庭の主役はもちろん植物だ。とはいっても、うちの場合はそれが美しい園芸植物であるか、招かれざる雑草であるかということよりもまず、「子どもがその植物を食べてしまっても大丈夫か?」が最も気にかかる点になる。言い換えれば、有毒かどうか。気を付けるべき毒草を調べて把握し、極力取り除くか、子どもの手が届きにくいところにまとめた。植物とは面白いもので、人間の食糧になる面があれば、薬となったり、あるいは毒によって命を奪ったりすることもある。それってすごいことだ。

さて、雑草の種類を調べるなかで、意外と食べられるものが多いことを知る。どうやら栄養も豊富みたいだし、何より無限に生えてくるのがうれしい。ある晴れた日に、試しに摘んで食べてみることにした。パンにチーズとハム、それに雑草を挟んでサンドイッチを作る。これが結構おいしくて、何だかおしゃれに見えてこなくもない。

僕のお気に入りはTellerkraut(直訳で「皿のハーブ」、和名はツキヌキヌマハコベ)。お皿型の葉の真ん中にちょこんと白い花が載ったその姿は、まるで小鳥のレストランだ。味にはクセがなく、おひたしにしてもおいしい。雑草採取初心者の方々にはおすすめである。

 
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