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特集


【保存版】ドイツのリンゴ事典 - 数字とことわざで知るドイツのリンゴ

保存版!ドイツのリンゴ事典

ドイツ人が好きな果物No1に輝くリンゴは、その起源や味わい、
料理や加工品の種類も多様で個性豊か。
そんなドイツで愛されているリンゴの魅力をご堪能あれ。
(Text:編集部)

数字とことわざで知る
ドイツのリンゴ

リンゴの成分(100gあたり / 皮付き・生)

リンゴの成分 参照:文部科学省「食品成分データベース」

ドイツで人気の果物 (1人当たりの年間消費量)2014年調べ

  • 1位:リンゴ24.7kg
  • 2位:バナナ10.3kg
  • 3位:ブドウ5.1kg

参照:knabbetti「Der Apfel – Fakten zum beliebtesten Obst in Deutschland」

2位のバナナには2倍以上の差をつけて、リンゴはドイツで最も人気のある果物になった。リンゴの加工品を含めると、1人当たり年間に24.7kgの消費量となる計算。

ドイツの食肉加工品消費量

  • ドイツ全土で消費される年間消費量約240万トン
  • 1人当たりの年間消費量約29.5kg

※2014年度の資料より
出展・参照:Süddeutsche Zeitung(ウェブ版)2015年「So viel Wurst essen die Deutschen」より一部参照

同紙では、Max Rubner Instituteの調査によって男性は女性の2倍の食肉加工品を消費していることが明らかになっていることも伝えている。

フルーツジュースの人気種類 (1年間 / ℓ)

  • 1位:りんごジュース7.9ℓ
  • 2位:オレンジジュース7.8ℓ
  • 3位:マルチビタミンジュース3.7ℓ

参照:Frucht Saft「Deutsche Fruchtsaft-Industrie baut Spitzenposition aus」「Apfelsaft liegt an der Spitze」

ドイツは2015年のジュース消費量で世界1位となり、1人当たり年間に33ℓものジュースを飲んでいる計算に。りんごジュースがそのトップになっている。

ドイツで栽培されている主要なリンゴ品種

  • 1位:エルスター
  • 2位:ジョナゴールド
  • 3位:ブレーバーン

参照:All you need SUPERMARKT MAGAZINE「EINE RUNDE SACHE: SAFTIGE APFEL-FAKTEN」

エルスターはドイツ全土の19%を占める栽培面積を誇る。米国生まれのジョナゴールドや、ニュージランド生まれのブレーバーンが主要な栽培品種。

ドイツの州ごとのリンゴ収穫量 2014年調べ

  • 1位:ニーダーザクセン州34万t
  • 2位:バーデン=ヴュルテンベルク州33万t
  • 3位:ザクセン州9万t
  • 4位:ノルトライン=ヴェストファーレン州6万t
  • 5位:ハンブルク市5万t

参照:knabbetti「Der Apfel – Fakten zum beliebtesten Obst in Deutschland」

ドイツ全土のリンゴの生産量は年間わずか110万tしかないため、自国の年間消費量200万tの半分のニーズしか満たしていない。

リンゴを用いたドイツのことわざ

"Der Apfel fällt nicht weit vom Stamm."
リンゴは木から遠くには落ちない

「この親にしてこの子あり」や、「蛙の子は蛙」と同様の意味で用いられることわざ。

"Ein Apfel am Tag hält den Doktor fern."
毎日一つのリンゴが医者を遠ざける

日本同様、リンゴは健康に良いとされていることが分かることわざ。毎日一つ食べることで医者いらずに!

"Ein fauler Apfel steckt hundert an."
一つの腐ったリンゴが100個を腐らせる

やる気のない人が1人いると、ほかの人の士気まで損なう可能性があることを例えた言葉。

最終更新 Dienstag, 09 Oktober 2018 11:16
 

【保存版】ドイツのリンゴ事典 - ドイツのリンゴ図鑑

ドイツを味わい尽くそう! リンゴ事典

Apfel保存版

ドイツ人が好きな果物No1に輝くリンゴは、その起源や味わい、
料理や加工品の種類も多様で個性豊か。
そんなドイツで愛されているリンゴの魅力をご堪能あれ。
(Text:編集部) 

