Hanacell
ヨーロッパ三面記事


にっちもさっちも行かないアブラモビッチ from UK

英国人の皆様、おめでとーございまーす!!世界史上最高額の離婚費用を支払うことになった英国在住のロシア人大富豪、ローマン・アブラモビッチ(40)のことである。16年連れ添った妻イリーナさん(39)に、ロシアや欧州各国にある豪邸から自家用ジェット機、豪華ヨットなど総計60億ポンド(約1兆3000億円)相当もの資産を譲渡するというニュースが、世界中を駆け巡ったのだ。

アブラモビッチ氏は世界長者番付で11位、英国内に限ると第2位というまさに正真正銘の大富豪。そして何よりも英国では、サッカーのプレミア・リーグで頂点を争う強豪クラブ、チェルシーを買収したオーナーとして認知されている。

ところがこの男、英国のサッカー・ファンの間ではあまり評判が芳しくない。まずは金にものを言わせて、地元のファンが大切に育ててきたサッカー・クラブを強引に乗っ取ったというイメージがあるのが1つ。次にサッカーに関しては全くのド素人であるにも関わらず、選手の起用法など現場の方針にうるさく口を出すことで有名で、ジョゼ・モウリーニョ監督とはしょっちゅういさかいを起こしている。さらにはネクタイを締めずに、ヨレヨレのYシャツを着ながらヘナヘナとニヤける、あの一見ナメた外見が英国生まれの硬派なフーリガンたちの気に障るのであろう。

アブラモビッチ氏はパリで25歳のロシア人モデル、ダリア・ズコワさんとの密会が報じられた直後の今月13日に、イリーナ夫人との離婚を発表。これまで、じくじたる思いを抱えていた英国人たちが、トラブルの予感いっぱいの離婚劇の行方を固唾を飲んで見守っていた矢先に発表されたのが、このウルトラ級の金額であったわけである。

何でも、かつてスチュワーデスとして働いていたイリーナさんと出会った当時のアブラモビッチ氏は、一文なしであったそうな。そんな過去の負い目もあってか、アブラモビッチ氏の全資産の実に半分が離婚費用となって消えることになった。

こんなスキャンダル、野次ることでは世界一のフーリガンたちが放っておくわけがない。スタジアムに「60億ポンド」の合唱がこだまする日が、しばらく続きそうだ。

「Daily Express」紙
£ 6 Billiion That's the REAL cost of divorce for Abramovich



最終更新 Mittwoch, 28 März 2007 13:16
 

国民的スターがベルギー国籍取得、の裏には… from France

現在スイスに居住地を移している歌手ジョニー・アリデーと言えば、フランス版矢沢永吉とも言える国民的スター。2000年に行われたミレニアム・コンサートでは、パリのコンコルド広場からシャンゼリゼ通りまでが観衆で埋め尽くされたという人気ぶりだ。「パリジャン」紙によると、彼が45年間の芸能生活で稼いだ、CD・グッズ販売の収入からCMの出演料は計1.5億ユーロ(約234億円)になるとか。

しかし、人気者につきものなのが高額納税。今年64歳を迎える彼の最大の関心事は、「いかに税金を払わずに余生を過ごせるか」だろう。

一般人から見ればジョニーは、多少の税金など屁のようなものであるはずのお金持ち。しかし彼は稼ぎもすごいが、その使い方もすごい。とても気持ちよくお金を使ってしまう浪費家でもあるということで、このへんはフランス版エルトン・ジョンといったところか。実際に彼の預金口座の残高を見たことのある会計士や税理士は最初、「あれれ、売れない歌手の口座と間違えちゃったかな?」とびっくりするとか、しないとか……。

そんな愛すべきジョニーに最近、吉報が訪れた。2005年から申請していたベルギー国籍の取得がこのほど無事認可され、今月からは「フランスのジョニー」が「ベルギーのジョニー」へと変身したのだ。国籍変更についてジョニーは「個人的でセンチメンタルな想いから、亡き父親と同じ国籍を取得でき感無量です」などとコメントしているが、だからといってベルギーに移住するわけでなし、この国籍取得劇に裏がないはずがない。実は、ベルギー国籍を取得した人は、2年後にモナコへの永住権を取得できるという仕組みなのだ。

