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ロベルト・ツォリチュ

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ロベルト・ツォリチュ Dr. Robert Zollitsch
1938年8月9日、当時のセルビア王国ボイボジナ地方フィリポヴォ(Filipovo)生まれ。フライブルク教区の大司教。今月18日からドイツ司教会議を率いる。
写真 ©A3609 Daniel Larmann/DPA/PA Photos

先ごろドイツ司教会議の新代表に選ばれ、独カトリック3000万人の信徒を率いる指導者になった。健康上から辞任した前代表、カール・レーマン枢機卿からの若返りはわずか2歳。世代交代は成らなかったが、前任者以上にリベラルな聖職者だといわれている。

1919年までオーストリア=ハンガリー帝国領だった多民族混住の地で、38年にドイツ人の両親から生まれた。6歳だった44年、ユーゴスラビア民族解放軍によるドイツ人強制収容と集団虐殺を目撃し、戦後、生き残った祖母とともに先祖の地バーデン=ヴュルテンベルク州へ避難。少ない親族が寄り添うなかで、互いを労わる優しさを身につけた。

フライブルク大学とミュンヘン大学でカトリック神学を学び、65年に司祭就任。以後ドイツで2番目に大きいフライブルク大司教区の神学生寮長、人事部長を務めてきた。しかし、不言実行だが目立たないタイプだったので、2003年に前法王ヨハネ=パウロ2世から同区の大司教位を付与されたときは、周囲に驚きが走ったという。

ドイツ司教会議の代表となったいま、さっそく仕事人の信号を送っている。「キリスト教徒のつながりは宗派を超える」と全キリスト教会一致の考えを示し、「司祭の独身制は任意と解釈する」として司祭不足の解決を意図。「イスラム教徒にはドイツでモスクを建てる権利がある」とも。ただし「イスラム国もキリスト教徒に同じ自由を与えるべき」と追加することを忘れない。さて、バチカンはどう出るだろうか。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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