ドイツ国内だけでも2000種以上!
リンゴ図鑑

一口にリンゴと言っても、見た目も味もさまざま。ドイツでよく食べられているリンゴを中心に、その特徴とおすすめの食べ方をご紹介します。

写真&情報提供:Deutschland Mein Garten( https://deutsches-obst-und-gemuese.de )
Photos: ⓒBVEO / Deutschland(Gloster、Fuji以外全て)

Golden Delicious

ゴールデン・デリシャス
Golden Delicious

世界で最も栽培されている米国生まれの品種。甘味が強く、さっぱりとした酸味があるのが特徴。生食用にも調理用にも◎。10月~7月が旬。

ゴールデン・デリシャス交配種

  • キャメオ
    キャメオ Cameo®

    米国の品種で、フルーティーで程よい甘さ。生食用に向いているが、りんごケーキにするのがおすすめ。11月~6月が旬。

  • ガラ
    ガラ Gala

    ニュージーランド生まれの小ぶりな品種。甘味が強く、堅めで程よくジューシー。生食が好まれるが、調理にも◎。9月~3月が旬。

  • ジョナゴールド ドイツで人気No.2
    ジョナゴールド Jonagold

    米国生まれの大きめの品種。柔らかくみずみずしい果肉が特徴。香りと甘さが強い。生食も調理にも合うマルチなリンゴ。

  • ピノヴァ ドイツ生まれ
    ピノヴァ Pinova

    貯蔵期間が長くなるほど、甘味が増す。基本は生食だが、煮りんごにも焼きりんごにしても美味。10月~3月が旬。

  • ルビネッテ
Rubinette®
    ルビネッテ Rubinette®

    スイス生まれの小さめの品種。堅めでシャキシャキした果肉は、ジューシーで香り高い。生食用におすすめ。9月~2月が旬。

エルスター

エルスター
Elstar

ドイツで人気No.1

オランダ生まれの丸いフォルムがかわいいリンゴ。堅めでジューシー。生食はもちろん、レモンのような酸味があり、りんごケーキやサラダの主役にも◎。9月~5月が旬。

エルスター交配種

  • アンタレーAntares®
    アンタレー Antares®

    フランスのリンゴと交配した品種。果肉は柔らかく、甘みと酸味があり、芳香がある。生食向きでサラダなどに合う。

  • ジュナミJunami ®
    ジュナミ Junami®

    スイス生まれの品種。魅力的な赤色が特徴で、ジューシーでシャキシャキしたリンゴ。生食用におすすめ。12月~6月が旬。

  • ルーベンスRubens®
    ルーベンス Rubens®

    イタリアで生まれたエルスターとガラの交配種。エルスターよりもシャキッとし、ガラよりも香りがある。生食が◎。9月~3月が旬。

  • サンタナSantana
    サンタナ Santana

    エルスターと同じくオランダ生まれの甘酸っぱいリンゴ。生食のほかに、ミューズりーやサラダにするのがおすすめ。9月~3月が旬。

そのほかの品種

  • ボスコップBoskoop
    ボスコップ Boskoop

    アシンメトリーで大きいオランダ生まれの品種。酸味が強い。りんごムース、りんごケーキ、焼きりんごなど、調理向き。10月~4月が旬。

  • ブレーバーンBraeburn ドイツで人気No.3
    ブレーバーン Braeburn

    果肉は堅めで甘酸っぱいニュージーランド生まれのリンゴ。生食にも調理にも合い、特にコンポート、サラダ、ジュースがおすすめ。11月~5月が旬。

  • エヴェリーナEvelina® ドイツ生まれ
    エヴェリーナ Evelina®

    ピノヴァから派生した品種。甘酸っぱく香りが良い。果実は堅めでジューシー。生食向け。10月~7月が旬。

  • ふじ Fuji
    ふじ Fuji

    日本でもお馴染みのふじは、ドイツでも人気の品種。非常に香り高く甘味が強い。食べるなら生で、歯ごたえもいいのでサラダにも。11月~6月が旬。

  • グロスターGloster ドイツ生まれ
    グロスター Gloster

    ほんの少しフルーティーで酸っぱめのリンゴ。黄緑色の果肉は、柔らかく汁気が多い。生食向き。11月~5月が旬。

  • グリーンスターGreenstar®
    グリーンスター Greenstar®

    ベルギー生まれの品種。時間が経っても歯ごたえがよく、ジューシーなまま。生食向けで、サラダに入れるとさっぱりした味に。10月~6月が旬。

  • ホルシュタイナー・コックス Holsteiner Cox ドイツ生まれ
