Hanacell
ヨーロッパ三面記事


ナターシャさんに新しい恋? from Germany

ナターシャさんに新しい恋?
ナターシャさん誘拐のニュースは
世界中のメディアを駆け巡った
PA Photo Ronald Zak
ナターシャ・カンプシュさんという女性を覚えているだろうか。オーストリアで8年半の監禁生活の末、昨年8月に自力で果敢に脱出を果たし、当時本国はもとより他国でも大きな注目を集めた人物だ。事件後まもなく行われた、彼女の堂々としたテレビインタビューを記憶している人もいるだろう。あれから1年。監禁中に受けた精神的なダメージと闘いながら、失われた8年を取り戻すかのように、前向きに、少しずつ「普通の」生活を再開していたナターシャさんに、どうやら新しいボーイフレンドができたようだ。

社会を震撼させた事件が起きたのは1998年。当時10歳だったナターシャさんは登校途中に44歳の男に誘拐され、ウィーン郊外の民家の地下に掘られたわずか6平米の窓のない部屋に監禁された。彼女は外の世界との接触をほとんど絶たれ、そこで8年半を過ごしたが、男のすきを見て逃げ出し、無事保護された。犯人はナターシャさんの逃亡を知った直後に電車に飛び込み、自殺。その後、彼女が「ニワトリ小屋」と語った部屋が公開されるなど事件の全貌が明らかになった。

「とても優しそうで、髪は(俳優の)ヒュー・グラントみたいにふさふさしている」。地元紙がこのたび報じたナターシャさんのお相手とされる男性は、彼女の弁護士の息子である21歳の青年。週末、ウィーン市街のディスコに姿を現した2人はとてもリラックスした様子で、仲睦まじそうに肩を寄せ合っていたという。ナターシャさんは黒のイブニングドレスにネックレス を付け、とてもシックな装いだったとか。

不幸な事件を乗り越え、新たな人生を踏み出した19歳の娘に訪れたハッピーな恋。父親のルートヴィヒさんは2人を温かく見守っていきたいと話している。「でも、優しい男じゃなかったら、娘とは付き合わせないよ」と、世の父親の常套句も。一方、母親のブリギータさんは少し心配な様子だ。「ナターシャは外の世界に出ていくのにとても時間がかかったわ。彼はただのお友達なのでは?」

ボーイフレンドにしろ友達にしろ、19歳の女性として普通の生活を送れることこそが、 ナターシャさんにとってはきっと何よりの幸せに違いない。

「Die Welt」紙ほか “Natascha Kampusch verliebt und flirtend”



最終更新 Mittwoch, 25 Juli 2007 12:19
 

セーヌ川にも「ヌシ」がいた! from France

セーヌ川にも「ヌシ」がいた!
釣りキチよ、アレキサンダー3世橋へ急げ
Le Parisien
スコットランドのネス湖には「ネッシー」、鹿児島の池田湖には「イッシー」、ロシアのヴォルコフ川には「リバーサーペント」と、世界中の淡水地には必ずと言っていいほど巨大な未確認生物(UMA)の存在のウワサがある。「ということは、セー ヌ川にも…」と思っていたら、やっぱりいました。

7月4日付けの地方紙「パリジャン」によれば、セーヌ川左岸のアンヴァリッド(旧軍病院)と右岸のグラン・パレ美術館を結ぶ、パリ一豪華な橋「アレキサンダー3世橋」の高架下で釣りをしていたロベール・カミュさん親子が、なんと1メートル85センチの巨大ナマズを釣り上げたのだ。その日の彼らの「収穫」は結局、1メートル45センチと1メートル50センチの2匹を加えた、計3匹のナマズだったという。

カミュさんはパリ8区にある建物の管理人をしており、日曜日の早朝に息子のビクトール君と一緒に近所のアレキサンダー3世橋を訪れた。カミュさんによれば、5時頃に巨大ナマズはヒットし、釣り上げた後、持参していたメジャーと体重計で測量し、放流したのだそう。その後も、立て続けに2匹のナマズを釣り上げたカミュさん、「パリのど真ん中を流れるセーヌ川に、こんなバケモノが生息してるなんて夢にも思わなかった」とご満悦の様子だ。

