Hanacell
ヨーロッパ三面記事


ゲイだから国籍剥奪 from France

愛し合う気持ちはあるのに……
愛し合う気持ちはあるのに……
37歳のフランス人男性フレデリックさんが、フランス国籍を剥奪された。その原因はというと、長年恋人だったオランダ人の「彼」とオランダで結婚し、同国の国籍を取得したため。「普通」のカップルであれば、まずあり得ない事件だ。

1985年にフランスとオランダの両国が締結した取り決めによると、フランス人がオランダ国籍、オランダ人がフランス国籍を取得した場合、それぞれもとの国籍を失うことになっている。ただ、それが両国間で結婚しているカップルとなると話は別。本人が望めば、自国と相手国の二重国籍を持つことが認められているのだ。

ところが前述のフレデリックさんは、同性カップルの結婚が認められているオランダでオランダ人と正式に結婚したにも関わらず、フランス領事館に国籍を取り上げられてしまった。なんでも、フランスは同性同士の結婚を認めていないため、フレデリックさんは「独身」という扱いになってしまったのだという。

フレデリックさんは当然、この事態に驚きを隠せない。「僕の愛と結婚を認めてくれた国のパスポートを持ちたい」との理由でオランダ国籍を取得したが、「ロリアン(ブルターニュ地方の港町)で生まれ、家族はみんなフランスにいる」という彼にとって、フランス国籍を捨てるという気持ちは全くない。今は「自分の国に見捨てられた気持ちがするが、僕の判例がフランスの法律を変えるきっかけになればいい」と語るのが精一杯のようだ。

フランスには自由な恋愛が尊重される国としてのイメージがあるけれど、同性カップルへの理解についてはまだまだ他の欧州諸国に遅れをとっている。人権団体は「この非常に屈辱的な決断にショックを受けている」と抗議、与党UMP(国民運動連合)のとある議員さえ「極端に保守的」とこの状況を批判している。

そんなフランスとは対照的に、オランダではますますゲイ・パワーが炸裂中。ゲイ・ピープルを対象とするテレビやラジオ番組が今夏にも次々スタートするという。ショック状態のフレデリックさんも、そんな新番組に少しは慰められるといいのだが。

「Libération」紙
"Mariage gay, la France face au cas Minvielle" ほか



最終更新 Donnerstag, 05 Juni 2008 14:53
 

牛を逮捕した警官 from UK

事件を起こしたのは牛だった
事件を起こしたのは牛だった
日本の主要都市と比べると、やはりずっと治安の悪い印象のあるロンドンでの警官の仕事は、実際かなりハード。道端での乱闘の仲裁から麻薬密売の取り締まり、銃撃事件の捜査まで、市内でパトカーのサイレンが聞こえない日はないと言ってもいいほどだ。

さて、ロンドンの警察官が忙しい毎日を送っている間、スコットランド南部の田舎町ガラシエルズでは、ある1人の警官が表彰を受けていた。彼の功績とは、地元市民の人命救助。そしてその市民の命を奪おうとした犯人とは、なんと牛である。

事件そのものが発生したのは、今から1年半程前。町内の農家から、大きな角を生やした牛が逃げ出した。なんでも、農家の人が手をかけようとした瞬間、怒り狂った牛が小屋を飛び出して、市道に向かって走り出してしまったんだという。

この騒ぎを聞きつけた地元の警官数名がさっそく現場に駆けつけたところで、勝負開始のゴングが鳴った。警察チームは何とかこの牛を捕獲しようと乗用ワゴン車で追い掛け回すが、牛は角で車に体当たりをするなどして応戦。これに負けじと警察は、とある小さな庭の中にまで牛を追い込んだ。

だが、ここでさらなるトラブル発生。この庭の生垣の向こう側から、騒ぎを観戦していた老人がいたのだ。しかも問題の牛は庭の柵を超えて、老人に向かって突進。ご老人にとってはまさに絶対絶命のピンチが到来した。