    ホルシュタイナー・コックス Holsteiner Cox

    大きな品種で、荒い果肉が特徴。香りが強く、少しだけ酸味がある。焼きりんごにして食べるのがおすすめ。10月~3月が旬。

  • ジャンバJamba ドイツ生まれ
    ジャンバ Jamba

    果肉は白っぽく、さわやかな香りが特徴。甘党には、フルーツケーキやりんごムースにするのがおすすめ。8月~10月が旬。

  • カンジKanzi®
    カンジ Kanzi®

    ベルギーで生まれたガラとブレーバーンの交配種。しっかりと歯ごたえがあり、ガラのように甘い。食べるなら生食で。10月~7月が旬。

  • キクKiku® ドイツ生まれ
    キク Kiku®

    日本のリンゴをルーツに持つ品種。果肉は堅めで、さっぱりと程よい甘さ。少し冷やすとさらに香りが立つ。11月~6月が旬。

  • レッド・プリンスRed Prince®
    レッド・プリンス Red Prince®

    比較的大き目のリンゴで、シャキッとした歯ごたえで甘い。生食向き。長期保存に優れ、1年中出回っている。

  • トパーズTopaz
    トパーズ Topaz

    チェコ生まれの品種。みずみずしい果肉で、酸味と香りがある。生食用でも調理用でも◎。11月~3月が旬。

最終更新 Dienstag, 11 Januar 2022 15:11
 

【保存版】ドイツのリンゴ事典 - リンゴを使った料理・加工品

保存版!ドイツのリンゴ事典

ドイツ人が好きな果物No1に輝くリンゴは、その起源や味わい、
料理や加工品の種類も多様で個性豊か。
そんなドイツで愛されているリンゴの魅力をご堪能あれ。
(Text:編集部) 

ドイツで味わう
リンゴを使った料理・加工品

  • Apfelstrudel 
アプフェルシュトゥルーデル
    Apfelstrudel
    アプフェルシュトゥルーデル

    ドイツを代表するお菓子の一つ。リンゴをシュトゥルーデル生地で何層にもして包む。仕上げに粉砂糖をまぶして、皿にバニラアイスやバニラソース、ホイップクリームなどを添えていただく。ハンガリー人がその昔、トルコのお菓子「バクラヴァ」の生地を利用してリンゴを包んだことが起源とされている。

  • Apfelkuchen / Apfelküchlein 
りんごケーキ
    Apfelkuchen / Apfelküchlein
    りんごケーキ

    日本のアップルパイとは違い、ドイツのりんごケーキは、リンゴが生地に練り込まれしっとりとした味わいのものが一般的。また、バーデン=ヴュルテンベルク地方が発祥と言われている「Apfelküchlein(アプフェルキューヒライン)」は、輪切りにしたリンゴにケーキの生地を絡ませてさっくりと揚げたもの。

  • Apfelschorle 
アプフェルショーレ
    Apfelschorle
    アプフェルショーレ

    りんごシューズを炭酸水で割ったドイツで一般的な炭酸飲料。ドイツ国内のレストランやカフェでは、リンゴのほかにもさまざまなフルーツジュースを炭酸水で割るショーレスタイルの飲み物が人気。お気に入りのりんごジュースや炭酸水で自分だけのオリジナルアプフェルショーレを作るのもおすすめ。

  • Apfelwein りんごワイン
    Apfelwein
    りんごワイン

    フランクフルトの地酒「アプフェルヴァイン」は、独特の酸味が特徴。同地ではクリスマスマーケットの時期になるとホットアプフェルヴァインが楽しめる。Bembel(写真右)と呼ばれるりんごワイン専用の陶器の水差しで専用のグラスGeripptes(写真左)に注がれるのが伝統的なスタイル。

  • Apfelmus 
りんごムース
    Apfelmus
    りんごムース

    リンゴをすりつぶしてペースト状にしたもの。ドイツではじゃがいもを揚げたクリスマスマーケット定番のスナック「ライベクーヘン」(写真右上)や、ローストした肉のソースとして使われるのがポピュラー。ほのかな甘みと酸味が感じられる。スーパーにはさまざまなメーカーのりんごムースが展開されている。

  • Rotkohl Apfel Salat 
赤キャベツとリンゴのサラダ
    Rotkohl Apfel Salat
    赤キャベツとリンゴのサラダ

    見た目にも美しく爽やかな酸味がきいた味わいは、お肉の付け合わせとしても重宝される一品。バリエーションは無限大で、ニンジンやコーン、オレンジ、砕いたクルミやアーモンドなどをプラスすると色味や味わいの変化も楽しめる。好みに合わせてアレンジしてみては?

