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特集


フォトコンテスト2013 受賞者発表!

英・独・仏ニュースダイジェスト主催 フォトコンテンスト2013 受賞者発表!

独・英・仏、3国のニュースダイジェスト主催によるフォトコンテストも、お陰様で今年で3回目を迎えることができました。過去最多となる335点もの応募作品は、どれも力作ぞろい。旅先で出会った人やモノ、日常生活でふと感じた、いとおしい瞬間。それぞれ異なる300以上ものひと夏の思い出の中から、ほんのいくつかを皆さんと共有できればと思います。

*写真をクリックすると拡大します

マチュア部門大賞

フランス 「夕方の花」
受賞者:ビエモン・スィルヴァンさん

「夕方の花」8月初め、ミュスカデという白ワインで有名なナントにある友人の別荘を訪れました。夕方、カメラを持ち散歩に出掛けると、すぐそばにもう使われていないぶどう畑があり、野性味溢れる草木が茂り、色とりどりの花々が咲き乱れていました。なかなか撮影したい花が見つからなかったのですが、15分程経ったとき、目の前に夕方の太陽を浴びている一輪のピンクの花を見つけました。ひざまずいてみると、その花の真後ろにぴったり太陽が重なり、とてもキレイだったので撮影しました。

審査員のコメント
色や構図が非常に強いインパクトを持った写真だと思います。今回はほかにも多くの方々が花々の写真を撮っていますが、この作品は構図とライティングの良さが群を抜いていました。逆光になっているので、光に透けた花弁の1枚1枚までがくっきりと際立つ様が素晴らしい。自然光で植物の写真を撮影するのならば、朝早く、または午後遅くがベスト。また、被写体に合わせてできるだけ視点を低くすることも大切です。花に焦点を当てることはもちろん重要ですが、花のどの部分にポイントを置くかも考えてみましょう
by Canon Europe


キッズ部門大賞

英国 「ひまわり」
受賞者:デービス 保奈美さん(6歳)

「ひまわり」いつもマミーのカメラを使って、好きなものの写真を撮っています。おもちゃとか、自分で描いて気に入った絵とか、ダディーとかマミーとか。お家から見える景色も。写真撮影は大好き! だから今回、大賞を取ったと聞いてとても嬉しいです。学校で植えたひまわりが家のベランダできれいに咲いたので撮りました。よく見ると、中心にある小さな豆の集まりが、私のクラスの皆が集まったときみたいで面白いな、と思ってそこを中心にしました。今度はピカチュウを撮りたいな。

審査員のコメント
今回はキッズ部門でもクオリティーの高い作品が数多くみられましたが、この作品は色鮮やかで力強く、何枚もある写真の中からすっと目に飛び込んできました。被写体に思い切り寄って撮影しているため、写真いっぱいに一輪の花が広がっていますが、焦点はピッタリ合っている。写真の大部分を埋め尽くす黄色に、ほんのわずか空の青色がのぞいている色のバランスも素敵ですね。撮影者が6歳というのが信じられない、レベルの高い1枚です。
by Canon Europe


マチュア部門特別賞

英国 「ジャンプ!!」
受賞者:ブレンディス 彩緒子さん

「ジャンプ!!」夏休みにフランスの海でボディボードを楽しむ息子と甥っ子たちを撮影していたときの1枚です。私自身も海に足を浸し、カメラが濡れないように注意しながらの撮影でしたが、子どもたちの特別な一瞬を撮ろうと夢中になってしまい、気が付くと波しぶきがかかっている、というような状況でした。この写真は甥っ子がジャンプした瞬間を撮影したもので、生き生きとした表情、躍動感のあるポーズ、そして波しぶきをはっきりと捉えることのできた大好きな1枚です。


審査員のコメント
休暇の最中に子どもが思い切り楽しんでいる、まさにその喜びの瞬間を切り取った作品。人物写真の撮影では、被写体に焦点が合っていない場合がありますが、絶妙なタイミングで撮影されています。これよりほんの少し前でも、ほんの少し後でも、この1枚は生まれなかったでしょう。そしてもう1点、突出していたのが色調。被写体の表情がとても良く捉えられている一方で、紺碧の空と海の中、ウェットスーツの鮮やかな緑色がくっきりと浮かび上がってきます。 by Canon Europe


マチュア部門入賞

ドイツ「Sie beide(2匹で一緒に)」
受賞者:高野 太輔さん

「Sie beide(2匹で一緒に)」 久々の休みにローテンブルクの城壁を散歩した際、何気なく撮った1枚です。猫の石像の隣で、本物の猫が気持ち良さそうにお昼寝をしている姿に癒され、仕事の疲れが吹き飛びました。普段から外出時にはカメラを携帯し、日常的に見慣れたモノや風景を客観的に捉え、より印象深い形で残せるよう心掛けています。モノの見方(向きや角度、時間)を変えることで、被写体の新鮮さや印象深さはいくらでも増すと思います。これからも日々の生活の中でより良い写真、思い出を残していきたいです。

審査員のコメント
猫好きの人にはたまらなく素敵な1枚ですが、苦手な人でも見ているだけで幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。自分が陽だまりの中で気持ち良くお昼寝をする猫になったような気分になります。猫、草花という自然に、猫の石像、植木鉢や庭石という人の手が加わったものが調和していて、角度や構図、色合いが絶妙です。動物の写真を撮ることは、簡単そうで意外に難しいですよね。撮影した方は、生き物の一瞬の表情を捉えることができる、素晴らしいセンスの持ち主だと思います。
by Steigenberger Frankfurter Hof THE SPA


マチュア部門入賞

英国 「Santa Monica Pier」
受賞者:バトラー 絹子 フィオナさん

「Santa Monica Pier」米カリフォルニアのベニス・ビーチからサンタモニカへ帰る途中、曇っていた空が突然割れ、サンタモニカ・ピアの昔ながらの遊園地のシルエットが現れたときに眩しさに目を細めながら撮った1枚です。光が差し込んでいる空が印象的だったので、そこに焦点を当てました。遊園地のシルエット、桟橋の下にチラッと光る海と暗い雲のコントラストが気に入っています。これからは旅行先で見る空だけではなく、天気がすぐに変わり、色々な顔を見せてくれる英国の空も撮りたいですね。

審査員のコメント
楽しかった1日が、あるいはひと夏が終わり、皆が家路に着いた後に、物思いにふける遊園地。また来るからね、と思わず声を掛けたくなるような切なさと、この美しい情景を見つけ出した撮影者の方の優しさが感じられる逸品です。海辺にある遊園地と、雲が大きく広がる空が、湿り気のある、しっとりとした情感を醸し出しています。空と遊園地の構成比率が絶妙であるとともに、写真中央下部の、日光で輝く雲と水面の光が良いアクセントとなっていて、何度も見入ってしまいます。 by 宝酒造株式会社


マチュア部門入賞

フランス 「行き交う人々」
受賞者:長澤 綾乃さん

「行き交う人々」 地面に張った水面が美しい「水の鏡」で有名なボルドーのブルス広場で撮りました。この日は残念ながら曇っていたので水の鏡を見ることはできなかったのですが、下から出てくるミストがなんとも幻想的でした。そこで遊ぶ子どもたちや世間話をするご老人方、そしてただ通り過ぎるだけの人々――それぞれが自分の時間を思い思いに過ごしているのがとても印象的で、思わずシャッターを切ってしまいました。フランスならではの自由な生活感が漂ってくるようで、とても素敵な空間でした。

