Hanacell
ヨーロッパ三面記事


マイ皮ズボンよ、いずこへ from Germany

マイ皮ズボンよ、いずこへ
探しています!
世界中からビール好きが集う、ミュンヘンのオクトーバーフェストのドレスコードと言えば、女性は大きく胸を開いたディアンデル、そして男性は膝丈のレダーホーゼ(皮ズボン)。サッカー、ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンに今シーズンから加わったルカ・トニだって、早速おニューの皮ズボンでオクトーバーフェスト・デビューを果たしたし、民族衣装専門店にとってはまさに1年に1回のかきいれどき。のはずなのに、あるトルコ人店主(40)は商売熱心で、自ら履いていた皮ズボンを売ってしまったがために大損する羽目に陥ってしまった。

悲劇があったのは宴もたけなわの10月1日。この日、2組の米国人カップルが店を訪れ、あれやこれやと商品を物色していた。そしてその内の1組がいたく気に入ったのは、店頭にあった商品ではなくて、店主の履いていた皮ズボン。最初はもったいぶって渋っていたものの、若干値段を吊り上げて商談はめでたく成立。カップルは店を立ち去り、残るのは えびす顔の主人……となるはずだった。

ところがこの皮ズボンの尻ポケットに、その日の全売り上げ2000ユーロ(約33万円)をしまっていたから、さあ大変。主人はあわててこのカップルを追いかけたものの、600万人が来場する一大イベントだけに、わらに落ちた針を探すようなもの。通報を受けた警察も、テロ防止のパトロールや飲んだくれ同士のケンカの仲裁で忙しく、「皮ズボンの大捜索網を張ってくれ」という店主の涙ながらの要望など取り合ってはくれない。とは言え、気の毒な店主のために「指名手配」のチラシだけは印刷してくれた。

なんでもこの店主、警察の力を当てにできないのならば、この指名手配のチラシを使って自力ででも探すと決意しているのだとか。それにしても300ユーロ(約4万9500円)そこらの皮ズボンが引き起こしたこの事件。店主も欲の皮を突っ張らせて、しまったと悔やんでいることだろう。

ドイツ語では「失敗に終わった」ことを「in die Hose gehen(ズボンまでいく)」と表現するが、これはまさに文字通りの出来事だと言えよう。

「Stern」オンライン版 "Verkäufer vergisst 2000 Euro in der Gesäßtasche"



最終更新 Montag, 22 Oktober 2007 02:49
 

ヌーベル・ヴァーグも今は昔 from France

ヌーベル・ヴァーグも今は昔
18禁指定を受けた
「胎児が密猟するとき」
Zootrope films
若松孝二監督作品の「胎児が密猟するとき」(1966年)が今、フランスの映画界を騒がせている。10月に監督作品としては初めてフランスで公開になったこの映画が、18歳未満禁止に指定されたためだ。検閲委員会の判断を受け、文化大臣クリスティーヌ・ アルバネル氏が決定した。

フランスで18歳未満禁止指定が導入されたのは、2000年に公開された「ベーゼ・モワ」がきっかけ。現在までに「シミュレーションではない性描写、または過激な暴力シーン」 のために18歳未満禁止に指定された映画は、 ラリー・クラーク監督の「ケンパーク」やホラー映画の「Saw 3」などがある。「胎児が密猟するとき」は6本目の指定映画になる。

検閲委員会によると、「精神的な暴力」や「女性のイメージを損なう」ことなどが今回の判断の原因とされているが、41年前に日本で公開された映画が、2007年にフランスで18禁指定を受けたという事実は、映画人に少なからぬショックを与えている。作品は、一晩の間に男女間で繰り広げられる密室劇。確かに暴力や性を扱ってはいるが、その描写は「過激」という基準からは程遠い。映画監督協会は、作品がピンク映画を代表する名作であることや、若松監督が「愛のコリーダ」の製作などでも知られている世界的な映画人だということなどを挙げ、検閲に抗議していた。