最終更新 Dienstag, 09 Oktober 2018 11:16
 

バリトン歌手・木村善明さん - 唯一無二のオペラ歌手を目指して

唯一無二のオペラ歌手を目指して バリトン歌手
木村善明さん

西ドイツの中都市・ビーレフェルトの歌劇場で、一人の日本人オペラ歌手が活躍している。バリトン歌手の木村善明さんは、2014年に同劇場の専属ソリストとして契約を結び、2018年には楽劇王ワーグナー作品の主役に抜擢された。本場欧州の荒波にもまれながらも、自分らしく演じることを追求してきた木村さんの素顔に迫った。(Text:編集部)

アルベリヒを演じる木村さんアルベリヒを演じる木村さん(楽劇『ラインの黄金』より)

木村善明さん(きむらよしあき) 岡山県倉敷市出身。 2007年に渡独し、カールスルーエ音大オペラ研修所、シュトゥットガルト音大、トロッシンゲン音大、仏・トゥーロン音楽院、白・フランダース歌劇場オペラスタジオで研鑽を積み、ドイツ国家演奏家資格取得。2014年より、ビーレフェルト歌劇場専属歌手ソリスト。 www.yoshiakikimura.net

欧州のオペラ歌手は「歌うサラリーマン」

どこの街にもたいてい劇場があるドイツでは、人々は映画を観に行くようにオペラを観に行く。木村善明さんが活躍するビーレフェルトも例外ではない。オペラ歌手が一つの職業としてきちんと成り立っているのは日本との違い、と木村さんは言う。

「専属ソリストの契約は1年ごとの更新ですが、毎月決まった給料をもらえ、年金や保険も完備されています。いうなれば『歌うサラリーマン』ですね(笑)。この夏、スイスで屋外オペラで歌う仕事があったのですが、ビーチサンダルに短パン姿で来るお客さんもいました。みんなワインを飲んで、ほろ酔い気分でオペラを鑑賞。こんなアットホームな雰囲気も欧州ならではですね」

アジア人としてぶち当たる壁

しかし、身近で楽しいオペラの雰囲気とは裏腹に、本場欧州でアジア人として歌うことの厳しさも痛感している、と木村さんは続ける。

「常に欧州人よりも結果を出さないと、アジア人は厳しい目で見られます。公演後に、発音が変だった、間違ったキャスティングだったのでは、と言われることも。逃げ出したいことは何度もありました。でも、そこで毎回自分に問うんです。『歌いたいのか?歌いたくないのか?』。歌いたいんだったら、文句を言わずにやるしかありません」  

そう話す木村さんは、毎日のトレーニングを欠かさず、時間が取れる限り遠方の恩師のもとまでレッスンに通うなど、いいものを作り上げるための努力は惜しまない。公演のない平日も稽古三昧だという。

「10~14時が稽古時間、14~18時が休憩時間、18時からまた稽古……というのがスタンダードな平日の時間割り。土曜日は午前だけ稽古をして、その後公演があったり、日曜日にもよく公演があります。休憩時間にスーパーに買い物に出かけたり、自主トレーニングをしています。

忙しい時期は3つのオペラを掛け持ちするので、ドイツ語の公演をしながら、英語の稽古をし、次の日の公演はイタリア語……ということも。常にフル回転ですね」

また、出演作品の予習や役作りにも余念がない。とりわけ驚いたのは、歌詞をすべて日本語に訳していることだ。

「歌詞を自分の言葉で表現することで、役への理解が深まると思っています。キャラクターがもっと生き生きするし、稽古のときに『僕はこう演じたい』とディスカッションができるんですね。ただのイエスマンではなく、一緒に作り上げていくことで、唯一無二の歌手になれると信じています」