審査員のコメント
まるで計算された静止画のような写真の中で、息をしている赤い色の登場人物たち。眺めている自分が「不思議の国のアリス」などのおとぎ話の中に誘われているような感覚にとらわれます。多数の優秀な応募作品の中からこの作品を選んだ理由は、「この写真の中に入りたい」と思わせる魅力があったからです。この写真を見ていて、自分も赤いシャツを買いたくなりました。撮影された長澤さんのほかの写真も見てみたいですね。今回は仏マチュア部門の入賞、おめでとうございます。 by GUILOGUILO


キッズ部門入賞

ドイツ 「野花」
受賞者:パウル・ベルケマーくん(10歳)

「野花」この写真は、今年の夏休みにチロル地方を旅行したときに写したものです。ハイキング中に、景色や植物、動物、乗り物、家族など、いいなと思ったものの写真をたくさん撮りました。夢中になり過ぎて、両親が100メートルも先から僕を呼んだこともありました。この写真を撮ったときも、ピントが合わなかったり、ハチが上手く写らなかったりして、何度も試しました。道端に咲いている野花にミツバチが止まり、頑張って蜜を集めている様子を撮ることができて良かったです。

審査員のコメント
思わず目を留めてしまうほど、繊細かつ躍動感溢れる作品ですね。ミツバチが、風に揺れる花の上で懸命に蜜をすすっている様子が収められた見事なワンショット。じっと写真を見続けていると、穏やかな風が吹いているのを肌で感じられるようです。ミツバチの毛の1本1本、羽の模様にまでぴったり焦点が合っていて、ミツバチの存在感を十二分に引き出しています。また、奥行きのある写真なので、ほかの花へ飛び移るミツバチの次の行動をも想像せずにはいられません。 by Purzel-Baum


キッズ部門入賞

英国 「パンを大事に抱えているねこ」
受賞者:山根 萌々子さん(11歳) 

「パンを大事に抱えているねこ」この写真はトルコのエフェソス遺跡で写しました。その日はとても暑く、数匹いた猫たちは遺跡の影に隠れて眠っていました。どの猫も可愛かったのですが、私が一番写真を撮りたいと思ったのがこの「パンを大事に抱えているねこ」でした。この写真で気に入っているところは、観光客にもらったであろうパンを大事そうに抱えながら、「取られることはないから大丈夫」という風に安心して眠っている姿です。風景の写真を撮ることが多いのですが、これからは動物も撮影していきたいです。

審査員のコメント
応募作品の中に動物の写真は多く、ほかにも可愛らしいものはあったのですが、この作品は猫とパンとお昼寝という組み合わせがユニークですね。しっぽの近くには食べ散らかした跡もあるので、きっとまずは食べられるだけ食べてお腹いっぱいになり、でもほかの猫には取られるかとばかりに残りのパンもしっかりと抱え込んで眠りこけてしまったのでしょう。そんな猫の気ままでマイペースな日常の1コマが頭の中で再現できてしまうような、実にチャーミングな1枚だと思います。 by History Studiosr


キッズ部門入賞

フランス 「おさないで。おちないで。」
受賞者:山岡 葵竜(きりゅう)くん(10歳)

「おさないで。おちないで。」影僕は夏休みに船の旅に出るために、大好きなボレロという犬を友達の家に預けた。でも旅行中はいつもボレロのことばかり考えていた。ある日、サントリーニという島に行って、パパたちは景色を見ていたけれど、僕は全然楽しくなかった。「ワンワン!」という犬の声が聞こえて見てみると、2匹の犬が崖っぷちに立っている。僕はカメラを出し、10枚ぐらい写真を撮った。そして船に戻り、その写真ばかり見ていた。「ボレロも来たら良かったのに」。この写真が入賞して「やったー!!」と思った。

審査員のコメント
犬のほのぼのした様子と、後ろの広大な風景とのコントラストが良い雰囲気を醸し出している1枚だと思います。2匹の躍動感が写真から伝わり、私も日本の実家にいる愛犬に会いたくなりました。葵竜さんも実は、ご自身の愛犬に会いたいと思って撮られたのですね。そんな気持ちが、見ている側にも伝わってくる作品に仕上がっていると思います。わずか10歳でこれだけの作品を生み出せるのですから、今後が楽しみです。これからもぜひ、写真を撮り続けてください。 by BOOK OFF


[審査員総評]

例年にも増して非常にレベルの高い作品が集まりましたね。今回は特に風景写真に目を見張るものが多かったという印象を抱きました。人物写真は家族や知人にとってかけがえのない瞬間を捉えた作品もありましたが、被写体に焦点が合っていないケースが多かったのが残念。

また、動物の写真も多かったのですが、実は動物の写真を撮るのは非常に難しい。動物写真イコール忍耐と言っても良いほどなのです。動物は人間の言うことを聞いてくれませんから、とにかく時間をかけてその動きを観察して次の動作を予測し、シャッター・チャンスを逃さないようにすることが必須となります。

風景写真を撮る際のコツは、構図をよく考えること。画面を縦と横それぞれ3分割する線を設定し、その線が交わる点上に被写体を置くという「3分割法」に則って、どこに地平線を持ってくるかを考えてみてください。蛇行する川や曲がりくねった道など、見る人の視線を導く要素を考えることも、美しい風景写真を撮るポイントとなるでしょう。
by Canon Europe

[From Digest]

英・独・仏ニュースダイジェスト主催フォトコンテスト 2013に数多くのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。今回で3回を数える本コンテスト、今年は過去最高となる計335点のご応募をいただき、社員一同、心より感謝申し上げます。

当選までの流れとしましては、これまで同様、まずはニュースダイジェスト社内で一次審査を実施。その後、各国審査員による最終選考が行われ、各国入賞作品、及び大賞作品・審査員特別賞作品が決定しました。

今回は撮影期間が夏ということで、明るい日差しの下、旅行先で撮影された写真など、見ているだけで心弾む作品が多かった印象を受けました。特に風景写真は意外性を突くものよりも、丁寧に時間をかけ、構図を練ったと思われる作品がいくつもみられたように思います。

例年になく多くの作品が集まったキッズ部門では、大人顔負けの構図の写真にうならされたり、日常のささやかな一場面をユニークにかつ愛らしく切り取った写真にほほ笑まずにはいられなかったりと、どの作品を選ぶべきか、うれしい悲鳴を上げながらの審査となりました。

今回はまた、弊社フェイスブック上に第一次審査通過作品をアップし、読者の皆様のお気に入り作品を教えていただくという初の試みを行いました。皆様からのご支持が高かった作品を、本ページ最後に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。 

[受賞者と賞品]

マチュア部門
大賞 ビエモン・スィルヴァンさん Canon Europe より
Canon EOS 100D Digital SLR Camera
マチュア部門特別賞 ブレンディス 彩緒子さん Canon Europe より
Canon PIXMA MG6350
ドイツ入賞 高野 太輔さん Steigenberger Frankfurter Hof THE SPA より THE SPA のご利用券
(300ユーロ分)
英国入賞 バトラー 絹子 フィオナさん 宝酒造株式会社より
清酒と焼酎のセット(200ポンド相当)
フランス入賞 長澤 綾乃さん 新割烹のレストラン GUILOGUILO より
お食事券(200ユーロ相当)
キッズ部門
大賞 デービス 保奈美さん Canon Europeより
Canon IXUS 255 HS Digital Camera
ドイツ入賞 パウル・ベルケマーくん Purzel-Baum より
子供服とおもちゃ(各1点)
英国入賞 山根 萌々子さん History Studios より
古の時代へタイムスリップ、コスチュームを着て写真撮影体験
フランス入賞 山岡 葵竜くん BOOK OFF より
バウチャー(60ユーロ相当)