18禁指定は映画館での上映を困難にするだけでなく、その後のテレビ放映やDVD販売にまでに影響を及ぼしてしまう。配給会社は、この指定を18歳から16歳未満禁止に変えるように、最高行政裁判所である参事院にかけあっているという。

個人プロダクションによってつくられている「胎児が密猟するとき」などのような低予算映画は、巷に溢れる商業的な映画とは一線を画している。作家性の高いオリジナリティーのある作品の未来のためにも、この騒動の成り行きは気になるところだ。今や、ヌーベル・ヴァーグ(新しい波)も遥か遠い昔。新しい表現を求める映画作家たちにとって、現代のフランスは決して理想の地ではなさそうだ。

「Le Monde」紙 "≪Quand l'embryon…≫ est interdit aux moins de 18 ans"



最終更新 Montag, 22 Oktober 2007 02:49
 

「ロンドンの交通機関は世界一」!? from UK

ロンドンの交通機関は世界一!?
これが「世界一」の交通システムです
信号故障やスタッフ不足などによる遅延や運行停止が日常茶飯事のロンドンの地下鉄。まともに動いているときですら、東京の通勤ラッシュ時並みの混み具合で、とても快適とは言えないうえに、初乗り4ポンド(約955円)と、とんでもない運賃を要求することで有名だが、この地下鉄に代表されるロンドンの公共交通機関が、なんと世界各国の旅行者による投票で「世界一の交通システム」の座を得てしまった。念のため、誤解がないように付け加えると、世界で「最悪」ではなく、世界で「最高」である。

ほとんどのロンドナーにとっては悪い冗談としか思えないこの投票は、旅行サイトの「トリップ・アドバイザー」により企画されたもの。その結果を見ると、英国外に暮らす人々は、ロンドンの公共交通システムは世界で最も機能的で安全だと「勘違い」していることが浮き彫りとなった。特にどこへでも連れて行ってくれるタクシー、ブラック・キャブへの評価が高かったようだ(これには納得)。

高評価の原因は、タクシーのほか、街を縦横無尽につなぐ地下鉄網にもあるようで、実際回答者の5人中2人が、公共交通機関で最も重要なポイントはどこへでも行きたいところ に行けることだと挙げている。また約30パーセントの人が安全であることが最も重要だと答えた。「清潔さ」のカテゴリーにおいては、第4位。ホームを闊歩するネズミもびっくり の好成績だ(ちなみに東京は2位)。

このニュースに飛びついたのが、混雑税を導入し、公共交通システムの利用を促しているケン・リビングストン・ロンドン市長。普段から交通システムに対する苦情しか耳にしないであろう彼が、このニュースを満面の笑みで受け止めたのは想像に難くない。同市長は、早速インタビューに応え「第2次大戦後、最大とも言える交通機関への投資が実りつつ ある印である」と自慢げに語った模様だ。

「時間きっかり、清潔、安全」の東京の地下鉄がトップ5にも入らず、ロンドンが1位……。在英邦人としては、今回の調査結果は不思議で仕方がない。旅行者には、我々在住者には見えないロンドン地下鉄の魅力が見えているのだろうか?

「インディペンデント」紙 "London's public transport is world's best (no, really)"



最終更新 Montag, 22 Oktober 2007 02:49
 

世界初「離婚メッセ」開催 from Austria

世界初「離婚メッセ」 開催
なんとなく結婚してはみたけれど……
英国52.7%、ドイツ44.3%、フランス 40.9%、日本33.1% ──。さてこの数字は何を指しているのだろうか。各国の内閣支持率?いえ、ずばり答えは離婚率なのであ る(「経済社会データランキング2000年」より)。欧州ではほぼ2組に1組が離婚するというこのご時世、機は熟したと言わんばかりにオーストリアで今月末、世界初の「離婚メッセ(見本市)」が開催されることになり話題を呼んでいる。

