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FDPレスラー党首をめぐり人種差別論争
党員の「アジア人の外見をした副首相」発言で

ヘッセン州のハーン法務・統合相(自由民主党=FDP)が、同党の党首兼副首相のレスラー氏について、「我々の社会が、アジア人の外見をした副首相をどこまで受け入れることができるか、非常に興味がある」と発言し、論議が起こっている。8日付のヴェルト紙が伝えた。

レスラー党首はベトナム出身。ベトナム戦争で親を亡くし、幼少時からハンブルクのドイツ人家庭で養子として育てられた。今回のハーン氏の発言に対し、同州の社会民主党(SPD)のルドルフ氏は「趣味の悪い失言で、ハーン統合相本人に人種差別的傾向があることを浮き彫りにした」と批判。これに対してハーン氏は、「レスラー氏を攻撃したつもりはない」としている。

一方、FDP関係者によると、FDP支持者からでさえ、レスラー党首をめぐる人種差別的見解を耳にすることは珍しくなく、「その背景を踏まえた上での発言」としてハーン氏の発言を擁護する声が挙がっている。レスラー党首本人も「ハーン氏とは政治家としてだけでなく、個人的にも厚い信頼関係にある」とコメントしている。

 

若年失業者に「第2のチャンス」を
労働省と労働局が就業促進プログラム開始

連邦労働省および連邦労働局は7日、25~35歳の若年失業者を対象に、新たな就業促進プログラムを立ち上げることを発表した。ヴェルト紙が伝えた。

学校を中途退学したり、職業訓練先を見付けることができなかったり、職業訓練を期間満了前に中断したなどの場合、正規に就業するきっかけを掴めず、若いうちから生活保護を受給し始めるケースが多いという。新たな就業促進プログラムでは、これらの失業者に「第2のチャンス」を与え、3年以内に10万人分の職業訓練の機会を創出することを目指す。現在、職業訓練を修了した経験を持たない25~30歳の失業者の数は30万人に上る。

 

精子提供者の匿名は「不可」
人工授精児に知る権利認める判決

匿名の提供者の精子によって人工授精で生まれた経緯を持つ女性が、実の父親を知りたいと精子バンク経営者を訴えていた件で、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のハム上級裁判所は6日、訴えを認める判決を下した。

訴えを起こしていたのは、NRW州プレッテンベルク出身の学生ザラ・Pさん(21)。判決ではフォクト裁判長が、「ザラさんが自分自身の生物学的来歴を知ることは本人の基本的人権と尊厳に関わることであり、アイデンティティーの形成にも結び付くことである」と言明。その上で精子バンク経営者に対し、精子提供者に関する情報をザラさんに明らかにするよう命じた。

 

博士号はく奪受け、シャヴァン教育相が辞任
メルケル政権に、相次ぎ逆風

1980年に提出した博士論文に盗用があるとされ、5日にデュッセルドルフ大学から博士号をはく奪されたアンネッテ・シャヴァン教育相(キリスト教民主同盟=CDU)が9日、大臣職を辞任すると発表した。

シャヴァン氏はメルケル首相(CDU)とともに記者会見に臨み、博士論文における盗用の事実を改めて否定。同件について行政裁判所に提訴する意向を表明したが、「政府や職務に支障をきたすことがあってはならない」と、辞任に至った経緯を説明した。メルケル首相は「大変重苦しい気持ちで辞任を受け入れた。アンネッテ・シャヴァン氏は教育および学術部門における非常に有能な政治家だ」と同氏を擁護した。後任には、前ニーダーザクセン州教育相のヨハンナ・ヴァンカ氏(CDU)が就任する。

シャヴァン氏が1980年にデュッセルドルフ大学に提出した哲学の博士論文「人物と良心」における盗用疑惑は2012年5月、匿名の人物によってインターネット上で指摘されたことから浮上。これに対し、シャヴァン氏自身が大学に盗用疑惑の検証を要請していた。そして今年2月5日、同大学の学部協議会が同氏の論文に「盗用による意図的なごまかしがあった」として博士号のはく奪を決定した。

シャヴァン氏の博士号はく奪を受け、野党・社会民主党(SPD)や緑の党からは「教育相としての信頼を失った」として辞任を求める声が上がっていた。一方、世論調査機関フォルザの調査によると、博士号はく奪直後は市民の3分の2が「辞任すべき」と表明していたが、メルケル首相がシャヴァン氏への信頼をアピールしたためか、辞任直前の調査ではその割合が2分の1に減少していた。

シャヴァン教育相の辞任を受け、与党・キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首は「非常に残念で悲しいこと」として、「首相に、シャヴァン氏は政界にとどまるべきと申し上げた」と述べた。また、カウダーCDU・CSU院内総務も「私自身、1人の法律家として今回の大学のやり方は理解に苦しむ」とのコメントを発表している。

今年9月に連邦議会選挙を控えるメルケル政権は、1月のニーダ―ザクセン州選挙での敗北に続き、今回の教育相辞任と、逆風が続いている。

 

高ニーダーザクセン州で政権交代へ
州議会選でSPDと緑の党の連立が過半数獲得

ニーダーザクセン州議会選挙が1月20日に実施され、与党・キリスト教民主同盟(CDU)が第1党の座を保持したものの、野党・社会民主党(SPD)と緑の党の連立が議席の過半数を占める結果となり、政権交代が確定した。

ニーダーザクセン州議会選挙は、今年9月に予定されている連邦議会選挙の行方を占うものとして注目されていた。CDUは第1党の座を維持したものの、得票率を前回選挙の42.5%から36.0%と大きく減らした。一方、SPDの得票率は32.6%で前回の30.3%をやや上回った。

また、苦戦が予想されていた自由民主党(FDP)は予想外の9.9%(前回8.2%)と躍進を見せた。今回、最も大きく得票率を伸ばしたのが緑の党で、前回の8.0%から13.7%に。左派党は3.1%(前回7.1%)で議席を失い、海賊党は2.1%と議席獲得には至らなかった。なお、今回の選挙の投票率は60%だった。

この結果を受け、SPDと緑の党による連立が僅差で議席過半数を獲得し、CDUとFDPの連立に代わる連立政権が樹立されることになった。これにより、全16州のうち、同州とブレーメン市、ノルトライン=ヴェストファーレン州、バーデン=ヴュルテンベルク州、ラインラント=プファルツ州、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の6州がSPDと緑の党の連立政権州となった。この6州の合計人口は4400万人で、ドイツ全体の人口の過半数を占める。また、首相ポストをSPDが占める州の数は9となり、州議会の議席数が反映される連邦参議院の勢力図も変化、SPDと緑の党が過半数となる。

今回の選挙の結果、連邦議会選で政権交代が起こる可能性が増大し、緑の党のロート党首は「SPDと連立を組むに当たって、対等な力関係を求める」と発言。1998年にSPDと緑の党の連立政権が誕生した際、シュレーダー元首相(SPD)がフィッシャー元外相(緑の党)に対して「力関係を明確にしなければいけない。大きい方が料理人で、小さい方がウェイターだ」と言ったと伝えらえているが、これについてSPDのガブリエル党首は、「シュレーダー氏の発言は過去のもの。それに私は(連邦議会で)レストランを開くつもりはない」とコメントしている。

 

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