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国内の年金受給者の生活、高水準
高齢者の貧困は加速の恐れ

経済協力開発機構(OECD)が11月26日発表した調査結果で、ドイツの年金受給者の生活水準は、ほかの先進工業諸国に比べて高いことが明らかになった。

調査によると、ドイツでは高齢者が若年層よりも医療・介護において安定した保障を受けており、貧困の危機にさらされている年金受給者は10人に1人。この割合は、スイスや米国、日本では2倍に上る。

一方、国内の就業者数は7年前と比べて4150万人増加しており、ミニジョブなどの低所得労働に就く人も増えていると指摘されている。OECDによれば、今後ドイツでは高齢者貧困層の割合が急速に増加する恐れがあるという。

 

大連立政権が発足へ
最低賃金導入など、SPDの意向を強く反映

キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の3党が11月27日、大連立政権協定に合意し、第3次メルケル政権が発足する見通しとなった。ヴェルト紙が伝えた。

9月22日に実施された連邦議会選挙からおよそ2カ月に及ぶ連立協議を経て、大連立協定が成立。メルケル首相(CDU)とCSUのゼーホーファー党首、SPDのガブリエル党首が連立協定に調印した。「ドイツの未来をつくる」と題された協定書には、SPDが選挙公約として掲げていた全国一律の最低賃金を2015年から導入することや、年金保険料を45年以上納めた人に対し、63歳から年金を支給すること、パートタイム労働の規制や、将来的にドイツで生まれた外国人家庭出身者に、生涯二重国籍を認めるとした二重国籍法の改正案などが盛り込まれている。

SPD指導部は「連立協定は、社会的弱者のための協定」と強調。ノルトライン=ヴェストファーレン州のクラフト首相(同)は、「SPDは私が当初予定したよりも多くの要求を通すことができた」と述べており、実際、選挙では得票数を減らしたにもかかわらず、大連立協定ではSPDの意向が色濃く反映された内容となっている。

一方、CDU・CSUが主張していた「増税は行わない」という案は通され、SPDが要求していた高所得者への増税は却下となった。185ページに及ぶ協定書に対して、経済界からは「はっきりしない内容」と批判が集中。野党からも「財政的に実現不可能」との声が上がっている。メルケル首相は公共放送ZDFのインタビューに対し、「私には未来を予言することはできないが、新たな赤字を作らないという目的は非常に高い優先事項だ」と述べている。

東西ドイツ統一以来3回目の大連立政府となるメルケル政権は、これから実施されるSPD党員の意見投票の結果を待って成立することになる。党員投票は12月14日に集計される予定で、過半数の賛成を獲得できれば、それが大連立政権へのゴーサインとなる。

組閣が発表されるのはその後で、12月中旬の予定。CDUとSPDからは各6人、CSUからは3人の閣僚が選出される見込みとなっている。

 

大連立、年金保険料率の引き下げを阻止する見通し
経済界、野党から批判の声

2013年末に予定されていた年金保険料率の引き下げが、次期大連立政権によって阻止される見通しが強くなっている。5日付のヴェルト紙が伝えた。

年金保険料による歳入が黒字を記録していることを受け、保険料率が今年末から0.6%引き下げられることになっていたが、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)は現行の18.9%を維持する方針を打ち出している。これにより、60億ユーロに上ると見られていた企業側の負担軽減もなくなる。次期政権は、母親年金や、長年年金保険料を払い続けていたにもかかわらず、受給額が低い人向けの補助年金の導入などの改革を視野に入れており、今回、年金保険料率引き下げを見送り、300億ユーロに上る財源をその改革に充てたい意向だ。

同案に対しては、大連立政権の労働・社会問題作業部会メンバーである中間所得者連合(MIT)のリンネマン代表が「年金制度そのものの崩壊を招く危険性がある」と批判。経済専門家からも懸念の声が上がっているほか、左派党は「中間所得層に対する窃盗行為だ」と非難している。

 

緑の党議員がスノーデン氏と面会
政府、ドイツへの受け入れは否定

緑の党のハンス=クリスチャン・シュトレーベレ連邦議会議員が10月31日、ロシアの首都モスクワを訪れ、現在1年間の期限付きでロシアに亡命中の元米国情報機関職員のエドワード・スノーデン氏と面会した。スノーデン氏はシュトレーベレ議員に書簡を託し、「ドイツ側に話をする用意がある」との意思を表明した。

スノーデン氏とシュトレーベレ議員はこの日、モスクワ某所で3時間に及ぶ面談を行った。スノーデン氏はシュトレーベレ議員に託した書簡の中で、「米情報機関に勤めている間、構造的な不法行為が行われていることを確信し、良心に基づいて告発するに至った」と記している。さらに「情報公開によって、私に対する迫害キャンペーンが行われるようになった。(中略)これらの事態を収拾するために、あなた方の国でお話しすることができれば嬉しく思う」とし、ドイツを訪れ、米情報機関の情報収集の実態について話す用意があることを綴っている。

これを受けて米国当局は、機密情報を漏えいさせたスノーデン氏に対し、改めてその身柄を本国に移送することを求める声明を発表。一方、連邦議会内の諜報活動調査委員会のメンバーでもあるシュトレーベレ議員は、米国をはじめとする各国に対して、超法規的措置を取ってスノーデン氏の罪を問うことをやめるよう求めた。

キリスト教民主同盟(CDU)のショッケンホフ副院内総務は、スノーデン氏をドイツに招くことに反対の意を表明。フリードリヒ内相(キリスト教社会同盟=CSU)は、「スノーデン氏が話す用意があると言うのならば、その機会を設けるようにしたい」と述べつつも、同氏のドイツ亡命に関しては認可しないとしており、その理由として「スノーデン氏は政治的迫害を受けているわけではなく、亡命申請権がない」としている。

なお、スノーデン氏による最新の情報開示により、米当局がメルケル首相(CDU)の携帯電話を盗聴していたと報道されたことを受け、公共放送ARDの世論調査では、ドイツ人の61%が「もう米国を信用できない」として不信感を表明。「米国が信頼できるパートナーである」との見解を持つ人は35%にとどまった。

 

人生の満足度が高いのは北部
移民は旧東独市民より幸せ?

ドイチェ・ポストの委託によりフライブルク大学が行った人生の満足度調査の結果「幸福アトラス2013」が5日発表され、国内に暮らす移民の方が旧東独地域市民よりも人生に対する満足度が高いことが分かった。

3000人を対象に、国内19地域で行われた調査の結果、「人生に満足している」という項目で最も高い数値を示したのがシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州(最高値10中7.31)で、これにハンブルク(同7.27)、ニーダ―ザクセン州(同7.17)が続く。一方、旧東独地域では最低値を示したブランデンブルク州(同6.52)を筆頭に軒並み低く、移民の方が満足度が高いことが明らかになった。

 

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