ここで登場となったのが、デレック・ターンブル警官である。勢いよく飛び出した彼は、すぐさまその老人を抱きかかえながら生垣を超えて避難に成功。その間に彼の同僚が車で牛をコーナーに追い込み、見事捕獲した。そして地元警察は今年になって「自らの命を顧みず人命を救助したことは特筆に価する」と表彰することを決定したというわけ。

ちなみにこのターンブル警官、実はかつてスコットランドのラグビー代表を務めていたほどの運動神経の持ち主で、しかも農家育ち。彼の「牛なんか恐るるに足らず」とのコメントに、地方警官のたくましさを感じるではないか。ターンブル警官とガラシエルズ市民に幸あれ。

「BBC Online News」
"Policeman tackled 'enraged' bull"



最終更新 Donnerstag, 05 Juni 2008 14:54
 

失業手当で月額4500ユーロ! from Germany

働かなくても大金が手に?
 働かなくても大金が手に?
無職でも月額4492ユーロ(約72万円)の手取り収入! なんと夢のような話だろう。いや、これが驚くことに現実なのだ。それも支払者は、連邦雇用庁。ベルリンに住む40代前半の男性の口座には、2005年以来毎月、失業手当として上記額が振り込まれていたのである。

4492ユーロの内訳はというと、家賃と光熱費が1300ユーロ、夫妻の生活費として624ユーロ、15歳未満の子ども1人あたりに208ユーロ、15歳以上の子ども1人あたりに278ユーロなど……。これがなぜ約4500ユーロもの高額になるのだろうか。実はこの男性には子どもが11人いるというのが「からくり」。15歳未満が7人、15歳以上が4人で、締めて4492ユーロになるという寸法だ。

この男性家族のほかにも、9人の子どもを持つ、とある男性の家族は月に約3846ユーロを受給、子どもが10人いる別の家族には、月額平均3533ユーロが給付されるなど、国内には子だくさんの「高額収入失業者」が大勢いるという。

ちなみに、定職に就くベルリン市民の平均月収は2549ユーロ。しかも注意していただきたいのはこの金額、手取りではなく税込みだという点だ。ドイツでは所得の実に52%が税金、社会保険料で消えてしまうから、手元に残るのはスズメの涙……。子どもがいる場合は、児童手当(最高25歳になるまで月額154ユーロ)を受けられるが、これを加味しても、なんとも報われないではないか。

雇用庁のヴァイゼ長官も、「コツコツ働くよりも、失業者でいるほうが魅力的な場合もある」と認めざるを得ない状況。さすがは福祉大国ドイツ! なんて、感心してはいられない。まじめに働いて、税金を払って、少ない手取りでやりくりしている人が、ばかを見るというのだろうか!?

とはいえ、現実はそれほど甘くはない。改善の兆しが見えつつあるとはいえ、まだまだ厳しいドイツの雇用状況。前述の9人の父親は先日、見事に再就職を果たしたとか。収入は減ることになったかもしれないが、失業中のほうがいいなんて言ってはいられないのが、ドイツの現実だ。

「Bild.de」
"Berliner hält Hartz-IV-Rekord!"



最終更新 Dienstag, 27 Mai 2008 18:56
 

プロのテニス選手が54連敗を達成 from UK

プロ選手といっても、表彰台に上がることが出来る者はごく一部だ
プロ選手といっても、表彰台に上がることが
出来る者はごく一部だ(写真・共同)
英国人って、わいわいがやがやと騒ぐわりにはスポーツが弱い。フーリガンの母国のくせにサッカーの国際大会におけるイングランド代表はいつも期待外れだし、テニスでは地元開催のウィンブルドン選手権でさえも英国人選手の活躍を目にする機会はもうなくなった。そんなスポーツ弱小国の英国で、さらに駄目押しとなるテニス選手が現れた。

イングランド東部ケント州出身の21歳、ロバート・ディー選手のことである。プロのテニス選手として活動する彼のこれまでの戦績は、54戦54敗。しかもすべての試合でストレート負けというから、その負けっぷりも堂に入っている。プロ・デビューしてから3年越しとなるこの連敗街道は、一説によると数年前に中米グアテマラ出身の選手が打ち立てた54連敗に並ぶタイ記録。つまりあと1回負ければ同記録の更新を達成するという、かなり不名誉なチャンスに恵まれたことになる。