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下記では、第一次審査通過作品のうち、弊社フェイス
ブック上で多くの支持を集めた作品をご紹介します。

最終更新 Freitag, 12 Juli 2019 11:19
 

ドイツ街めぐり10 エコ&社会派をキーワードにめぐるハンブルク

ドイツの街めぐり エコ&社会はをキーワードにめぐるハンブルク

自然や環境、健康、持続可能性に対する意識が高いと言われるドイツで、
「エコ」や「社会性」といった概念が、
どのような形で生活に取り入れられているのかを、
主要都市を巡りながら探る都市特集の第5回。
最後となる今回は、ハンブルクを取り上げよう。
ここは世界有数の湾岸都市であるというだけでなく、
国内都市別幸福度指数ランキングで第1位を獲得するほど、
”幸せな”街でもある(ドイチェ・ポスト 2012年調べ)。
日 常に根付くエコや社会性も、
きっとハンブルクの人々の幸せを支えているはず。
(編集部:林 康子)

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食品 Lebensmittel

1.  フェアトレードのアップル&マンゴー・ジュース
Süd-Nord Kontor

Süd-Nord Kontorフェアトレードを広く社会にPRし、教育分野にも取り入 れようと活動するハンブルクの公益団体「hamburg mal fair」。これまでにサッカーボールやコーヒー、チョコレートなど、独自のフェアトレード商品を開発してきた同団体 が、2009年に発売を開始したのが、こちらのアップル &マンゴー・ジュースだ。伝統農法に基づき栽培された フィリピン産の上質なマンゴーとハンブルク近郊ニーンヴォールトのシュミット果樹園(Süßmost Schmidt)で 採れたビオのリンゴを組み合わせた、環境にやさしい“社会派”のジュースは、フェアトレードの卸・小売業を営む 「Süd-Nord Kontor」のほか、ハンブルク市内13カ所のフェアトレード・ショップ(Weltladen)で購入可能。

10:00-19:00  土10:00-14:00 ※日月祝休み Stresemannstr. 374, 22761 Hamburg
最寄駅:S Bahrenfeld
Tel: 040-8906133
www.sued-nord-kontor.de
www.hamburgmalfair.de

Bierland2.  国内外の希少なビールがずらり
Bierland

ビール王国ドイツで飲めるビールの種類は数あれど、このお店ほどイン ターナショナルな品揃えを誇るビール販売店は、ほかに見当たらないだ ろう。ドイツ国内、欧米、アジアなど、世界各地から取り寄せているビー ルは約360種。1日1種類試すとして、ほぼ1年間、毎日異なる味を楽しめる計算だ。南米生まれのオーナー、シュミット=ボーレンダーさんは、通訳業務を経て学生時代にアルバイトをしていた飲料品店を継ぎ、その店を2005年にビール専門店へと改装した。特に小規模醸造所のビールの販売に力を入れているのは、「大手メーカーにはない個性豊かな味を支援したい」から。同店では不定期で、ビールに合う料理、ビールを使った料理の講習会も開いている。

10:00-20:00 土10:00-18:00 ※日月祝休み Seumestr. 10, 22089 Hamburg
最寄駅:S / U1 Wandsbeker Chaussee
Tel: 040-208971
www.bierland-hamburg.de


Waldstück3. ドイツの森からの贈り物
  Waldstück

自然豊かなドイツでは、人々は古くから森と共存してきた。生活の糧を 森からいただく── 林業を営む父親の下、幼い頃から森に親しんできた というビンロートさんは、その原点に立ち返り、現代人のライフスタイルに合った持続可能性を探りたいと考え、森で作られたものを販売するお店を始めたそう。木の香りが安らぎを感じさせる店内には、シュヴァルツヴァルトのほか、欧州各地の森から集められた食品や木製のおもちゃ、インテリア雑貨など、生活に彩りを添えるアイテムがセンス良く置かれている。中でも食品は、北ドイツ産のベリージャムやアカシアの 実のケーパー、セイヨウカリン入りのケチャップなど、珍しいものばかり。同店の商品は、オンラインショップでも手に入る。

10:00-14:00 / 15:00-19:00 / 土10:00-16:00
※日月祝休み
Osterstr. 18, 20259 Hamburg
最寄駅:U2 Osterstraße
Tel: 040-43280140
www.waldstueck.com

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カフェ&レストラン Cafés & Restaurants

WakuWaku4. ビオのファストフード
 WakuWaku

若年層を中心に食に対する意識が高まっている一方で、「ビオはやや高級」という印象が根強いのも確か。同店は、そんなイメージを払拭し、誰もが気軽にビオ食品に親しめる環境を作るべく、今年4月にオープンしたビオ・ファストフード店。カジュアルモダンな内装が、店名の通りワクワクと心弾ませるデリカフェには、インドカレーからサンドイッチ、スナック、サラダまで、その時々の気分や予算に応じて選べる食べ物がいっぱい!持続可能なファストフード店を目指しているというだけあって、テイクアウト用の器やテーブルナプキンまでリサイクル品を使用する徹底ぶりだ。

8:30-22:00 土10:00-21:00 日11:00-19:00
Dammtorstr. 29-33, 20354 Hamburg
最寄駅:U2 Gänsemarkt
Tel: 040-30997499
www.facebook.com/WakuWakuHamburg


FuH – Ein Raum zum Speisen5. 地元の食材を使った創作フレンチ
 FuH – Ein Raum zum Speisen

「ビオ」や「地元産」のものがブームになる前から、それらを積極的に取り入れてきた創作フレンチ・レストラン。星付きレストランでコック の修行を重ねてきたエーリッヒさんが、味は星付きのレベルを保ちながら、リーズナブルな料理を届けたいとの念願叶って8年前に開いたお店だ。地元の農家を支援するシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の食糧プロジェクトに参加し、気の知れた生産者から食材を仕入れることを心掛けているエーリッヒさんは、ここで日々、旬の厳選食材を使った3つのメニューを提供している。どこか農村の食堂を思い起こさせる、温かみ溢れる雰囲気の中、繊細ながらも素材の旨みが活かされた素朴な料理を楽しめるレストランは、まさに都会のオアシス。

17:30-23:00 日17:00-22:00 ※月火休み
Fischers Allee 42, 22763 Hamburg
最寄駅:S Altona
Tel: 040-3900566
www.restaurant-fuh.de

BioKonditorei Eichel6. 昔ながらのシンプルな焼き菓子
 BioKonditorei Eichel

焼き菓子が大きな発展を遂げた中世には、菓子職人が時間を掛け、経験を重ねてレシピを改良していったもの。しかし今や、製造工程の効率化を図り、よりクリアな風味を出すため、食品添加物や香料、既成のケーキのもとを使うことが通例となっている。そこであえて伝統を見つめ直し、ビオの材料のみで昔ながらの焼き菓子を提供しようと思い立ったのが、5つ星ホテルでパティシエ長を経験した 菓子職人アイヒェルさん。2005年に誕生した北ドイツ初のビオの菓子屋でこれまでに生 み出されたケーキの数は、季節の素材を使った定番の味からヴィーガン用、グルテンフリーのものまで、なんと150種類以上。クッキーやチョコレートなども、原料の甘みが凝縮された「元祖スイーツ」と言える味わいだ。

