予防注射の完全義務化をめぐり論議
ベルリンでのはしか流行が背景に
ベルリンでは昨年の秋以降、はしかが流行しており、これまでに600人が罹患している。2月18日には、はしかにかかった1歳半の男児が死亡。これを受け、子どもに対する予防注射の義務化をめぐる論議が高まっている。
ドイツ児童保護連盟は、子どもを持つすべての親に対して、「はしかの予防注射を子どもに受けさせるように」と呼び掛けている。連邦議会内でもCDUの健康問題専門議員のシュパーン氏が、「幼稚園と学校での予防注射義務化を検討する必要がある」と発言。これに対し、緑の党のデルナー副院内総務は、「予防注射は伝染病から身を守るものである一方、副作用のリスクも考慮されなければならない」と異議を唱えていた。
国連の児童保護条例では、「すべての児童は予防注射によって避けられる病気から守られる権利がある」とうたっている。連邦議会では、予防注射の必要性について、子どもが幼稚園に上がる前に親への説明を義務化する案が出たが、小児科医連盟議長のハルトマン氏は、「それによって予防注射の接種率を上げることはできない」と指摘している。