Hanacell
ドイツ発ニュース
ドイツのニュース

精子提供者の匿名は「不可」
人工授精児に知る権利認める判決

匿名の提供者の精子によって人工授精で生まれた経緯を持つ女性が、実の父親を知りたいと精子バンク経営者を訴えていた件で、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のハム上級裁判所は6日、訴えを認める判決を下した。

訴えを起こしていたのは、NRW州プレッテンベルク出身の学生ザラ・Pさん(21)。判決ではフォクト裁判長が、「ザラさんが自分自身の生物学的来歴を知ることは本人の基本的人権と尊厳に関わることであり、アイデンティティーの形成にも結び付くことである」と言明。その上で精子バンク経営者に対し、精子提供者に関する情報をザラさんに明らかにするよう命じた。

 

博士号はく奪受け、シャヴァン教育相が辞任
メルケル政権に、相次ぎ逆風

1980年に提出した博士論文に盗用があるとされ、5日にデュッセルドルフ大学から博士号をはく奪されたアンネッテ・シャヴァン教育相(キリスト教民主同盟=CDU)が9日、大臣職を辞任すると発表した。

シャヴァン氏はメルケル首相(CDU)とともに記者会見に臨み、博士論文における盗用の事実を改めて否定。同件について行政裁判所に提訴する意向を表明したが、「政府や職務に支障をきたすことがあってはならない」と、辞任に至った経緯を説明した。メルケル首相は「大変重苦しい気持ちで辞任を受け入れた。アンネッテ・シャヴァン氏は教育および学術部門における非常に有能な政治家だ」と同氏を擁護した。後任には、前ニーダーザクセン州教育相のヨハンナ・ヴァンカ氏(CDU)が就任する。

シャヴァン氏が1980年にデュッセルドルフ大学に提出した哲学の博士論文「人物と良心」における盗用疑惑は2012年5月、匿名の人物によってインターネット上で指摘されたことから浮上。これに対し、シャヴァン氏自身が大学に盗用疑惑の検証を要請していた。そして今年2月5日、同大学の学部協議会が同氏の論文に「盗用による意図的なごまかしがあった」として博士号のはく奪を決定した。

シャヴァン氏の博士号はく奪を受け、野党・社会民主党(SPD)や緑の党からは「教育相としての信頼を失った」として辞任を求める声が上がっていた。一方、世論調査機関フォルザの調査によると、博士号はく奪直後は市民の3分の2が「辞任すべき」と表明していたが、メルケル首相がシャヴァン氏への信頼をアピールしたためか、辞任直前の調査ではその割合が2分の1に減少していた。

シャヴァン教育相の辞任を受け、与党・キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首は「非常に残念で悲しいこと」として、「首相に、シャヴァン氏は政界にとどまるべきと申し上げた」と述べた。また、カウダーCDU・CSU院内総務も「私自身、1人の法律家として今回の大学のやり方は理解に苦しむ」とのコメントを発表している。

今年9月に連邦議会選挙を控えるメルケル政権は、1月のニーダ―ザクセン州選挙での敗北に続き、今回の教育相辞任と、逆風が続いている。

 

高ニーダーザクセン州で政権交代へ
州議会選でSPDと緑の党の連立が過半数獲得

ニーダーザクセン州議会選挙が1月20日に実施され、与党・キリスト教民主同盟(CDU)が第1党の座を保持したものの、野党・社会民主党(SPD)と緑の党の連立が議席の過半数を占める結果となり、政権交代が確定した。

ニーダーザクセン州議会選挙は、今年9月に予定されている連邦議会選挙の行方を占うものとして注目されていた。CDUは第1党の座を維持したものの、得票率を前回選挙の42.5%から36.0%と大きく減らした。一方、SPDの得票率は32.6%で前回の30.3%をやや上回った。

また、苦戦が予想されていた自由民主党(FDP)は予想外の9.9%(前回8.2%)と躍進を見せた。今回、最も大きく得票率を伸ばしたのが緑の党で、前回の8.0%から13.7%に。左派党は3.1%(前回7.1%)で議席を失い、海賊党は2.1%と議席獲得には至らなかった。なお、今回の選挙の投票率は60%だった。

この結果を受け、SPDと緑の党による連立が僅差で議席過半数を獲得し、CDUとFDPの連立に代わる連立政権が樹立されることになった。これにより、全16州のうち、同州とブレーメン市、ノルトライン=ヴェストファーレン州、バーデン=ヴュルテンベルク州、ラインラント=プファルツ州、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の6州がSPDと緑の党の連立政権州となった。この6州の合計人口は4400万人で、ドイツ全体の人口の過半数を占める。また、首相ポストをSPDが占める州の数は9となり、州議会の議席数が反映される連邦参議院の勢力図も変化、SPDと緑の党が過半数となる。

今回の選挙の結果、連邦議会選で政権交代が起こる可能性が増大し、緑の党のロート党首は「SPDと連立を組むに当たって、対等な力関係を求める」と発言。1998年にSPDと緑の党の連立政権が誕生した際、シュレーダー元首相(SPD)がフィッシャー元外相(緑の党)に対して「力関係を明確にしなければいけない。大きい方が料理人で、小さい方がウェイターだ」と言ったと伝えらえているが、これについてSPDのガブリエル党首は、「シュレーダー氏の発言は過去のもの。それに私は(連邦議会で)レストランを開くつもりはない」とコメントしている。

 

独仏友好の礎となったエリゼ条約締結から50周年
オランド仏大統領がドイツ訪問

ドイツとフランスの友好関係を約束したエリゼ条約締結から50周年を迎えた1月22日、ベルリンでメルケル独首相とオランド仏大統領の出席の下、記念式典が開かれた。

同条約は第2次世界大戦後、当時のアデナウアー西独首相とドゴール仏大統領により、パリのエリゼ宮で締結された。今回、50周年を記念してオランド仏大統領がベルリンを訪れ、連邦議会で演説を行った。同大統領は「独仏間にはすでに電気が流れており、追加の電気機器は不要」と述べ、独仏間の協力関係を強調。その上で、「これまでの両国間の関係は決して長く緩やかな道ではなく、常に困難な時があった」と語った。また、将来の構想として「外交、国防、若者の失業率問題などにドイツと共同で取り組みたい」と述べた。一方、メルケル首相は「我々が平和の力と自由を忘れず、変える勇気を持つことができれば、共に困難を乗り越えられると信じている」と述べた。

メルケル首相とオランド仏大統領は共に58歳で、メルケル首相は食事の席でオランド氏に親称の「Du」で話すことを提案し、大統領がこれに同意したという。

 

職業訓練生の4人に1人が中断
11年、統一以来最多を記録

連邦職業訓練研究所(BiBB)が1月24日発表した調査報告で、職業訓練生の4人に1人が定められた期間内に訓練を満了せず、資格を習得しないまま辞退していることが明らかになった。ヴェルト紙が報じた。

同調査によると、2011年の職業訓練中断件数は14万9760件で訓練件数全体の24.4%。1990年の東西ドイツ統一以来最多を記録した。最も中断率が高い職種は、飲食店のホールスタッフおよび引越し業者で、2人に1人の割合で職業訓練を中途でやめている。一方、満了率の高い職種は管理マネージメント、電気工、銀行員などで、職業訓練を満了する割合が90%を超えている。

 

<< 最初 < 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 > 最後 >>
86 / 92 ページ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


Nippon Express SWISS ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド

デザイン制作
ウェブ制作