Hanacell
ヨーロッパ三面記事


ドイツ人だって、野球はできる! from Germany

松坂のような投球はやっぱり無理?
松坂のような投球はやっぱり無理?
(写真・共同)
生まれてこのかた野球のボールを投げたことがない、という典型的なドイツ人であるフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党=SPD)が、米大リーグ、ボストン・レッドソックスのスタジアムで始球式を務めた。その結果とは……。

試合は、往年のライバル同士であるレッドソックス対ニューヨーク・ヤンキース戦という大舞台。4万人を数える熱狂的な大観衆が見守る中で、シュタインマイヤー外相がヨレヨレのボールを投げたりしたら、ファンからのブーイングは必至という状況だった。ライス米国務長官は冗談交じりにもこれを懸念して、「あなたやめておいた方がいいわよ」と言ったとか。

だが、そんな助言にも聞く耳持たず。レッドソックスのシンボルカラーである真っ赤なスタジャンに身を包み、腕には赤い靴下を巻いたスタイルで登場したシュタインマイヤー外相。SPDのシンボルカラーと同じだからか、ジャーマン・インターナショナル・スクールの女子生徒2人に導かれたからか、マウンドに立った姿は案外リラックスしているようだった。そして、いざ投球開始。

意外にも、ボールはキャッチャー・ミットにスポン! レッドソックスのキャッチャーからは、「初めて野球したとは思えない」とのお褒めの言葉をもらったそう。観客からは拍手喝采。シュタインマイヤー外相も満足気なようで、声援に笑顔で応じていた。

ちなみにシュタインマイヤー外相に自重を求めていたライス国務長官は、彼がこける姿を生で見るのが怖かったからか、後で動画投稿サイトの「YouTube」を見て彼のピッチング・フォームをチェックすると言っていた。さてさて、スポーツを通して米国人のハートをキャッチすることに成功したシュタインマイヤー外相への評価は、何点だっただろうか。

一応念のために言っておくが、今回の米国訪問においてシュタインマイヤー外相は、ライス国務長官とチベット問題、北京五輪などに関して話し合ったほか、初の黒人大統領になるかと注目されているオバマ氏とも電話で会談を実施した。野球だけでなく、本業の政治も立派にこなしてきたようです。

「ZDFheute.de」
"Beim First Pitch wird Steinmeier zur Roten Socke"



最終更新 Freitag, 16 Mai 2008 11:17
 

「国境なき記者団」が抗議で大儲け? from France

女優キャロル・ブーケのポスターの横で微笑むメナール氏
女優キャロル・ブーケのポスターの横で
微笑むメナール氏
(写真・Hajime YANAGISAWA)
8月に開催される北京五輪を前にして、注目を集めている国際的なジャーナリスト団体「国境なき記者団」。彼らは言論の自由を求めて聖火リレーを妨害するなどの活動を行っているが、某仏大手新聞紙によればこの運動によって同団体はかなりの高所得を得ているという。

創設者のメナールさんを始めとする「国境なき記者団」は、そもそも世界各国においてどれだけ言論の自由が確保されているかを監視する番犬的な役割を担うために発足した。このため、これまでの同団体による主な活動は、取材国のジャーナリスト受け入れ状況のレポート作成や、取材国で拘束されたジャーナリストの家族への支援などが中心となっていた。

ところが五輪開催が近付いても、中国ではいまだに海外メディアに対する規制がゆるむ気配はない。そこで「国境なき記者団」は五輪の輪を手錠に見立てたデザイン・ロゴを作成し、本格的に中国を糾弾する方針を決めた。そして同ロゴの入ったTシャツなど関連グッズは、聖火リレー妨害のたびにテレビ放映されたために注目を集めるようになり、関連筋の情報によれば既に100万ユーロ(1億6000万円)の売り上げを記録しているという。

いまや「国境なき記者団」も世界に130支部を構える大きな団体となった。それだけの規模を支えるには、多大な活動資金が必要だ。そういった意味で、Tシャツ販売も理にかなっていると言えなくもないが、一部のメディアでは「メナール氏は、商人の息子だからビジネス・センスだけはある」などと揶揄する向きもあるよう。確かに中国糾弾キャンペーンのポスターには、有名なテレビ・キャスターやフランス人俳優などが起用されるなど、マーケティング志向が強いのも事実。妬む声が出るのも無理はない。

