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【保存版】ケーキ・お菓子事典 - ハリボーの魅力に迫る!

ケーキ・お菓子事典

週末には家でケーキを焼く習慣が根付いているドイツでは、みんな甘いものが大好き!カフェではコーヒーを片手にケーキを口にほおばりながら談笑している光景を目にすることもしばしば。また、ドイツはシュトレンやバウムクーヘンなど、日本でも馴染み深いお菓子の発祥地でもある。定番から人気のスイーツまで、ドイツだからこそ味わえるケーキ・お菓子の世界をご堪能あれ。(ドイツニュースダイジェスト編集部)

HARIBO
ドイツ発、世界最大のグミメーカー
「ハリボー」の魅力に迫る!

ハリボーとは?

ハリボーのくま

第一次世界大戦後の1920年、創業者のハンス・リーゲル氏がボンにグミキャンディー会社を設立したのが始まり。「Hans Regel, Bonn」それぞれの頭文字を取って「HARIBO(ハリボー)」と名付けられた。現在ではドイツをはじめ、150カ国以上で愛され続けている、世界最大のグミメーカーとしての地位を築いている。

ハリボーのグミは他社の製品に比べて硬めに作られているという。その理由は、欧州の人々が昔から固いものを食べる習慣がなく、咀嚼力が弱かったため、リーゲル氏が噛む力を補いたいと考えたためだった。あごの強化はもちろんのこと、よく噛むことによって肥満防止に繋がったり、脳に良い刺激を与えるなどの効果が期待できるという

HARIBO Store Bonn

HARIBO Store Bonn

ボンにはハリボーのオリジナルグッズを数多く取り扱うテーマパークのような専門店がある。グミに特化した1階には定番商品から、各国の限定商品がバラエティー豊かに揃えられている。ハリボーベアのグッズを扱う2階では、お土産に最適な、ここでしか手に入らないグッズが取り揃えられている。

Am Neutor 3, 53113 Bonn
www.haribo.com

ハリボー人気ランキング

GOLDBÄREN1位 ゴールドベーレン
GOLDBÄREN

不動の人気ナンバーワンは、創業以来、長年に渡って多くの人々から愛され続けているスタンダード商品。リンゴ、オレンジ、パイナップルなど、フルーツの爽やかな甘さが味わえる。

GOLDBÄREN2位カラーラド
COLOR RADO

ゴールドベーレンのフルーツ味、ラズベリーのグミ、日本では「タイヤ味のグミ」として知られているリコリス味のグミなどが楽しめる。

GOLDBÄREN3位ファンタジア
PHANTASIA

魔法使い、恐竜、空飛ぶ子豚、コーラのボトルなどのデザインが楽しめる。グラデーションカラーが見た目にもにぎやか。さまざまな味わいがミックスされているのが人気の秘密。

最終更新 Montag, 21 Dezember 2020 13:51
 

【14種類】ドイツのケーキとお菓子を紹介!【定番&人気】

ケーキ・お菓子事典

週末には家でケーキを焼く習慣が根付いているドイツでは、みんな甘いものが大好き!カフェではコーヒーを片手にケーキを口にほおばりながら談笑している光景を目にすることもしばしば。また、ドイツはシュトレンやバウムクーヘンなど、日本でも馴染み深いお菓子の発祥地でもある。定番から人気のスイーツまで、ドイツだからこそ味わえるケーキ・お菓子の世界をご堪能あれ。(ドイツニュースダイジェスト編集部)

マルチパン

マルチパン
Marzipan

アーモンドの粉と砂糖を混ぜ合わせたマルチパンは、ドイツ北部の都市、リューベックの名物として有名。13世紀にベネチアからやってきたハンザ商人によってドイツにも広まった。アーモンドの含有量の割合が高ければ高いほど高級とされ、リューベックでは、アーモンドを50%以上用いることが定められている。同都市の有名な老舗菓子店「ニーダーエッガー」のマルチパンは、アーモンドを70%も使用している。

シュペクラティウスシュペクラティウス
Spekulatius

ベルギーやオランダ、ドイツのライン川沿いの地方に由来するジンジャービスケットで、カルダモンやシナモンの香りが特徴。1年中楽しむことができるが、ドイツでは特にクリスマスの時期の伝統的なお菓子として愛されている。クッキーの生地を多様な模様がある薄い木型に入れて形を整え、取り出して焼くのが一般的な作り方。