10:00-19:00  ※月曜休み
Osterstr. 15, 20259 Hamburg
最寄駅:U2 Osterstraße
Tel: 040-43193151
www.biokonditorei-eichel.de

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ショップ Shops

7. アーティストたちの交流の場
 kunst kiosk

kunst kiosk

新聞や雑誌、お菓子、飲み物など、日常のちょっとした買い物をしたり、そこで出会った近所の人と立ち話をしたりするキオスク。それをアートの分野に応用させたのが、ここ「kunst kiosk」だ。同店は、ハンブルクとその周辺地域の若きデザイナーにとって、コストが掛かるギャラリーを使わずとも、自分たちの作品を披露し、デザイナー同士が情報交換できる場となっている。壁の棚の1スペースを借り、そこに自分の作品を置いて販売できるという仕組み。さらに、注目のデザイナーの作品展示スペースも設けられている。商品はアクセサリーから文具、衣服まで様々。ザンクト・パウリという、アーティストが多く、若者に人気のエリアという土地柄、小さな流行発信地となっているよう。

11:00-20:00 ※日曜休み
Paul-Roosen-Str. 5, 22767 Hamburg
最寄駅:U3 St. Pauli
Tel: 040-37429522
www.kunstkiosk-hamburg.de

Thomas Becker –Atelier für Schmuck8. 人と地球に優しいジュエリー
Thomas Becker –Atelier für Schmuck

人は、宝石に究極の美を感じる。しかし、その美が環境破壊や労働者搾取の上に成り 立っているとしたら……。金細工師トーマス・ベッカーさんが大切にしているのは、「緑の金」「フェアな金」を使用すること。つまり、デザイン性や品質に加え、宝石が採掘 過程で環境への負荷を最小限に抑えるよう考慮されたものであるか、その労働環境が 公正と認められたものであるかを重視して いるのだ。工房では、古くなったジュエリーや金歯を使ったリサイクルジュエリーも作られている。特に人気が高いのは、鮮やかな色合いのストーンネックレスや、正確さが要求される精細なデザインのリング。ベッカーさんの確かな技術と独創性は、多くの日本人顧客をも惹き付けている。

10:00-19:00 土10:00-16:00
Grindelhof 45, 20146 Hamburg
最寄駅:U1 Hallerstraße
Tel: 040-44809292
www.tbschmuck.de


Life Thek9. 生活用品のレンタルショップ
Life Thek

所有よりも共有、すなわち「協力的消費(Collaborated Consumption)」という米国発の概念は、モノを大切にする国ドイツで今、急速に浸透している。ハンブルク初のレンタル用品店「LifeThek」では、自転車からチャイルドシート、おもちゃ、アウトドア用品、ガーデニング工具まで、オーナーのフェルトマンさん自身が生活の中で「一定期間は必要だけれど、買うと高いし、保管場所も取られるな」と感じたものを中心に、主に若い世代のニーズに応えるアイテムを取り揃えている。レンタル期間は最長で約3カ月。フェルトマンさんいわく、それ以上使う場合は買う価値があるのだそう。

10:00-18:00 土10:00-14:00 ※日曜は返却のみ可
Daimlerstr. 71c, 22761 Hamburg
最寄駅:S Bahrenfeld
Tel: 040-31992209
http://lifethek.de
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最終更新 Freitag, 04 Oktober 2013 12:25
 

リヒャルト・ワーグナー 生誕200周年

19世紀オペラ界の巨匠リヒャルト・ワーグナー生誕200周年

今年、オペラをはじめ数々の名曲を生み出した、
19世紀を代表する音楽家リヒャルト・ワーグナー
(1813年5月22日-1883年2月13日)の
生誕200周年を祝って、故郷ライプツィヒと
彼自身のための祝祭場がある
バイロイトを中心に各地でイベントが行われている。
バイエルン国王ルートヴィヒ2世や
アドルフ・ヒトラーを心酔させた彼の作品は、音楽を超えた思想。
今なお色あせることなく議論の的になるワーグナーの魅力に、
この機会に触れてみよう。

リヒャルト・ワーグナー 生誕200周年

イベント情報

オペラ恋愛禁制、またはパレルモの修道女
Das Liebesverbot oder Die Novize von Palermo

ワーグナーがまだ指揮者としての修業に身を置いていた21歳のときに作曲したオペラは、シェークスピアの戯曲『尺には尺を』を基にした喜劇。演奏は、ゲヴァントハウス。

2013年9月29日(日)~2014年5月28日(水)
Oper Leipzig
Augustusplatz 12, 04109 Leipzig
www.oper-leipzig.de

オペララインの黄金
Das Rheingold

ワーグナーの代表作は舞台祝祭劇『ニー ベルングの指環』。音楽史上最大規模といわれる4部作のうち、初日に公演される「序夜」に当たるのが、この『ラインの黄金』。

2013年11月30日(土)19:30~
Staatstheater Nürnberg - Opernhaus
Richard-Wagner-Platz 2-10, 90443 Nürnberg
www.staatstheater-nuernberg.de

映画+コンサートワーグナーのサイレント映画を生演奏で楽しむ
Live-Musik zu dem Stummfilm Richard Wagner

1913年に、ワーグナーの生誕100周年を記念して作られたワーグナーの作曲家人生を描いたサイレント映画。今年、100年前の記憶を再びよみがえらせる。

2013年10月6日(日)19:30~
Stadthalle Bayreuth, Großes Haus
Ludwigstraße 31, 95444 Bayreuth
www.wagnerstadt.de

展覧会ターンホイザーの歌合戦の由来
Wie der Tannhäuser zum Sängerkrieg kam

オペラ『タンホイザーとヴァルトブルク の歌合戦』の舞台となった、アイゼナハ郊外にあるヴァルトブルク城(世界遺産) で、このオペラ誕生にまつわる特別展を開催中。

2014年3月31日(月)まで
Wartburg-Stiftung Eisenach
Auf der Wartburg 1, 99817 Eisenach
www.wartburg.de

2013年バイロイト音楽祭レポート 中村真人

筆者は2003年からバイロイト音楽祭のチケットを毎年申し込み続けてきた。「外れても、とにかく送り続けることよ。それが大事」と知人のワグネリアンの方に諭され続けて早10年、今年ついに「当選」の通知が届いた。奇しくもワーグナーの生誕200周年というメモリアルイヤー。その中で一番の注目を集めた「ニーベルングの指環」新演出を体験することができた。

Bayreuth
生誕200年で沸いたバイロイト祝祭劇場

「ニーベルングの指環」は4夜に分けて上演される、音楽史上稀に見る大作だ。記念すべき年の新演出を任されたのは、ベルリンのフォルクスビューネで長年芸術監督を務めるフランク・カストルフ。旧東独出身のカストルフは、指環をめぐる物語を米国やロシアといった超大国による「石油」をめぐる争いに置き換えた。「ラインの黄金」は米国の「ルート66」のガソリンスタンドとモーテル、「ワルキューレ」ではアゼルバイジャンの油田が舞台という具合に。「ジークフリート」の後半では、ベルリンのアレクサンダー広場が登場する。殺伐とした情景の中で、ジークフリートがカーニバルのパレードから飛び出したかのような派手な衣装をまとった森の小鳥と出会うシーンは、とても印象的だった。