日本なら、田舎の沼などには大抵「ヌシ」と呼ばれる巨大ナマズがいたりするものだが、セーヌ川と言えばいわゆるデートスポットの定番。夜などは、ライトアップされたパリの灯が川面に映り、何とも言えない絶妙なロケーションとなる。でもインターネットで調べてみると、セーヌ川はナマズの生息地だという情報も。あの巨大な物体が実はウヨウヨ泳いでいるかもしれないなんて、想像するだけでかなり不気味。でも、幸か不幸か、どんより水が澱んでいるからなーんにも見えないけれど…。

「Le Parisien」 “Bonne pêche en bord de Seine”



最終更新 Mittwoch, 25 Juli 2007 11:47
 

北極グマも嫌がる寒中水泳を敢行 from UK

北極グマも嫌がる寒中水泳を敢行
北極グマも顔負け!? ルイス・ピュー氏
北極と聞いて誰もが想像するのが、氷山や厚い氷の広がる光景。クリスマス時期に行われるロンドン、ハイド・パークでの寒中水泳に毎年参加している表皮の厚い男たちの中でも、この地球上でおそらく最も寒い極寒の地に水泳を楽しみに行こうと決断する人はそうそういないだろう。

ところが、上には上がいるのが世の常。世界中の冷海で泳ぐことに挑戦する英国人弁護士のルイス・ピュー氏(37)が7月15日、北極地点付近で1キロを約19分間で泳ぎ切ることに成功したのだ。ピュー氏は、この直前にもノルウェーのネーロイ・フィヨルドが世界遺産に登録されたことを記念し、当地で17キロを7時間28分かけて泳ぎ切ったばかり。

夏とはいえ、当日の水温はもちろん真冬並みのマイナス1.8度。この水温は北極海近辺の海水が氷となる温度に限りなく近く、北極グマですら泳ぐのを嫌がる低温だという。そしてこの日、ピュー氏が身につけていたのは、スイミング・キャップと「スピード」(注:競泳用の水着ブランド)の小ぶりな水着のみ。

パフォーマンスを終えた同氏は「水が真っ黒でブラック・ホールに飛び込むみたいだったね。海水の冷たさで全身がしびれ、身体中にやけどを負ったように感じたほどさ。低温水泳には慣れてるけど、今までで一番辛い水泳だったよ」と感想を語った。

一般の人は、こんなに冷たい水の中で泳ごうものなら、寒さで筋肉が委縮し、数分で溺れてしまう。しかし、水温マイナス1.8度だろうと、彼の身体は体温がぐいーと上がり寒中水泳が実現できるのだ。この現象は他の人には見られないとか。

ピュー氏は、この日のパフォーマンスの最後に「北極点で泳げるということは悲劇でもあることを忘れないで欲しい」と強調した。彼の泳いだ地点は、通常ならば夏でも氷が全体に張り、泳げるような場所ではない。水温が上昇して氷が溶けてしまうほど、地球温暖化が進んでいることを訴えたかったのだ。

こうした素晴らしい理念に基づき地球温暖化防止に協力するのは良しとしても、「北極グマ」の心臓を持たない一般人は決して真似をしないように。

「The Times」紙 “19 mins, -1.8C: the first swim at the North Pole”



最終更新 Mittwoch, 25 Juli 2007 11:46
 

ダックスフントも少子化の時代? from Germany

ダックスフントも少子化の時代?
かわいいのがボクたちの取り柄
出生率の低下が何かと話題に上るドイツだが、頭を悩ませているのはどうやら私たち人間だけではないようだ。昔はアナグマ狩りのお供をしていたダックスフント。ドイツ犬の中でも最も古い品種に数えられる彼らだが、ここのところ人気が下がり気味で、生まれてくる子犬の数が減っているという。

細長ーい胴体の両端に頭としっぽがくっつき、短い足でぽってりしたお腹を支えながらチョコチョコ歩く姿がとびっきりキュートで、外国では「ソーセージ犬」なんて呼ばれて可愛がられているダックスフント。もちろん本国ドイツでの人気はこれまで不動のものだった。