シュトレン
Stollen

シュトレン

冬季のスイーツとして日本でもメジャーなシュトレンは、生地を二つに折りたたんで焼いた形が「坑道」のある山に似ていることからその名が付いた。レーズンやクルミが入った素朴な味わいが魅力だが、最近ではさまざまなドライフルーツを入れたものなど、味わいがバラエティー豊かになってきている。シュトレンの本場とされるドレスデンでは、クリスマスマーケット期間中にシュトレン祭りと題して、巨大なシュトレンがお目見えする。

レープクーヘンレープクーヘン
Lebkuchen

さまざまな香辛料を使った個性的な味わいの、しっとりとしたクッキー。底にオブラートを敷き、それ以外の部分はチョコレートや砂糖でコーティングされていることから日持ちがするお菓子として、ドイツ全土のクリスマスマーケットで定番のお菓子。通常はクリスマス時期しか出回らないが、ニュルンベルクにある老舗の専門店「シュミット」では、1年を通して味わうことができる。

シュネーバルシュネーバル
Schneeball

シュネーバルとは「雪玉」のこと。小麦粉にバターと玉子を加えた生地で小さな球を作りオーブンで焼いて、仕上げに粉砂糖をまぶしたものが、家庭で作られる一般的なシュネーバル。フランケン地方では生地をのばして太い紐状にしたものをカットし、何本かを丸めて油で揚げ、チョコレートなどでコーティングするスタイルが主流。中でもローテンブルクのシュネーバルが有名。

ダンプフヌーデルダンプフヌーデル
Dampfnudel

バイエルン地方やオーストリアの伝統的なデザート。別名「ヘーフェクレーセ(Hefeklöße)」とも呼ばれている。酵母入りの小麦粉生地で団子を作り、中にジャムなどを入れて蒸し、仕上げにバニラソースやケシの実をかけていただく。洋菓子店などで売られていることが少ないため、レストランのデザートとして注文するのが一般的。

バウムクーヘン

バウムクーヘン
Baumkuchen

ドイツのスイーツの代名詞とも呼べるバウムクーヘンは、小麦粉にバター、玉子、バニラエッセンスなどを加えて練った生地を芯に薄く巻き付けて焼き、何度も同じ工程を繰り返して焼いたお菓子。芯を抜いて輪切りにすると、樹木の年輪のような模様ができることから「バウム(木)クーヘン(菓子)」の名が付いた。発祥地には諸説あるが、北部ザクセン=アンハルト州の町、ザルツヴェーデルで初めて作られたという記録が残っている。

シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ
Schwarzwälder Kirschtorte

シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ

「黒い森のさくらんぼ酒ケーキ」という意味を持つ、シュヴァルツヴァルト地方の特産品であるさくらんぼ酒を使って作られたケーキ。1930年代ころからドイツ全土に広がるようになる。ココアのスポンジにさくらんぼ酒キルシュヴァッサーをふりかけ、間にホイップクリームとさくらんぼを挟む。最後に表面を削ったチョコレートで飾る。

モーンクーヘン
Mohnkuchen

モーンクーヘン

ケシの実(モーン)を粉にして、砂糖やバター、ミルクなどで練ったフィリングをぎっしり詰めて焼いたケーキ。ケシの実のプチプチとした食感が楽しめる。ドイツ以外にもポーランドやチェコ、ハンガリーなどの家庭で昔からよく作られてきた伝統的なお菓子として有名。ドイツでは、生地にケシの実のフィリングを渦巻状に練りこんでオーブンで焼く「モーンシュトリーツェル(Mohnstriezel)」もポピュラー。

シュトロイゼルクーヘン
シュトロイゼルクーヘン Streuselkuchen

バター、砂糖、小麦粉を混ぜて粒状にしたケーキ用トッピング、シュトロイゼルをケーキの上にまぶして焼き上げたもの。仕上がりは、上面がクリスピーになっているので、サクサクとした食感が楽しめる。ケーキの中身の素材は、チーズやカスタードクリーム、アップルピュレなどを使用することが多い。

アプフェルシュトゥルーデル
アプフェルシュトゥルーデル Apfelstrudel

リンゴを薄い生地に包んで焼いた、ドイツ語圏で最もポピュラーなケーキ。ほんのりとしたシナモンの香りが食欲をそそる。外側がしっとりとした食感に仕上がっているのが特徴。カフェでは粉砂糖をまぶしたり、バニラソースやバニラアイスクリームなどが添えられていることが多い。