ところがその後、「事件」が起こる。ようやく出会ったジークフリートとヒロインのブリュンヒルデが愛の歓喜を歌い上げるのだが、どうもお互いにあまり関心を持っていない様子。しかも、そこになぜか2 匹のワニが現れて、森の小鳥を食べてしまう。何時間も堅い椅子に座って聴き続けてきたワグネリアンにとって、普通ならば一番のカタルシスを味わうシーンだけに、最後の音が鳴り止むと、かつて体験したことのないほどのブーイングが劇場内に飛び交った。

オペラの休憩中、ワーグナー研究家の北川千香子さんにお会いした。北川さんは、2005 年から会場係の仕事をしながらこの音楽祭と関わり続けている。お話 の中で印象に残ったのは、バイロイトに来てすぐの頃に出会ったというクリストフ・シュリンゲンジーフ演出の「パルジファル」のこと。「とても『変な』演出の舞台で、評判も悪かったんです。でも、即興性が豊かで、観る度に違うことが起こる。一体、演出家は何を意図して、あの舞台を作ろうとしたのか考えていったんです」。

北川さんはそれを機に「パルジファル」をテーマとする博士論文を書き上げた。「実験工房」の色が濃いバイロイトにおいて、ブーイングが起こるのはさほど珍しいことではないが、彼女の場合、その強烈な印象が立ち止まって考えるきっかけになったのだ。

最終日「神々の黄昏」の最後では、ニューヨークの証券取引所が目の前に現れた。結局、石油との関連性は不明確なままだったが、カストルフが込めようとしたであろう社会主義国家の理想と挫折、忘却。そして大国間の利権争い。それは、冷戦後の今も根本においてそう変わっていないのではないかと思わせる妙 なリアリティーを残し、幕は閉じられた。

ところで今回、知人のワグネリアンのお孫さん、アダム君がバイロイト音楽祭に「デビュー」を果たした。5歳のアダム君は幕間に、好奇心たっぷりに周囲に 質問を投げ掛け、約6時間の「ジークフリート」を最後まで見通した。舞台だけでなく、聴衆側にも新しい風あり。ワグネリアンはこうして次の世代へと受け継がれてゆく。

ワーグナーの生誕250年の頃には、アダム君は55歳。私は果たして生きているのか微妙な年代だ。その頃、世界はどうなっていて、指環は何に置き換えられているだろう。緑豊かなこぢんまりとしたバイロイトの町で、世の行く末に思いを馳せる。世界の生成と崩壊を描いたワーグナーの芸術には、そんな壮大な思いに至らせる何かがある。

最終更新 Freitag, 12 Juli 2019 13:04
 

ドイツ街めぐり9 エコ&社会派をキーワードにめぐるミュンヘン

ドイツの街めぐり エコ&社会はをキーワードにめぐるミュンヘン

「よく働き、豪快にビールを飲み、
サッカー狂で、オープンカーに乗るのが好き」
──ミュンヘンっ子の特徴を地元の人に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
今、バイエルン王国時代の興隆に
負けず劣らずの好景気に沸くミュンヘンでは、
土地の伝統を重んじる姿勢と、
常に新しいものを求める好奇心が上手く調和している。
そんな街だからこそ、「エコ」や「社会性」といった概念への関心も高く、
日常生活の様々な分野に行き渡っているようだ。
世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」を訪れたならば、
併せて「エコ&社会派」観光はいかが?
(編集部:林 康子)

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食品 Lebensmittel

1.  農場直送販売のチェーン店
Herrmannsdorfer Landwerkstätten

Herrmannsdorfer Landwerkstätten農場直送の新鮮な農産物を販売するホフラーデン(農家直 営店)は、ドイツ各地に存在する。その規模を大きくし、チェーン展開をしているのが「Herrmannsdorfer」。ミュンヘン市内と周辺地域にある12軒の店舗には、肉類から乳製品、パン、ビール、コーヒーまで、伝統的な農法に則って作られたビオ食材が並ぶ。食材はすべて、同市の南東約30km の町グロンにある広大な独自の農場とバイエルン州内80の提携農場から直送されたもの。パンやソーセージ、 惣菜、レトルト食品については原材料名をすべて表示したカタログがあり、買う方も安心だ。ヴィクトゥアリエンマルクト店には、腕利きのシェフが同店お勧めの食材を使って作るランチを堪能できるビストロが併設されている。

9:00-18:30 土8:00-16:00 ※日祝休み
Frauenstr. 6, 80469 München
最寄駅: S / U3、6 Marienplatz
Tel: 089-263525
www.herrmannsdorfer.de

Tushita Teehaus2.  お茶の効能を大切にする
ティーショップ Tushita Teehaus

木の温もりが感じられる明るい店内の壁面ラックに、日本や中国、インドなど、アジアのお茶や急須、湯のみなどがセンスよく置かれている。東洋医学に精通したザンデーさんが、理論を実践に移したいと考え、オープンしたティーショップ兼サロンは今年で5年目。自然栽培を行っている各地の小規模農家から直接取り寄せているお茶は、約150種類に上る。「お茶は、味はもとより、その効能がより大事」と語るザンデーさんが、天候や体調、ゲストの気分に合わせて飲む べきお茶をアドバイスしている。サロンではお茶と共に、その日の天 候に合わせて1品だけ作られるヴィーガン料理のほか、純植物性の砂 糖を使ったグルテンフリーのケーキやデザートが味わえる。

9:00-20:00 土10:00-20:00 ※日祝休み
Klenzestr. 53, 80469 München
最寄駅:U1、2、7 Fraunhoferstraße
Tel: 089-18975594
http://tushita.eu


3. オンラインショップから始まったヴィーガン専門店
  radix – Einkaufsmarkt

radix – Einkaufsmarktドイツ国内初のヴィーガン専門オンラインショップとして「radix」 が誕生したのは1997年のこと。年々高まっていた「お店があったら……」との声に応える形で2008年、食料品から書籍、コスメ、洗剤、服、靴まで、約5000点のヴィーガン関連商品を扱うお店がオープンした。環境科学者である店長アンドレさんの理想は、営利主義一辺倒から脱却し、健康と環境保護を両軸に据えた持続 可能な消費生活。それを実現すべく、販売品にアレルギー性物質の有無を示すマークを付けるなどの工夫を施している。毎週土曜には、毎回1つの食品を取り上げて試食&説明会を開催。

9:30-20:00 土9:30-16:00 ※日祝休み
Thalkirchner Str. 88, 80337 München
最寄駅:U3、6 Goetheplatz
Tel: 089-12477811
www.radixversand.de

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カフェ&レストラン Cafés & Restaurants

PAVESI PICNIC4. 健康と地球環境のことを考えた食事を
 PAVESI PICNIC.

