Hanacell
ヨーロッパ三面記事


それでもあなたは食べますか? from Germany

ダイエットなんて我関せずと言わんばかりに、ボリューム満点のハンバーガーやケチャップ&マヨネーズたっぷりのフライドポテトが大好きなドイツ人。昨今の健康志向やビオブームなんてどこ吹く風、国内のファストフード・チェーンの売り上げは止まることを知らない。でもこのたび、そんなウハウハ状態のファストフード・レストランの衛生状況が明らかになった。特に期待はしていなかったけど、これがかなり蒼白モンだ。

衛生検査は公共放送ZDFの経済情報番組「WISO」の中で、ファストフード・レストラン10件の店内と食品を対象に実施された。マクドナルド、バーガーキング、サブウェイ、魚の少ないドイツでは貴重な(?)ノルトゼーから家具大手イケアの店内レストランまで、お馴染みの顔がずらりと並んだが、その結果はかなりショッキング。なんと10件のうち4件では、店内の机や食べ物を載せるプレートから検出された細菌数がトイレのフロアよりも多く、つまりとっても汚なかった…。

では実際に私たちが口にしている食べ物はどうだったのか。例えばひき肉。微生物学上、全く問題がないと太鼓判を押されたのはマックのハンバーガー。ノルトゼーのフィッシュバーガーとバーガーキングのハンバーガーも何とか及第点をゲットした。でも、イケアのレストランで人気のミートボール料理からは、他店舗に比べ数的にかなり多くの細菌が検出された上、腸内細菌類など一風変わった菌まで混じっていたという。イケア側はこれに対し、「今後は衛生管理を一層強化する」とのコメントを出したとか。あのミートボール、結構おいしかったのは細菌類という「スパイス」が効いていたからか。

検査結果を総括すると、健康に害が及ぶ可能性はどの店舗でも指摘されなかったということで、ひとまず安心。ただ検査員は、「『トイレを見たら、その家がきれいかどうかわかる』なんて言うけれど、いくらトイレがきれいでも、机の上には細菌がウヨウヨってこともあり得る」と釘を刺している。

えっ、加熱処理されないサラダの結果も気になるって? マクドナルド「◎」、サブウェイとバーガーキング「○」、イケア「△」、ノルトゼー「×」。

「ZDFheute」
Burger und Salate unter der Lupe



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:53
 

毒舌シェフへのキツーいお言葉 from UK

セレブ・シェフといえばまず筆頭に上がるのが、「ヘルズ・キッチン」や「Fワード」など、英米のテレビ番組でも大活躍するゴードン・ラムゼイ。ミシュランの3つ星を獲得したチェルシーのレストラン「ゴードン・ラムゼイ」を筆頭に、東京やドバイにも次々と店舗をオープンしている。

だが、そんな向かうところ敵なしと思われたラムゼイ氏を衝撃的な出来事が襲った。「ニューヨーク・タイムズ」紙のレストラン批評家としてその名を馳せるフランク・ブルーニ氏が、彼の最新レストランに極めて辛口の批評を寄せたのである。米国上陸の夢を懸けて昨年11月、ニューヨークにオープンした「ザ・ロンドン」だが、最高4つ星というランクの中で、もらった星はたった2つという評価だった。

「ラムゼイの態度の豪快さに、料理の内容が追いついていないね」と、バッサリ斬るブルーニ氏。「ほとんどの材料が当たり前のものばかりだし、味付けもおとなしいだけ、印象だって語りかけてくるものがない」。それだけでなく、「甘すぎ、ネバつき気味のカレイ」や「ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースが作ったようなチキンとランゴスチン」といった妙な味の取り合わせにはすっかり失望した模様だ。

ちなみに、他のニューヨーク各紙の批評でも芳しい評価を受けていないという現状の当レストラン。それでも母国の英国メディアは、ラムゼイ氏に同情的な視線を送る。「インディペンデント」紙のサトクリフ氏によれば、「ニューヨーカーは『滅多なことでは感嘆しない』という自分達にプライドを持っているうえ、ラムゼイ氏の評判そのものに反発する向きがある」というのが、予想外の低評価の理由だという。

「皿の外側では悪ガキかもしれないけれど、皿の内側では型どおりの優等生さ」とまで書かれてしまったラムゼイ氏。ニューヨークでは自慢の毒舌も控えめにしていたようだが、この際、開き直って図太さを前面に押し出していくのも悪くないかもしれない。態度だけでなく、もちろん味のほうも。

「The Independent」紙
Ramsay's 'cloying, gummy' turbot leaves New York cold



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:54
 

サルコに直撃! from France

「メトロ」紙によれば、フランス国民のおよそ60%は、テレビの政治討論番組に参加してみたいと思っているそうだ。そんな、国民の願望を知ってのことかどうかはわからないが、民放局のTF1に市民参加型の生放送の政治討論番組が誕生した。その名もズバリ、「J'ai une question a vous poser(あなたに質問したいことがあります)」。
パトリック・ポアーブル=ダボールが司会進行役を務めるこの番組は、毎回注目の政治家を招き、スタジオに招待された市民100人の疑問に答えてもらうというスタイル。初回は、今をときめく大統領選最有力候補のニコラ・サルコジ内相(通称サルコ)が登場した。
弁舌の巧みさにかけては定評のあるサルコジ氏だけあって、大統領になったあかつきには誰を首相にするかという素朴な疑問や失業者対策、物価問題などに関する定番クエスチョンは難なくクリアし、レベル1を突破した。
レベルアップして、人種と同性愛にテーマが移ったところ、ホモセクシャルや外国籍の参加者がサルコジ氏を糾弾し、一時はスタジオのムードも加熱気味に。「サルコの形勢危うし!」と思ったら(この局面はレベル3というところだろうか)そこはどっこい、「私を差別者呼ばわりすることは許さない。私は内相として職務を全うしており、何よりもこれまで内務省がこの国のムスリムに対して様々な計らいを行ってきた」と持ち前の冷静さで相手をねじぶせて、これもまたまたクリア。なかなかやるなサルコ。さらに回答の随所で、賛同の拍手も起こり、サルコジ圧勝といった感じで番組はゲームオーバー。
ライバル、ロワイヤル女史への盗聴疑惑や息子のバイク盗難事件で内相の職権乱用を糾弾されるなど、支持率は明らかに低下傾向にあったサルコジ氏。しかし、今回の番組出演でみせた対応ぶりに各メディアは高い評価を与え、名誉挽回となった形だ。
「J'ai une question a vous poser」の次回の出演者は、まさに同じ時の人、ロワイヤル女史。サルコ同様、難なく100人斬りをこなし、一気に人気を抜き返せるか。いえいえ、市民もパワーアップして政治家をお待ちしております。