ここまで読んで意味がわからなかった人、モナコは世界に名だたるタックス・ヘブン、つまり税金の存在しない国だということをお忘れなく。

ジョニーは現在、フランスよりも税金の安いスイスで過ごすことで高額納税を抑え、噂によればこれで年間200万ユーロ(約3億円)の節約になっているとか。さらに2年後には夢の税無し生活が待っているというわけ。

あっぱれ、ジョニー。「ベルギー人」になっても、「フランスの心」を歌っておくれ。

「Le Parisien」紙ほか
Le plan de Johnny pour ne plus payer d'impots



最終更新 Mittwoch, 28 März 2007 11:17
 

W杯効果で出産ラッシュ? from Germany

ドイツ中を感動の渦に巻き込んだ昨年のサッカーW杯。「夏のメルヘン」のあの余韻を今だ引きずっている人は、もうさすがにいないと思うけれど、あれからそろそろ9カ月、国内にちょっとしたベビーブームが到来している。そう、あの熱い夏の一夜に生を授かった、まさに「W杯ベビー」たちの誕生だ。マスコミ各紙によれば、ドイツでは今月から来月にかけ、出産ラッシュの波が押し寄せるという。

ヘッセン州に住むジェニファーさんと恋人のトビアスさんは昨年6月24日、ドイツ対スウェーデン戦を一緒に観戦した。忘れもしない、強豪国を相手に、それまでノーゴールで今一乗り切れていなかったポドルスキ選手が一挙2得点をたたき出し、ドイツがベスト8一番乗りを決めた一戦だ。その後、興奮冷めやらぬ2人は、その勢いのままベッドに直行、その夜ジェニファーさんは赤ちゃんを身ごもった。専門家によれば、「試合観戦で熱狂的に応援をしたりして気分が盛り上がっているときは、ホルモンの影響で妊娠しやすい状態になる」と言うから、この2人のパターンはまさにそんな感じだ。

各地の産婦人科や大学病院はといえば、ここ1カ月ほど、出産を間近に控えた妊婦たちの診察でスケジュールはいっぱい。出産準備コースなどへの申込みも殺到し、すでに満員で予約を締め切ったところもあるという。中にはこの時期、通常よりも出生率が15%も高くなると予想する病院もあるというから、少子化対策が急務となっているここドイツで、まさにこれは思わぬW杯効果といったところか。実際にどれほどの「W杯ベビー」が生まれたかは、今後の統計で明らかになるというから注目大だ。

それにしても、ちらっと気になるのが「W杯ベビー」たちの名前。先頃発表された「昨年最も人気のあった子どもの名前ランキング」では、前年とあまり変わり映えもなく男の子では「レオン」や「アレキサンダー」などが上位入りしてたけど、「W杯ベビー」が男の子だったら、やっぱり人気の代表選手たちにあやかって「ルーカス」とか「イェンス」なんて名前が付いたりするのかなあ。「ユルゲン」なんてちょっと古風なのも、もしや復活?

「Bild」紙ほか
Baby-Boom nach Fußball-WM



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:52
 

壁に耳あり、電話に罠あり from UK

会議に演説に国会答弁と激務の日々を過ごす政治家にとって、気の置けない同僚との会話はちょっとした息抜きの時間に違いない。さもなくばメディアに向けて爆発しそうな暴言を防ぐガス抜きか。だがそこに罠が仕掛けられていたのであった…。
 「プレスコット副首相(当時)はいない方がマシ」、有力政治家のそんな暴言がしっかり録音されてしまったのだ。それも、ものまね芸人がゴードン・ブラウン財務相の声音をまねてかけた電話で、というから始末が悪い。