大役を終えても、まだまだ進化中

木村さんのそうした努力が実り、2018年に念願のワーグナー作品の主役に抜擢された。大役アルベリヒを演じた『ラインの黄金』では、キャラクターを徹底的に研究するなど準備を重ねてきたが、極度のプレッシャーからリハーサルで声が出なくなるというハプニングに見舞われたり、毎回の本番で2キロも体重が落ちたという。

「全8回の公演でさまざまな評価があって、オペラ歌手としての厳しさを痛感しました。お客さんの心に残る歌い手を目指して、人間的にも歌手としても成長していきたいです。数年後にまた同じ役を演じたら全く違うものになるかもしれません」と意気込みを見せた。

一見ストイックにも見える木村さんだが、最近音楽とは全く違う、新しい趣味ができたとか……。

「頭を空っぽにする時間をもったほうが良い、という友人からのアドバイスで、先日初めてお菓子教室に参加しました。もともと料理好きなのでとても楽しかったし、さまざまな分野の方と知り合えるし、これがいい気分転換になるんですよ」と、最後にチャーミングな素顔を見せてくれた木村さん。確実に進化し続ける木村さんのさらなる活躍に期待したい。

ウェーバー作オペラ「魔弾の射手」ウェーバー作オペラ「魔弾の射手」でカスパールを演じる木村さん

ガソリンレズニチェク作オペラ「ガソリン」で木村さんが演じたプラムケイク

木村さんが出演するオペラ公演情報

オペラ「椿姫」 ヴェルディ作曲 / マルケーゼ役
2018年10月6日(土)、10日(水)、24日(水)、28日(日)
11月2日(金)、11日(日)、17日(土)
12月6日(木)、11日(火)、29日(土)

オペラ「魔笛」 モーツアルト作曲 / 弁者役
2018年10月20日(土)、11月4日(日)、12月8日(土)

オペラ「ヘンゼルとグレーテル」 フンパーディング作曲 / ペーター(父)役
2018年12月1日(土)、4日(火)、7日(金)、23日(日)、25日(火)

会場はすべてビーレフェルト歌劇場
ビーレフェルト歌劇場 https://theater-bielefeld.de

最終更新 Dienstag, 25 September 2018 09:37
 

ドイツ生まれの文房具

一生使いたい名品揃い!
ドイツ生まれの文房具

高品質かつ高機能な製品を生み出し続けている日本とドイツ。両国の文房具もまた、長い歴史と経験に裏打ちされた技術力と洗練されたデザインを誇る名品が数多く揃う。今回は最先端からクラシックなスタイルまで、一生付き合いたい「メイド・イン・ジャーマニー」の文房具の魅力に迫る。(Text:編集部)

※価格やアイテムの詳細は各社ホームページよりご確認いただけます。
※各商品のバリエーションなどは国ごとに違いがある場合がございます。

洗練されたデザインを追及
LAMY ラミー

  • 創業年:1930年
  • 創業場所:ハイデルベルク
  • 創業者:Carl Josef Lamy
  • www.lamy.com(ドイツ)
  • www.lamy.jp(日本)

ドイツ最古の大学を擁する古都、ハイデルベルクで誕生。アメリカの筆記用具メーカーに勤めていたカール・ヨーゼフ・ラミーによって設立された「ラミー」は、現在では年間約900万本もの筆記用具を生産している。1966年、マンフレート・ラミー博士とバウハウスの影響を受けたゲルト・アルフレッド・ミュラーが同社を代表するアイテム「ラミー2000」を手掛け、機能性だけでなく洗練されたデザイン性を実現し、礎を築いた。その後も国内外のさまざまなプロダクトデザイナーとタッグを組み、革新的な文房具を生み出し続けている。

LAMY

LAMY 2000(写真上)
1966年に誕生したラミーの原点となるプロダクト。同社のデザインの基礎を築いたゲルト・アルフレッド・ミュラーが手掛けたスタイリッシュなアイテムで、発売から50年以上が経った現在も高い人気を誇る。

LAMY safari (写真下)
工業デザイナーのウルフガング・ファビアンが手掛けたアイテム。現在のラミーを代表する商品の一つとなっている。手頃な価格設定で、多様なカラーと形状のバリエーションがあるため、自分の個性を表現できるのが特徴。