「Le Figaro」紙ほか
Le grand oral de Sarkozy



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:54
 

建築家一家の夢のマイホームは… from Germany

ドイツ バルト海沿岸の美しい港町、キール。世界中から集まる観光客でいつも活気あふれるこの町にこのたび、新たな「観光名所」が誕生しそうだ。それは、同市在住の建築家ビエルン・ジームゼンさん(35)が、家族5人で仲良く暮らそうと自ら設計を手掛けたマイホーム。でもこれがただ者ではない。何と、欧州で最も幅のせま〜い小屋、失礼、家なのだ。

まずは想像してほしい。家の正面側の幅は4.5メートル。まあこれはいい。でもひとたび玄関から中に足を踏み入れたらさあ大変。奥に進むにつれてだんだん両側の壁が近づいてきて…、たどり着いたそこは、幅がわずか80センチしかないのだ。

数年前から、2軒の家に挟まれた空地の前を通るたび、建築家魂がメラメラ燃えたというジームゼンさん。敷地面積29平方メートルというこのささやかな三角地帯を破格の値段で購入し、夢のマイホーム作りをスタートさせた。

最短幅が80センチという家は、もちろんギネスもの。現在ドイツにおける「最も幅が狭い家」は、幅2.05メートルというアイゼナハにある築200年の木組みの家。他国の強豪はというと、ロンドンに幅1.52メートルの5階建ての住宅が、またアムステルダムには幅2.02メートルの切妻造りの家があり、互いに「うちの方が狭いんだよ!」と自慢にもならない自慢をしているらしい。でも君たちのトップ争いもここまで。何たってジームゼンさんとこは、もう一度言うけど、たったの80センチなんだもん!

さてここで、この家の間取り図を紹介しよう。土地が狭いのだから、当然その分上に高くなる、というわけで家は6階建て、見晴らしバッチリの屋上テラス付きだ。1階にはゴルフ車が1台ちょこんと収まるガレージ、2階から4階は寝室、5階はキッチンで最上階がリビングだ。バスルームは部屋の最も狭い部分に配置されている。各階はかなり急な階段でつながっているが、「いい運動になるよ」とポジティブなファミリーだ。

現在は工事の真っ最中、6月頃に完成するという。着々とその全貌を露にするこの風変わりな建築物に、道行く人々も興味津々。今度キールを訪れたら、あなたも立ち寄ってみる?

「Die Welt」紙
Veruecktes Gebaude- Ein Kieler Architekt baut das wohl schmalste Haus Europas



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:55
 

フランス国民の英雄死す from France

ピエール神父 フランス大統領選まで残すところ数カ月。新聞、テレビなどのメディアが連日、次期大統領候補として有力視されるサルコジ、ロワイヤル両氏を取り上げる中、1月22日のニュースはこの2人ではなく、温厚な顔にサンタクロースのような白ひげをたくわえた老人の話題で一色となった。

話題の主は、慈善団体「エマウス(Emmaus)」の創設者で、路上生活者の救世主「ピエール神父(本名アンリ・グルエス)」。こじらせた風邪の治療のためにパリ市の病院に入院していたのだが、容態が悪化し、94歳で亡くなったのだ。

ピエール神父は1912年、フランス南東部リヨンで生まれ、30年にカトリック教会カプチン会の修道院に入った。第二次大戦中は、迫害されたユダヤ人の国外逃亡を手助けし、終戦後に生活弱者の保護と支援協力の為に「エマウス」を設立した。

主な活動は、不用品の回収と再販売。衣類や雑貨から家電製品に至るまで、一般家庭で不要となった品物を分別・修理してリサイクルするのである。また、ホームレスや貧困にあえぐ人には仕事を提供したりと、まさに弱者の味方であった。その後、エマウスの運動は世界各地に広まり、団体名も「エマウス・アンテルナシオナル(Emmaus International)」と代わり、41カ国、299の支部団体と122の関連団体で運営されている。

エマウスがこれほどの規模にまでに成長したきっかけは1954年冬のこと。パリでアパートから追い出された女性が路上で凍死したニュースに、ピエール神父が激怒! ラジオを通じて路上生活者のための救援を全国の視聴者へ呼びかけたことで、エマウスの存在が知れ渡るようになった。神父は日曜に発行される「ジュルナル・ドュ・ディマンシュ」紙が定期的に行う著名人ランキングでも常に首位を争う人気者だった。

亡くなった翌日23日の新聞や雑誌はこぞって偉大な英雄を偲んだ。あるホームレスは、「寒さで凍え死ぬつらさよりも、彼を失ったことの方がつらい」と語っている。

ピエール神父のご冥福をお祈りします。

「Libration」紙ほか
Saint domicile fixe



最終更新 Mittwoch, 14 März 2007 12:55
 
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