ケーゼトルテ
Käsetorte

ケーゼトルテ

ケーゼトルテまたはケーゼクーヘン(Käsekuchen)は、いずれもチーズケーキのこと。ドイツでは主にヨーグルトのような味わいのフレッシュチーズ、クワルクが使われているため、クワルクトルテ(Quarktorte)とも呼ばれる。日本の濃厚なチーズケーキに比べ、さっぱりとした味わいが特徴的。アプフェルシュトゥルーデルと並んで、ドイツではポピュラーなケーキの一つ。

ビーネンシュティッヒビーネンシュティッヒ
Bienenstich

「ハチの一刺し」という意味を持つビーネンシュティッヒは、上面にぎっしりとコーティングされたアーモンドの香ばしさと、中にたっぷり詰まったバタークリームの濃厚な味わいが人気のケーキ。上部のサクサクとした食感とクリームのしっとりとした口当たりのバランスが、コーヒーや紅茶によくマッチする。

ドナウヴェレドナウヴェレ
Donauwelle

カットしたケーキの側面が波のように揺れて見えることから名付けられたドナウヴェレ。プレーン生地とココア生地、あるいはベリー系の赤みのある生地など、色味の異なる生地を重ねて作り焼き上げる。また、バタークリームとチョコレートでコーティングした上部に、フォークを使って波を描くのが一般的なスタイル。

最終更新 Dienstag, 11 Januar 2022 15:56
 

柳田選手を応援しよう!バレーボール・ドイツカップ決勝戦 fBフリードリヒスハーフェン vs ビソンズ・ビュール

バレーボール・ドイツカップ決勝戦vfBフリードリヒスハーフェン vs ビソンズ・ビュール

昨年12月13日に行なわれたバレーボール・ドイツカップ(ポカール)の試合でTSVヘルシングを3対1で下し、2度目となる決勝戦への切符を手に入れたビソンズ・ビュール。そんなビソンズ・ビュールには、現在、全日本メンバーの柳田将洋選手が所属している。

2016年のベルリン・リサイクリング・バレーズとの決勝戦に続き、2018年3月4日(日)にビソンズ・ビュールは、マンハイムのSAPアリーナで1万2000人の観客を前に再び決勝戦を迎える。今回対戦するVfBフリードリヒスハーフェンは、リーグ戦やドイツカップで何度も優勝経験があるチームだ。手強い相手ではあるものの、ビソンズ・ビュールにも十分チャンスはある。

在任8年のRuben Wolochin監督は「長期的なビジョンを持ってこの新しいチームを築いてきました」と、決勝進出への喜びを表現した。また、「私たちにとって重要なのは、実力のある若い選手たちがブンデスリーガでアピールするチャンスを得ること。今シーズン、まずはチームの形を作り、組み立てることを目指しました。その結果、次に向けて集中することができました」と話す。

マンハイムのSAP アリーナ
3月4日、ドイツカップ決勝戦の舞台となる、マンハイムのSAPアリーナ
マンハイムのSAP アリーナ
3月4日、ドイツカップ決勝戦の舞台となる、マンハイムのSAPアリーナ
チームメンバーや監督らと共に作戦を練る柳田選手
チームメンバーや監督らと共に作戦を練る柳田選手
相手チームのブロックをもかわす強力なアタックを繰り広げる
相手チームのブロックをもかわす強力なアタックを繰り広げる
ビソンズ・ビュールの選手たち
決勝戦への切符を手に入れた、ビソンズ・ビュールの選手たち

マネージングディレクターのManohar Faupel氏は、「リーグの中でも若いチームで結成されているビソンズが決勝進出を果たしました。セッターのMario Schmidgall選手(19歳)、オポジットのAnton Qafarena選手(20歳)、ウイングスパイカーのCorbin Balster選手(20歳)といった若手が、彼らにとってプロ入り初となる今シーズン、中心となって戦ってくれました」と、新チームの仕事ぶりに胸を張る。そして「柳田将洋選手にも期待をしている」と続けた。

そんなチームからの期待を背負う柳田選手は、「マンハイムの大舞台に立つことができるのは、自分のバレーボール生活の中で大きなモチベーションとなっています。ベストを尽くし、良い結果を生み出したいです」と語ってくれた。

バレーボール・ドイツカップまで残り1カ月。パワフルなアタックやサーブを繰り広げる柳田選手とビソンズ・ビュールを応援しに行こう!(取材協力:鈴木ゼーバッハ由美)