万年筆の代表的メーカー
Pelikan ペリカン

1832年に科学者のカール・ホルネマンがハノーファーに自身のカラーインク工場を設立したことが起源。その6年後に「ペリカン」を創業する。1929年には、同社で初となる万年筆を発表。ドイツで大きな産業ブームが起こった1950年には「ペリカン」を代表する万年筆モデル「400」が発売されると、その黒と緑のストライプのボディに黄金のペン先が施されたスタイリッシュなデザインで人気を博す。現在では高品質かつ高機能な高級万年筆を中心に、小さな子どもや学生向けの手頃なアイテムまでをグローバルに展開している。

Pelikan ペリカン

Souverän 400 (写真上)
クラシックかつシンプルなスタイルが特徴の「Souverän」は、同社を代表する商品として発売当初から高い人気を誇る。14金ロジウムの装飾が施されたペン先と、24金プレートのキャップリングを備えている。

Toledo 900 (写真下)
スペイン中部の町、トレドで知られている銅細工の技法を用いて作られた万年筆シリーズ。同メーカーの象徴であるペリカン模様は、ドイツで1本1本手作業で彫られており、非常に手の込んだ商品となっている。

鉛筆のバラエティーNo1!
STAEDTLER ステッドラー

  • 創業年:1835年
  • 創業場所:ニュルンベルク
  • 創業者:Johann Sebastian Staedtler
  • www.staedtler.com/de/de(ドイツ)
  • www.staedtler.jp (日本)

世界最古の鉛筆製造者として記録されているフリードリヒ・ステッドラーを祖父に持つ、ヨハネス・セバスティアン・ステッドラーが、1835年に現在のニュルンベルクに鉛筆製造工場を設立したのがはじまり。創業から5年の間に63種類もの鉛筆を開発し、1856年からはスギ素材で作られた円形と六角形の鉛筆をそれぞれ48色ずつ開発した。現在は製品の3/4をドイツで生産し、150カ国に商品を展開している。

STAEDTLER

Mars® シリーズ(写真上)
デザイン系ユーザーから人気が高いシリーズ。紙への定着の良さ、なめらかな書き心地、芯の折れにくさが人気の秘密。同シリーズの消しゴムもあり。※写真は Mars® Lumograph® 100

Noris digital(写真下)
サムスンの電子機器に対応したデジタルタイプのペン。鉛筆の感触を残した革新的なこのタッチペンを使用すると、携帯電話やタブレットの画面に直接書き込める。

世界最古の筆記用具メーカー
Faber Castell ファーバー・カステル

ニュルンベルク郊外で家具職人として働いていたカスパー・ファーバーが鉛筆の製造販売をスタートしたことが起源となる。その後1851年に4代目となるローター・フォン・ファーバーの下、六角形の鉛筆を製造。この鉛筆の長さ・太さ・強度が世界基準となり、さらに会社として発展を遂げた。この基準は150年以上が経過した現在でも世界中で使用されている。また、鉛筆に社名を刻印したのも「ファーバー・カステル」が初めて。

Faber Castell ファーバー・カステル

Albrecht Dürer 水彩色鉛筆(写真左)
ニュルンベルクの生まれの画家、アルブレヒト・デューラーの名が付けられた水彩鉛筆。使用する紙の質感に応じて着色後に水を加えると、水彩画のようなタッチが表現できる。

PITT グラファイトセット(写真右)
さまざまな硬度の鉛筆が揃い、スケッチからグラフィックデザイン、シェーディングなどに適す。深みあるブラックからニュアンスのあるグレーなど多彩な表現が実現。

蛍光ペンのパイオニア
STABILO スタビロ

  • 創業年:1855年
  • 創業場所:ニュルンベルク
  • 創業者:Gustav Adam Schwanhäuβer
  • www.stabilo.com (ドイツ)
  • www.stabilo.jp (日本)

1865年にグスタフ・アダム・シュヴァンホイサーが鉛筆工場を買収し、事業を拡大したのが始まり。1875年にはコピー鉛筆の製造で成功を収める。その後1971年に世界初となる蛍光ペン「STABILO BOSS」を発表し、世界的な文房具メーカーへと発展。1977年にはカラーバリエーションが豊富なフェルトペン「point88」を発売する。現在も改良を重ね、革新的なアイテムを生み出し続けている。

STABILO スタビロ

BOSS ORIGINAL Pastel (写真左)
パステルバージョンの水性マーカーペン。ソフトなカラーで、マーキングだけでなく画材としてなど、さまざまな用途で使うことが可能。全6色展開。

point88 (写真右)
ファイバーチップの多色水性サインペン。定規を用いて書くことに適しており、一般筆記、一般事務用、ポストカードなどの用途に大活躍。0.4mmの極細タイプ。