ちなみに、「国境なき記者団」が販売するTシャツはインド製。大阪人なみに商売にはとことん執着する中国人も、さすがに自国をバッシングするグッズは作れなかったのだろう。さらにインドといえば、ダライ・ラマ14世率いる亡命政府の受け入れ国でもある。様々な論議を呼ぶ、インド製Tシャツの効果はいかに。

「La Figaro」紙
"Révélations sur le financement de RSF" ほか

関連記事: フランスニュースダイジェスト特集
「言論と報道の自由を守るために 国境なき記者団」



最終更新 Freitag, 16 Mai 2008 11:13
 

職業は「飲み友」(!?) from UK

職業は「飲み友」(!?)
 ビールを飲んで7ポンド!
お得なフラット情報など意外な掘り出し物が見つかることの多い街の掲示板。英南岸ハンプシャーのとある郵便局の掲示板に最近、夢のような広告が張り出され、話題を呼んでいる。

その広告とは、「パブでの飲み友募集」というもの。一見するとただの友達募集広告のようにも思えるのだが、これは時給7ポンドで経費(ビール代)込みというれっきとした求人広告なのだ。

この広告主は、ジャック・ハモンドさんという88歳のおじいちゃん。故郷の街では仲間と一緒に週4回はパブ通いをしていたというハモンドさんだが、息子夫婦が暮らす街の近くにある老人ホームに入居してからというもの、一緒にパブでパイントを楽しめる仲間がいないことに不満を抱えていたようだ。ホームに入居している人間は一人を除きみな女性で、パイント仲間としてはちと微妙。そして唯一の男性入居者とも馬が合わない(?)ことから「いっそのこと街中の人に呼びかけてみよう」とまずはボランティアを募集したが、最終的にこの求人広告張り出しとなった模様だ。

何らかの理由でパブ仲間を失くした老人が孤独感にさいなまされることはよくあることのようで、チャリティー団体、エイジ・コンサーンのダイレクターは、「家にこもることなく、仲間探しのイニシアティブをとるのは素晴らしいことだ」と感心しきり。

さて肝心の応募者だが、現在4名が「面接」のドリンキング・セッションを控えているとのこと。78歳になってもまだ車の運転が大好きという男性が第一候補になっているようだが、まだ募集は締め切っていないとか。第二次大戦中にはエンジニアとしてボンベイとクアラルンプールに駐留したというハモンドさんは、戦争にまつわる話やエンジニア系のテクニカルな話題を語れる仲間を欲しがっている。こういう話題はわれわれ日本人にはちょっとヘビーかも知れないが、ハンディキャップ6という素晴らしいゴルフの腕前もお持ちのようなので、ゴルフとビール好きのそこのお父さん、英語の勉強がてら、ちょっと応募してみてはいかが?

「Times」紙 "Position vacant: £7 an hour. Person to drink beer"



最終更新 Freitag, 16 Mai 2008 11:14
 

シロクマ・ブームの裏に潜む金銭争い from Germany

シロクマ・ブームの裏に潜む金銭争い
 シュタイフ社からもクヌートのぬいぐるみ
 が限定発売された
その愛らしさで万人を魅了し、ドイツだけでなく日本にまでシロクマ・ブームをもたらしたベルリン動物園の「クヌート」。今や立派に成長して「愛らしい」面影はなくなってしまったうえ、ニュルンベルク動物園とシュトゥットガルト動物園で昨年末、「フロッケ」と「ヴィルベア」という若き強力なライバルが誕生したが、なんのその。ドイツではドキュメンタリー映画「クヌートとその友達(Knut und seine Freunde)」が封切られるなど、元祖の人気は今も健在だ。でもこの裏で、金銭をめぐるドロドロの争いが繰り広げられていようとは……。