最終更新 Montag, 24 Juni 2019 14:33
 

記念年を迎えるドイツの偉人たち

記念年を迎える偉人たち
2018年から過去を振り返る

過去を振り返る時、今がどのような歴史の流れの中にいるのかを確認することができる。
今年、記念年を迎える、ドイツが生んだ偉大な人物に焦点を当ててみよう。
(執筆:見市 知)

生誕200年

「資本論」を著した天才思想家
カール・マルクス
Karl Heinrich Marx 1818年〜1883年

カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスとの共著「資本論」によって、19世紀末以降の国際政治に多大な影響を与えた思想家のカール・マルクスは、生前の知名度は決して高くなく、多くの時間を亡命者として経済的困窮の中で過ごしたと言われている。

マルクスは1818年、プロイセン王国領だったライン地方のトリアー(現ラインラント=プファルツ州の都市)で、代々ユダヤ教のラビを務めたユダヤ人家庭に出生する。当時の時代背景は、絶対的勢力を誇ったナポレオンがロシア遠征で敗れ、フランス支配下にあったライン地方が1814年のウィーン会議でプロイセン領となった頃だった。産業革命による経済構造の劇的な変化、労働者階級の出現と、思想的には自由主義が活性化した時代にマルクスは生きた。

「宗教はアヘンだ」、「すべての財産は盗品である」といった有名な言葉を残したマルクスの思想はその後ロシア革命の基盤となり、ソ連をはじめとする旧共産圏を誕生させた。その共産主義体制の国々のほとんどが崩壊した今、マルクスの思想はすでに時代遅れなのだろうか?「 はじめてのマルクス」を著した作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏はマルクスの偉業を「資本主義の根本的な矛盾が、労働力の商品化にあることを解明したこと」と述べている。

今、私たちはかつてマルクスも想像し得なかった、グローバル資本主義の世界で生きている。マルクスが説いた「資本主義の矛盾」を今も抱えながら生きるこの社会は、200年前よりも豊かな社会になったのだろうか。

生誕150年

「性のアインシュタイン」と呼ばれた医学者
マグヌス・ヒルシュフェルト
Magnus Hirschfeld 1868年〜1935年

マグヌス・ヒルシュフェルト昨年、ドイツでは同性間における婚姻が完全合法化され、またパスポートなどの公式書類に男性でも女性でもない「第三の性」を表記する権利が連邦憲法裁判所で認められた。そんな現在のドイツにおける「性」の捉え方からすると想像しがたいが、男性同性愛を禁止する刑法175条は、実は1994年までドイツで効力を持っていた。刑法175条の歴史は1817年、ドイツ帝国時代に遡る。これに対し、廃止を唱えた著名な医学者がマグヌス・ヒルシュフェルトだった。

ヒルシュフェルトは同性愛に対する科学的理解を訴え、同性愛者の権利擁護を目指して「科学人道委員会」を創設、帝国議会にも働きかけた。しかしナチスの台頭と共に改革はとん挫し、ヒルシュフェルトは1935年、亡命先のフランスで死去した。

生誕100年

独仏関係を大きく変化させた信念と決断の人
ヘルムート・シュミット
Helmut Schmidt 1918年~2015年

ヘルムート・シュミット1918年、第一次世界大戦が終結し、これによりドイツは敗戦国の汚名と多額の負債を負った。のちに西ドイツ首相として、戦後ドイツの国際政治における地位を大きく飛躍させたヘルムート・シュミットは、ドイツが失意と混とんの中にあったこの年、ハンブルクで誕生した。

シュミットに関する逸話として広く記憶されているものの一つが、ハンブルク市内相時代に同市を洪水が襲った際、憲法違反を恐れず連邦軍の出動を要請して市民を救った功績だ。一方、赤軍派テロリストによる要人誘拐やハイジャック事件などに対して、「テロリストとは取り引きしない」という信条を貫き、妥協を許さない姿勢でも知られた。また、フランスと協力して欧州理事会の設立などにも尽力。長い間敵対関係にあったフランスとドイツとの関係を大きく変えた影の功労者でもあった。

没後550年

活版印刷技術の発明家
ヨハネス・グーテンベルク
Johannes Gutenberg 1400年頃~1468年

ヨハネス・グーテンベルク2017年、ドイツでは宗教改革500周年が盛大に祝われた。これは1517年10月31日、マルティン・ルターがヴィッテンベルク城教会の扉に、「95か条の論題」を貼り付けた日から500年を記念するものだが、今年はこれに先駆けて世紀の大発明をし、「95か条の論題」やルターの訳したドイツ語聖書の普及を可能にして、宗教改革を大きく後押しすることにもなったグーテンベルクの没後550周年に当たる。