この罠に見事に引っ掛かったのが、ブレア内閣の古参メンバーであるマーガレット・ベケット外相。長きにわたって政権を支えてきた同僚の喋り方くらいもちろん知り尽くしている…はずだったが、電話線の向こう側の人物がまったくの別人だったなんて、まさか思いもよらなかったようだ。

「偽ブラウン財務相」の正体はものまねタレントのロリー・ブレムナー。2年前に録音されたテープをこの度「サンデー・タイムズ」紙が入手、紙面を飾ったというわけである。
時は2005年の総選挙直前、ブレムナーは当時の環境・食料・農業大臣を務めていたベケットの番号をダイヤルした。彼の第一声は「やあマーガレット! ゴードンだよ」。「あらゴードン、どうしたの?」という返答から始まった会話は、選挙後の内閣改造の話題にまで及んだ。

爆弾発言が次々に飛び出したのはその後だ。バイヤー元閣僚の再入閣について「彼はちょっと危ないわよ」、労働党の選挙運動担当だったミルバーンを「仕事をうまくやっているとは言えないわね」と斬りまくる。しかしブレア首相の腹心、プレスコット副首相への一撃はさらに強烈。「彼がいなければ、物事がもっと効率的になると思うけど」ときたものである。

この一件で怒り心頭のベケット、「そんな会話に覚えはないし、仮に事実だとしても、ひどいプライバシーの侵害です」といった内容のコメントを出したが、今ごろは今後のための防御策を張り巡らせていることだろう。ひょっとしたら閣僚ごとに合言葉を決めていたりして。例えば「ハロー、トニーだよ」「あらトニー、ところで、おとといの私のスーツの色を覚えてる?」「…(ガチャン)」なんて風に。

「The Sunday Times」紙
Beckett duped by "Chancellor" Rory Bremner



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:52
 

アフリカにフランス移民が流入!? from France

2033年の不法滞在者はフランス人−。そんな衝撃の見出しが高級紙「リベラシオン」を飾った。しかも、記事についているのは、なにやら行列をなしている白人の写真と「セネガル大使館の前で行列するフランス人」とのキャプション。これは一体!?と思って読んでみたら、現在公開中の映画「Africa Paradis」(アフリカ・パラダイス)の話だった。日本の某スポーツ新聞のごとくタイトルにだまされて読んでしまった負け惜しみではないが、「な〜んだ、作り話か。ハハハ」と一笑出来ないような内容なのだ。

作品の舞台は2033年のフランス。米国に追いつけとばかりに発案された欧州共同体は崩壊し、失業率は年々悪化するばかり。その間、なんとアフリカは米国並みの発展を遂げ、就職難に辟易したフランス人は連日、職を求めビザを申請しにアフリカ各国の大使館前に行列を作るのだった…。

産業革命以降は、ところかまわず工場を建設し、売れや造れやで一大発展した欧州だが、今や経済的には中国にも追い抜かれそうな始末。各国とも年々上昇するインフレに悩んでおり、企業も重くのしかかる人件費のせいで、少しでもコストの安い東欧に移転が進んでいる。フランスでも政府は失業率を減らすために、フランス人の雇用を促進するものの、企業は安い賃金でも働いてくれる移民を採用するため、職にあぶれたフランス人が至るところにあふれかえっているのはご存知の通り。フランスにいても未来はないと考え、新天地を目指す人も実は徐々に増えていたりするのだ。

ここ数年羽振りの良い企業は全てIT関連企業。少ない出費で大きな金を生み出す、まさに魔法の事業で、インドなどは今や世界一のIT関連事業国家にのしあがった。広大な土地と安い人件費に安い法人税のアフリカ諸国がその内インドに次ぐIT国家となったとき、この映画のようにフランス人は職を求めてアフリカに旅発つことだろう。そして、密入国した挙句に、アフリカから強制送還されるフランス人労働者のニュースが連日報道されるのも決して絵空ごとではなくなる日が来るのかもしれない。

「リベラシオン」紙ほか
En 2033: Les sans papiers sont les français



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:53
 

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