レトロな魅力で蘇る
Kaweco カヴェコ

  • 創業年:1883年
  • 創業場所:ハイデルベルク
  • 創業者:Heinrich Koch, Rudolph Weber
  • www.kaweco-pen.com

創業者2人の頭文字を併せて名付けられた。1930年代に万年筆とボールペンの携帯セットを発表して一世を風靡。1976年に経営難により一度会社をたたむも、1994年に再び製造が再開され、現在でもそのレトロなデザインで人気を博している。

Kaweco カヴェコ

CLASSIC Sport (写真上)
直径10.5cmのポータブルなサイズが特徴。同シリーズはカラーバリエーションが豊富。

PERKEO (写真下)
長時間使用しても疲れないように、工夫が施されている 万年筆シリーズ。4色展開。

ポップなデザインで魅了
Redfries レッドフライズ

  • 創業年:2014年
  • 創業場所:レーゲンスブルク
  • 創業者:Daniela Rosenhammer, Stjepan Dujmovic
  • https://redfries.com

Redfries レッドフライズ

メモパッド(写真左)
ウィークリーで予定が管理できるものから、TO DOリスト、ショッピングリストなど用途に合わせたアイテムが揃う。

ステッカー (写真中央)
ポストカードのワンポイントに、ノートへのデコレーションとしてなど、使い方のバリエーションは無限大。

ポストカード (写真右)
再生産が可能な木材から作られた紙を使用した封筒つきのポストカード。大切な人に送りたいユニークで洗練されたデザイン。

子どもにやさしいクレヨン
STOCKMAR シュトックマー

ニュージーランドではちみつとキャンドルを作っていた創業者が、故郷ドイツでシュタイナー学校の先生をしていた兄弟からクレヨン制作の依頼を受け、みつろうクレヨンを作り出したのがはじまり。同社が使用する原材料は、子どもの健康や環境に悪影響を与えない自然由来のものだけ。

STOCKMAR シュトックマー

みつろうクレヨン (スティック / ブロック)
みつろうのほのかな香りを残したクレヨン。線を描いたり、色を重ねたりさまざまな表現方法が可能になっている。スティックとブロックタイプがあり、それぞれ8色、12色、16色、24色のバリエーションを用意。

バリエーションの豊富さが魅力
LEUCHTTURM1917
ロイヒトトゥルム1917

  • 創業年:1917年
  • 創業場所:アッシャースレーベン
  • 創業者:Paul Koch
  • www.leuchtturm1917.de

1917年にリトグラファーであったポール・コッホが、パートナーとともにアッシャースレーベンで出版社「Kabe」を設立したことが起源となる。当初は スプリング・バインダーの生産からスタート。1948年にハンブルクに拠点を移動し、現在では50カ国以上にわたり商品を展開している。

ロイヒトトゥルム1917

1917 METALLIC EDITION NOTIZBÜCHER (写真左)
ブランド名の一部「1917」を大きくあしらった高級感のあるノートブック。カラーは、ゴールド・シルバー・ブロンズがある。仕様やサイズのバリエーションも多数。

Notizbücher / Kalender 2019 (写真右)
使いやすさを追求するためノートにはページがふられていたり、整理しやすくするために目次が付けられている。カラーバリエーションとサイズが豊富。

クラシックとモダンが同居
DIPLOMAT ディプロマット

ボンの近くに位置する小さな町、ヘンネフで誕生。1958年にドイツ市場で初めてカートリッジの万年筆を導入したメーカーとして名が広まり、一流ブランドへと成長した。機能性だけでなく、クラシックとモダンが同居したエレガントなスタイルも人気の理由の一つ。

DIPLOMAT ディプロマット

「EXCELLENCE A」シリーズ(写真左)
ディプロマットの代表的なモデル。回して開けるタイプのねじ式キャップが特徴のシリーズ。

「AERO」シリーズ(写真右)
ツェッペリン号のフォルムを意識してデザインされた「アエロ」シリーズ。なめらかなフォルムで書き心地の良さが特徴。

ベルリンの日本文房具店「sowale」に聞くドイツ文房具の魅力

最終更新 Montag, 24 September 2018 10:22
 

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