活版印刷技術の発明は、羅針盤、火薬と並んでルネサンスの三大発明の一つに数えられており、今でいうならばインターネットの発明に匹敵するほどの画期的な出来事だった。彼は職人であり発明家である一方、チャレンジ精神に富んだ実業家だったともいれている。

生誕100年

反ナチス運動の悲劇の戦士
ハンス・ショル
Hans Scholl 1918年~1943年

ハンス・ショルナチスに対する学生抵抗運動組織「白ばら」のリーダーとして活動し、わずか24歳の若さで国家反逆罪で処刑されたハンス・ショルは、1918年にシュトゥットガルト北部のインガースハイムで生まれた。

父親はリベラル派の市長で、ナチスに対して否定的な見解を持っていたが、少年時代は父親の考えに反してナチスに心酔し、ヒトラーユーゲントに加入していたという。しかし、やがてナチスのさまざまな政策に疑念を抱くようになり、ヒトラーユーゲントを離脱。

ミュンヘン大学医学部に入学したのち、「白ばら」運動を組織した。「白ばら」運動は、学生たちの純粋さと若くして亡くなった彼らの悲劇から伝説化し、語り継がれている。
関連記事:ミュンヘンに散った正義の「白バラ」

没後100年

ベーキングパウダーの発明者
アウグスト・エトカー
August Oetker 1862年~1918年

アウグスト・エトカーアウグスト・エトカーは1862年、ニーダーザクセン州のオーバーキルヒェンにパン職人の息子として生まれた。

その後、薬剤師となったエトカーは、ベーキングパウダーの開発を皮切りに「ドクター・エトカー」社を創業。同社は今では、菓子の材料をはじめとした多様な食品を扱う大手食品メーカーに成長している。

ドイツの伝統的な日曜日の午後の過ごし方は、自宅で焼いたケーキを囲んでコーヒーの時間を楽しむこと。この国でベーキングパウダーが発明されたというのも偶然ではないのかもしれない。

ノーベル物理学賞受賞から100周年

「量子論の父」と呼ばれた不屈の物理学者
マックス・プランク
Max Planck 1858年~1947年

マックス・プランク「量子論の父」と呼ばれ、ドイツを代表する物理学者、マックス・プランク。物理の授業を選択した人ならば、「プランク定数」に触れたことがあるはず。

キールに生まれたプランクはミュンヘン大学に進学、その後ベルリン大学に転学して1879年に熱力学の研究で博士号を取得。1918年にエネルギー量子の発見に対してノーベル物理学賞を受賞した。

ナチス時代はユダヤ系研究者の迫害に対して直接抗議を行ない、さらに次男がヒトラー暗殺計画に加担した罪状で処刑される悲劇を経験したが、生涯ドイツを離れなかった。

「ヘンゼルとグレーテル」初演から125周年

大衆に愛されるオペラを残した作曲家
エンゲルベルト・フンパーディンク
Engelbert Humperdinck 1854年~1921年

フンパーディンクドイツでクリスマスシーズンの定番といえるオペラ「ヘンゼルとグレーテル」。今年はこの名作がワイマールで初演されてから125周年目に当たる。同作を作曲したのがエンゲルベルト・フンパーディンク。

生涯で6つのオペラ作品を作曲したフンパーディンクは、大衆的な作曲家として位置付けられている。

彼の代表作「ヘンゼルとグレーテル」でも、民謡を取り入れて子供にも親しみやすい作品に昇華させており、現在も多くの人々から愛され続ける作品として、受け継がれている。

最終更新 Dienstag, 23 Januar 2018 15:26
 

ドイツ・英国の働く犬たち - ドイツの介助犬と英国の牧羊犬

2018年の干支は戌

人を支え、社会と繋ぐ ドイツ・英国の働く犬たち

近年、英国の官邸街でネズミ捕獲長として働く猫たちが人気を博し、日本では猫の駅長が地域活性化に一役買うなど、猫がメディアの注目を集めている。しかし、2018年の干支は戌。今年最初の特集では、ドイツと英国で人と社会を結び付けるべく活躍している犬に着目したい。盲導犬や警察犬、救助犬など、人々の生活を補助してくれる犬たちの中から、今回はドイツの市民の日常生活を支える介助犬と、英国の牧畜業に欠かせない存在である牧羊犬をご紹介しよう。