ミュンヘン有数の人気ストリート、テュルケン通 りにあるビオ・レストラン。オーナーのヘルレさんが、「良い1日は美味しい食事から」というポリシーに則り、アユールヴェーダ料理を中心に「メイン=肉、付け合せ=野菜」のパターンを逆転させた無添加料理を考案、提供している。「世界に通用する料理に近付けたい」と語るヘルレさん。そこに込められているのは、ただ単に一流の味を目指すのではなく、健康や自然環境など、地球全 体にとって最適な食事をできるだけ多くの人々に届けたいという想い。だからこそ、手の込んだ料理もリーズナブルな価格に設定し、テイクアウト用のパッケージも燃やすとエネルギーに変わる素材を使うなど、徹底してエコにこだわっている。

10:00-20:00 土10:00-18:00 ※日祝休み
Türkenstr. 61, 80799 München
最寄駅:U3、6 Universität
Tel: 089-23545045
www.pavesipicnic.de


5. 若者を支援する職業訓練レストラン
 Roecklplatz – Das Ausbildungsrestauran

Das Ausbildungsrestauran

家庭や生活環境に問題を抱えるなど、社会的に不利な立場に置かれている若者たちにとって、職業生活 に入るきっかけを掴むのはとても難しいこと。このレストランは、そんな若者たちに職業訓練の機会を提供することで、彼らの持つ個性や潜在能力を引き出すべく活動するミュンヘンの青年支援団体「hdkj e.V.」と、その主旨に賛同した現オーナーのフォルスターさんが2008年に立ち上げた社会プロジェクトだ。社会教育学者とトレーナーによる指導の下、常時10人の職業訓練生が調理や給仕の仕事に携わっている。高級感溢れる店内、心配りの行き届い たサービス、洗練された創作モダン料理の三重奏がお腹も心も満たしてくれる場所。晴れた日は開放感溢れるテラス席が人気。

17:30-01:00  ※日祝休み
Isartalstr. 26, 80469 München
最寄駅:U3、6 Goetheplatz
Tel: 089-45217129
www.roecklplatz.de

Biergarten am Muffatwerk6. ビオ・ビールが飲めるビアガーデン
 Biergarten am Muffatwerk

イザール川沿いの一大きなイベント施設 「Muffatwerk」に併設されている、ミュンヘン市内で唯一、エコ認証を受けているビアガーデン。定番のホフブロイハイスやバイ エルン州ノイマルクトのラムズブロイ醸造所 (Lammsbräu)のビオ・ビールをはじめ、コーヒーなどその他のドリンク、そしてサラダやソーセージ、シュニッツェルまで、ビールのお供に欠かせないメニューもオーガニック食材で揃えている。中でもお勧めなのが、1日に何度も入荷してはすぐに売り切れる焼き立ての巨大ブレッツェル。外は香ばしく、中はほわっとやわらかく、思わず頬が緩む絶品だ。天気の良い日は毎日夜遅くまで営業しているので、夏場はイザール川でひと泳ぎしてから喉を潤しに立ち寄る人が多いとか。

12:00~ ※悪天候の日は休み
Zellstr. 4, 81667 München
最寄駅:S Isartor / Rosenheimerplatz
Tel: 089-45875073
www.muffatwerk.de/de/pages/biergarten

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ショップ Shops

7. 布おむつクリーニングを提供するベビー用品店
 Natur & Kind – Windelservice München

Natur & Kind

紙おむつの環境への負荷が懸念される中、エコな布おむつが再注目されている。そこに目を付けたのが、このベビー用品店。お店へ出向かなくても、同店のスタッフが自宅まで1週間に一度、使用した布おむつと洗濯された おむつを交換しに来てくれる「布おむつクリーニング・サービス」を行っているのだ。この試みはミュンヘン初。布おむつには購入時に番号が振られるので、ほかの赤ちゃんのものと混同される心配もない。その他、店内にはオーガニックコットン製のベビー服や赤ちゃんの体に有害な物質を一切使っていないベビーカー、おもちゃなど、ここにしかない商品がたくさん。

10:00-19:00 土10:00-16:00 ※日祝休み Plinganserstr. 6, 81369 München
(Am Stemmerhof)
最寄駅:S3、6 Implertraße
Tel: 089-12022897
www.windelservice-muenchen.de

Veganista8. ヴィーガン・ファッション
Veganista

ヴィーガニズムを実践できるのは、食事だけじゃない!身に着けるものにも自然・動物保護の観念を取り入れたいと考えたヴィーガン、レーヘル・ゴルトナーさんが昨年オープンしたばかりのコンセプトストアには、流行を抑えつつも、いつの時代も色褪せない、ファッション性の高い服や靴、アクセサリーが揃う。そのほとんどが、厳格なオーガニック・テキスタイル基準であるGOTS の認証を受けたものや、フェアトレードを採用しているのだそう。中には、消防用ホースをリサイクルしたバッグやベルトなど、ユニークなアイテムも。ショッピングの合間や後には、お店の窓際のソファに座って豆乳カプチーノやゴルトナーさんお手製のスイーツをいただくことができる。

11:00-19:00 土11:00-16:00 ※日祝休み
Barer Str. 36, 80333 München
最寄駅:U 3、4、5、6 Odeonsplatz
Tel: 089-95444895
http://veganista-muc.de


Vier Werkstätten9. 地元デザイナーによるアイテムが満載
Vier Werkstätten

子どもを持つ4人の女性が家事や子育てをしながらでも経営できるよう共同で始めたという、その名も「4つの工房」。広々とした店内に、和紙からフェルト小物、 文具、キッチン用品、照明インテリア、テーブル、食器、衣服、靴まで、実に様々 なアイテムが並ぶ。大の日本好きである現在のオーナー、トラクスラーさんいわく、「美しい和紙を売り始めたら、はさみが必要だと思って、上質なはさみを置いたの。そして、そのはさみを作る会社が包丁も扱っていると知って……」という具合に品数が増えていったのだとか。商品の多くは彼女自身のほか、ミュンヘ ンと近郊のデザイナーが手掛けたもの。どれも、大量生産品にはない、デザイナー の心意気が伝わる作品ばかりだ。

11:00-19:00 土11:00-16:00 ※日祝休み
Fraunhoferstr. 20, 80469 München
最寄駅:U1、2、7 Fraunhoferstraße
Tel: 089-20244140


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ガウティンガーホーフ美門食料品店炉端居酒屋

最終更新 Freitag, 20 September 2013 16:29
 

ドイツワインの魅力を再発見!

ドイツワインの魅力を再発見!