メッセといえば、IT、車、観光、アートに食と、分野は星の数ほどあるけれど、「離婚」をテーマにしたものは前代未聞だ。主催者であり、この妙案を思い付いたのは、なんとこれまで「結婚メッセ」を手掛けていたというアントン・バルツさん。オーストリアの離婚率は48.9%、首都ウィーンに限ればなんと65.9%に上るというから、とっても「おいしい市場」に目を付けたというわけだ。

「新たな人生を始めよう(Starte Neu)」と名付けられたこのメッセ。会場には弁護士や公証人、仲介人、そして精神科医までがずらりとブースを張り、離婚の際の複雑な手続きから心のケアまで、しっかり面倒を見てくれる。でもそれはあくまで第1ステージにすぎない。タイトルにもある通り、このメッセの売りは、忌まわしい過去を振り切り、輝ける未来に向けて第一歩を踏み出そうとしているバツイチさんたちのお手伝いをすること。第2の人生のパートナーとの新生活の準備を早くも着々と進めている人のために、不動産業者や車の販売ディーラー、旅行会社までが至れり尽くせりのサービスを提供してくれるというから驚きだ。

「でも、今この世で誰よりも会いたくないエックスに会場でバッタリ鉢合わせってなことになったら最悪……」なんて不安がよぎっている方、その心配はご無用。メッセは週末に行われるが、土曜は「男性デー」、日曜は「女性デー」とキッパリ分けられている。

ウィーンを皮切りに年内は計3カ所での開催が予定されており、参加はもちろんオース トリアだけでなく、どこの国からでも大歓迎。 未来のパートナー探しに利用してみるのも悪くないかも? www.scheidungsmesse.at

「Die Welt」紙オンライン版 “Weltweit erste Scheidungsmesse in Österreich”



最終更新 Mittwoch, 03 Oktober 2007 13:34
 

どうやってワインを選べばよいの!? from France

どうやってワインを選べばよいの!?
もはや信用できるのは自分の舌だけ!?
フランスでは、毎年秋になるとワイン・フェアが開かれる。ワインの値段が下がるこの機会に、普段はなかなか手が出ないワンランク上のワインを買おうと楽しみにしている愛好家は多い。ワインを選ぶ基準として一つの目安になっているのがAOC(原産地統制呼称)。AOCワインとして認められるためには、法律で定められた指定地域でつくられていることや、栽培法やブドウ品種など、各基準について細かな規定を満たしていることが必要とされている。

ところが、優良ワインと格付けされているAOCワインの地位が最近揺らいでいるらしい。消費者団体のUFC-Que choisirが行ったアンケートによると、ワイン生産者、卸売商、醸造学者などの専門家の約40パーセントが「AOCはもはや品質保証の役目を果たしていない」と回答。これは、生産量や収穫高の向上を目指すあまり、品質管理をおろそかにした結果なのだとか。また、回答者の約65パーセントが、産地の指定地域を広げすぎたために、AOCワインはもはや土壌の特性を反映していないという。

AOC認定を申請した生産者の98パーセントが試験をパスしていることも、この基準の曖昧さを示していると言える。これに対して、UFCでは、AOC指定に必要となる基準を定める仕様書を改編すること、さらに基準値を満たしていないワインを格下げするという荒治療まで提案している。

このニュースに頭を抱えているのはワインの生産者たちだけではない。AOCが信用できないとなると、消費者にとって頼りになるのはワインに対する確かな知識、ということになるが、実はフランス人の4分の3は、ワインの生産地、銘柄、ブトウ品種、価格などを何も理解していないという。フランス人がみんなワイン通だと思ったら大間違いで、ソムリエ気取りでワインに関してスノッブなコメントをする人などほとんどいない。大多数は、ラベルのデザインやフィーリング、そしてAOCの基準を頼りにワインを選んでいるのが現実なのである。ワイン大国、フランス国民の名にかけて、この秋はあれこれ試してワインのお勉強!?

「Le Parisien」紙 “Les vins AOC sur la sellette”



最終更新 Mittwoch, 03 Oktober 2007 13:34
 

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