英国の牧羊犬とドイツの介助犬

人と犬が幸せに暮らす国、ドイツで活躍
生活をサポートする
介助犬たち

ヨーロッパ屈指の「犬大国」であるドイツ。犬は大切な家族、良き仲間であり、人間と対等な存在として扱われている。そんなドイツには、警察犬や盲導犬、介助犬として活躍する犬が数多く存在しており、私たちの暮らしをサポートしてくれている。人も犬も幸せに暮らす国、ドイツの犬事情や法律、歴史を紐解きながら、ハンディキャップを持つ人を手助けする介助犬に焦点を当ててみたい。

取材団体:ruhrpotthunde Hundeschule

介助犬のトレーニングを始め、子犬や高齢な犬のための基礎的な教育や、狩猟犬の研究など、多種多様な犬のスペシャリストを擁する機関。人も犬もリラックスできるような理想的な自然環境を兼ね備えるノルトライン=ヴェストファーレン州の町、ヴィッテンにて、それぞれの犬の個性を生かした個別指導から、犬の社会性を培う小グループでのレッスンまで、幅広い内容のトレーニング教室を開催している。
www.ruhrpotthunde.de

ドイツの介助犬たち

人間と対等な存在

街中や公園はもちろん、電車やバス、デパートやレストランなど、あらゆる場所で犬を見掛けない日はないと言っても過言ではないほどドッグ・フレンドリーな国、ドイツ。犬は人間に癒しを与えてくれるペットではなく、家族や友人といった大切なパートナーとして、私たちと対等な立場にいると考えられている。そのため、飼い主が暮らす市の一員として犬税(Hundesteuer)と呼ばれる税金を納める義務があり、公共交通機関では料金を支払えば乗車することが認められている。このように社会の一員として認識されているので、もちろん周りの目も厳しく、きちんとしたしつけをするためにどの町にもある犬の学校(Hundeschule)に通うのが一般的だ。その結果、公共の場で騒いだり吠えたりする行儀の悪い犬をこの国で見ることはほとんどない。

犬との共存が広く根付く理由は?

マーケティング・リサーチ会社GfKの調査(2016年度)によると、ドイツで犬を飼っている割合は、21%。最も数値が高いアルゼンチンでは66%、英国では27%、日本では17%となっており、ドイツの割合が特に高いわけではないことが分かる。では、なぜここまで犬が人間社会に溶け込んで暮らすスタイルが定着しているのか。そこには2つの理由がある。

まず1つ目は、古くから動物愛護に関する考えが発達していたことだ。法律の観点から見ると、1871年、ドイツ帝国時代には既に動物虐待罪を規定した刑法典が存在していた。民間の動きとしては、ドイツ国内で最も有名な動物愛護施設「ティアハイム・ベルリン」の前身となる施設が1901年から動物シェルターとしての機能を果たしていたという記録が残っている。このように100年以上もの長い歴史を刻むことで、動物と共存するという精神が幅広く根付いているのだろう。

そして2つ目に、ドイツには数多くの優れた国産犬種がいることが挙げられるだろう。警察犬や盲導犬はドイツが発祥と言われており、さまざまなドイツ原産の犬種が人々の暮らしをサポートしている。そのため、ドイツ人にとって犬は切っても切り離せない存在なのだ。

人々の生活を支える優秀な犬たち

ドイツの犬」と言われて真っ先に思い浮かべるのが、警察犬ではないだろうか。ドイツにおける警察犬の始まりは第一次大戦にまでさかのぼる。その際の活躍ぶりが世界的に知られるようになり、ドイツ原産のジャーマン・シェパードやドーベルマンは、国内に留まらず世界各地で活躍の場を広げている。現在、ドイツでは上記の犬種のほかにボクサーを始め、10もの国内外の犬種が警察犬として認定されており、犯人の追跡や行方不明者の捜索、爆発物・麻薬探知などのシーンで活躍している。ちなみにドイツ国内で最も人口が多いノルトライン=ヴェストファーレン州では、約290頭の警察犬が日々、市民の安全のために働いている。

同じくドイツになじみ深いのが盲導犬だ。初めて福祉事業として取り入れられるようになったのも、第一次大戦後のドイツだった。戦争で負傷し、失明した多くの軍人の社会復帰を手助けするため、組織的に盲導犬が育成されるようになり、1916年、オルデンブルクに世界初となる盲導犬訓練学校が設立された。1939年には、日本に初めて4頭の盲導犬(ジャーマン・シェパード)がドイツから輸入され、後の日本の盲導犬育成に貢献したとされている。

