Hanacell
ヨーロッパ三面記事


さよなら「マインド・ザ・ギャップ」 from UK

さよなら「マインド・ザ・ギャップ」
 「ギャップ」にはまってしまったのは
 エマさんの方だった!?
 © britainonview/FCO/Damir Fabijanic
ロンドン在住者なら誰でも一度は耳にする「マインド・ザ・ギャップ」と言えば……。そう、地下鉄内で流れるあのお馴染みのアナウンスだ。このアナウンスが近い将来、変わることになりそうだ。というのも、アナウンス担当の声優エマ・クラークさんが自身のウェブサイトで地下鉄アナウンスのパロディーを披露したことで、ロンドン地下鉄(TfL)が彼女をクビにしたと発表したからだ。

1999年からTfLのアナウンスを担当しているエマさん。商売ものの声を利用して、地下鉄アナウンスのパロディーをウェブにアップロードしたまでは良かったが、このパロディーに目をつけたメディアとのインタビュー内で「昔は毎日地下鉄に乗っていたけど、もう利用していないわ。だってサービスが最悪なんだもの」と発言。どうやらこれがTfLの怒りを買ってしまった模様。

エマさんは、「最悪と言ったのは、地下鉄内で自分の声を聞かなくてはいけないことに対してよ」と誤解を解こうと試みたが、TfLは聞く耳を持たなかったよう。そして皮肉なことに、エマさんが自身の解雇を知ったのは新聞記事を通してだったという。

「TfLのサービスをプロモートする立場にありながら、その立場をわきまえた行動をとらなかったことが解雇の原因」とTfLは解雇の正当性を主張しているが、第三者の目から見ると、正しい批判であるがゆえにヒステリックに過剰反応してしまったように見えるのは気のせいか。ちなみにエマさんのアナウンスは、ふさわしい後任者が見つかるまでは利用されるということだ。

最後に、気になるエマさんのパロディーの一部を披露しよう。「米国人の乗客の皆様にお知らせです。地下鉄内ではもう少し小声で話しましょう」「新聞を読んでいるフリをしている男性客の皆様、女性の胸元を眺めるのは変態行為なのでおやめください」「数独に熱心になっている乗客の皆様、それはただのパズルです。数字が羅列されているからといって、賢くなった気分になるのはお控えください」などなどウィットに富んでいるものが揃っていた。

「Times」紙 "How Tube announcer lost her platform"



最終更新 Mittwoch, 09 Januar 2008 14:30
 

スーパー、ハイディ!! from Germany

スーパー、ハイディ!!
「Max」12月号、表紙を飾るのは
もちろんハイディ
うわー、奇麗すぎる……。ファッション誌「Max」を見て目がくぎ付けになった。そこに写っているのは、ドイツが誇るトップモデルのハイディ・クルム。透き通るような、いや本当にスケスケに透き通ったなめらかな布のみをゴージャズな肢体にさらりとまとい、こちらをぐっと見据えている。念のため言っておけば彼女は34歳、しかも3人の子持ち。

昨今、そんなハイディの快進撃が止まらない。テレビやファッション誌で彼女の姿を見ない日はないほどだ。そしてこのほど、これでもかとばかりにその磨きのかかった抜群のプロポーションを改めて見せつけ、メディアを沸かせたのが「Max」である。

撮影が行われたのは米リゾート地のマリブ、撮影者は英人気フォトグラファーのランキン氏だ。テーマは「現代版マリリン・モンロー」。1950年代のセックス・シンボルであるモンロー最後のシューティングと言われるフォト・シリーズ「Last Sitting」の中で、彼女が取っていたポーズにインスピレーションを受けて生まれた企画だという。全11ページにわたり、ほぼ何も身に付けていないハイディのカットが掲載されたが、そのうち8ページはほとんど写真のみと、扱いもゴージャスだ。とは言え、当の本人はあっけらかんとしたもの。「ほとんど何も着なかったから楽チンだったわ!」なんて、余裕である。

