第1次世界大戦開戦100年、独仏が追悼
両国大統領が式典に参列
ドイツがフランスに宣戦布告し、第1次世界大戦が勃発してから100年目を迎えた3日、ドイツのガウク大統領とフランスのオランド大統領が参列して、独仏両国による追悼記念式典が行われた。ヴェルト紙が伝えた。
追悼記念式典は、フランス東部のアルザス地方にあるハルトマンスヴィラーコプフ山で行われた。ここは1914~18年に掛けて、3万人の兵士が戦死した激戦地。多くの人の血が流された場所であることから、フランス人からは「人食いの山」とも呼ばれているという。式典では、ガウク大統領とオランド仏大統領が32年に建立された慰霊碑に共同で献花し、お互いを抱擁した。
ガウク大統領は演説の中で、「我々の祖父はどちらも第1次世界大戦に従軍し、互いに敵対した。彼らが今日の我々の姿を想像し得ただろうか」と述べた。ガウク大統領は1年前に、ドイツの政治家として初めて、第2次世界大戦末期にナチス武装親衛隊による大規模な虐殺が行われたオラドゥール・シュル・グラヌをオランド仏大統領と共に訪れており、その際も2人は抱擁を交わし、哀悼の意を示したことが多くのフランス人に感銘を与えたと伝えられている。仏有力メディアのル・モンド紙は、公の場で感情を示すことが少ないメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)と比較して、「ガウク大統領とオランド仏大統領がオラドゥール・シュル・グラヌで抱擁し合う写真は、メルケル首相の数多くの演説よりもはるかに雄弁に、ドイツとフランスの友情を物語っている」と報じた。
オランド仏大統領は、「過去の忌まわしい記憶と現在を繋ぐ橋を架けることが重要だ」「独仏が歩んできた歴史は、運命的な敵対関係を共に乗り越え、克服できるという希望を示している」と述べ、緊迫する現在の中東情勢にも言及。イスラエルとパレスチナにおける早急な停戦を呼び掛け、一般市民の命を守るべきと強調した。
今回、追悼記念式典が行われたハルトマンスヴィラーコプフ山では、2017年にドイツ・フランス・ミュージアムの開館が予定されており、歴史を語り継いでいくことで独仏関係の強化を図るとしている。ミュージアムのオープニング式典には、独仏両国の大統領も参列予定。