警察犬のジャーマン・シェパード警察官とともに業務に当たる警察犬のジャーマン・シェパード。
容疑者逮捕に貢献することもしばしばある

ニーズに合わせて援助する介助犬

警察犬や盲導犬と同様に人々の生活を円滑にするためにサポートしてくれるのがこれから紹介する介助犬だ。今回、話をうかがったruhrpotthunde Hundeschuleの介助犬トレーナー、ビルギット・シュターデさんによると、介助犬とは言葉の通り、サポートを必要とする人を援助する犬のこと。そのため、人を手助けするという点で、盲導犬・聴導犬も介助犬の一種だという。目的が明確な盲導犬や聴導犬に比べ、介助犬は幅広いニーズに合わせて訓練されるのが特徴だ。

介助犬の中で一般的なのが日常生活の手助けをする犬、心の病に苦しむ人に寄り添う犬、糖尿病患者の低血糖による異変を周囲に知らせる糖尿病アラート犬の3種類。それぞれ担う役割が違ってくる。

生活サポート介助犬(LPF-Assistenzhunde)
身体的なハンディキャップを持つ人が実生活に支障をきたさないようサポートする。具体的には、飼い主が落としたものを拾ったり、ドアを開けたり、照明を点灯させるなどの一般的な生活の援助作業。

PTSD介助犬(PTBS-Assistenzhunde)
心的外傷ストレス障害(PTSD)に苦しむ人などの心に寄り添う。具体的には飼い主が夜にうなされている際に慰めたり照明を付ける、危ない状況で安全な場所に移動させ、家まで誘導するなど。

糖尿病アラート犬(Diabetikerwarnhund)
鋭い嗅覚を生かし、糖尿病患者の低血糖や高血圧による容態の急変を家族や周囲に知らせる。子供の患者に対して特に需要が高く、純粋な援助作業に加えて犬が病気の子供のために果たす社会的要素は非常に重要だとされている。

介助犬に適した性格や犬種

介助犬のトレーニング方法には、トレーナーが個々にレッスンをして育てるお任せタイプと、子犬の段階でトレーナーの力を借りて飼い主も一緒になって訓練する参加型タイプの2通りある。基本的なトレーニング内容としては、服従と必要な援助作業が訓練される。

また、人をサポートするという面において大切になってくるのが適正だ。性格の面においては、飼い主に従順であり、おとなしいこと。そして体力があり、他人やほかの動物に対しても高レベルな適合性を持っていることなどが挙げられる。原則としてはどんな犬種も介助犬になるための訓練を受けることは可能だが、大きく安心感のある体格で愛らしい外見のラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーが特に適しているとされている。そのほか、賢い大型のプードルや、クライナー・ミュンスターレンダーなどのドイツの犬種も含まれている。しかしシュターデさんによると、時には介助犬を必要とする人が「一目ぼれ」することもあると言うので、どの犬種が人生のパートナーになるかは、最終的には相性によって決まる。

犬大国、ドイツの今後の課題

実はドイツでは介助犬に関して国で一律の規定が定まっておらず、犬税も自治体によって免除されるケースもある。また、映画館、劇場、病院など通常、犬が中に入ることができない場所でのアクセス権についても法律で決まっていないため、それぞれで対応が違うことが今後の課題でもあると、シュターデさんは語る。

では、もし私たちが街中や駅などで介助犬を見掛けた際にはどのようなサポートができるのだろうか。「介助犬を利用している人の中には、見た目だけではハンディキャップを背負っていると分からない方もいます。もし、街中で介助犬のマークやゼッケンを付けた犬に出会った際には、注意を引いたり、撫でたりするようなことはしないください。また、そのような人を見掛けたら注意を促してください。介助犬たちは飼い主のために重要な仕事をしているのですから」。

人と犬が幸せに暮らせる国だからこそ、今後は福祉の視点からも互いがより快適に共存できることを目指す必要があるのではないだろうか。

ドイツ原産のプードルドイツ原産のプードルはその賢さから介助犬に適していると言われている

ドイツ・英国の
犬にまつわる法律や規則

人間と犬が一つの社会で共存するため、ドイツでも英国でも、犬に関する法律や規則が存在する。ときには「えっ」と驚くユニークな決まりも。犬と一緒に生活する上で、しっかり把握しておきたい法律や規則をいくつか挙げてみよう。