ところが、記録達成間近というところで勝利の女神が血迷った。4月中旬にスペインのバルセロナで開催された大会において、17歳の米国人選手を相手にディー選手がついにプロとしての初勝利を挙げてしまったのだ。試合後には、「ここ数カ月は、絶対に勝てるという自信に満ち溢れていた」と一丁前のアスリートぶったコメントを残したディー選手。だが喜びも束の間、次の試合ではやっぱりストレート負けを喫し、新たな連敗記録達成に向けて既に走り出している。

繰り返すが、彼はプロのテニス選手である。毎日5時間の練習を積んでおり、海外での経験もかなり豊富。これまでオランダ、ノルウェー、ポルトガル、米国、コロンビア、ベネズエラ、イラン、ボツワナ、ルワンダ、スーダン、セネガル、南アフリカと、世界中を遠征している。

そんなに練習しても勝てないのだから、やっぱり才能がないんじゃ……と並の人間なら思ってしまいがちだが、流通会社を経営する同選手の父親アランさんは「(息子が)成功すると信じている」と断言。彼のテニス教育に対して多大な財政支援を行っているという。

ディー選手は、親孝行のためにもまだまだテニスを続ける必要があるようだ。

「Independent」紙
"World's worst tennis pro finally wins a match" ほか



最終更新 Dienstag, 27 Mai 2008 18:58
 

科学者が生んだ未来の動物たち from France

科学者が生んだ未来の動物たち
 未来のジャングルではタコ足のサルに会える
 ©F. Juille - ©The Future is Wild Limited/
 Pictural Charts Educational Trust/Studio
 Ludo/Artefacto/Getty Images.
フランス西部ポアトゥー・シャラント地方のポワティエにある、近未来テーマパーク「フュチュロスコープ(Futuroscope)」に、今年の春から新しいアトラクションが追加され、話題になっている。内容はヴァーチャル・リアリティーの最新版といった趣きで、そこで使われる映像に登場するのは、想像上の未来の動物だ。

この新アトラクション、名前は「2億年後の地球でのサファリ・ツアー」。既に人類は滅び、火を吹く鳥や虹色のイカなど、見たことのない奇妙な動物たちがジャングルや海、砂漠などを占拠しているという設定になっている。

このアトラクションには、専用のゴーグルとハンドセンサー内蔵の専用グローブを着用して参加する。ゴーグルからはコンピューター・グラフィックスによる疑似世界が映し出され、目の前を奇妙キテレツな姿の動物たちが走り回る。さらに、専用グローブを付けた手を前に出すと、疑似世界の動物に触れたり、エサをやったりすることが出来るというのだから本格的だ。

アトラクションに登場する動物は、地理学、気候学、動物学に基づいて作り出された、れっきとした研究結果とのこと。可愛いというよりはグロテスクな動物の方が多いが、怖いもの見たさも手伝ってか、いつの間にかハマッてしまいそうな独特の魅力がある。画面を食い入るように見つめる参加者の中には、思わず椅子から飛び上がったり、声を出して笑ったりする人も。

「さすが芸術の国フランスの科学者は想像力が優れている」と感心してしまいたくなるような遊び心いっぱいのアトラクションだが、実はこのアイデア、2005年の愛知万博で紹介されていた日立パビリオンがヒントになっているのだとか。科学技術の進歩は日本がフランスよりも3年は進んでいると言われているが、それが今回、はっきり証明された形になったわけだ。

だからといって、それでフランス人が想像する未来の動物の魅力が失せるかと言えば、それは別の話だ。亀の甲羅を背負った恐竜などのデザイン・センスは、まさにシュールな国、おフランスのお家芸と言えるかも!?

「Le Monde」紙
"Des Sientifiques imaginent les animaux du lointain avenir" ほか



最終更新 Dienstag, 27 Mai 2008 18:59
 

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