Hanacell
ドイツ発ニュース
ドイツのニュース

CDU、党大会でメルケル首相を党首に再選
演説で、連立パートナーのSPDを批判

ケルンで9日、キリスト教民主同盟(CDU)の党大会が開催され、メルケル首相が総数919票のうち884票を獲得、96.7%の支持率で党首に再選された。

今回の投票で、メルケル首相は2000年にCDU党首に就任して以来、2番目に高い支持率を獲得。最も多い支持を集めたのは2年前のハノーファーでの党大会で、このときの得票率は97.9%、支持率が最も低かったのは04年のデュッセルドルフ党大会で、88.4%だった。

党大会ではさらに、5人の副党首も選出され、その1人にポスト・メルケルの呼び声が高いラインラント=プファルツ州のユリア・クレックナー代表が、96.5%という高い支持率を得て選ばれた。このほか、ヘッセン州のブッフィエ代表(89.1%)、ノルトライン=ヴェストファーレン州のラシェット代表(76.1%)、バーデン=ヴュルテンベルク州のシュトローブル代表(75.2%)、フォン・デア・ライエン国防相(70.5%)が選出された。

メルケル首相は1時間に及んだ演説の中で、連邦議会の連立を組む社会民主党(SPD)への批判を展開した。先頃、テューリンゲン州で左派党主導の連立政権を発足させたことに対して、「破産宣言に等しい出来事」と非難。17年の連邦議会選挙で左派党、SPD、緑の党による連立政権の可能性を阻止するためには、CDU・CSUが強固にならなければならないと言明した。一方、長年連立を組み、前回の選挙に敗退して連邦議会で議席を失った自由民主党(FDP)に対しては、「早々に諦めるべきではない。彼らはCDUの連立パートナーにふさわしい」と述べた。

また、緑の党との連立政権を成立させたヘッセン州のCDUを称賛し、「新たな興味深い可能性を開いた。ヘッセン州にとって有益だ」とコメントした。さらに、13年の連邦議会選挙後に緑の党との連立を模索したものの、成立しなかったことを「残念に思う」と述べた。

一方でメルケル首相は今回、急速に勢力を伸ばしている新党「ドイツのための選択肢(AfD)」については一切言及しなかった。テューリンゲン州では、左派党政権成立を阻むために、CDUとAfDの間で連立に向けた話し合いがなされたとの噂が持ち上がり、党大会前に物議を醸していた。

 

テューリンゲン州で初の左派党首相が誕生へ
緑の党、SPDと連立

旧東ドイツのテューリンゲン州で、東西ドイツ統一後初めて左派党州首相による左派党と社会民主党(SPD)、緑の党の3連立政権が誕生する見通しとなった。州首相は、12月5日に州議会で正式に選出される。11月21日付のヴェルト紙が伝えた。

9月14日のテューリンゲン州議会選挙で、左派党は得票率27.7%と躍進。キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ第2党の座を獲得した。一方、CDUと連立を組んでいたSPDは得票率を大幅に減らし、この結果、これまで政権を担っていたCDUとSPDの大連立に代わって、左派党、SPDに緑の党を加えた3党連立政権樹立の可能性が浮上。3党は選挙後、予備会談および連立交渉を重ねていた。

11月20日に行われた連立交渉で3党は、左派党のボド・ラメロフ氏を州首相に選出する形での連立政権に合意。左派党は、州議会選挙での得票率がSPDと緑の党の合計を10%近く上回っていたにもかかわらず、8つある大臣ポストのうち、3つのみを担うことで譲歩を示し、「3党の平等な目線に基づく組閣」をアピールした。これにより、東西ドイツ統一以来、同州政権を担ってきたCDUが初めて野党に回ることとなった。

左派党は、旧東ドイツの政権政党、ドイツ社会主義統一党(SED)と、その後継政党、民主社会党(PDS)の流れを組む党で、旧東ドイツ政権との繋がりをめぐって同党の責任を問う声が出ていたほか、連立を組むことになったSPD内からも根強い反発の声が上がっていた。また、メルケル首相(CDU)およびガウク大統領も、左派党州首相の誕生に対して懸念を表明していた。

これに対し、左派党は連立協定に「旧東ドイツ国家は不法国家に等しかった」との一文を入れることに合意。ラメロフ代表は、「我々は、旧東ドイツ政権の不法と横暴について話さなければならない」と言明。旧東ドイツの独裁政権の犠牲者に対する調査を進め、賠償問題にも積極的に取り組んでいく姿勢を示した。

このほか、財政問題においては今後5年間、新たな債務を作らないことや、500人分の教員ポストを増員すること、保育園の無料化などを政策目標に掲げている。

 

中高生の大多数が将来の職業選択について「不明瞭」
「十分に情報を得ている」のは半分

世論調査機関アレンスバッハが行った意識調査の結果が11月25日発表され、将来の職業選択について、中高生の大多数が困難を感じており、「十分な情報を得ている」と感じている人は半数であることが明らかになった。

530人の生徒と480人の中高生の親を対象に実施されたアンケート調査で、全体54%が「将来性のある仕事が何か分からない」と回答。「夢の職業」ランキングでは、「未来の分野」とされるITおよびコンピューター関連の仕事が下位にとどまった。なお、将来の職業についての相談相手として最も多いのが両親で、75%が父親、85%が母親にサポートを求めるとしているが、「両親から十分な助言が得られている」と回答した生徒は半分以下だった。

中高生がキャリアの方向性を描けない傾向は職業訓練や大学の中退率にも反映されており、職業訓練生の4人に1人が訓練を、大学生の3人に1人が学業を中断している。また、職業で重視する事柄について、男子では「収入」が多かった一方、女子では「人との関わり」が上位を占め、私生活とのバランスを重んじる姿勢が浮き彫りとなった。

 

最も経済力がある都市はヴォルフスブルク
旧東独各都市が上位にランクイン

 経済紙ヴィルトシャフツヴォッヘと不動産サイト「イモビリエン・スカウト24」による「勢いのある都市」ランキング上位に、旧東独州のライプツィヒ、エアフルトが選ばれた。11月28日付のヴェルト紙が伝えた。

これは、国内69都市を経済的な活力を基準に比較したもので、1位が自動車大手フォルクスワーゲン本社のあるヴォルフスブルク、2位はアウディの本拠地インゴルシュタット、3位にヴュルツブルクが選ばれた。また旧東独州からはライプツィヒが4位に、エアフルトが9位にランクインした。首都ベルリンは5位。ランキング下位は、ノルトライン=ヴェストファーレン州のルール地方の各都市が占めた。

 

「市民の勇気」示した女性が病院で死亡
トラブルの仲裁に入り、頭部に致命傷

ヘッセン州オッフェンバッハのファストフード店で、トラブルを止めようとして18歳の男性客に頭部を殴られたトゥッチェ・Aさんが11月28日、病院で死亡した。

同ファストフード店のアルバイト店員だったトゥッチェさんは同月15日、3人の男性客に絡まれていた女性客2人を助けようとして間に入り、男性客の1人から頭部を殴られて意識を失った。その後昏睡状態に陥っていたが、脳の損傷が重く、覚醒が期待できないとして、トゥッチェさんの家族が生命維持装置を外すことに同意。23歳の誕生日に死亡が確認された。事件後、多くの市民が病院前に詰め掛け、「市民の勇気」を示したトゥッチェさんを悼んだ。

 

<< 最初 < 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 > 最後 >>
53 / 92 ページ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


Nippon Express SWISS ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド

デザイン制作
ウェブ制作