ドイツドイツ

  • 殺処分は原則禁止
    動物全般の殺処分は原則禁止。不治の病を患った動物のみが例外とされている。飼い主がいない動物たちは「ティアハイム」という民間の動物シェルターに保護され、引き取り手が見つかれば新たな家族の元へ、見つからなければ無期限で生活することができる。
  • 公共交通機関の同乗が可能
    公共交通機関の同乗可。ドイツ鉄道での犬の乗車賃は、大人料金の半額となる(チケットの種類により違いあり。盲導犬や介助犬などは無料)。ほかにもショッピング・センターやレストラン内で犬がおとなしく待っている姿は、ドイツでは日常の風景だ。
  • 細かい飼育規定がある
    犬も家族の一員という認識が強いドイツでは、詳細な飼育規定がある。例えば犬種などによってケージのサイズやリードの長さ、さらには部屋の大きさまでも決まっている。これらが守られていないと判断されれば最悪の場合、愛犬を没収されることも。
  • 犬税が課せられる
    自治体によって徴収の有無が異なり、金額も変わってくるが、1頭当たり平均100ユーロ(1年間)が課せられ、数が増えるほど高くなる(デュッセルドルフの場合、1頭は年間96ユーロ、2頭は1頭当たり150ユーロ)。闘犬の税金は普通犬種の倍以上になる。

UK英国

  • すべての犬にマイクロチップを義務付け
    既に法が制定されている北アイルランド以外の地域で、2016年に生後8週間以内のすべての犬にマイクロチップを埋め込み、データベースに登録することが義務付けられた。これを怠ると最高500ポンドの罰金が科せられる。
  • 断耳、断尾の禁止
    断耳は英国全土で禁止。断尾も基本的には禁止だが、警察犬や軍用犬など一部の職業犬に限り認められている。これまで断耳、ß断尾ともに完全禁止だったスコットランドも、2017年6月に法律が代わり、一部の職業犬については断尾が可能になった。
  • 1頭の犬に6回以上出産させてはいけない
    繁殖業者は地方自治体に登録する義務がある。様々な規定が設けられており、1歳未満の雌犬に出産させてはいけない。また、1頭の雌犬に一生のうち6回以上出産させるのも不可、次までに1年以上の間を置く必要がある。
  • 土佐犬を含む4種が危険犬種に指定
    1991年に施行された危険犬種法によると、ピット・ブル・テリア、ブラジリアン・ガード・ドッグ、ドゴ・アルヘンティーノ、土佐犬の飼育が、特定の場合を除いて禁止されている。これらの犬種の繁殖や販売、譲渡も不可。

ショーペンハウアーやエリザベス女王の愛犬など
ドイツ・英国を代表する犬たち

ドイツドイツ

  • ジャーマン・シェパード・ドッグ勇敢な性格で警察犬として活躍
    ジャーマン・シェパード・ドッグ
    Deutscher Schäferhund
    第一次大戦での活躍で世界中に知られることとなり、現在では警察犬として活躍している。そのほか警察犬であるドーベルマン、ボクサーもドイツ原産で、これらの犬種は日本でも警察犬指定犬種になっている。
  • プードルショーペンハウアーの愛犬
    プードル
    Pudel
    フランスが原産と思われることが多いプードルは、実はドイツが起源の犬種。ドイツ人哲学者、アルトゥール・ショーペンハウアーが愛犬のプードルを散歩する姿が話題となり、当時のフランクフルトではプードルを飼うことが流行ったそうだ。

UK英国

  • イングリッシュ・ブルドッグ粘り強く勇敢な英国の国犬
    イングリッシュ・ブルドッグ
    English Bulldog
    雄牛と闘うためにつくり出された中型犬。勇敢で粘り強い様から、第一次大戦時には「ブルドッグ精神」として、英国民が敵に対し不屈の精神で挑むためのプロパガンダにも利用された。第二次大戦時には当時の首相ウィンストン・チャーチルのニックネームでもあった。
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブロークエリザベス女王の愛する「動くじゅうたん」
    ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
    Welsh Corgi Pembroke
    エリザベス女王が幼少のころから愛し、91歳の現在に至るまで常にペットとして飼い続けているのが、ウェールズ地方原産の小型犬コーギー。女王の周囲に群がるコーギーが一斉に移動していく様子を、故ダイアナ元妃は「動くじゅうたん」と形容した。
最終更新 Mittwoch, 23 September 2020 15:19
 

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