ぶどうを育て、最高の一滴を得る。ドイツのワイン生産者たちは、ぶどう栽培には厳しい気候の中で豊かなワイン文化を育んできた。ワイン用ぶどうの総栽培面積は、約10万ヘクタール。この中に13の生産地域を抱え、それぞれに個性的なワインを生み出している。生産量に限りがあるため、国外にはなかなか出回らない最上級のワインは、ドイツでこそ知りえる極上の味。進化を続けるこの国のワインの本当の魅力にひとたび出会えば、あなたもドイツワインの虜に……。
(編集部:高橋 萌)

ドイツワインの産地マップ

13地域のワイン生産量

  • 01アール Ahr

    アール生産量:5万2051hl

    赤ワインの楽園

    約560ヘクタール、国内最小のワイン生産地域アールは、ドイツの赤ワイン生産の最前線。
    主なぶどうの品種
    ● シュペートブルグンダー
    ● フリューブルグンダー
    ● ポルトギーザー
    www.ahrwein.de
  • 02モーゼル Mosel

    モーゼル生産量:132万7959hl

    ドイツ最古のワイン生産地域

    モーゼル川、ザール川とルーヴァー川流域に広がるこの地域は、高級ワインの産地としても知られる。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● エルブリング
    www.ahrwein.de
  • 03ミュテルライン Mittelrhein

    ミュテルライン生産量:3万5997hl

    ロマンティックな景観と
    ワインを楽しむ

    世界遺産に登録されているライン川中流域では、白ワイン、特にリースリングの生産が盛ん。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング 
    ● ケルナー ● ミュラー・トゥルガウ
    www.mittelrhein-wein.com
  • 04ラインガウ Rheingau

    ラインガウ生産量:22万8381hl

    リースリングの里

    リースリングの原産地とも言われる ラインガウは、高級ワインの産地と して世界にその名を轟かしている。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● シュペートブルグンダー
    www.kulturland-rheingau.de
  • 05ナーエ Nahe

    ナーエ生産量:27万hl

    ドイツ南西部の宝石

    ナーエ川とその支流に広がるこの 地域は、変化に富んだ土壌が多彩 な味わいのワインを生み出す。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● ケルナー
    www.weinland-nahe.de
  • 04ラインヘッセン Rheinhessen

    ラインヘッセン生産量:265万8417hl

    ドイツ最大のワイン生産地域

    リースリングの原産地とも言われる ラインガウは、高級ワインの産地と して世界にその名を轟かしている。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● シルヴァーナー
    ● シュペートブルグンダー
    www.rheinhessenwein.de
  • 07プファルツ Pfalz

    プファルツ生産量:174万1720hl

    ドイツワイン街道が通る地域

    ワインの生産と共に豊かな食文化も発展した地域。ワイン街道沿いでは、ワイン祭りも多数開催。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● ケルナー
    www.pfalz.de
  • 04ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ Hessische Bergstrasse

    ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ生産量:265万8417hl

    一番早く春が訪れる
    ドイツワインの産地

    オーデンの森に隣接するこの地域は「ワインと花の街」ベンスハイムを中心に、温暖な気候。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● シュペートブルグンダー
    www.bergstraesser-wein.de
  • 09バーデン Baden

    バーデン生産量:136万9403hl

    全長400キロ、ワイン三昧

    ドイツ最南端、「ブルグンダー種の名産地」として知られ、赤ワイン用ぶどうの栽培面積は国内最大。
    主なぶどうの品種
    ● シュペートブルグンダー
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● リースリング
    www.badischerwein.de
  • 10ヴュルテンベルク
    Württemberg

    ヴュルテンベルク生産量:99万7076hl

    赤ワインの故郷

    ネッカー川とその支流、ボーデン湖沿いに広がるドイツ最大の赤ワインの産地。
    主なぶどうの品種
    ● トロリンガー
    ● ザムトロート
    ● フリューブルグンダー
    www.wwg.de
  • 11フランケン Franken

    フランケン生産量:35万8688hl

    ボックスボイテルが特徴的

    ボックスボイテルと呼ばれる特徴的なボトルに入った上質な白ワインが世界のワイン通を唸らせる。
    ボックスボイテル※撮影協力:デュッセルドルフの
    「D'VINE Restaurant & Weinbar」

    主なぶどうの品種
    ● シルヴァーナー
    ● リースリング
    ● バフース
    www.frankenwein-aktuell.de
  • 12ザーレ・ウンストルート
    Saale-Unstrut

    ザーレ・ウンストルート生産量:5万5300hl

    1000年の歴史を誇る
    ワイン文化

    ザーレ川とウンストルート川流域では、およそ1000年前からぶどう園が存在したと文献にある。
    主なぶどうの品種
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● シルヴァーナー
    ● リースリング
    www.natuerlich-saale-unstrut.de
  • 13ザクセン Sachsen

    ザクセン生産量:2万3425hl

    ドイツ最北のワイン産地

    エルベ川沿いの斜面にワイン畑が広がる。陶磁器で知られるマイセンが、当地のワイン発祥の地。
    主なぶどうの品種
    ● ミュラー・トゥルガウ 
    ● リースリング
    ● ヴァイス&グラウブルグンダー
    www.badischerwein.de


ドイツワインを楽しむためのキーワード

エチケット(ラベル)は、ワインの履歴書のようなもの。エチケットを読み解けば、産地や生産者、ぶどうの品種や味の傾向、品質等級など、ワインボトルに詰まったこだわりが一目瞭然!

代表的なドイツワインの種類

Weisswein
白ワイン
ロートリンク Rotling
ロートリンク
赤ぶどうと白ワインを圧搾して造る
赤ワイン Rotwein
赤ワイン
白ワイン Perlwein
パールワイン
ワインに炭酸ガスを注入したワイン
白ワイン Roséwein / Weissherbst
ロゼワイン
白ワイン Sekt
ゼクト
スパークリングワイン
秋限定! Federweißer
フェダーヴァイサー
ワインになる前の発酵途中の飲み物

品質等級

品質等級

味の傾向

Trocken 辛口
Halbtrocken / Feinherb 中辛口
Lieblich / Halbsüß やや甘口
Süß 甘口

その他、特別な表記

Classic 辛口ワイン(Prädikatswein)
Selection 最高級辛口ワイン(同上)
Großes Gewächs / Erstes Gewächs /Erste Lage 
一級畑から造られるワイン

極上のワインと出会う

特別な日にはちょっと奮発して、最高級のワインを味わってみませんか?
老舗ワイナリーのみならず、若手醸造家の台頭著しいドイツで高い評価を受けた、
今まさに旬のワインの探し方。

品評会で賞を受賞したワインを検索!

州単位での品評会で評価され、ドイツ全国品評会で金・銀・銅を受賞したワインを検索。
ワインの種類、産地、ヴィンテージなど、細かく検索条件を設定できる。
www.wein.de/2013weine.0.html

ゴー・ミヨのドイツワインガイド2013をチェック!

グルメ雑誌として知られるゴー・ミヨが毎年出版しているガイド「Gault&Millau WeinGuide Deutschland」。最高評価の「5房」を獲得すると、世界トップレベルのワイナリーと認められる。ドイツでは、モーゼルのエゴン・ミュラー醸造所、ラインガウのロバート・ヴァイル醸造所など、およそ10の醸造所が「5房」の評価を得ている。2013年の醸造者賞は、Weingut Dr.Hegerのヨアヒム・ヘーガー氏が受賞。
http://gaultmillau.de/weinguide

ワイナリーと出会う

ドイツ各地で開催されるワイン祭りや、ワイナリー が主催するオープンデーに参加すると、造り手と一緒にワインを選べ、希少なワインと出会える確率も高い。宿泊施設を提供している醸造所でのワイナリーステイも特別な体験に……。
※下記サイト内で、キーワード「ワイン祭り」を検索
www.germany.travel/jp

シュトラオホ一家の伝統と革新、生み出す極上の味
Weingut & Sektkellerei Dalbergerhof Strauch

ラインヘッセンの南に位置するヴォンネガウに、1545年から続く醸造所「ダールベルガーホーフ・シュトラオホ」がある。ここは、日照時間が年に1600時間と温暖な気候に恵まれ、国内でも特に多種多様なワインが造られることで知られている地域。その景観の美しさは、英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』でも雄弁に語られている。

