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都市連絡協議会が家賃対策を提唱
新規入居者に対する値上げに上限

ドイツ都市連絡協議会は4月23日、主要都市の家賃の高騰に歯止めを掛けるため、新たな入居者に対する家賃について、当該地域の通常の家賃から10%以上の値上げを行ってはならないとする案を提出した。

近年、国内主要都市および人口密集地域のミュンヘン、ライン=マイン地方、シュトゥットガルト、ケルン、デュッセルドルフ、ハンブルクなどで家賃の高騰による住居不足が指摘され、ドイツ借家人連盟などから家賃の値上げに対する規制要求が出されていた。家主はこれまで、新規間借り人との契約の際、意のままに家賃の値上げを行うことができていたが、今後はこれに規制が掛けられる見込み。

 

バイエルン・ミュンヘンの会長が脱税
保釈金500万ユーロで勾留を免れた事実も

サッカー・ブンデスリーガの名門チーム、バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘーネス会長が脱税を行っていたことを自ら告白し、さらに今年3月には脱税容疑で一時的に勾留されて500万ユーロの保釈金を支払っていたことが明らかになった。これを受け、政界にも波紋が広がっている。4月22日付のヴェルト紙などが伝えた。

ヘーネス会長はスイスに隠し口座を持ち、脱税をしていた事実を自ら認める発言を行い、「大きな間違いを犯した」として「事の解決を司法に委ねたい」と述べた。これに対し、ヘーネス会長と関わりの深かった政府与党関係者からは失望の声が続出。連邦政府のザイベルト広報官は「多くの人がウリ・ヘーネスに失望している。メルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)もその1人だ」とコメント。ヘッセン州のハーン法相(自由民主党=FDP)は、「長年ドイツのスポーツ界に大きく貢献した人物なだけに残念」としながらも、「スポーツのモラルをつかさどる立場にいる人物が脱税をするということは、傲慢のなせる業だ」と批判した。

一方、社会民主党(SPD)のシュタインマイヤー院内総務は、キリスト教社会同盟(CSU)とヘーネス氏の長年にわたる密接な関係性を指摘。「CSUへの寄付者リストの中にヘーネス氏の名前があるかどうか、確認する必要がある」と述べた。

さらにヘーネス会長が3月20日に一時的に勾留され、家宅捜索を受けていたこと、保釈金500万ユーロを支払って勾留継続を免れていた事実が発覚すると、野党内での同氏への批判がさらに過熱。SPDと緑の党は「社会的影響力のある立場の人間も、ほかの犯罪者と同様に厳しく訴追されるべき」と主張し、左派党もヘーネス氏に対する厳重処分を求めた。これに対し与党は、同件に対する野党のネガティブ・キャンペーンが行き過ぎであると批判した。

ヘーネス会長は現在61歳。サッカー選手としてブンデスリーガで活躍し、引退後、1979年にバイエルン・ミュンヘンのゼネラル・マネージャーに就任。その後、バイエルン・ミュンヘンの財政を大きく立て直し、2006年のサッカー・ワールドカップ(W杯)の会場にもなった専用スタジアム、アリアンツ・アレーナの建設にも貢献した。

 

冷たい累進課税効果で国庫に200億ユーロ
低所得者層に負担

「冷たい累進課税」と呼ばれる所得税増税効果により、2010~17年に、国庫に200億ユーロの税収が見込まれることが明らかになった。9日付のヴェルト紙が伝えた。

「冷たい累進課税」とは、被雇用者の所得増に合わせて所得税も上昇することで、結果的に手取り額が減少するというもの。ケルンのドイツ経済研究所(IW)が、新社会市場経済イニシアティブ(INSM)の委託で行った調査では、2010~17年の間に、増税による負担増を被る市民の割合は20%に上る見通し。また、年収3万~4万ユーロの低所得者層および中間所得者層の負担が特に増えると見られ、社会的不平等の見直し議論が起こっている。

 

NSU裁判でトルコ系メディアの傍聴席確保
憲法裁、開廷は5月に延期

10年以上に及ぶ連続殺人事件の実行犯とされる極右テロ組織、国家社会主義地下組織(NSU)のメンバー、ベアーテ・チェーペ被告の裁判をめぐり、トルコ系メディアが傍聴席を確保できないことに対して、トルコのSabah紙がドイツの連邦憲法裁判所に不服を申し立てていた件で、憲法裁は12日、訴えを部分的に認め、「事件の被害者に関わりのある国のメディアに適切な数の傍聴席を与えるべき」との判断を下した。これを受けて裁判は3週間延期され、5月6日に開廷されることになった。

NSUによる外国系市民連続殺人事件では、被害者10人のうち8人がトルコ系だったにもかかわらず、50ある報道陣席の中にトルコ系メディアのための傍聴席が1席も確保されていないとして、Sabah紙が訴えを起こしていた。 

NSU裁判の傍聴席問題をめぐっては、左派党、緑の党、社会民主党(SPD)のトルコ系議員らが中心となって、連邦議会内で55人の議員がアピールを採択。「メディアの関心に対応できる法廷環境を用意すべき」とのコメントを発表した。このアピールには、シュミット元保健相(SPD)も賛同。「人種差別による犯罪の裁判で、外国メディア、特にトルコ系メディアが締め出されているという印象を与えることは致命的だ」との見解を述べた。対応策としては、裁判の様子を配信し、映像を通して傍聴できる別室を用意することも提案されている。

一方で、ヘッセン州を中心に、全国の刑務所で服役する極右受刑者を支援するネットワークの存在が発覚。その目的は、極右犯罪を犯した受刑者に対し、収監中および出所後の財政支援を行うというもので、極右思想の教育や普及なども行なっており、2011年に発覚した同様の組織は連邦内務相から活動禁止命令を受けている。同組織には、1990年代にNSUのメンバーも関わっていたという。

また、チェーペ被告が収監後に新たな極右組織に加入していた可能性も浮上。ヘッセン州カッセルのネオナチ組織代表のベルント・Tが収監中のチェーペ被告に接触し、新たな極右組織「AD(アーリア人種保護連盟)」への参加を呼び掛けていたという。Tは極右組織「シュトルム18」の創設者で、ホームレス殺害の前科を持つ。

 

独政府、人身売買対策に遅れ
EU基準を遵守できず

連邦政府が、欧州連合(EU)の定める人身売買に対する具体策を順守できていないことが明らかになった。5日付のヴェルト紙が報じた。EU域内では年間10万人が強制的に連れ去られ、うち4人に3人は未成年者を含む女性で、売春を強要されているという。被害者が加害者からの報復を恐れるため、裁判に至るケースは少ないという。

これを受けてEUは、人身売買に関する具体的な対策を各政府に要求。加害者に対する厳罰を求めるなど被害者の保護を訴えているが、ロイトホイサー=シュナーレンベルガー法相(自由民主党=FDP)は、「必要なのは法改正ではなく、警察側の対応」との見解を示している。

 

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