先日はランジェリー・ブランド「Victoria's Secret」が誕生25周年を迎え、米ハリウッドのコダック・シアターにトップモデルが集結、カメラマンのフラッシュを浴びていたが、ハイディの立ち位置はもちろん真ん中だった。世代交代がどの業界よりも早そうなモデルの世界で、ハイディはもはやお局、いやイコン的存在に達したのか。まあ、そうは言っても我らがハイディ、もとはケルン近郊のベルギッシュ・グラッドバッハと、かなり渋い地方の出身なのはドイツでは周知の事実。カーニバルでは旦那の英国人ミュージシャン、シールと一緒にまた山車に乗るのかな。そんな庶民的なところが憎めないのよね、ハイディって。

「Focus」紙 "Auf den Spuren der Monroe"



最終更新 Mittwoch, 02 Januar 2008 13:49
 

ハリポタの魔法で成績アップ! from UK

ハリポタの魔法で成績アップ!
あなたなら誰になりたい!?
Photo: Murray Close Copyright:
Warner Bros. Pictures 2007.
Publishing Rights © J K Rowling.
イングランド中部の街、ノッティンガムのとある小学校で、大人気小説「ハリー・ポッター」の魔法が子供たちの学校生活を一変させた。ロバート・メラーズ小学校は、数年前まで英国で最も算数の学力の低い学校だった。しかし現在では独創的な教育方法が取り入れられたおかげで、その成績は全国でも上位25%に急上昇。さて、一体どんな授業が行われているのか。

朝8時半、この学校では子供たちも教師も、「ハリー・ポッター」のお気に入りキャラクターの衣装をまとって授業を開始する。教師が「さあ、今日は逆数の勉強をしましょう」と言うと、子供たちはハリポタ帽を被って杖を握り、教科書に向かうという次第。難しい問題に出くわしたときには、「ヌメルス・サブトラクティカス!」と呪文を唱えて杖を振れば、あら不思議! 超難問も簡単に……。

この学校では、ハリーの通うホグワーツ魔法魔術学校と同様、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンの4つのクラスに分けられており、算数のみならず、すべての教科に「ハリー・ポッター」が取り入れられている。国語では「ハリー・ポッターと賢者の石」の一章を脚本に仕立てる授業が行われ、体育ではホウキにまたがってバランスの訓練。地理では、自分たちが暮らす街とハリー・ポッターに出てくるロケーションを比較し、ITではホグワーツ魔法魔術学校のバーチャル体験をする。こんな独創的な授業に、子供たちは「楽しくて簡単」と大喜び。

喜んでいるのは子供たちだけではない。ダンブルドアならぬ、ドナ・チャンバース校長(もちろんハリー・ポッターの衣装を着用)も「子供たちは学ぶことを楽しんでおり、また自分が学んだ内容を信じています。そうやって自然に国が定めた通常のカリキュラムもこなしているんです」と語っている。こうした「ハリー・ポッター」授業の効果には、教育水準査察院、Ofstedも注目。算数の授業を見学した査察官は、「引き算が魔法のように出来てしまう。授業態度も最高水準だし、生徒が楽しんでいるのがよく分かる」と絶賛した。教育水準の低下が心配されるなか、魔法の授業が英国の教育の未来を救うかもしれない。。

「Times」紙など "Being wizard at maths is magic for failing school"



最終更新 Mittwoch, 02 Januar 2008 13:49
 

客引きしたら、罰金3750ユーロ!! from France

客引きしたら、罰金3750ユーロ!!
セックス・ワーカーの悩みは
尽きない
先日、パリの売春婦(夫)たちがエイズ撲滅運動協会、公衆衛生委員会、外国人の権利を守る会、ソーシャルワーカーなどのメンバーと一緒に赤い傘をかざしながら、パリの元老院(上院)前で「客引きに関する刑罰」に反対するデモを行った。

この刑罰は、サルコジ大統領が内相時代の2003年に制定された「国内治安法」によって定められたもので、これ以降「客引きをすると禁固2カ月、罰金3750ユーロ(約61万円)」の刑罰が科されることになった。これを受けて、この法律の施行前はパリの大通りで客引きをやっていた「セックス・ワーカー」たちは検挙を恐れてパリの郊外へと移動。その結果、売春婦(夫)たちのサポートをするソーシャルワーカーが立ち会う機会も減ってしまい、彼ら売春婦(夫)たちの立場はより脆弱なものになってしまった。