1. すべての畑がオーガニック農法。丁寧にぶどうを育てる
2. シュトラオホ一家は、ワイン醸造と経営のエキスパート集団
3. 静かに出荷のときを待つワイン
4. バリック(木樽)の中で、ワインを熟成

伝統と革新は家族の絆で守られる

「ミルクとハチミツが流れる地」という異名を持つほど豊かな大地に、17ヘクタールのぶどう畑を所有するシュトラオホ一家は、 力強いボディーの本格的な赤ワインを生み出すカベルネ・ソー ヴィニヨン、メルロー、レゲント、アコロンなどの品種のみならず、すっきり辛口の白ワインに最適なリースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、グラウ・ブルグンダーなどの品種を、オーガニック農法で栽培。ワインとゼクト、高級ブランデーを生産し、 品評会受賞の名ワインを多数生み出している。  

現在の当主であるハインフリート&ドリス夫妻は、「私たちは、確固たる信念を持って家族経営を続けています。祖父も孫も、世代を超えて1つのチームとして結束し、お互いに足りないものを補い合い、学び合うことの大切さを知っています」と、3世代、9人の家族が醸造所で重要な役割を担っていることを誇りに思っている。

ストーリーのあるワイン

老舗の伝統と職人の技を守りつつ、最新の技術や手法も積極的に取り入れ、ワイナリーの個の魅力を持つワインを造る。中でも、プレミアムブランド「Kurfürst von Dalberg」は、バリック(ワイン用木樽)でワインを熟成させ、特別な味を引き出している。熟成させる場所は、外部の影響を遮断するために作られた50㎡のピラミッドの中というこだわりよう。  

「各ヴィンテージに歴史と個性があり、『ストーリー』があります。そして我々の哲学、家族の絆が、そのストーリーにさらなる深みを与え、ワインを特別なものにしていると信じています」。 ボトルには、シュトラオホ家の情熱が詰まっている。

おすすめのワイン

2011 Plateau Gewürztraminer süß Kurfürst von Dalberg
(Mundus Vini BioFACH 金賞受賞 2013年2月)

2011 Plateau Gewürztraminer süß Kurfürst von Dalberg ゲヴュルツトラミネール(白ぶどう品種)の甘さを楽しむ、特別なワイン体験。明るいゴールドに輝く白ワインから立ち上る、甘い果実味と ローズの香りを存分にお楽しみください。1本10ユーロ。
※8-10℃でお飲みください。

Kurfürst von Dalberg
Weingut & Sektkellerei Dalbergerhof Strauch

Dalbergstr. 14-18, 67574 Osthofen
Tel: 06242- 91 300 0
Fax: 06242- 91 300 20
www.dalbergerhof.de

ワイナリー直営店
Kurfürst von Dalberg
Weinhaus Weinfinde
Bismarckstr. 90, 20253 Hamburg
Tel: 040-54801199 
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
※電話、メールは日本語対応

ドイツワインの魅力とは?日本窓口: クラインハーペル美穂さん
実は、こうしてドイツワインのお仕事を手伝わせていただく前までは、スペインワインのファンだったんです。しかし、ドイツワインの繊細さや、ドイツ人の職人気質から来るこだわりに触れ、1つひとつのワインに思い入れがあり、歴史があることを、ダーベルガーホフのワイナリーの主人や家族を通して知りました。ワインの奥深さ、面白さを日々実感しています。愛情を込めて造り上げている様子が、飲んでいても伝わってくるのがドイツワインの魅力だと思います。

ドイツでワイン造りに挑む日本人ワイナリスト
HIDE'S WINE"639" の浅野秀樹さん

ドイツでワイン造りに挑む日本人ワイナリスト

1. 完熟したリースリングは、すべて手作業で収穫する
2. 639を生み出す1ヘクタールの畑
3. HIDE'S WINE"639" の浅野秀樹さん

リースリング── それはドイツワイン界が世界に誇る白ぶどう品種。世界的に見れば決して広くはないドイツのワイン用ぶどうの栽培面積の中で、世界のリースリングの約60%が栽培されていると言う。ひと口に「リースリング」と言っても、その味わいは多彩で、栽培地域の特色、造り手の個性がダイナミックに味わいに影響を及ぼす。そんな繊細で奥深いリースリングの魅力に、どっぷりはまったのが浅野秀樹さん。  

ニアシュタイン村
ニアシュタイン村

浅野さんがオリジナルワインを造っているのは、ラインヘッセンのニアシュタインという村。知る人ぞ知る、リースリング の名産地だ。世界最高級のリースリングを生み出す当地の1級畑「ヒッピング」に、1ヘクタールのぶどう畑を借りている。

神の域を超えないワイン造り

2001年に渡独した浅野さんは、ドイツの栽培・醸造学校を卒業後、2005年にHIDE'S WINE"639" を立ち上げた。自然 と調和するライフスタイルのあり方を求めて、シーカヤックでの遠征など、アウトドアに情熱を傾けていた浅野さんが、ワイン造りと出会ったのは必然のことだったのか、浅野さんに最高のリースリングの造り方を伝授し、惜しげもなく畑の一等地を貸してくれたバルター・シュトゥルブ氏(Weingut STRUB)との縁が運命だったのか、ライン川沿いのこの地で、天職を見付けた。  

ステンレスタンクで熟成中
ステンレスタンクで熟成中

浅野さんが目指すワイン造りとは、「神の域を超えない」もの。 「639を飲むと、ニアシュタインの気候が分かる、そんなワインになると良い」と、自然の力を信じたワイン造りを実践。だか ら、毎年味が変化することもいとわない。「造り手ができること は、ぶどうのポテンシャルを引き出すことだけ」と、ぶどうが育った背景、 気候がそのまま味わいとして表現されるようなワインを生み出す。  

「639は、もちろん僕1人で造ってるわけではなく、スタッフや畑を手伝いに来てくれるたくさんの人の手が掛かっています。大多数の人は、好きで畑仕事を手伝ってくれている。彼らの気持ち、モチベーションの高さが、ワインにも影響を与えていると思います」。究極の1杯ではなく、その年の精一杯を求める誠実な手仕事が、ワインの味を決定付ける。

ドイツワインの現在地

ステンレスタンクで熟成中
タンクがある地下へ続く扉

10年以上ドイツのワイン界に身を置いている浅野さん自身、ここ数年のドイツワインを取り巻く変化を感じている。まず、「気候が良くなって、糖度の高いぶどうが収穫できるようになってきました。だから、辛口でも美味しいワインが造れる」と、環境の変化が1つ。そして、「現代の豊かなライフスタイルの中で育った若い醸造家たちが、ワインにも豊かさを求めるようになってきた」。彼らが、質の高い個性的なワインをドイツで次々に生み出し、小さな革命を起こしている。

おすすめのワイン

2011 Hide’s Wine 639SF
正式名 Niersteiner Hipping Riesling Spätlese feinherb

2011 Hide’s Wine 639SF2011年産の639(写真右)。世界の市場を動かすワイン評論家ロバート・バーカー氏からも高評価を得た。深いコクと豊かな果実味、ニアシュタインの気候が生み出す豊かなリースリングの味わいが広がる。

HIDE`S WINE639
HIDEKI ASANO c/o Weingut STRUB

Rheinstr. 42, 55283 Nierstein
Tel: 06133-573086
www.hide-wine.com 
facebook.com/wine639

最終更新 Freitag, 12 Juli 2019 14:50
 

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