例えば、皇帝ヴィルヘルム2世はその昔、愛犬のダックスフント、エアトマン君が死んでしまった時、カッセルにある公園にお墓を造ってあげたほど溺愛したというし、作家のフロリアン・ランゲンシャイト氏は、自著「私たちの国を愛する250の理由」でダックスフントの存在を挙げている。1972年のミュンヘン・オリンピックでは、ダックスフントの「ヴァルディ」も大会マスコットとして活躍した。

しかし時は流れた。ある飼育業者によると、72年当時はいわゆる「ベビーブーム」の真っ只中で、年間2万8000匹の子犬が誕生していたというが、1996年にはその数が1万2000匹と半分以下に減り、2005年にいたってはわずか7300匹というさびしい状況に陥っている。「ダックスフント、プードル、シェパード」という、かつてドイツ中を支配した人気トリオはなりを潜め、今や街では、道路中のほこりを集めて回っているような毛むくじゃらのモップ犬(可愛いことは可愛いけど)やゴールデン・レトリバーなど、ライバルたちが幅をきかせている。

一方、犬の専門家たちは、現在の「少子化」傾向にも冷静だ。「あまりに人気が出すぎると、周りに流されて大して好きでもないのにダックスフントを飼い、大事にしない人が増える」とし、現況はかえってありがたいという。

どちらにしても、ダックスフントが絶滅してしまうほど切羽詰った状況ではないので、「ソーセージ犬」を愛して止まない飼い主のみなさん、どうぞご心配なく。

「Kölnische Rundschau」紙 “Waldi kriegt weniger Welpen”



最終更新 Montag, 02 Juli 2007 18:14
 

モン・ブランならぬモン・ルージュ? from France

モン・ブランならぬモン・ルージュ?
染色の代わりに赤く染色された
キャンバス生地で モン・ブラン山頂を
覆い尽くしたエヴァリスティ氏
Marco Evaristti. www.evaristti.com
フランス中部に位置する欧州最高峰(4810メートル)の山「モン・ブラン(白い山の意)」がこのほど赤色に染められそうになるという珍事件が発覚した。フランス公共ラジオによると、首謀者はチリ出身のデンマーク人芸術家マルコ・エヴァリステイ氏(43)。当初の計画では染料をぶちまける予定だったが、横槍が入ったため、染色した生地を広げて代用。同山中の標高3400メートルの地点まで下りてきたところを自然環境保護違反の容疑で御用となった。

エヴァリスティ氏は、地元デンマークで過激な作風で知られており、5年前に同国のトラフォルト美術館で行われた展示では、金魚を電気ミキサーの中に入れ展示し、来客者にミキサーを作動させるか否かの選択権を提示した、いわくつきの人物。

今回の「モン・ルージュ(赤い山の意)」計画は、エヴァリスティ氏の自然環境保護計画作品3部作のひとつで、最初の作品は2004年にグリーンランドの流氷を赤く染め、米国がトゥーレ基地近くに廃棄した核廃棄物に対して抗議したものだった。

今作品ではフランスが以前ポリネシア諸島沖で行った核実験に対する抗議作品で、「自然は誰の所有物なのか」という問いかけをフランスが誇るモン・ブランを赤く染色して訴えようとしたという。作品に使う染料およそ1200リットルを運ぶために、15人のクルーを結成しており、経費は5万ユーロかかったとか。

同氏は、自身の作品が環境保護に密接に関連しており、使われる染料なども植物性のものを使用しているので、「環境汚染には繋がらない」と主張して、今回の拘束に異議を唱えているが、地元のシャルレ市長は「植物性の染料が無害なのは一般的な土地環境の場合においてのみ、氷山や流氷の上では一旦しみこんでしまった染料は、長期にわたり残るので致命的な汚染となる。純粋さの象徴である山で恥ずべき行為だと」遺感をあらわにしている。

環境破壊を非難するはずの行為が破壊行為であるならば意味がない。逆説的ながらも、この事件を機に環境汚染に関して注目が集まり、人々のモラルも向上してくれれば良いのだが。

「Libération」紙 “Un artiste danois veut changer le Mont- Blanc en Mont-Rouge”



最終更新 Montag, 02 Juli 2007 18:15
 

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