今回デモに参加した売春婦(夫)たちは「問題なのは売春ではなく、その条件だ。私たちは奴隷になるのなんかゴメン。私たちの仕事について知ってもらい、労働条件を高めるために戦っている」と言う。売春を斡旋する業者や、売春婦(夫)を買う客に対して罰則を定めることなく、一番弱い立場であるセックス・ワーカーたちだけを攻めるのはいかがなものか。

フランスでは第二次大戦後に売春宿は禁止されたものの、03年まではさまざまな理由から売春は認められていた。街娼が職業として成り立っていた背景を省みずに刑罰を科したところで問題は解決しない。それにしても、「客引きをすると禁固2カ月、罰金3750ユーロ」とはなんともはや。よっぽどの高級娼婦でない限り、いくら働いても赤字続きになってしまう。「人生最古の職業」とされる売春業だけれど、売春婦(夫)の皆さんも、このままだと商売あがったりだ。

法律を制定した張本人であるサルコジ大統領は、元妻のセシリアさんに離婚の慰謝料を払うためか、最近「英独首相並みに」と給料倍増を要求したばかり。給料アップもいいけれど、大統領、並びに元老院の先生方には是非、頑張って日夜働く国民の声に耳を傾ける時間をとり、すみやかに善処して欲しいものだ。

「Parisien」紙 "Les prostituees ≪racolent≫ les senateurs"



最終更新 Mittwoch, 02 Januar 2008 13:49
 

アンディとともに過激イスラムに立ち向かえ from Germany

アンディとともに過激イスラムに立ち向かえ
マンガで宗教問題をお勉強
大人も子どももこぞってマンガを読むマンガ大国日本ならば、マニュアルはもちろん、政府が発行する白書にまでマンガを使って「分かりやすく」説明するのは当たり前。一方、「マンガ後進国」を自負するドイツでも、昨今では日本のマンガが若者を中心にじわじわと人気を集めており、それにあやかろうと青少年を過激イスラムの手から守る手段として、お役所が日本風コミック仕立てのパンフレットを作成し、話題を集めている。

ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州の内務省が生んだ正義のヒーロー、その名もアンディ。15歳の、バスケットボール好きで、どこにでもいそうなドイツの現代っ子だ。アンディは、友人のムラトが外国人であるがゆえに職業訓練先を見付けられず、彼をテロの手先として使おうとたくらむ過激イスラムの指導者に洗脳されて変貌していく様子を目の当たりにする。

友人のそんな姿が心配になるというだけでなく、ムラトの妹、アイシェに恋しちゃったからにはますますムラトを放ってはおけない。仲間から遠ざかろうとするムラトを引き戻すべく、手を尽くすアンディ。そんなアンディに暴力で対抗する過激イスラム組織の考え方にムラトも疑問を抱くようになり、最後はめでたく悪の手から逃れる、という筋書きだ。

ドイツ人のペーター・シャーフ氏によるマンガで、若者が手にとりやすいよう親しみやすいデザインになっているうえ、イスラム教と過激イスラムの違いやジハード(聖戦)など日頃よく耳にする言葉も詳しく解説されている。

製作にあたってNRW州は5人のイスラム専門家とストーリーのコンセプトを練ったという。インゴ・ヴォルフ内務相は「アンディは反イスラムなのではなく、逆にファナティズムの恐ろしさを説く存在」と説明している。

過激イスラムといえばインターネットなど「西洋の技」を駆使した扇動的なプロパガンダで社会からはみ出した人々を取り込んでいくことで知られるが、今回のNRW州の試みは、マンガという「東洋の技」で対抗しようというもの。果たしてどちらが若者の心を捉えるか。

「Westdeutsche Zeitung」紙 "Andi kaempft gegen Islamisten"



最終更新 Mittwoch, 21 November 2007 14:00
 

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