事態の全貌を掴むには、まずクヌートの生い立ちから。クヌートは2006年12月、ベルリン動物園内で父親ラースと母親トスカの間に生まれた。同園でシロクマの赤ちゃんが誕生したのはなんと33年ぶり。そして母トスカが育児を放棄、飼育係のトーマス・デルフラインさんが育てることになったことも相まって、世界中から注目を浴びることになった。

クヌートの愛らしさに惹かれて殺到した来園者は、これまでに約300万人。入場料のほか、キャラクター・グッズの販売などでクヌートが稼いだ金額は、ざっと500万ユーロ(約7億9000万円)にもなるというから恐れ入る。

そして時をさかのぼること1999年、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州ノイミュンスター。当地の動物園がベルリン動物園に雄のシロクマを貸し出した。雄のシロクマはそこで運命の相手に出会い、子どもに恵まれる……。

もうお分かりだろう。雄のシロクマはラース、そう、クヌートの父親だったのだ。そこでノイミュンスター動物園が、同園もクヌートの所有者であると主張。クヌートの稼ぎの一部を得る権利があるとして、分け前を要求しているというわけだ。

これだけの大金を前に欲が出てしまうのは人間の性……と言いたいところだが、愛らしい子グマの笑顔も台無しとなってしまう、なんとも醜い争い。ドキュメンタリー映画のヒットは確実。そして4月にはクヌートの記念切手も発売されるという。さらなる利益をもたらすこと必至なクヌートをめぐる争いは、ブームとともに続いてしまいそうだ。

「SPIEGEL ONLINE」
"NEUMÜNSTER VS. BERLIN Millionenstreit um Eisbär Knut geht weiter"



最終更新 Mittwoch, 23 April 2008 19:34
 

「世界一の交通機関」を海外にアピール! from UK

「世界一の交通機関」を海外にアピール!
 昨年のインド訪問時には1億円以上を使った
 リビングストン市長
 Picture by: Manish Swarup/AP/PA Photos
昨年、某旅行サイトが企画した「世界一の交通機関」投票でロンドンの交通網が「世界一」に選ばれ、鼻高々だったケン・リビングストン・ロンドン市長。目立ちたがり屋の同市長が今回、よせばいいのに「世界一」の素晴らしさを世界にお披露目しようと、オリンピックとロンドン交通機関を無理矢理結びつけるという大プロジェクトを立ち上げた。ちなみにこの「オリンピック」とは、2012年のロンドン五輪ではなく、今夏開催される北京五輪である。

市長が考案したプロジェクトとは、ロンドンから北京までを、ロンドン交通機関の「アイコン」とも言えるダブルデッカーで走破しようというもの。出発予定は6月。8月の北京五輪の閉会式に間に合うよう、3カ月の行程で陸路を行く。気になるご予算は何と45万ポンド(約9200万円)なり!この費用は、ロンドン交通局(TfL)とロンドン五輪関係者が負担するという。予算が足りないといっては毎年運賃値上げを断行するTfLと、当初より4倍近く膨れ上がった予算に非難轟々(ごうごう)のロンドン五輪。一体どこにこんなお金を出す余裕があるのだろうか……。

当然のことながら、このお祭り計画には「時間と金の無駄使いだ」との声が続々。影のオリンピック相、ヒュー・ロバートソン氏は「くだらないPRに金を使うくらいなら、ロンドンにおける草の根スポーツの振興活動に使った方がずっとましだ」と断罪。環境政党、緑の党ロンドンのダレン・ジョンソン氏は、「ロンドン五輪でロンドンにやって来る人たちをどうやって飛行機ではなく、列車で来させるかを考えるべきだ」とエコの視点から批判した。

しかし、何を言われてもめげない、というより馬耳東風なのがリビングストン市長。「深まりつつある英国と中国の文化的、経済的絆を称えるのに、世界に誇る我々の交通機関を利用することほどピッタリの方法はないだろう?」と、自らのアイデアにすっかりご満悦だ。毎日何かしらの交通トラブルに見舞われても、驚くべき忍耐力で耐え続けるロンドナーたち。果たして今回も、じっと忍の一字なのだろうか……?

「Evening Standard」紙
"£450,000 to drive bus to Beijing"



最終更新 Mittwoch, 23 April 2008 19:33
 

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